噛む力がまるでないさんの映画レビュー・感想・評価 - 10ページ目

噛む力がまるでない

噛む力がまるでない

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大日本人(2007年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 劇場公開時以来、14年ぶりに見てみた。当時の上映後のざわめきはよく覚えているし、わたしも松本人志のファンだったということもあり好意的に見たものだが、今あらためて見てみるとかなり酷くてゲンナリした。>>続きを読む

トイ・ストーリー2(1999年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 前作でのウッディとバズを入れ換えての救出劇になっており、それぞれの状況をカットバックしてじっくり見せるやり方は『ファインディング・ニモ』だし、黒幕の出し方なんかは『カールじいさんの空飛ぶ家』なので、>>続きを読む

人数の町(2020年製作の映画)

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 木下グループの新人監督賞で準グランプリを獲得した作品で、グランプリの『AWAKE』と並んでこちらもとても面白い映画だった。

 ユーモラスな発想とロケーションをうまく組み合わせながら奇妙な町の存在感
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日本のいちばん長い日(2015年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 岡本喜八版とどうしてもあちこち比べてしまうが、これはこれで面白い出来だった。原田眞人監督は喜八版の出来に不満だったらしく、そこを踏まえた上で気骨ある作品に仕上げてやろうという意思を感じた。一日の出来>>続きを読む

ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結(2021年製作の映画)

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 全体的にジェームズ・ガンの総決算みたいな映画で、ヒーロー映画としてはもちろん『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』、いなたいコスチュームや暴力性はトロマ映画や『スーパー!』、そして異星人侵略ものとし>>続きを読む

REVENGE リベンジ 鮮血の処刑人(2020年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 配給会社としてはコラリー・ファルジャの『リベンジ』をイメージさせるタイトルとビジュアルにしてなんとか面白く売りだそうとしているのだが、脚本も演出もいまいちである。

 プロットの要である撃たれたブレ
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激動の昭和史 沖縄決戦(1971年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 アジア太平洋戦争での沖縄戦を当時の資料に基づいた展開に作り手の多少の解釈が加わっており、見ごたえのあるドラマパートの合間に戦況や特攻隊の遺書などがナレーションで挟まれ、劇映画ではあるもののすこし奇妙>>続きを読む

トイ・ストーリー(1995年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 ここまでなんとなく敬遠していたフランチャイズなのだが、ちゃんと見てみると当然というか、普通によく出来ているなーと思った。メタファーや寓話の力で相互理解の大切さを説いている。

 自分の生き方を見つめ
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ANIARA アニアーラ(2018年製作の映画)

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 まったく趣味ではなかっため、苦痛の1時間45分であった。

 絶望的な閉鎖環境を描いてるわりに時間の経過ごとの文化的退廃がまったく感じられず、船内にいる人々も痩せ細るとかストレスフルになっているとか
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サイダーのように言葉が湧き上がる(2020年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 青春模様を気取らずに描いた爽やかな作品だ。アニメ音楽レーベルのフライングドッグが小規模サイズの映画を設立10周年記念に持ってきたところに、レーベルの矜持のようなものを感じる。

 チェリーとスマイル
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GODZILLA ゴジラ(1998年製作の映画)

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 公開から20年以上経ってもいろいろ言われることの多いエメリッヒ版のゴジラだが、わたし自身リアルタイムで劇場で見ておりそう悪くない感想を抱いたのを覚えている。感想を詳しくまとめていなかったため、改めて>>続きを読む

プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 脚本がとてもよく出来ており、サスペンスの軌道を使ってキャシーの心情をうまく映し出している。主演のキャリー・マリガンの演技も申し分なく、長年抱え込んだ恨みの感情とキャシーのキュートな魅力を切り分けてし>>続きを読む

100歳の華麗なる冒険(2013年製作の映画)

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 お気楽な巻き込まれ型コメディかと思っていたらけっこうヘンテコな感じのブラックコメディだった。

 偶然性を取り込んだオープンワールド的な作劇で、主人公のアランにはほぼ主体性がなく、いろんな人々と成り
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Arc アーク(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 ものすごく面白いというわけではないのだが、大変興味深い映画だった。原作を映画用にうまくアレンジした部分もあるし、問題があるように感じる部分もある。

 まず前半と後半で違う映画になっているところは好
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ライトハウス(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 A24製作の不穏当なホラー映画である。白黒フィルムでの撮影やスタンダードサイズなど、クラシックへの目配せを感じさせる作りになっていて、見ているとちょっとタイムスリップした感覚に陥る作りだ。

 なん
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ルクス・エテルナ 永遠の光(2019年製作の映画)

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 文字通りクラクラする映画である。公開時に見逃していたのでDVDで見たのだが、これは映画館のスクリーンで見ていたらどうなっていたか想像するだけでも恐ろしくなったので見なくてよかったと思う。

 ギャス
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きみに読む物語(2004年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 シリアスに矛盾を追求するととてもじゃないけど見てられない内容なので、甘すぎるファンタジーみたいな恋愛映画だと思って見た。まだ15年ほど前の映画とはいえ、それでもさすがにこのレベルの純愛ものは今のハリ>>続きを読む

モータルコンバット(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 原作の対戦ゲームで遊んだことはなく、90年代に作られた映画2作も未見である。まったく基礎知識を入れずに見ても、高い志のあるジャンル映画なのはよくわかるし、カルト映画化しそうな趣もある。大多数が白人以>>続きを読む

ゴジラvsコング(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 現状ハリウッドが超有名怪獣を使っての映画製作の限界を見たようだった。満漢全席みたいだった前作の『キング・オブ・モンスターズ』がピークに感じたし、二大スターの対決モノとしてもありきたりな構造のためにイ>>続きを読む

ラフィキ:ふたりの夢(2018年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 ケニア共和国の青春映画で、レズビアンの二人を通して同国での性的マイノリティの生きにくさを痛感させる内容になっている。ケニアでは違法となっている同性愛を堅苦しくなく、カラフルにさわやかに描こうとすると>>続きを読む

キャラクター(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 原案は浦沢直樹とのタッグで有名な漫画編集者の長崎尚志で、話はどことなく『MONSTER』みたいである。漫画っぽい作りというか、全体的に演繹的に作ったような印象を受けた。

 魅力的なキャラクターが話
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まったく同じ3人の他人/同じ遺伝子の3人の他人(2018年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 生まれてすぐ引き離された三つ子の奇跡的な再会を元に、「生まれか育ちか」の心理実験の倫理を問うドキュメンタリー映画である。

 ドラマチックな展開から徐々に実験にまつわる闇を明らかにし、前半のさまざま
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バッド・デイズ(2018年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 DVDのジャケットはかなり振りかぶったものになっているが、実際見てみると一風変わったアクションコメディで、派手さはないもののかなり芯がある。

 巻き込まれ型……と言うべきか、主人公のダニエルにも騒
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1秒先の彼女(2020年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 構造はタランティーノっぽくてもタイムラグという時間の概念を取り入れたなかなか変わった発想の映画だ。わたしはポスターも予告もろくに見ずに本編を見たので、誰がヤンの恋人役なのかわからず後半の見せ方は意外>>続きを読む

逃げた女(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 ホン・サンスの映画を見て優秀だなと思うのは登場人物の情報と心理の伝達であり、他愛のない会話と最低限のショットのみで観客が想像を催す空間をコツコツと作り上げていく。ガミたちの衣食住への目配せがきちんと>>続きを読む

無限の住人(2017年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 原作は未読だが、映画としてはあまり面白くない。せいぜい面白いのは最初の30分ぐらいで、それなのに2時間20分もあるのがかなりキツい。漫画実写化のよくないところと芸能界のダメなところをまとめるとこんな>>続きを読む

クワイエット・プレイス 破られた沈黙(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 続編の作りやすい作品ではあるが、マンネリにはせず、監督のジョン・クラシンスキーは前作とは違うテーマを描いている。親が子を守る話ではなく、子が親を守る話にスイッチさせようとしているのだと思った。

 
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Mr.ノーバディ(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 まあとにかくクリストファー・ロイドが抜群にカッコいい。アクションのキレはなくても眼光の鋭さは衰えておらず、80才を越えてもしっかり現役感がある。イーストウッドなんかもそうだが、アメリカのじじいは元気>>続きを読む

今日もどこかで馬は生まれる(2019年製作の映画)

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 競馬産業に関わる人々のさまざまな視点で引退馬の問題を見つめる非常に見ごたえのあるドキュメンタリーだった。競馬だけはなく、ペット産業などにも通じる話でもあり、引いては動物の命と向き合う映画になっている>>続きを読む

ファーザー(2020年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 カットと時間軸の操作という映画のマジックを使って認知症の厳しさを心情的にも視覚的にも訴えており、サスペンスやスリラーの文法を認知症を扱った話でやられると非常に効果的であることがわかる。キツいどんでん>>続きを読む

パーム・スプリングス(2020年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 捻りのある設定でタイムループもののジャンルに新鮮な風を送り込んでいて、それでいてロマコメの軌道が敷かれているので安心のできる楽しい映画になっている。

 この手のジャンルでいうと最近では『ハッピー・
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こちら葛飾区亀有公園前派出所 THE MOVIE 〜勝どき橋を封鎖せよ!〜(2011年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 ただでさえ失笑を呼びそうな映画化作品のわりにはそう悪くない。ベースは『踊る大捜査線』と『男はつらいよ』で、そこに若干の原作成分といった感じなのでこち亀かどうかは怪しいものの、ちょっと捻りのあるプロッ>>続きを読む

お嬢さん(2016年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 きめ細かい演出はいいし、衣装や美術も素晴らしいし、日本でのロケも有効に働いていて、実際に日本語を話しての俳優の演技もすごかったのだが、個人的にはあまり趣味ではない映画だった。わたしはあんまりこういう>>続きを読む

アオラレ(2020年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 いかにもワケありの不穏当な中年をやらせれば抜群に面白いラッセル・クロウを主演に迎えてストレス社会への諷刺を入れた映画である。

 原題のUNHINGEDは精神的に不安定という意味で内容をシンプルに表
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Z Inc. ゼット・インク(2017年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 パンデミック映画としては主人公がはじめからウィルスに感染しているというちょっと変わったプロットで、暴力に躊躇のないアッパーな状態が話に加速をかけているのだが、それがスティーヴン・ユァンだとどうもクレ>>続きを読む

ホムンクルス(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 原作漫画は未読である。設定はなかなか面白く、「登場人物たちのトラウマを解消する」という話の骨格を取り出せば実はハートフルな内容なんじゃないかと思った。それでもサイコホラーらしいので、ホラー畑の清水崇>>続きを読む