kabcatさんの映画レビュー・感想・評価

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静かなる叫び(2009年製作の映画)

3.6

実際に起きた壮絶な事件が原案となっているが、モノクロの映像と非常にミニマルだがアート性を感じさせる撮影方法で、単なるドキュメントとは異なる作品となっていて、80分ほどの短い映画ながらも、小品感はなく重>>続きを読む

散歩する侵略者(2017年製作の映画)

3.3

『ダゲレオタイプの女』はとても好きだったけれど、日本人で日本が舞台の映画になると、とても苦手になる。今回も、冒頭からどこか作りものっぽい雰囲気が消えず気になった。とはいえ、コメディか?と思えるくらいな>>続きを読む

海辺の生と死(2017年製作の映画)

3.8

第二次世界大戦末期の男女の一途な恋愛を描いているようだが、ほんとうの主役はこの二人を取り巻く島のように思われ、長いカットやゆっくりとしたセリフ回しが当時の島の時間の流れを想起させて心地よく感じられる。>>続きを読む

美しい星(2017年製作の映画)

3.5

三島由紀夫の原作を読んでいないので、どこまで脚色されたかはっきりしないが、現代の作品としてなかなか面白く観た。はっきりした答えは出ないけれど、それは観た人からいろいろな解釈を引き出す手段として悪くはな>>続きを読む

この世界の片隅に(2016年製作の映画)

3.7

短いスケッチをいくつもつなぎ合わせた作品のようで、淡々と戦争の日々が描かれている。悲喜劇はあるのだがかなりあっさりした表現で、それがこの異常な時代の日常であったのか、とかえってリアリティを感じさせる。>>続きを読む

2重螺旋の恋人(2017年製作の映画)

3.7

オゾン監督特有の冷たさ(特に女性に対する)が生きたサスペンス映画であり、デヴィッド・リンチやクローネンバーグを意識した作りになっているように思う。映像表現もこれまでにないようなアヴァンギャルドさが感じ>>続きを読む

バッド・チューニング(1993年製作の映画)

3.3

夏休み前夜祭、とでもいうのだろうか、高校生たちがバカを繰り広げる一夜を描いただけのものだが、くったくなくて憎めない作品になっていて、リンクレイター監督は若者を描くのがうまいと思う。ベン・アフレック、ミ>>続きを読む

大いなる遺産(2012年製作の映画)

3.3

何度も映像化されてきたディケンズの名著を再度映画化したもので、あの長い大作を2時間程度にまとめるのは大変だが、この作品は大ざっぱでもわかりやすくできていると思う。何よりキャスティングが自分好みで、ジェ>>続きを読む

めぐりあう日(2015年製作の映画)

3.4

生みの母を捜す主人公エリザとその息子があまり似ていないなあと思いつつ見ていたら、その目的のなかに答えがあったという興味深い内容だが、最後にみんなそんなにすんなり和解できるものかなと思う。それでもこの作>>続きを読む

ディストラクション・ベイビーズ(2016年製作の映画)

3.2

祭りの高揚感と並行して描かれる、純粋な暴力(と言っていいのかわからないが、ただ自分より強い者に勝とうとするために使われる暴力)の持ち主である主人公は、ブラックホールのような存在であり、菅田将暉の弱さや>>続きを読む

三度目の殺人(2017年製作の映画)

3.5

サスペンス映画のような仕立てであるが、最後まで来るとああこれは是枝作品だったのだと思う内容であり、法廷推理ドラマとして観た人にはもやもやする映画だったろう。誰が殺人の犯人なのかを探ることは二次的な物語>>続きを読む

未来よ こんにちは(2016年製作の映画)

3.8

時が進むにつれて「いろんなことが起こる」人生を、主人公があらがうことなく受け入れ、常に前を向いていく、という姿を淡々と描いたものであり、主人公は老いや孤独を前にして別段気張って生きている感じでもないの>>続きを読む

ファントム・スレッド(2017年製作の映画)

3.8

最初は男性優位のように見えた男女関係を、次第に女性がしたたかに支配してゆく緊張感が静かに描かれる。ダニエル・デイ・ルイスは『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』のときに見せた凄みがいちばんだと思うが、今回の>>続きを読む

Unbalance -アンバランス-(2010年製作の映画)

2.8

幼い時に父を失ったことと、老人としか交際できない、ということがうまく繋げて考えられないまま終わってしまった。結末も、妙にみんな解決したような顔の映像が流れていたが、状況は何も変わっていないと思う。父親>>続きを読む

ピュア 純潔(2010年製作の映画)

3.2

物語自体に新しさはあまり感じないが、アリシア・ヴィカンダーに引き込まれる。『エクス・マキナ』のときにも感じたが、目だけで表情を伝えるような、抑制された演技が際立っている。もっと出演作が見たくなった。

ヒトラーの忘れもの(2015年製作の映画)

3.6

タイトルからは想像できないような、自国の隠したいはずの過去の暗部を、北欧の美しい海辺を背景に誠実に描いているのはすばらしいが、やや描き方が平板な感じがして、印象が薄いのが残念。少年たちはみな芸達者であ>>続きを読む

ロスト・エモーション(2015年製作の映画)

3.5

既視感のある物語ではあるが、映像のスタイリッシュさと俳優の美しさで見せる作品だと思う。サイラス役のニコラス・ホルトが、『アバウト・ア・ボーイ』の丸顔の少年とは驚き。クリステン・スチュワートと並んでも遜>>続きを読む

スイッチ・オフ/森へ 少女ネルの日記(2015年製作の映画)

3.1

停電が1年以上も続く、という状況にあまりリアリティを感じないし、主人公姉妹たちも途中までそれほど苦労しているように見えないまま、物語だけ後半急展開していく。姉妹たちが森の中へと身を潜めていく根拠もわか>>続きを読む

たかが世界の終わり(2016年製作の映画)

3.9

この作品中のほとんどの登場人物たちはひっきりなしにまくしたてているが、そのことばは一方通行で噛み合うことはなく、自己の強い主張を押しつけるだけで、相手に合わせるどころか自分でもうまくまとめられない(そ>>続きを読む

エクス・マキナ(2015年製作の映画)

3.6

静かに淡々とした進行ながらも緊張感があり、ハイソなインテリア雑誌に出てきそうなセットや、美しい女性の姿をしたAIたち、そして哲学問答のような脚本など、スタイリッシュなつくりのSFとして最後まで楽しめる>>続きを読む

灼熱/灼熱の太陽(2015年製作の映画)

3.6

10年のブランクを置いて3つの時代に生きたクロアチアの男とセルビアの女の物語を、同じキャストを使って描く、というのが興味深いが、どの人物もキャラクターが異なっているので、混乱することはない。クロアチア>>続きを読む

ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)

3.7

音楽と映像が融合する快感を存分に味わえる(特に前半)、新しいタイプのミュージカルとでもいえる作品で、既存の曲を使っているのがよくて、サントラが欲しくなってしまった。後半はアクション映画感が強くなり、か>>続きを読む

ファンタスティック Mr.FOX(2009年製作の映画)

3.5

『犬ヶ島』を観たあとで、前の作品になるこの映画を観てしまったので、どうしても比較してしまうのだが、やはり細部の作り込み方が『犬ヶ島』ほどではないし、物語もそれほど魅力的に思えない。しかし、この作品あっ>>続きを読む

夜明けの祈り(2016年製作の映画)

3.8

戦争の生みだした非常にショッキングな実話が元になっているが、映画自体は冬の美しい風景のなか修道院という清貧な空間のなかで展開される美しい作品となっている。変に盛り上げたりせず、誠実に撮られているのが好>>続きを読む

ザ・ダンサー(2016年製作の映画)

3.4

実在のダンサー、ロイ・フラーの物語であるが、架空の人物(伯爵)との関係を描いたりして、かなり実話から逸脱しているように思われる。特にフランスへ舞台が移ってからの、ベル・エポックの優美で退廃的な雰囲気が>>続きを読む

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

3.9

男性どうし、ということを除けばひと夏の恋を描いた定番的な物語ではあるが、美しい夏のイタリアの風景と、そこでゆったりと暮らす人々の生活をバックにふたりが結ばれるまで時間をかけて丁寧に描かれているのがよい>>続きを読む

レディ・バード(2017年製作の映画)

4.1

風変わりな10代の少女の母親との確執を交えた成長譚、といえばありがちな話であり、終わりかたも今どきの映画としては善良すぎるくらい善良である。しかしその善良さはまったく嫌味ではなくこの作品を逆にチャーミ>>続きを読む

犬ヶ島(2018年製作の映画)

4.5

正直アニメーションにはあまり興味がなく、ウェス・アンダーソン作品は好きだけれどその作りの細かさに時折息苦しさを感じていたのだが、この映画はプロローグから、がっしりと心をつかまれ、最後までその世界にどっ>>続きを読む

20センチュリー・ウーマン(2016年製作の映画)

4.0

ウェストコーストの明るい光に包まれた映像を見ているだけで、気持ちよく感じる後味のよい作品。きわどい話がたくさん出てくるというのに、いやらしさが全くないのは、この映像と誠実な演出のためだろうか。「自分を>>続きを読む

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