OmmyOmbourneさんの映画レビュー・感想・評価

OmmyOmbourne

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全員切腹(2021年製作の映画)

3.6

窪塚洋介氏演じる浪人が井戸に毒を入れて疫病を広めたという無実の罪で切腹を命じられる『狼煙が呼ぶ』『破壊の日』に続く狼蘇山3部作のラストの映画である。
前2本に関しては利権まみれのオリンピック、全てがし
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狼煙が呼ぶ(2019年製作の映画)

3.4

劇場のスピーカーから身体まで響く切腹ピストルズの太鼓の重低音に恐れ慄きつつ、霧の立ち込む静かな森の長い階段を登って浅野忠信氏などむさ苦しい仲間の男たちが待っている狼蘇山神社に向かう渋川清彦氏が見られる>>続きを読む

最強殺し屋伝説国岡 完全版(2021年製作の映画)

4.0

京都在住23歳男性、すご腕の殺し屋の暮らしと仕事の日々を追うモキュメンタリー映画だ。
カタギではない殺し屋を非情なやくざ者というよりもフリーターとかフリーランスのクリエイターに近い者と捉えて、モラトリ
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べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

3.8

鶯谷に住むモラトリアム系ガールズコメディ×殺し屋クライム本格アクション映画
監督作の殺し屋モキュメンタリー『最強殺し屋伝説国岡』の要素がそのまま進化して華のある画面になり、エンタメが詰まった完成度の高
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月夜釜合戦(2018年製作の映画)

3.7

白塗りの芸人おやじに盗まれたやくざの釜を巡り、街中の釜が高騰していく『釜泥』という落語を基にした労働者、立ちんぼ、アジテーター、ヤクザといったアウトサイダーたちの一波乱を描いた話と、その全ては大手ゼネ>>続きを読む

クラッシュ 4K無修正版(1996年製作の映画)

3.5

自動車事故により何針も縫うような怪我をすることは破壊ではなく生産であり、性的な開放であると捉える人たち、つまりスリルで欲求不満を解消するフェティシストの世界に、主人公のCMディレクターが不慮の事故の後>>続きを読む

由宇子の天秤(2020年製作の映画)

4.5

話も役者も演出も撮り方も、もう全てが2時間32分の間ずっと惹きつけ、不自然さは一切無い人間を見せてきてすごかった。
人間は家族と呼べるコミュニティを守るためなら善と悪の両方を孕む矛盾があるという、やる
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三眼ノ村 輪廻の章(2008年製作の映画)

3.4

話はパノーの不貞が暴かれてから、タが高校の同級生と再会するまでどうしていたかというタの一家の崩壊を描くものであり、前作の補完である。

伝えたいことは前作と同じで仏教に根ざしている。
物事は万物流転、
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三眼ノ村 黒魔術の章(2005年製作の映画)

3.5

かつて高校の同級生だった大学生グループが高校以来に再会した友人:タとその義母であり不貞を働いたことで彼らにこらしめられた魔性の女教師:パノーを鍵に黒魔術の怨念に巻き込まれていくホラー映画である。

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屋敷女 ノーカット 完全版(2007年製作の映画)

3.8

最終的には母となりたい女ふたりが殺し合い、そして、彼女らがとんでもなくしぶといことが特徴の一軒家だけを舞台にしたゴア映画。
母は強しと言うが、ここまでか。
恐怖はもちろんのこと、新しい命への執着を強く
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人肉村(2020年製作の映画)

2.4

人肉村という邦題だが決して村では無い。
一家しかいない。

車が事故って犯罪に巻き込まれるという古のホラーのテンプレートから始まり、それ以降も頼みの綱だったレッカー車は敵の兄貴が呼んでいたやつなのでグ
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アミューズメント・パーク(1973年製作の映画)

3.6

ルーテル教会のお仕事でジョージ・A・ロメロ監督が作った教育映画であり、話としては今回の上映にあわせて書かれたあらすじ通り『遊園地で老人が大変な目に遭う』だけの寓話である。
ちなみにFilmarksのM
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ゼイリブ(1988年製作の映画)

4.2

くそダサいサングラスをかければ宇宙人現る。
サングラスをかけるかかけないかでやたらガタイのいい男が6分半のプロレスを行うナンセンスさが素晴らしい。

そして白地にゴシック体で「OBEY」などの率直に消
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マーティン/呪われた吸血少年(1978年製作の映画)

4.0

ゾンビ映画の定石となった傑作『ゾンビ』の1作前のジョージ・A・ロメロ監督作である。
吸血鬼の恐怖映画の体裁を取りながらも、それを不条理として否定しながら、強い思い込みで血を欲して女を襲う屈折した青年の
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荒野の千鳥足(1971年製作の映画)

4.1

『ランボー』の監督によるオーストラリアのブロークンヒル、ヤバという街を舞台にしたアメリカン・ニューシネマである。
ヤバにいるおっさんたちは全員しぶといし、おせっかいで相手の話を聞かない。
田舎に飛ばさ
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バトル・ロワイアル(2000年製作の映画)

3.2

人間同士のスリルや、すぐ血が噴き出すようなわかりやすい残酷描写が何かと背伸びしたい中高生にうってつけのクスリであるデスゲームもの。

漫画だと『神さまの言うとおり』が当たって映画にもなって、7年前あた
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てなもんやコネクション(1990年製作の映画)

4.0

山本政志監督特集脳天映画祭@下北沢トリウッドで、これにて今回フィルムからデジタルリマスターされた作品は全て見られた。

だから先に『アトランタ・ブギ』や『リムジンドライブ』を見ており、それらと同じよう
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シクロ(1995年製作の映画)

3.8

ベトナムを舞台にシクロ乗りの貧乏な少年とその姉、女将とその息子、元締の詩人という名のやくざ者を主要な登場人物としたヌーヴェルヴァーグ的でありつつも、耽美な雰囲気もあり、それがわかりやすく退廃的にまとま>>続きを読む

殺人ブルドーザー(1974年製作の映画)

2.2

邦題が『殺人ブルドーザー』で原題も『キルドーザー』というなんのひねりもない題名の出落ちがおもしろい、隕石の力で人知れず動き出すブルドーザーが6人の土木作業員のおっさんを襲ってくるパニック映画。

テレ
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ジャンクフード(1998年製作の映画)

3.8

脳天映画祭にて見た山本政志監督の1998年公開の映画。

90年代の『聖テロリズム』や『闇のカーニバル』という印象だった。
娯楽作の趣だった『アトランタ・ブギ』を経て1周回ってきたような感じだ。

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ある優しき殺人者の記録(2014年製作の映画)

3.0

新文芸坐オールナイト「一晩全部で4カット! 幻惑!ワンカットムービー ナイト」で見た。

ドキュメントカメラマンの記録という設定でのワンカット撮影で、韓国ノワールの雰囲気と闇ドラゴンボール的な感じで世
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ヴィクトリア(2015年製作の映画)

3.7

新文芸坐オールナイト「一晩全部で4カット! 幻惑!ワンカットムービー ナイト」で見た。

『俺たちに明日はない』のような典型的なカップル犯罪者のクライムサスペンス映画だが、もちろん特筆すべきはワンカッ
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エルミタージュ幻想(2002年製作の映画)

4.0

新文芸坐オールナイト「一晩全部で4カット! 幻惑!ワンカットムービー ナイト」で見た。

最後に美術館の出口の扉を開けた時、題名に対して大きく頷く体験をした。
ソラリスの上に成り立ち、華やかに荘厳に見
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アイスと雨音(2017年製作の映画)

2.7

新文芸坐オールナイト「一晩全部で4カット! 幻惑!ワンカットムービー ナイト」で見た。

望んでいる客のいない舞台を劇場でやろうとするエゴ、幼すぎるパッションがただのファッションにしか見えない演出なの
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騙し絵の牙(2021年製作の映画)

3.4

ポーカーフェイスはかっこよく見えるというベタなことだが、テンポ良くエンタメとして素直におもしろい。
企業ものということで、精神的な面では商業主義に傾けなければならないので、(そもそも映画など商業に根ざ
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桐島、部活やめるってよ(2012年製作の映画)

3.6

観客にとって劇中の誰かには当てはまるだろうという人が多そうな共学高校におけるスクールカーストの普遍的環境が多少演劇的に誇張して描かれている映画だった。

というか、この映画に共感を持ち愛着が湧く人は劇
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リムジンドライブ(2000年製作の映画)

3.7

『コマンドー』がシュワちゃんのためにある映画がごとく、『リムジンドライブ』はTMスティーヴンスのためにある映画だと感じた。

TMスティーヴンス演じる超ファンキーで大柄でかっこ良くチャーミングだが、音
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アトランタ・ブギ ATLANTA BOOGIE(1996年製作の映画)

3.6

やくざな雰囲気の女主人公や多国籍な不法滞在者の住まう民泊、地味に町田町蔵っぽい役の塚本晋也、運動会といった『ロビンソンの庭』の序盤でも見られた要素を拡大して、『熊楠』でコネを持ったアミューズの所属芸能>>続きを読む

リアリズムの宿(2003年製作の映画)

4.0

初対面のモラトリアム男ふたりで鳥取をがっかり旅行する映画。

初っ端から待ち合わせにひとり現れないとか、宿の予約を取っていないとか、いわゆる大人としてはダメな部分が存分に発揮されており、互いにそういう
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ウォーターボーイズ(2001年製作の映画)

3.6

シンクロナイズドスイミングという未知の領域に不条理にも飛び込む羽目になってしまった男の子たちのベタな青春コメディ映画である。

気弱な男の子たちが、飄々とした大人たちの冗談のようにも見えるやり取りに巻
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VIDEOPHOBIA(2019年製作の映画)

4.0

ビデオ恐怖症という題の通りで、リベンジポルノという現代の不条理と、それによる精神分裂から、誇大妄想のようにも映された別人を演じて生きていきたいという思いを、静かな凶気として見せる安部公房の小説のような>>続きを読む

超擬態人間(2018年製作の映画)

3.2

開始40分ぐらいまでは父親と子の虐待によるトラウマ、結婚式に向かう土木屋の薄っぺらい反政府主義者の新郎と大企業の令嬢に見える新婦とその父親とプランナー、森の中の研究施設といった謎の積み重ねであり、それ>>続きを読む

狂覗(2017年製作の映画)

3.3

中学校の先生とかけて、彼らが生徒のいないところで教室に入って持ち物検査をすることを問き「きょうし」と呼ぶ。

人生を上手く立ち回りたいがために、人間を管理して支配しようとする人間は歴史を紐解いても経験
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漂流者(2018年製作の映画)

3.0

逃亡する男女ふたりが主人公のクライム・サスペンスの習作のような、役者の演技のサンプル映像みたいな印象の短編映画であった。

ばくばくと飯を食らう食卓で人殺しの息子に

「あんたが捕まるのは見たくないか
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アルクニ物語(2012年製作の映画)

3.3

2011年に震災があった時、コンビニから食品が無くなったことから発想され、ノリノリで脚本を書き上げた感じが伝わってきた密室ディストピア短編映画。

スタジオに閉じ込められるため、舞台がそこからずっと変
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熊楠・KUMAGUSU(1991年製作の映画)

4.1

町田町蔵が演じる南方熊楠の、無頼なおかしさと知的なかっこよさを含んだ感じがハマりまくっている。

台詞だと、
「日本語喋れるんか。てっきりフランス語喋るんかと思っていたわ」

「植物は花になる頃には命
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