ISSHINさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

アンテベラム(2020年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

過去を取り戻そうとする白人と、今を生きようとする黒人の物語。

「ウーマントーキング」ほど、現代で起きている出来事という設定が訴えかけてこない。単に設定とプロット上必要だったものとしか捉えられない。「
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デビルズ・ソナタ(2018年製作の映画)

4.0

可憐さと幼児性を持ち合わせた女性が、御屋敷の謎に迫る…!まさに王道ゴシック映画の導入。ホクホクした。しかし、後半。新境地を築こうとして尽く失敗しているように思える。ただ、しっかりゴシックホラーを描こう>>続きを読む

マーベルズ(2023年製作の映画)

4.0

快活で見ていて楽しい。ただ、テンポを意識しすぎて継ぎ接ぎに感じる部分が所々ある。MARVEL映画のもつ、アメコミ漫画特有の馬鹿らしさを発露させるという方向転換なのかと思う。そういった点でも面白く観るこ>>続きを読む

ゴーストスープ(1992年製作の映画)

3.8

日本映画から逸脱したい欲が垣間見える。深夜ドラマということもあり、縛りは多かったのだろう。説明過多、あるいはテンション感のバグは岩井俊二の演出ではなく、業界の圧力なのかな。アイドル映画っぽいしね。

切り裂き魔ゴーレム(2016年製作の映画)

4.1

構成が上手くない。故に映像に緩急も生まれず、単調な物語に感じてしまう。こんなにすごい話なのに!!!

チープに感じる、殺人鬼の誕生秘話も端正に描けば新鮮さと驚きを持って提供できただろうに…。世界観の作
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アントマン&ワスプ:クアントマニア(2023年製作の映画)

3.9

量子の世界に入る描写は相変わらず面白い。量子人のデザインも奇抜で楽しい。物語の濃淡のなさは相変わらずだが、言われているほど悪くはなかった。MARVEL映画ってずっとこんな感じじゃないの?

パージ(2013年製作の映画)

3.6

馬鹿しか登場しないのは、富裕層への皮肉なのか…?なんなんだこれは?

人間の持つ暴力性、野蛮さにフォーカスを絞った作品は近年の流行りだ。野蛮さを扱うなら、論理に裏付けされた暴力ではなく得体の知れなさを
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マーベル・スタジオ スペシャル・プレゼンテーション:ウェアウルフ・バイ・ナイト(2022年製作の映画)

3.7

白黒風アクション映画。

売れっ子作曲家マイケル・ジアッキーノの監督作ということで、音楽家が映画を撮るとどうなるのか興味惹かれて鑑賞。結論からいうと、いつものMARVEL映画だった。音楽的感性が発露し
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クルエラ(2021年製作の映画)

4.1

「time of the season」はやはりアガる。

映画として上手では無いが、とにかくアガるシーンのオンパレード。監督のスマートな演出により楽しく観ることが出来る。
そしてキャットウーマンのミ
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ザ・メニュー(2022年製作の映画)

4.2

「レミーのおいしいレストラン」の超絶ブラックバージョン。

ラストシーンははらりと涙が…理由はよく分からないけども。チーズバーガーが食べたくなる映画でした。

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.4

一人の女性の成長を風刺画社会とともに描く。

思っていたよりもずっとシンプルで、力強い作品だった。現代を紐解くための鍵となる作品でした。

寝ても覚めても(2018年製作の映画)

3.8

少し恥ずかしくなってしまうほど正面から日本映画だった。

等身大で未成熟な人物を中心に物語が巡る。なので、濱口監督の持ち味のよそよそしさの演技演出が上手く作用していない感じも若干ある。清潔感のある作劇
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ビヨンド・ユートピア 脱北(2023年製作の映画)

4.8

知らない方が幸せなのか。我々に突きつけられる、幸福とはなにか。当事者の証言や映像から滲む思いに感銘を受けた。制作陣の熱量もひしひしと。我々に問題を提示するところで終わる結論のない映画であることが、根深>>続きを読む

ウェンディ&ルーシー(2008年製作の映画)

4.4

非日常に晒された女性の日常を切り取る。

説明は排し、少し俯瞰した映像でみせる。時折女性クローズアップが挿入される、その度にドキリとする。そこにいる人々は本当に存在するかのようで、行き届いた想像力に惚
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渇き(2009年製作の映画)

4.7

さりげなくとんでもない映像を見せてくる、まさに変態的な映画。

前半はやけにテンポがいい。ヴァンパイアになってからはゆったりするという歪な構造。またヴァンパイアのアクションを「ドヤドヤ感」がなく見せる
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ルーム(2015年製作の映画)

4.3

全てがコントロールされ統制のとれた映画。

物語の核を取りこぼさない巧みに計算された演出。入り乱れる親子の視点で、物語に新たな価値が見出される。そしてそれも計算づくなのである。特に後半は形式化されたド
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聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(2017年製作の映画)

4.1

藤子・F・不二雄の短編集は傑作揃いだが、そのブラックで風刺の効いた物語りはあの画風とユーモアに補われている。

本作品はそんな藤子・F・不二雄短編集を、めっちゃ真面目に不快に作ったようで興味深く見た。
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The Witch/魔女(2018年製作の映画)

4.3

アクションの見せ方が「シン仮面ライダー」と似通っているが、歴然たる差に愕然としてしまった。やはり韓国映画恐るべし。キム・ダミさんのやりすぎとも思える表情コントロールに心奪われる。「あっ、こわっ」と声を>>続きを読む

キラー・ジーンズ(2020年製作の映画)

3.9

ボリウッド音楽で踊り出すジーンズが可愛くて仕方ない。

あくまのきゅうさい(2018年製作の映画)

3.7

やりたいことは判る。
でもね……黒沢清ならずかな。

オン・ザ・ミルキー・ロード(2016年製作の映画)

4.0

冒頭の、動物など制御の難しい対象を演出に利用した神がかったシークエンスがあったが、その後の逃避行劇はそこまで迫ってこない。
総じてキテレツでエネルギッシュな映画だったな。

オンリー・ゴッド(2013年製作の映画)

4.3

とにかく目に良い。

色彩設計、画面構成と陰影。美しい。テーマと一体化した縦横無尽徒歩、この映画でしか拝めないだろう。全てが映像的な恐るべき映画。面白いと思えた。

バーバリアン(2022年製作の映画)

4.2

裏切りの連続で見飽きない。

不穏な空気を上手く醸成し、観客を映像に釘付けにする。そこから衝撃的なシークエンスに移行したところで、唐突に時間や場所が飛び観客を混乱させる。つまり裏切りによって構成される
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武器人間(2013年製作の映画)

3.8

モキュメンタリーであることが緊迫感を減退させている珍しい作品。却って低予算を際立たせている。ヒーローショーのように、武器人間の登場が映されるがカメラは無事。ゲームのように繰り返される言動にもげんなり。>>続きを読む

ヘンゼル&グレーテル(2013年製作の映画)

4.4

ヘンゼルが糖尿病になってるのおもしろすぎる。

B級映画だからこそ光るセンス。アクションが楽しく、キャラクターや武器のギミックもいちいち凝っている。何も考えず浸っていられるいい映画。

サイコ・ゴアマン(2020年製作の映画)

4.3

良質なコントみたいで笑えて仕方ない。

ミミがすごくいい。楽しいキャラクターであると共に、はぐれ者の悲哀も秘めている。映画全体が文字通り悪魔崇拝で、キリスト教を真っ向から否定していて爽快。

ウォンカとチョコレート工場のはじまり(2023年製作の映画)

4.3

毒のない絢爛豪華なチョコレート映画!ティム・バートンなら、もっとスーツケースをかっこよく撮るはず……!
でもすごくよかったよ!

サマー・オブ・84(2017年製作の映画)

4.2

結末が嫌〜な、ジュブナイルサスペンス。

80年代の雰囲気作りは素晴らしくいつまでも見ていられる。所々突っ込みたくなるが、落ちが良かったので良しとします。見たことあるようでなかった。良作でした。

RUN/ラン(2020年製作の映画)

4.0

専らドラマを見せるための映像で好みではないが、ハラハラドキドキはしました…

割と序盤で物語の顛末はわかってしまったが、主人公が賢こすぎるので勿体ぶった展開にはならない。最高。