kabcatさんの映画レビュー・感想・評価

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君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

3.9

男性どうし、ということを除けばひと夏の恋を描いた定番的な物語ではあるが、美しい夏のイタリアの風景と、そこでゆったりと暮らす人々の生活をバックにふたりが結ばれるまで時間をかけて丁寧に描かれているのがよい>>続きを読む

レディ・バード(2017年製作の映画)

4.1

風変わりな10代の少女の母親との確執を交えた成長譚、といえばありがちな話であり、終わりかたも今どきの映画としては善良すぎるくらい善良である。しかしその善良さはまったく嫌味ではなくこの作品を逆にチャーミ>>続きを読む

犬ヶ島(2018年製作の映画)

4.5

正直アニメーションにはあまり興味がなく、ウェス・アンダーソン作品は好きだけれどその作りの細かさに時折息苦しさを感じていたのだが、この映画はプロローグから、がっしりと心をつかまれ、最後までその世界にどっ>>続きを読む

20センチュリー・ウーマン(2016年製作の映画)

4.0

ウェストコーストの明るい光に包まれた映像を見ているだけで、気持ちよく感じる後味のよい作品。きわどい話がたくさん出てくるというのに、いやらしさが全くないのは、この映像と誠実な演出のためだろうか。「自分を>>続きを読む

エリザのために(2016年製作の映画)

3.5

何度も挿入される野良犬の映像が象徴するように、ここに映るルーマニアの風景は殺伐としており、「若者はこの国から出ていかなければ幸せになれない」という主人公の心情を裏付けるかのようである。娘の暴行未遂や家>>続きを読む

映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ(2016年製作の映画)

3.2

セリフが理屈っぽいところや、アニメの挿入、スマホばかり見る通行人や路上シンガー、もてなしの食事が冷凍食品ばかりなど演出にわざとらしさが目立つ。主役の二人の媚びない感じや、なんとなくウォン・カーウァイを>>続きを読む

共喰い(2013年製作の映画)

3.0

父親の性的嗜好を自分も受け継いでいるのではないかと悩む少年の話だが、そもそもこの映画では父親も息子も異常な性壁を持っているようには見えなかった。また少年は(性的な好奇心からとはいえ)マンディアルグや吉>>続きを読む

ヤンヤン 夏の想い出(2000年製作の映画)

4.3

「クーリンチェ」のような研ぎ澄まされた映像や緊張感はないが、父、娘、息子の恋模様が一家とその周辺の事情とからまり、深みを帯びた物語となっている。大人たちのシーンは日本が舞台ということもあるからか小津安>>続きを読む

レディバード・レディバード(1994年製作の映画)

3.5

父親の違う子供を次々に産んでは、「母親として不適合」と判断されて福祉局に引き離される女性マギーと、彼女を誠実に支えようとする不法移民の男性ホルヘとの関係がかれるが、映像は常にニュートラルであり、淡々と>>続きを読む

レイニング・ストーンズ(1993年製作の映画)

3.5

何をやってもうまくいかない無職の男が、娘の晴れの日のために見栄を張ってあれこれ画策するも、負のスパイラルに巻き込まれていく図は悲惨ではあるが、どこか抜けていてオフビートなコメディにも見えなくもない。し>>続きを読む

わたしは、ダニエル・ブレイク(2016年製作の映画)

4.1

引退宣言を撤回してケン・ローチがこの作品を制作したのは、社会制度の不合理さと、社会の底辺で貧しく生活する人々のなかには、福祉に甘んじることなく尊厳を持って生きている人もいることを訴えたかったのであろう>>続きを読む

プレシャス(2009年製作の映画)

3.7

貧困、親からのネグレクトや性的虐待など主人公の少女はこれでもかと言わんばかりに悲惨な状況に追い込まれているのに、ずっしりとした重苦しさはあまり感じられず、主人公の少女もどこか淡々として見える。が、それ>>続きを読む

ブリザード 凍える秘密(2014年製作の映画)

3.2

母親の失踪と少女の成長物語が交錯するなか、次第にミステリー味を帯びていくが、どこかあっけらかんと描かれていて不思議な味わいの映画。グレッグ・アラキなのだから何かあるかな、と思っていたら、最後にやっぱり>>続きを読む

ある公爵夫人の生涯(2008年製作の映画)

2.9

実在の人物の物語、ということで鑑賞後簡単に調べてみたりしたのだが、映画は「愛のない結婚」「政治に関心がある」「ギャンブル好き」「ファッションリーダー」「夫以外の男性との恋愛」等々波乱万丈で多面的な公爵>>続きを読む

獣は月夜に夢を見る(2014年製作の映画)

3.1

北欧発のホラー・サスペンスものは、自然の風景やシンプルなインテリアや生活といった背景も手伝って、独特の静けさが感じられる。「ぼくのエリ」などが好きだった人には面白く見られるのではないだろうか。ただし、>>続きを読む

永い言い訳(2016年製作の映画)

3.6

この監督の作品の登場人物の多くは、人間としていやな部分を持っている。けれども彼らは感情移入できない人物たちではなく、それどころかこちらにもそういういやな部分があることを感じさせるように描かれる。特に幸>>続きを読む

愛のむきだし(2008年製作の映画)

3.5

「最長版」を鑑賞。タイトルどおり「愛」のテーマがこれほどまでに前面に押し出された映画もめずらしい。宗教と性の問題を、バカバカしく描いていても楽しくて憎めないのは、結局は純愛物語であるからだろうか。きわ>>続きを読む

お嬢さん(2016年製作の映画)

3.5

原作をあらかじめ読んでいたので、イギリスから日本へと舞台を移した脚色のうまさをまず感じる。「日本」「日本人」の描き方には、時代・風俗考証・言葉遣いなど問題ありありだろうが、エンターテインメント映画とし>>続きを読む

希望のかなた(2017年製作の映画)

3.9

アキ・カウリスマキ作品にしては、饒舌で政治的主張がストレートに感じられる一方、全体のまとまりにも欠け、かれのいちばんの映画、とは言い難いかもしれないが、これが監督最後の作品だと思うと、あれもこれも詰め>>続きを読む

ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)

3.6

オリジナルとは物語が続いている(ので、見る前にオリジナルの内容を再度確認すべき)だが、この映画にはキッチュさや抜けたところなどはなく、音響もまさにドニ・ヴィルヌーヴ、といった重々しいものであり、たいへ>>続きを読む

ブレードランナー ファイナル・カット(2007年製作の映画)

3.5

「2049」を見る前にオリジナルの話を思い出すための予習として鑑賞したが、この映画はやはりA級にはなりきれない、B級でキッチュな性格を感じる。それがまたこの映画のよさで、リドリー・スコットの持ち味なの>>続きを読む

マザーウォーター(2010年製作の映画)

2.8

荻上映画と同じスタッフで、違う監督で同じような内容の作品を制作する、というのもなんだかな〜と思う。どうやったら自営業で京都であんな余裕たっぷりに暮らしていけるのか、という現実感のなさであり、やはり人々>>続きを読む

めがね(2007年製作の映画)

3.0

10年前公開のこの映画をいま見ると、時代を感じてしまう。「あの世」説が出るのがわかるような、ロハス・ファンタジーの世界で現実感がない。この路線は「かもめ食堂」で十分かなと思う。食べ物と景色は美しいけれ>>続きを読む

ウィズネイルと僕(1988年製作の映画)

3.8

英国本国をはじめ方々で高い評価を得ている作品、という前評判に引っ張られて楽しく見た感があるけれど、たぶん自分はほんとうのこの映画の面白さをまだ半分もわかっていないと思う。凝りに凝った脚本だというから、>>続きを読む

シング・ストリート 未来へのうた(2016年製作の映画)

4.0

苦手だった「Once ダブリンの街角で」と同じ監督が撮ったのかと思えるほど、面白かった。80年代に主人公と同じような音楽体験をしているひとにはたまらなく懐かしく楽しくなる映画。「モテるためにバンド結成>>続きを読む

怒り(2016年製作の映画)

3.0

見ていて退屈はしないが、よくも悪くも邦画的な演出で、感情を吐露した絶叫と号泣ばかり。これは俳優のせいではなく製作者側の問題だと思う。俳優陣はみんな高い水準の演技をしており、たとえば松山ケンイチが最初に>>続きを読む

だれかの木琴(2016年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

全体的に抑えた演出で、静かな雰囲気で物語が進行するなか、主人公が次第に常軌を逸脱するようすが描かれているのはよかったし、問題が解決しない結末もうなずける。ただSNSを通じるほうが交流をリアルに感じられ>>続きを読む

パーソナル・ショッパー(2016年製作の映画)

4.0

何ものかわからない相手との交流を、降霊術とスマートフォンという過去と現在の手段で描く、というアイデアが面白い。最近ずっと黒沢清の作品を見ていたのだが、ゴーストの表現に似たものを感じる。しかし脚本は、ア>>続きを読む

あなた、その川を渡らないで(2014年製作の映画)

3.7

田舎の風景を背景に、おそろいの鮮やかな韓服をまとった子供のように純真な老夫婦の姿は大変美しい。また犬や小動物、花といった小さな命の映像がところどころに効いていて、撮影だけでも観るに価すると思う。
日々
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クリーピー 偽りの隣人(2016年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

『ダゲレオタイプの女』が予想以上によかったので、続けてこの作品も観たけれど、こちらは期待はずれ。「隣のサイコパス」ものはもう数々作られているし、西島秀俊も熱演の香川照之も既視感あるキャスティングで新鮮>>続きを読む

ダゲレオタイプの女(2016年製作の映画)

3.9

この監督の映画はこれまでピンとくるものがなかったのだけれど、この作品はなかなか面白かった。
撮影が大変美しく、ホラーなのだが、明るい場所の場面が印象的だ。
マリーを演ずる女優の「幽玄」という言葉が似合
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