愛鳥家ハチさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

愛鳥家ハチ

愛鳥家ハチ

映画(837)
ドラマ(4)
アニメ(0)

A.I.(2001年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

スタンリー・キューブリック原案、スティーブン・スピルバーグ監督&脚本による、"愛"をプログラミングされた人工知能(AI)を搭載する子供型ヒューマノイドの"生涯"を辿るSF作品。子役時代のハーレイ・ジョ>>続きを読む

イノセンス(2004年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

押井守監督作品。『攻殻機動隊』の続編で、公安9課のトグサとバトーがヒューマノイドの暴走の原因究明に奔走する物語。ホラーテイストを織り交ぜつつ、サイバーパンクを基調とした、大口径なガンアクションが目を引>>続きを読む

ANON アノン(2018年製作の映画)

3.0

『ガタカ』のアンドリュー・ニコル監督作品。個人の記憶が記録・共有され、プライバシーが失われた近未来の世界で、犯行現場の記録が不可解に改ざんされた殺人事件が発生。捜査線上に浮かぶANON(=名無し)と呼>>続きを読む

エリジウム(2013年製作の映画)

3.7

『第9地区』のニール・ブロンカンプ監督作品。本作は、上流階級の住まう衛星軌道のコロニーである"エリジウム"と、その他の市民が留まることを余儀なくされている荒廃した地球が舞台で、ある事故をきっかけに余命>>続きを読む

シザーハンズ(1990年製作の映画)

4.1

ダークファンタジーの申し子、ティム・バートン監督による、古城に住う両手がハサミの人造人間・エドワードと町の人々との交流を軸とした温かくも物悲しい(人造)人間ドラマ。ハリネズミのジレンマのように、近づき>>続きを読む

存在のない子供たち(2018年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

ナディーン・ラバキー監督作品。本作は、是枝監督の『誰も知らない』に『万引き家族』を掛け合わせて、現代中東の社会問題を満遍なく振りかけたような作品だったと思います。社会が抱える諸問題によって構築された">>続きを読む

プライベート・ウォー(2018年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

実在の戦争ジャーナリストであるメリー・コルヴィンの伝記作品。なかでも野戦病院でのシーンが圧巻でした。以下、印象的だったメリー・コルヴィンのセリフについて述べます。

ーー戦争報道とは
「戦争報道とは、
>>続きを読む

スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け(2019年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

本作を観て、暗闇で懐中電灯をライトセーバーに見立てた懐かしい過去が蘇りました。銀河随一のアクションと、正義を信じる"人々(people)"の絆、更には可愛らしいプチ・ユーモアも合わさり、エンターテイン>>続きを読む

だれもが愛しいチャンピオン(2018年製作の映画)

4.0

プロバスケットボールチームのサブコーチをしていた主人公マルコが、ある事件をきっかけに障がい者バスケチームの監督となるお話。偏見の塊ともいえるマルコが薄皮をめくり取るように認識を変容させていく様が見所で>>続きを読む

ドクター・スリープ(2019年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

超能力・サイコアクション・ホラー作品。シャイニングの正統続編。スティーブン・キングが太鼓判を押したのも納得の出来。サイキック・バトルばかりかと思いきや、突如始まるガンアクション。メリハリが効いていて良>>続きを読む

家族を想うとき(2019年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

ケン・ローチ監督作品。BBC Films。上映回はほぼ満席。フランチャイズ契約を結び、個人事業主として運送業を始めた父と、介護士の母、学校に碌に行かずストリートアートに没頭する息子、そして幼いが真面目>>続きを読む

エッシャー 視覚の魔術師/エッシャー 無限の旅(2018年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

エッシャー作品について学びたいと思い鑑賞。本作はエッシャーの日記、書簡、関係者のインタビューによって構成されたドキュメンタリー映画。エッシャー作品を紹介するという意味での"アート映画"でもあり、同時に>>続きを読む

2人のローマ教皇(2019年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

Netflix製作・配給作品。劇場鑑賞、上映回は満席。教皇と枢機卿の対話を通じてカトリック教義の保守性と革新性を炙り出す物語。実話に着想を得た作品とのこと。特にアンソニー・ホプキンスの雰囲気というか">>続きを読む

ヘヴィ・トリップ/俺たち崖っぷち北欧メタル!(2018年製作の映画)

4.8

本作は、迷えるトナカイ、もとい悩める現代人のための「ヘヴィメタル・セラピー映画」だと思いました。怒りに震える精神も、沈みきった心も、本作に触れれば立ちどころに平安を見出すことになるでしょう。重金属製の>>続きを読む

ある女優の不在(2018年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

ジャファル・パナヒ監督作品。イランの現役女優のもとに届いた動画メッセージを手がかりに、パナヒ監督と現役女優が山村に赴き事態の解明を試みる物語。所感をいくつか。

ーー英題と邦題
 まず、タイトルについ
>>続きを読む

オリーブの林をぬけて(1994年製作の映画)

4.7

アッバス・キアロスタミ監督作品。ジグザグ道三部作の第三作目。『友だちのうちはどこ?』の舞台となった街での映画撮影をめぐる物語。ひたむきですが拗らせ気味のホセインのキャラクターが非常によく立っていたよう>>続きを読む

そして人生はつづく(1992年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

アッバス・キアロスタミ監督作品。ジグザグ道三部作の二作目。イランでの大地震の被災地に赴き、『友達のうちはどこ?』の主演少年を探すという筋書き。震災現場をの様子を伝えるドキュメンタリーでありつつ、フィク>>続きを読む

ホームワーク(1989年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

アッバス・キアロスタミ監督作品。出演はシャヒッド・マスミ小学校の生徒と親たち。「子どもの宿題についての映像リサーチ」であると監督自身がカテゴライズする本作は、大勢の子供たちへのインタビューパートが秀逸>>続きを読む

友だちのうちはどこ?(1987年製作の映画)

4.3

アッバス・キアロスタミ監督作品。いわゆるジグザグ道三部作の一作目。間違えて持ち帰った友人のノートを返すために、少年が東奔西走するお話。要所要所で絵になる構図が用いられており、引き込まれました。こちらも>>続きを読む

トラベラー(1974年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

アッバス・キアロスタミ監督の長編作品。イラン南部の田舎に住む不良少年が、首都テヘランで開催されるサッカー試合の観戦のために奔走するお話。少年は親族相盗、他人物売買、詐欺にまで手を染めて交通費やチケット>>続きを読む

台湾、街かどの人形劇(2018年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

台湾の伝統芸能である布袋戯の伝承者を取材したドキュメンタリー映画。布袋戯とは、布地の衣装を纏った人形を手に被せ、時には小道具を巧みに操りながら、専用の舞台装置で演じられる人形劇で、大衆演芸でありつつも>>続きを読む

ラヴレース(2013年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

苛烈な家庭内暴力により激動の人生を辿り、遂には自分自身を取り戻すこととなった女性の物語で実話ベースの作品。ミュージカル映画『マンマ・ミーア』のアマンダ・セイフライド主演。シャロン・ストーンやSATCの>>続きを読む

フローレス(1999年製作の映画)

3.1

男より勇敢で女より女らしい御姉様のフィリップ・シーモア・ホフマンと保守的な価値観を持つ脳卒中を患ったロバート・デ・ニーロによる友情物語。偏見や差別がまだまだ根強く残る社会の中で、努めて陽気に生きるLG>>続きを読む

マリアンヌ(2016年製作の映画)

3.0

ロバート・ゼメキス監督作品。スパイ同士の恋愛は一筋縄ではいきません。カサブランカの居宅の屋上はアザーンらしき声が微かに響き、異国情緒に溢れていました。激しい砂嵐のシーンも見所。

湯を沸かすほどの熱い愛(2016年製作の映画)

3.0

日本の賞レースを席巻したということで鑑賞。残された余生をどう生きるかという切実なテーマと、そこから生じる家族愛や人々の絆が物語の核となっており、多くの方の心の琴線に触れる作品だといえます。
 ただ、違
>>続きを読む

アダムズ・アップル(2005年製作の映画)

4.5

キリスト教でいうところの『旧約聖書』、あるいはユダヤ教の『聖書』における「ヨブ記」の世界観を現代に引き直した作品。マッツ・ミケルセン演ずる神父の勧めで、スキンヘッドの男・アダムがアップルパイを作ろうと>>続きを読む

テルアビブ・オン・ファイア(2018年製作の映画)

4.0

パレスチナ問題を絶妙なバランス感覚でコメディ化したイスラエル映画。パレスチナ側の言い分も、イスラエル側の言い分も示して両論併記をしつつ、どちら側にも肩入れしない(ように見える)作品で、監督の手腕には脱>>続きを読む

ブルーノート・レコード ジャズを超えて(2018年製作の映画)

3.7

ブルーノートというレーベルからジャズの歴史を紐解くドキュメンタリー映画。ナチスの迫害を逃れてドイツからアメリカに渡ってきた二人の青年がブルーノート・レコードを設立するというエピソードから作品は始まりま>>続きを読む

ピータールー マンチェスターの悲劇/ピータールーの虐殺(2018年製作の映画)

3.8

マイク・リー監督作品。イギリス史上最も苛烈な民衆弾圧事件とされる「ピータールーの虐殺」を題材とした映画。冒頭で"Amazon Studios"の配給表示がなされ、映画業界の潮目の変化を目の当たりにした>>続きを読む

完全な候補者(2019年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

第20回東京フィルメックス映画祭にて鑑賞。邦題は『完全な候補者』。ひょんなことから女性医師が地方議会選挙に立候補する物語。
 なかなかお目にかかれないサウジアラビア映画ということで、ストーリーはもとよ
>>続きを読む

シュヴァルの理想宮 ある郵便配達員の夢(2018年製作の映画)

4.0

美術手帖特別試写会にて鑑賞。郵便局員である主人公・シュヴァルが壮大な構想に基づいて宮殿を積み上げる実話ベースの物語。不器用な性格ながら器用な手先を持つシュヴァルは、道端の奇石に触発されて"理想宮"の建>>続きを読む

アナと雪の女王2(2019年製作の映画)

3.3

字幕版を鑑賞。アベンジャーズかジャスティスリーグにスカウトされそうなエルサの超能力アクションや、1980年代洋楽PV風のクリストフが特に見どころだと思いました。"into the unknown〜"も>>続きを読む

残された者-北の極地-(2018年製作の映画)

4.0

荘厳な北極圏の白い大地と生命力みなぎる熱い男の物語。ナショナル・ジオグラフィック・チャンネル(CS放送)の北極特集とサバイバル番組を掛け合わせたような作品でした。登場人物がほとんどおらず単調になるかと>>続きを読む

永遠の門 ゴッホの見た未来(2018年製作の映画)

3.3

ゴッホの半生を描いた作品。絵画に明るくないため、勉強の意味も込めて鑑賞。ビジュアル面では、ウィレム・デフォーがゴッホの自画像からそのまま出てきたような風貌で大変驚きました。もっとも、劇中で、週に一回の>>続きを読む

決算!忠臣蔵(2019年製作の映画)

3.1

『忠臣蔵』の物語として描かれることの多い核心場面のほとんどが端折られており、もっぱら赤穂浪士の地下活動とそのコスト計算に焦点が当てられています。笑わない岡村隆史の好演と妖精・濱田岳のふわふわとした演技>>続きを読む

ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士(2009年製作の映画)

3.0

『ミレニアム』三部作の第三作目。リスベットの法廷でのパンクファッションが強烈に格好良いです。ただ、弁護側の無罪立証の立論がアバウトすぎること等々、本編での最重要シーンである刑事裁判の描かれ方がやや粗か>>続きを読む