emuさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

ガール・ピクチャー(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

恋愛をしていてもしてなくても不完全じゃない、私の価値は関係ない。個人のセクシュアリティを隠すことなく、否定することなく真っ直ぐ描かれていたのがとても良かった。好意がいつのまにか悪意になって、相手のこと>>続きを読む

レッド・ロケット(2021年製作の映画)

4.2

夢に手が届かないまま、やるせなくてもがいているどうしようもない人たちと、鮮やかで美しいテキサスの田舎町。私はこの作品がめちゃくちゃ好きだ。ショーン・ベイカーはこれからもずっと追っていきたい大好きなフィ>>続きを読む

リズと青い鳥(2018年製作の映画)

4.5

心や感情が波紋のように周りに相手に広がっていく過程がとても美しくて優しくて。こういう物語が私は大好き。フルートとオーボエ。縦笛と横笛の決して交わらない音、あまりにも鮮やかで儚い青。

Ryuichi Sakamoto: CODA(2017年製作の映画)

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ピアノの音は永久には続かない、永遠に途切れない音に憧れを抱く。というのが坂本龍一さんらしいな。ピアノを作る過程で、本来の音、かたちを無理やり人間の形に押し込んでしまうという話も。雨の音、落ち葉の音、自>>続きを読む

書かれた顔 4Kレストア版(1995年製作の映画)

4.2

白粉を素早く塗っていく、手の動き、佇まい、髪をかきあげて目を伏せ、また視線をあげて落とす。筆の紅をひく仕草。何回もドキッとしてしまった。ラストの鷺娘の舞があまりにも美しくて。

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

4.0

無我夢中でカメラを回すことも、ワクワクして胸を打つあの瞬間も、大切なあの人の心を傷つけてしまうことも。サムにとっても誰かにとっても、映画は人生そのものだから。映画の素晴らしさについて改めて考えさせられ>>続きを読む

夜の人々(1948年製作の映画)

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2人で降りた夜行バス、20ドルの結婚式
あまりにも刹那で美しいデビュー作

別れる決心(2022年製作の映画)

4.2

”愛してると言ってくれたあのときにあなたの愛が終わり、そしてその瞬間に私の愛が始まった”
タン・ウェイの放つ美しい台詞の数々と、あまりにも素晴らしいラスト!私も深い海の奥底へ行けたら。

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

”自分を見失った時こそ優しさを忘れないで”。という愛する人の言葉、自分のルーツ、選ばなかった幾つかの人生、そして愛すべき人たちの未来について。たとえ家族でも分かり合えない、大好きだとは言えない。でもそ>>続きを読む

突然炎のごとく(1961年製作の映画)

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桟橋のうえを駆ける3人の競走シーンはあまりにも有名だけどやっぱりとても好きだったな。ジャンヌ・モローの瑞々しさと危うさの交じり合った立ち振る舞いが美しい。

逃げ去る恋 4Kデジタルリマスター版(1979年製作の映画)

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あの人また走ってるわ、と困ったように笑って呆れるクリスチーヌの台詞が好き。映画とレコードとつぎはぎの写真と。

EUREKA ユリイカ(2000年製作の映画)

5.0

本当に素晴らしい作品だった。まさにマスターピース。”生きろとはいわん、けど死なないでほしい”。あの真っ直ぐな言葉の重さにただ泣いていた。きっとこれからもこの作品のことを忘れないし忘れたくないな。映画館>>続きを読む

みんなのヴァカンス(2020年製作の映画)

4.3

大きなことは何も起こらないのにこんなにも優しくてあたたかい。一緒に見ていたお客さんもみんなクスクス笑っていてその空間も居心地良くてよかった。カラオケで歌うalineのシーンとても好き。

コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

4.0

旅の果てにあるものが何もなくても、何も変われなくてもそれでいい。孤独とともに人は存在しているということ。ラスト、思わず溢れる彼女の笑顔があまりにも嬉しくて尊くて忘れられない。

夜霧の恋⼈たち 4Kデジタルリマスター版(1968年製作の映画)

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女はみな誰もが特別なのよ、と言ってくれるデルフィーヌ・セイリグはわたしの憧れです。食卓でのメモのやり取りが可愛くて大好き。

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

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この島には何もない。優しさも長くは続かない。50年後には皆存在すら忘れ去られてしまう。それでも優しさだけが、どうしようもない理不尽や暴力のなかに差し込む唯一の光であり救いなのが良かった。どうしてこうな>>続きを読む

SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

4.2

この作品の誠実さ、真っ直ぐさにただただ感動していた。理不尽な暴力と社会の仕組みに怒り悲しんで、涙を堪えて沈黙せざるを得なかった彼女たちを思うと涙が止まらない。

ノベンバー(2017年製作の映画)

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どんな穢れも畏れも全て肯定してしまうような白と黒。魔物と疫病と死者と生者。行き別れの恋、月夜になびく髪。言葉で表現するのが惜しいほど。水中でのラストシーンがあまりにも美しくて息を呑んだ。

そんなの気にしない(2021年製作の映画)

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カサンドラの憂鬱な眼差しがどこかわたしの中にもある同じような心の隙間を感じてドキッとした。彼女と同い年というのもあるけれど、自分に自信もなくて今をなんとなく生きているのがリアルで沁みる。私はこの作品好>>続きを読む

そばかす(2022年製作の映画)

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自分にとって当たり前のことを理解してもらえないのがわかっていて、理解されることを諦めて。それを押し殺して生きていくのはとてもしんどいよなと。私も同じだったし、何だかとても救われた。もっと早くに出会いた>>続きを読む

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

5.0

原作が大好きだから、井上先生の描いた絵がアニメーションになって動いていることにもう感動してしまう。線画から始まるオープニングから最後までずっと興奮しっぱなしだった。スラムダンクありがとう。

スパークス・ブラザーズ(2021年製作の映画)

4.2

SPARKSはアネットで初めて知ったけれど、2人ともとてもチャーミングで楽曲もどれも素晴らしいな。ずっと見入ってしまった。音楽の使い方も画のカットも構成がとにかくかっこよくて、今まで見たドキュメンタリ>>続きを読む

あのこと(2021年製作の映画)

4.4

目を背けず、胸が痛くなるのも堪えてただただ彼女の姿を見つめていた。リプロダクティブ・ヘルス・ライツ、自分の未来を自分で選択する権利を他の誰かに奪われないために。間違いなく今もこの先も、誰にとっても必要>>続きを読む

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

4.3

ざらつくようなフィルムの質感と河川敷の朝。ミットの音、踏み続けるステップ。ただひたすらに、雑踏とした世界の中で、それでも前を向いて走っていけると信じること。あまりにも美しくて泣きそう。

冬の旅(1985年製作の映画)

4.6

自由を求めて、というよりは反逆の精神なのかな。子供や動物、老人と話す時の優しい表情が忘れられない。流れるように通り過ぎる景色も人も、冬の寂しい木枯しも、彼女の瞳にはどんな風に映っただろう。観終わった後>>続きを読む

アイズ ワイド シャット(1999年製作の映画)

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ピアノの音、青い闇の中で輝くクリスマスのモニュメントとニコール・キッドマンの虚げで真っ直ぐなあの瞳。キューブリック作品の中でもかなり好きだった。

グリーン・ナイト(2021年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

時間の放浪、未知への旅路という映画的マジックは前作のa ghost storyを思い起こす。赤は欲望、緑は欲望が残していったもの。あまりにも美しくてずっと目が離せない。恋人のエセルと城の奥方、ウィニフ>>続きを読む

ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー(2022年製作の映画)

4.0

前作からもう4年が経ったのかと驚く。チャドウィック・ボーズマンがもうこの世にはいないことも、いまだに受け止めきれていない。愛しい人を失った喪失、悲しみ、怒り、憎しみ。ぐちゃぐちゃになった感情をどこに向>>続きを読む

パラレル・マザーズ(2021年製作の映画)

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女であること、母であること、人であることの喜びと苦悩。ジャニスが下した決断と、それに対するアナの応えが良かったな。ペネロペ・クルスはやはり素晴らしい。

ヒューマン・ボイス(2020年製作の映画)

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30分間ずっとティルダ様のターンだった。あまりにも映画的で美しい。

アフター・ヤン(2021年製作の映画)

4.6

なぜだかわからないけれど、オープニングから泣きそうになった。小さすぎて見過ごしてしまいそうな美しい日々の記憶。それは星のように何千何万と溢れているのに、全部全部覚えておきたいのに、私たちは時間と共にほ>>続きを読む

恋人はアンバー(2020年製作の映画)

4.0

君ならどこへでも行ける、と涙を浮かべながらエディの背中を押してくれるアンバーに思わず貰い泣きした。自分の居場所はここじゃないと、強く引っ張って連れ出してくれるかけがえのない人がいること。