マッチョな価値観で誰かを苦しめるのはもちろん、苦しめられてきた人がいざ人のうえに立ったらマッチョな価値観を振りまわすのも終わりにしませんか?というのが、この映画のメッセージだと思います。
たとえば、>>続きを読む
男女関係のあり方について考えさせられる面白い映画。男が女を引っ張っていくというマッチョな価値観に対する、秀逸な批評眼が際立つ内容。
女は男に従順であるのが当然とされていた時代を描いた良作。ラストの叫びは、今でも通じる訴求力があると思います。奥行きの作り方も秀逸。
昨日仕事で観てきました。
イラン南部の村を舞台に、弾圧的な政府やそれに対抗する運動など、実話に基づいた話が展開される映画。
クルド人側の視点が中心なので、現地に詳しい人からすれば偏りすぎな内容かも>>続きを読む
全体主義の素晴らしさを描くことで、全体主義の怖さを浮かび上がらせるという内容です。全体主義の“内部”には、イジメも差別もありません。みんなが笑顔で生活している。しかし、“内部”に少しでも疑問を抱き、さ>>続きを読む
仕事のため久々に観た。“差別の日常”が抱える複雑さを上手く表現した作品だとあらためて実感。差別への批判も紋切り型ではなく、差別してしまう人の“哀しみ”を抉りだそうとする懐の深さが際立つ。
アケルマン亡くなってしまいましたね...。あまりにも早すぎる死にショックを隠せません。
この映画は、人間関係のデリケートな部分を描いている。相手のことを知りたいのに、でも知れないというもどかしさ。こ>>続きを読む
前半で描かれる苦悩や葛藤が、後半ではほぼ無視されるという展開には、首を傾げるばかり。4人が結束していくまでの流れも雑。なんとか面白いと思えるところを探してみたけど、難しかった。
ガンフーと呼ばれるアクションの爽快さは秀逸だし、暗闇を活かした映像も面白い。ストーリーはベタな復習劇。
正直あんま期待してなかったけど、最後まで程よい緊張感を保った佳作です。典型的な巻き込まれ型映画。
好きなバンドのために東京へ行く4人の高校生が放つ輝きは素晴らしい。でも、演出、音、カメラ・ワークなど、あまりにも粗が多すぎる。アイディアは良いだけにそこが残念。
事前に全編セリフなしという情報を入れてなかったら、より楽しめたはず。そう思えるほど、この映画の音、映像、登場人物の動きは饒舌。
細部まで計算された構築美は、観客を引きこむ心地よい緊張感で満たされてい>>続きを読む
言葉に頼らない伝え方が際立つ映画。代わりに重要となるのが、役者の表情や音響といった部分。これは映画館で味わうために作られた内容です。そういう意味では、多くの人にウケる幅広さはないけど、観客に媚びない監>>続きを読む
これはね、『ピクミン』です。蟻を操るシーンでは、特にそう思いました。ストーリー展開はベタだけど、小さくなってからの演出は面白い。さすがの安定感。
デヴィッド・フィンチャーが好きなんだろうなってのは伝わってくる。でもね、いちいちテンポに乗れないよう邪魔してるとしか思えない雑な演出はダメだと思います。仕掛けも斬新さに欠ける。無駄なシーンが多すぎるの>>続きを読む
試写で観たとき、「右翼エンタメじゃんこれ」と言った人がいたけども、完全な右翼エンタメではないです。右翼的な要素があるのは確かだけど、さまざまな立場の人が登場するから、観る人によって捉え方が明確に違って>>続きを読む
中年オタクが喜びそうな小ネタでごまかした映画...かと思いきや、スクールカーストの要素もある佳作でした。マッチョな人たちの活躍がほとんどなく、アダム・サンドラー含めたギーク(訳では「オタク」)たちが活>>続きを読む
痛快さとユーモアが素晴らしい極上のエンターテイメント!『007』シリーズへのオマージュが目立つんですが、ストーリーは『スターウォーズ エピソード1』を下敷きにしていると思います。コリン・ファースとサミ>>続きを読む
グロテスクなブラック・コメディー。戦争を美化しないとする姿勢は良いと思いました。ただ、ある程度時間が経っても観たくなる作品かといえば、正直微妙です。「戦後70年」というキーワードから離れると、映画とし>>続きを読む
文学的なセリフまわしを活かすために、静謐な映像美を選んだのは◎。戦後70年にまつわる戦争映画のなかでは一番好き。
『ナイトクローラー』は、狂気がいかにして社会に侵食していくかの過程を描いた映画だと思います。だからジェイク・ ギレンホール演じるルイスは特に裁かれることもなく、ああいうラストになったのかなと。恐ろしい>>続きを読む
原田版『日本のいちばん長い日』、“人としての昭和天皇”を魅力的に見せるのが狙いのひとつなんだろうな。この点が岡本版との大きな違い。 登場人物の人間性は原田版のほうがわかりやすく描かれていて感情移入しや>>続きを読む
シリーズ最高傑作と言っていいんじゃないでしょうか。サイモン・ペグやレベッカ・ファーガソンを引きたてつつ、自らを上手くアピールできるトム・クルーズの貫禄と余裕に拍手!迫力と深みを共生させた極上のエンター>>続きを読む
この映画は、“確かに特攻作戦は悪かったよね”と言ってから、“それでも特攻隊は勇敢で偉大だ。だから彼らのことを批判するのは非国民”という結論に持っていくところが、どうしても目につきますね。百歩譲って、そ>>続きを読む
はっきり言って、最後まで観るのが苦痛でした。 『マッドマックス』最新作を観たあとだからというのもあるけれど、女性の扱い方があまりにも旧来的な点にはほんと辟易。
『マッドマックス』最新作のすごいところ>>続きを読む
知的かつ誰もが楽しめる内容を目指していたのが興味深かった。これはおそらく、昨今のハリウッド映画を意識したのかもしれませんね。それが特に表れているのは、異なる国とわかりあうことについて、木村拓哉と佐藤浩>>続きを読む
1945年に作られたこの映画はネオレアリズモの代表作と言われているけども、それを理解するには、ネオレアリズモが隆盛を誇った1940~50年代という時代を知らなければいけないでしょうね。
ネオレアリズ>>続きを読む
ここ最近のハリウッド映画って、受け手の考察をうながす要素が多くありつつ、何も考えずに楽しめる面白さもあるという意味ではすごく興味深いですよね。
分析的に観ることが難しい人にも、思想や哲学を体でわから>>続きを読む
心地よい牧歌的な雰囲気が光る良作。物語を丁寧な編みあげていく点も好ポイントだけども、こうした魅力とプラスアルファを持つ『きみはいい子』観ちゃうとね...かすんじゃいます。
序盤から中盤までは平熱な雰囲気が際立ってるんだけど、池脇千鶴と尾野真千子が抱擁を交わすところに陽の光が射すシーン以降は、色彩豊かな感情が一気に浮かびあがってくる。こういうダイナミックな展開に持っていく>>続きを読む
胸がぎゅっと締めつけられる良作。マリの街に侵攻してきたイスラム過激派に苦しめられる人々を描いてるんだけど、「なぜ侵攻してきた過激派は過激になるのか?」と観客に考えさせる内容でもあるのが良いですね。マリ>>続きを読む
フランス映画祭で『EDEN』を観てきました。90年代のフレンチ・ハウス・シーンを舞台に、ひとりのDJが味わう栄光と挫折を描いた青春ドラマ。数多くのハウス・クラシックが流れるし、当時の空気を知ってる人か>>続きを読む
ウルトロンが作られる理由などには、文明社会に対する批評性が見られるけども、こうした側面はこのシリーズの十八番なので、特に驚きはなし。
ただ、そんな批評性が中途半端だったのはいただけませんでしたね。敵>>続きを読む
アンチ・ハリウッドという批評性にばかり目が行きがちだけども、実写からアニメに切り替わるときのドラッギーな感覚は鳥肌もの。すれ違う母子の物語云々よりも、スタイルそのものにガツンとやられました。
インディー・ポップ愛やオシャレな衣装は素直に良いと思えるけども、ストーリー展開の秀逸さや特筆すべき映像美は皆無なので、観たあとに余韻が残らない。この点は、雰囲気だけの映画ならではと言えるかもしれません>>続きを読む
ギャグが飛び交う遊び心あふれる怪作として、カルト的な人気を得てもおかしくない映画だと思う。うんこネタの連発には失笑したけども、そういうサムさが面白さに繋がってるからすごい。