カウボーイと僕と惑星さんの映画レビュー・感想・評価

カウボーイと僕と惑星

カウボーイと僕と惑星

映画(187)
ドラマ(62)

勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)

4.0

自意識をテーマにした映画は失敗が多い。それは、作り手自信に人間賛歌が欠けているからだ。当たり前だと思う、自意識は他者が存在しない。人は結局1人で生きていけないのは事実で、他者を求め視界を広くする事で自>>続きを読む

恋人たち(2015年製作の映画)

4.5

抱きしめたくても形がない。涙を流す力もない。怒りを持つほど余裕もない。そんなあなたが主役です。

冬時間のパリ(2018年製作の映画)

4.2

オリヴィエ・アサヤスの映画では珍しく具体的な映画や有名人の固有名詞が飛び交う上に、出版業界の生々しい現場を伺うことができる。その展開されていく空間の上品さはさすが名匠と言ったところで、むしろ余裕すらも>>続きを読む

ゴーン・ガール(2014年製作の映画)

4.8

待ち構えていた衝撃を軽々と超越してくる。身悶えするしかない、その甘美なまでの完成度。60年前に「めまい」を見た観客一同は、どのような感情で劇場を後にしたのか。

もう終わりにしよう。(2020年製作の映画)

4.1

安心してほしい、これは映画である。
過去へ過去へと遡り、キネトスコープを意識したのか、異様に小さな画面設計で展開される、人生の形。意地悪さを覆い隠すエモーショナルさと儚さは、流石のチャーリー・カウフマ
>>続きを読む

見知らぬ乗客(1951年製作の映画)

4.5

どうかしてるほど面白い。モノクロの光と影が醸す感情の揺さぶりや、一人一人の俳優の豊かな内面演出。そして、あまりにもドライでおぞましいエンディングの切れ味。疑う余地もない、ヒッチコックは全てを兼ね備えて>>続きを読む

最高に素晴らしいこと(2020年製作の映画)

3.6

良い映画です。素敵な映画です。特に、弱さ、際どさ、美しさを同時に、自由自在に行き来させるエル・ファニングは、もはや演技の言葉を通り越し、生きた姿として憑依している。引きの画が挟み込まれる時も、いつもワ>>続きを読む

荒野にて(2017年製作の映画)

3.9

死と隣り合わせな世界に放り出された1人の少年。想像を超えるほど過酷な映画ではあるものの、傷が消えない多くの心に寄り添い、抱きしめたくなる青春映画でもあります。

マーウェン(2018年製作の映画)

4.0

奇怪すぎるビジュアルと正統な映画的演出。その相反するバランスに、どこか居心地の良さと居心地の悪さを感じる。時代は変わるもロバート・ゼメキス映画の革新性は、いまだ現役。

ザ・マスター(2012年製作の映画)

3.8

ポール・トーマス・アンダーソン史上最も飲み込み困難な映画。一つ、異様に役者とカメラの距離が近いこと。ベルイマンもそうだが、そこから見える想像力に、なかなか言語化が追いつかない。

セロ彈きのゴーシュ(1982年製作の映画)

4.2

幻覚的ですらある躍動感あふれる描出と動きのハイテンションぶりは、脂が乗ってる時の湯浅政明にも競り合うことができるだろう。宮沢賢治の作家的ポテンシャルを何倍にも抽出し、原作を嘘なく映像化させながら、アニ>>続きを読む

KUBO/クボ 二本の弦の秘密(2016年製作の映画)

4.5

私が生まれる前の時代、多くの人が命を失い、多くの人が悲しんだ。私があなたと出会う前、多くの街が破壊され、多くの人が争った。約束を交わす前、死から逃れた生命で、今ここに暮らしてる。過去を知ることは、亡く>>続きを読む

スタンド・バイ・ミー(1986年製作の映画)

4.0

蝉の声が聞こえる横で、今でも息を引き取りそうなカブトムシを見た。夏の光景は、気候変動とともに失われつつある。誰かが豊かな日々を送る時、何かは奪われ何かは得をする。少しずつ、人類は帰着の場所へと近づいて>>続きを読む

さんかく(2010年製作の映画)

4.4

うんざりしてしまう。どうしようもないくらい君に触れたい気持ち。君と話したい気持ち。その前も、その後も、一目惚れからは距離をとったつもりだ。僕が思うにきっと、人生の豊かさを求めただけだと思う。みんなそう>>続きを読む

ショーン・オブ・ザ・デッド(2004年製作の映画)

4.6

貧乏くさい箇所はまったくなく、むしろ気品に溢れた素晴らしいゾンビ映画で、同時代のゾンビ映画がシリアスな方向へと迷走しそうなところ、失ったものを認め、それでもユーモラスに、コミカルに演出するエドガー・ラ>>続きを読む

その日のまえに(2008年製作の映画)

4.2

難病物である題材に、湿っぽく、情緒たっぷりに涙を強要させる演出をするのではなく、その人自身の生の最後のフィナーレとして喝采し、世を去った人々にエールと感謝を贈る大林宣彦の非凡な力に自然と熱い涙が出た。

ビフォア・サンセット(2004年製作の映画)

4.5

まったく先が読めなく、不安を匂わせながら、豊かな恋愛映画へとだんだん変化していく。瞬間と偶然って、出会いと人生ってことだよね。

グランド・ブダペスト・ホテル(2014年製作の映画)

4.4

洋菓子チックな箱庭空間が全編に爆発してる、ウェス・アンダーソンの大傑作。後半、実は観客を熱狂させる熱い映画でもあります。

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

4.5

希望はこの世に存在しているのか。極限状態のブラックユーモアは、魂を揺さぶる。

女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

4.4

古典期的プロットから、ヨルゴス・ランティモスもエマ・ストーンもレイチェル・ワイズもオリビア・コールマンも、最高に優秀な才能にずっとずっと愛したい気分(カメラマンもだよ)。傑作!

パンとバスと2度目のハツコイ(2017年製作の映画)

3.7

カジュアルな日常描写の中に、不意に突く言葉が好き。「男はみんなくるりの『東京』が好きだから」。chelmicoの歌詞を映像化した感じ。

イメージの本(2018年製作の映画)

-

圧倒的にわからない。映画史の先駆者ジャン=リュック・ゴダールの実験は、10年代も続いてる。やりたいことはなんとなくわかる。領域を伐採していき、それでも映画の芯を残す。撮影を除き、俳優を除く。イーストは>>続きを読む

シンプル・フェイバー(2018年製作の映画)

3.4

簡略化された映画的演出に、少々勿体なさを感じてしまった。アートフォームをドラマに移行すれば、また違った味わい、なんなら傑作にもなっただろう。そんな中、新しいアナ・ケンドリックが見れ、ブレイク・ライヴリ>>続きを読む

レイチェルの結婚(2008年製作の映画)

4.1

家族は自分を支えてくれて、保護してくれて、見守ってくれる。もちろん、それだけではない。裏切りがあり、ヒエラルキーがあり、そこから逃れたい気持ちがある。ウェルメイドに纏いながら、ものすごく毒々しい。名匠>>続きを読む

サムワン・グレート ~輝く人に~(2019年製作の映画)

2.3

何気なく、実にパーソナルでいるからこその愛おしい若者同士のグルーヴを映画で作り出すのはとても高度なことで、きっと才能以上の努力がなされているのだろうと思った。グレタ・ガーウィグも、リチャード・リンクレ>>続きを読む

蜘蛛の瞳/修羅の狼 蜘蛛の瞳(1998年製作の映画)

4.9

事件的な密度の高さに、もう二度は見返したくないくらい。究極に洗練された画作りは、ノワール映画、もしくはホラー映画の到達点ではないかと言えるほど、人間の一線をグリグリ揺さぶってくる。戦慄が消えない。

オアシス(2002年製作の映画)

4.7

愛は無条件で人を動かす。そのうっとりするほど美しい名画。

戦場のピアニスト(2002年製作の映画)

4.5

ポランスキーの狂気的演出の凄みは、観客をも巻き込み、歴史を記憶に植え付けながら、当事者としてかつてのあなたを変えてしまう。鬼名作。

アウトレイジ ビヨンド(2012年製作の映画)

4.4

北野武のキャリア上、おそらく最高潮の技巧に爽快。ニヒリズムの果て、突発的に生が死に変わる北野作品はネクストレベルへ。クールで儚い世界は、多くの人が恐れ、多くの人が惹かれる。

わたしは、ダニエル・ブレイク(2016年製作の映画)

4.3

パンデミック後もなお、ケン・ローチの映画が頭をよぎる。彼はどんなに辛い状況下でも、僕らの友のように、そっと囁き優しい自分を蘇らせる。今、多くの人が彼の映画を無意識にも求めているだろう。彼の救いが清き心>>続きを読む

シコふんじゃった。(1991年製作の映画)

4.0

本作、「がんばれ!ベアーズ」と共に並べる文句なしのスポーツ映画は、「ちはやふる 上の句/下の句」登場以前の日本映画で唯一の作品だろう。

デスプルーフ in グラインドハウス(2007年製作の映画)

4.7

神がかりすぎ。クエンティン・タランティーノの夢、才能、知性がありえないほど結合した宝石のような映画。

お葬式(1984年製作の映画)

4.1

晴れ渡る空の下で、喜怒哀楽の嵐に巻き込まれながら、僕らを彩る生活が日々始まり終わる。冠婚葬祭の非日常的特別感を、124分に封じ込め、繰り返し楽しい瞬間として映画を利用した伊丹十三は天才だ。

カールじいさんの空飛ぶ家(2009年製作の映画)

4.3

イースト「グラン・トリノ」や黒澤明「生きる」や高畑勲「おもひでぽろぽろ」の趣、風情に軽々と到達するピクサーの手腕に脱帽してしまう。ゆっくりと、だが確実に進んでいくこの映画時間は、何年ごとに輪郭を変え、>>続きを読む

海よりもまだ深く(2016年製作の映画)

4.2

他者の感情は、理解するものではなく、常に読み取っていくものだ。

クロール ー凶暴領域ー(2019年製作の映画)

4.0

確信した。パニック映画ならではのサスペンスと高揚感がある文句なしに面白い本作を見て、今後の埋もれゆく往年のジャンル映画を復興し、支えていく希望ある映画作家は、イーライ・ロスとアレクサンドル・アジャの2>>続きを読む

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