kabcatさんの映画レビュー・感想・評価

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ローズの秘密の頁(ページ)(2016年製作の映画)

3.2

現在と過去の回想が交互に入れ替わるタイプの作品はあまり好きではないのだが、これもその一つに入ってしまうだろう。もちろん最後の謎解きのためにはこのスタイルでないとダメなのだけれど、現在のシーンがちょっと>>続きを読む

タナー・ホール 胸騒ぎの誘惑(2009年製作の映画)

3.3

全寮制の女子校(女子校のなのに校長の息子が通っていたり、配達ピザ屋の店員の男の子が入り浸っていたり、校風はわりとゆるいのが不思議)もので、内容もありがちな感じで新しさはあまり感じないのだが、キャストの>>続きを読む

幻の光(1995年製作の映画)

4.0

『万引き家族』からさかのぼって4本ほど是枝作品を観たが、この長編デビュー作がいちばん好きかもしれない。特に冒頭の主人公の少女時代の映像がエドワード・ヤンの『クーリンチェ』のようで、闇と光の扱い方が印象>>続きを読む

DISTANCE/ディスタンス(2001年製作の映画)

3.5

今から18年前の作品だが、ドキュメンタリー風な撮影や、自然に見える会話場面など、すでにこの監督のスタイルが確立されている。誰もが知るあの事件がモデルになっていることはすぐわかり、加害者の家族に焦点を置>>続きを読む

空気人形(2009年製作の映画)

3.6

東京を舞台にしたファンタジーで設定は面白いと思うけれど、出てくる人たちがみな孤独で空虚感を抱えた人ばかりなのが極端だと思うし、終盤に行くにつれてセンチメンタルになりすぎてしまって(タンポポの綿毛のシー>>続きを読む

万引き家族(2018年製作の映画)

3.9

これまで「家族とは何か」をテーマにしてきたこの監督の集大成ともいえる作品で、過去の作品を思い出させるところも多々あるが、焼き直しではなくより消化された形で提示されている(長い期間をかけて構想を練ってい>>続きを読む

ハウスメイド(2010年製作の映画)

3.2

ホン・サンスやキム・ギドク作品を観たあとにこの作品を観ると、物語やキャラクター設定が単純で、少々古臭く思える。かつての名作のリメイクとはいえ、なんだか大味なテレビドラマか大仰なマンガを見ているような気>>続きを読む

THE NET 網に囚われた男(2016年製作の映画)

3.8

久しぶりにキム・ギドク映画を観たが、かつての強烈なナルシシズムも、自己満足的で奇妙なファンタジーも影を潜め、ストレートな社会派作品になっていて驚いた。それでいて、彼の作品にもともとある得体の知れないパ>>続きを読む

火の山のマリア(2015年製作の映画)

3.6

グアテマラの映画は初めて観たかもしれない。物語自体はわりとありふれたものだが、火山といった厳しい自然に囲まれた貧しい生活風景、土地や民族の風習、そして主人公マリアの印象的な表情(目ヂカラのすごさ)で、>>続きを読む

アンセイン ~狂気の真実~(2018年製作の映画)

3.3

ソダーバーグ作品らしく、客観的で冷静な撮り方だが、全編iPhone撮影だと知ってびっくり。あの小さな装置から撮影していたのだと考えると、特に前半の主人公の日常のシーンは覗き見しているような気分になるか>>続きを読む

オー・ルーシー!(2017年製作の映画)

3.3

殺伐とした都会、主人公を孤独にさせる会社、いかがわしい英会話教室といった風景がステレオタイプすぎて、物語に新しさはほとんど感じられず、正直この作品が海外で注目された理由があまりわからないが、役者たちは>>続きを読む

心と体と(2017年製作の映画)

3.7

東欧の映画の独特の色彩(透明感のある明るさ)や雰囲気(感情が抑制されているのに、どこかユーモラス)がじゅうぶんに味わえる作品。不器用な二人の恋愛が静かに描かれ、その進展はもどかしいくらいにゆっくりだが>>続きを読む

夜の浜辺でひとり(2016年製作の映画)

4.0

大部分が日常的な風景と会話の連続するだけの映画なのに、ひどく引き込まれて見入ってしまった。それは「世界一暮らしやすい街」の清潔な街並みや、味のあるカフェや美しい浜辺をバックにシックな服装が似合うキム・>>続きを読む

マンチェスター・バイ・ザ・シー(2016年製作の映画)

3.7

心に負った深い傷は、そう簡単に癒えるものでもないし、人間は短期間で成長するものでもない、という至極あたりまえなことを描いているのに新鮮に思えるのは、それだけ陳腐な成長譚が映画の世界にあふれているという>>続きを読む

ルージュの手紙(2017年製作の映画)

3.6

父を捨てたうえ、これまで音沙汰のなかったひどい女に突然頼られる娘。おまけに女は不治の病にかかっており、最初突っぱねてた娘がだんだん心折れて・・なんてよくあるパターンの話なのだが、二大女優の魅力的な演技>>続きを読む

黒い箱のアリス(2017年製作の映画)

3.4

冒頭のスリリングなシーンが最後あのようにつながってくるとは思いもよらず、物語につっこみどころ(あの箱を作ったのは誰?とか)は色々あるだろうが、あまり期待せず観たにしてはなかなか面白かった。自然の中に埋>>続きを読む

女の一生(2016年製作の映画)

3.8

古典の名作の映画化ながら、みずみずしい映像(自然の描写が美しい)とミニマルな編集(原作を知らないと混乱するくらい肝心な部分を飛ばしている)のおかげで、とても現代的な仕上がりになっていて、思いも寄らず楽>>続きを読む

海を駆ける(2018年製作の映画)

3.9

インドネシアが舞台でディーン・フジオカ出演、という情報に違和感を覚えたが、観てみればまぎれもなく深田作品だった。若者たちの場面はエリック・ロメールみたい(監督自身も「ほとりの朔子」の続編を意識していた>>続きを読む

孤狼の血(2018年製作の映画)

3.5

昭和のやくざ映画にオマージュを捧げた警察映画とでも言おうか、懐かしさは感じられるが新しさには欠けるので、「衝撃作」とまでは思えなかった。また役者たちの広島弁(特にイントネーション)が今ひとつだったのと>>続きを読む

運び屋(2018年製作の映画)

3.5

いつものイーストウッド作品のごとく、淡々としてニュートラルで、誰がいいとか悪いとか決めつけることなく、ただそこに提示するだけであり、それを好もしく感じられるならば、この作品もとても楽しめるだろう。ただ>>続きを読む

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)

3.9

最初から最後まで画面全体からパワーとエネルギーが発散された、主張の強い作品であり、スパイク・リーが『グリーンブック』のオスカー受賞に腹を立てたのがよくわかる。過去の話を扱いながらも、問題は現代において>>続きを読む

グリーンブック(2018年製作の映画)

3.8

ファレリー作品好きにしては、ものすごく優等生的な仕上がりで物足りないし、差別の問題の扱い方も生ぬるいと思うが、60年代の雰囲気の表現や主演の2人のよさもあり、後味のよい映画であることは否めない。マハー>>続きを読む

死の谷間(2015年製作の映画)

3.4

放射能汚染された世界に残された3人の人間を、アダムとイヴと蛇になぞらえ、結局のところ敬虔な女アンが恋人を裏切り、神を信じない男ジョンがいちばん信仰深く描いているのは面白かった。最後はタルコフスキーのス>>続きを読む

そこのみにて光輝く(2013年製作の映画)

3.6

社会の底辺で不器用に暮らす人々をていねいに描いた作品で、大げさな演出もなく好感がもてる。それは、中心となる3人の俳優のしっかりとした演技によるところ大である。池脇千鶴の生活感あふれた体つきや、綾野剛の>>続きを読む

ケンとカズ(2015年製作の映画)

3.0

俳優陣は新鮮な面々が多くて魅力的なのに、主人公たちの背景を含め物語がひねりもなく予想どおりに進行していくのがつまらない。また暴力シーンの使い方も安易に思える。ハードボイルドだからといって、やたらと暴力>>続きを読む

(2016年製作の映画)

3.2

少年少女時代のシーンは、どことなくエドワード・ヤンぽくていいなと思っていたが、大人になってからは、じめっとドロドロした邦画にありがちな空気になり、あまり楽しめなかった。男優陣が力演する一方で女優陣が弱>>続きを読む

ありがとう、トニ・エルドマン(2016年製作の映画)

3.7

観始めたときは、この調子でずっと続くのかと不安だったが、中盤からどんどん引き込まれ、後半の思いもよらぬ展開の連続で終わってみれば、泣き笑いが交互に訪れる162分だった。単に父と娘のジェネレーション・ギ>>続きを読む

パーティで女の子に話しかけるには(2017年製作の映画)

3.7

いわゆるボーイ・ミーツ・ガールものだが、タイトルとはかけはなれたなかなかヘンテコ愉快な物語。「旅行者」たちのキッチュさとパンクムーブメントが一部有していたガキっぽさがツボにはまれば楽しく見られる。80>>続きを読む

レッド・スパロー(2017年製作の映画)

3.5

スパイ・サスペンスものとしては、緊張感が維持され、長さをあまり感じさせない作りになっていて娯楽映画としてはじゅうぶん楽しめる。ジェニファー・ローレンス演ずるドミニカが果たしてどちらを欺いているのか、最>>続きを読む

ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命(2017年製作の映画)

3.4

実話をもとにすると、事実を追うことが中心になり、描き方が平板になってしまうことが多いのだが、これもその域を脱していないように思う。動物たちが戦争の犠牲になるかなしみや、ドイツ兵たちがうろうろする中ユダ>>続きを読む

A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー(2017年製作の映画)

3.8

リアルオバQの大河物語とでもいおうか、ゴーストの映像はこわいどころかほほえましく見えてしまうし、柱をほじってるところなどはカワイイくらいである。ホラー感があるかといえば、音の点でそう言えるかもしれない>>続きを読む

光をくれた人(2016年製作の映画)

3.3

マイケル・ファスベンダーとアリシア・ヴィカンダーという魅力的なカップリング(おまけにレイチェル・ワイズという自分好みの俳優ばかり)だし、舞台となる島の風景も美しいので眺める分にはたのしめるのだが、物語>>続きを読む

シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

3.3

映画の雰囲気が「アメリ」を思い出させるのだが、ジャン・ピエール・ジュネのような徹底した世界観に欠けており、性的なシーンや隣人のゲイ話など、作品に必要性を感じない要素が混在したことで、全体がちぐはぐに思>>続きを読む

セールスマン(2016年製作の映画)

3.6

今回もひとつの事件をきっかけに人間関係に不和が生じていくさまを、巧みな脚本で描き出しているが、完成度は「彼女が消えた浜辺」のほうが高いように思う。特に後半、犯人がわかってから少しダレてしまうのが残念だ>>続きを読む

彼女が消えた浜辺(2009年製作の映画)

3.8

ここに登場する人々は、BMWやプジョーに乗り、日常着はTシャツとジーンズで、ルイ・ヴィトンや携帯を持って、バカンスには泊りがけの旅行に出かけているような、女性が髪を隠す以外は、日本のちょっと余裕のある>>続きを読む

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

3.8

単なる復讐もので終わらず、途中から意外な展開となり、最後あの場面に至るとは思いもよらず、脚本の面白さを楽しめる作品となっている。ただ、ひとの性格はそんなに簡単に変わるのかな、という疑問は残り、暴力男で>>続きを読む

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