愛鳥家ハチさんの映画レビュー・感想・評価

愛鳥家ハチ

愛鳥家ハチ

サーミの血(2016年製作の映画)

3.5

スカンディナビア半島の先住民族サーミ人の少女が受ける抑圧とそこからの逃避を描く物語。本作の時代設定とされる1930年代には、スウェーデン政府はサーミ人に対して隔離政策をとり、子供たちも公立学校から排除>>続きを読む

ラッキー(2017年製作の映画)

3.2

ハリー・ディーンストン主演作品。老境の極みを淡々と生きる男性の日々の暮らしと、人びととの交流を描く物語。所々挿入される哲学めいた台詞には、物質主義的でありながらどこか東洋思想を思わせる仏教的なテイスト>>続きを読む

エレファント・ソング(2014年製作の映画)

3.1

チャールズ・ビナメ監督、グザヴィエ・ドラン主演作品。精神科医グリーンと患者マイケル(グザヴィエ・ドラン)との密室での対話を描く人間ドラマ。ニコラス・ビヨンの舞台劇を映画化。患者によってニンジンをぶら下>>続きを読む

トム・アット・ザ・ファーム(2013年製作の映画)

3.4

グザヴィエ・ドラン監督・脚本・主演作品。陸の孤島の中で暴君に翻弄される人びとを描く物語。外部の人間である主人公トム(グザヴィエ・ドラン)は恋人の故郷である辺境の農場に辿り着き、暴力で全てを支配する恋人>>続きを読む

わたしはロランス(2012年製作の映画)

4.6

グザヴィエ・ドラン監督作品。身体は男性ながら心の性が女性であると気づいた主人公が、信念に従って人生を拓く物語。主人公の心身の違和感は徐々に確信に変わり、確信は行動を変容させる信念へと変わります。しかし>>続きを読む

ブラインド・マッサージ(2014年製作の映画)

4.0

ロウ・イエ監督作品。全盲の方々によって運営されているマッサージ院を舞台とした人間ドラマ。複数の登場人物のエピソードが連なる構成という点では、イエ監督自身の『スプリング・フィーバー』と重なります。また、>>続きを読む

二重生活(2012年製作の映画)

3.5

ロウ・イエ監督作品。2つの家庭が1人の男を軸に交錯するドラマ映画。邦題は『二重生活』ながら、英題は"Mystery(ミステリー)"とある通り、謎が謎を呼ぶスリリングな展開が特徴的でした。また、他の作品>>続きを読む

パリ、ただよう花(2011年製作の映画)

3.0

ロウ・イエ監督作品。中国の才智ある女性が異国の地フランスで傷心のさなか、とある現地男性に出会う事で始まる愛憎物語。

ーータイトル
 『パリ、ただよう花』という邦題は、精神的に寄る辺ない主人公の境遇を
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スプリング・フィーバー(2009年製作の映画)

3.5

ロウ・イエ監督作品。妻ある身でありながら男性と不倫関係に陥った男性を起点として、なだらかに生ずる愛慕の連鎖を描く物語。「諸行無常」、「万物は流転する」といった格言が思い起こされる映画でした。ストーリー>>続きを読む

ふたりの人魚(2000年製作の映画)

4.5

ロウ・イエ監督作品。失踪した恋人を探し回る男が、恋人に瓜二つの女性ダンサーに出会うことで生ずる出来事を描く物語。主観映像ということも奏効してか、上海の街角に引き込まれるような臨場感が際立ち、言語化し難>>続きを読む

キング・オブ・エジプト(2015年製作の映画)

3.5

アレックス・プロヤス監督作品。古代エジプトの壁画から飛び出した金色の神話。字幕版を鑑賞。太陽神ラー、生命の神オシリス、砂漠の神セト、天空の神ホルス、愛の神ハトホル、守護の神ネフティス、知恵の神トトとい>>続きを読む

ダークシティ(1998年製作の映画)

3.7

アレックス・プロヤス監督作品。記憶を失った男が闇夜の街を彷徨いながら、青白い肌に黒衣を纏う異星人と対峙するSF物語。訳も分からず追跡者達から逃走する中で、主人公は秘めたる超能力に覚醒し、その力を用いて>>続きを読む

12モンキーズ(1995年製作の映画)

3.7

テリー・ギリアム監督作品。ウイルスによって荒廃した未来世界の男(ブルース・ウィリス)が、災厄の根源を突き止めるべく過去世界にタイムトラベルをするSF物語。

ーー骨格
 フランスのショートフィルムであ
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未来世紀ブラジル(1985年製作の映画)

4.2

テリー・ギリアム監督作品。短縮版ではなく、143分のオリジナル版を鑑賞。本作は、一言でいえば情報省職員である主人公が不可思議な夢と不条理な現実の中を奔走するブラックコメディ風ディストピアSF作品といえ>>続きを読む

ロスト・イン・ラ・マンチャ(2001年製作の映画)

3.8

テリー・ギリアム監督が『ドン・キホーテ』を映画化すべく東奔西走するも、トラブルが理不尽に重なり、撮影が頓挫してしまうまでの過程を追ったドキュメンタリー作品。本作は、伊集院光のラジオ番組『深夜の馬鹿力』>>続きを読む

ホドロフスキーのDUNE(2013年製作の映画)

3.5

ホドロフスキー監督が映画化を熱望しながらも、監督自身の手によってはついぞ実現しなかった幻のSF作品『DUNE』。本作は、ホドロフスキー監督が構想段階で『DUNE』に注ぎ込んだアイデアがいかに"壮大"で>>続きを読む

エンドレス・ポエトリー(2016年製作の映画)

3.8

ホドロフスキー監督作品。監督自身の半生を空想と共に振り返る二部作の第二作目である本作は、監督の青年時代の出来事を描いています。前作『リアリティのダンス』にも増して、"赦し"と"肯定"の要素が前面に出て>>続きを読む

リアリティのダンス(2013年製作の映画)

4.1

アレハンドロ・ホドロフスキー監督作品。ホドロフスキー監督自身の半生を振り返る二部作の第一作目。本作は少年期を、次作の『エンドレス・ポエトリー』は青年期を描いています。ポスターの中で監督がそっと寄り添う>>続きを読む

007/ドクター・ノオ(1962年製作の映画)

3.2

映画『007』シリーズの第1作目であり、伝説の始まり。吹替版を鑑賞。MI6の諜報員ジェームス・ボンドがジャマイカの孤島に乗り込み、巨悪の陰謀を阻むべく奮闘する物語。若き日のショーン・コネリーの貫禄ある>>続きを読む

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(2012年製作の映画)

3.5

庵野秀明総監督作品。新劇場版4部作の第3作目。碇ファミリーの世界を巻き込む"お家騒動"は新たな局面を迎えることに。本作『Q』では、"人類補完計画"の趣旨が語られたり、初号機に"宿る"秘密が明かされたり>>続きを読む

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破(2009年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

庵野秀明総監督。『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』の続編。前作の『序』はTVアニメ版の1〜6話を上手く圧縮したものでしたが、本作は『破』と題するだけあって、新キャラ投入と既存シナリオの組換えと逸脱が印象>>続きを読む

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序(2007年製作の映画)

3.4

庵野秀明総監督。本作は、TVアニメの金字塔『新世紀エヴァンゲリオン』の第1話から第6話を新劇場版として再構築した作品。少年少女が"汎用人型決戦兵器"である"人造人間エヴァンゲリオン"に乗り込み、世界の>>続きを読む

The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ(2017年製作の映画)

3.1

ドン・シーゲル監督の『白い肌の異常な夜』(1971)をソフィア・コッポラ監督が46年越しにリメイクした作品。コリン・ファレル演ずる負傷兵が森の中の女子学院に迷い込むことで生ずる愛憎の渦を描きます。>>続きを読む

白い肌の異常な夜(1971年製作の映画)

3.4

『アルカトラズからの脱出』のドン・シーゲル監督とクリント・イーストウッドが再タッグを組んだ作品。原作はトーマス・カリナンの小説である"The Beguiled"。女性のみの館に一人の男性兵士が迷い込む>>続きを読む

アシク・ケリブ(1988年製作の映画)

3.8

セルゲイ・パラジャーノフ監督の遺作。慕い合う恋人マグリとの結婚のため、千の夜の旅に出る吟遊詩人アシク・ケリブの物語。婚資金の代わりに花弁を用意するケリブはいかにも詩的で、マシンガンを撃ち鳴らし祝砲とす>>続きを読む

スラム砦の伝説(1984年製作の映画)

4.1

パラジャーノフ監督作品。砦の人柱となったある若者の自己犠牲の物語で、ジョージアに伝わる民話が下敷きとなっています。『ザクロの色』のような映像読解の難解さは薄れ、ストーリーラインも比較的明瞭であり、飲み>>続きを読む

ざくろの色(1971年製作の映画)

3.9

セルゲイ・パラジャーノフ監督による、実在した詩人サヤト・ノヴァの生涯をモチーフにした作品。サヤト・ノヴァ(1712年-1795年)は、ティフリス出身の吟遊詩人であり、恋愛の詩が著名とされています(注1>>続きを読む

火の馬(1964年製作の映画)

3.8

セルゲイ・パラジャーノフ監督作品。家同士のいさかいを超えて幼なじみの男女が想い合う物語。本作は、ウクライナ人作家のミハイル・コチュビンスキー(1864-1913)による小説である"Shadows of>>続きを読む

性別が、ない!インターセックス漫画家のクィアな日々(2018年製作の映画)

3.5

漫画家の新井祥と同じく漫画家でパートナーの"こうくん"を追ったLGBTQが主題のドキュメンタリー作品。新井氏は30歳まで女性として生活していたところ、染色体検査でいわゆる半陰陽と診断されて以来、セクシ>>続きを読む

ヘルボーイ(2004年製作の映画)

3.1

ギレルモ・デル・トロ監督作品。異世界から転送されてきたヘルボーイが悪の怪物と戦うダークヒーロー・アクション作品。ロン・パールマン演ずるダンディーな主人公のヘルボーイは、岩石のような屈強な身体と折り取ら>>続きを読む

フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法(2017年製作の映画)

3.3

フロリダのディズニー・ワールドに隣接するモーテルに住む母子の生活の"悲喜こもごも"を描いた作品。格安モーテルから逃れることのできないシングル世帯に焦点を当てた内容であるだけに、大変気持ちの重くなる作品>>続きを読む

イエスマン “YES”は人生のパスワード(2008年製作の映画)

3.4

ジムキャリー主演、山寺宏一吹替えにて鑑賞。『マスク』を筆頭に、ジムキャリー作品は字幕ではなく山ちゃんの吹替がとにかく至高ですね。ストーリーとしては、人を避け、あらゆる誘いに"No"を連発することが習慣>>続きを読む

コンテイジョン(2011年製作の映画)

3.8

スティーブン・ソダーバーグ監督作品。『コンテイジョン(Contagion)』とは、接触感染や伝染病を意味する言葉で、タイトルから想像される通り、本作はウイルス性の感染症に世界が翻弄される様を描くディザ>>続きを読む

翔んで埼玉(2018年製作の映画)

3.1

関東ローカルの小ネタをこれでもかと詰め込んだコメディ作品。魔夜峰央の漫画『翔んで埼玉』の実写化映画ということで、原作読了済みの状態で鑑賞。世界観はもちろんのこと、Gackt、二階堂ふみ、京本政樹を筆頭>>続きを読む

ジュディ 虹の彼方に(2019年製作の映画)

4.1

青山シアターのオンライン試写会にて鑑賞。ショービジネスの世界に翻弄されながらも、舞台の上に確かな居場所を見出した名優ジュディ・ガーランドの伝記映画。本作での演技が高く評価され、レネー・ゼルウィガーは第>>続きを読む

トップガン(1986年製作の映画)

3.5

トム・クルーズの出世作。精鋭の集う航空戦訓練学校である通称"トップガン"を舞台とした航空アクション・ラブロマンス映画。本作公開後はアメリカ海軍への志願者が劇的に増加し(注1)、日本でも本作に憧れて戦闘>>続きを読む

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