とてもぞっとする映画。
さっきまで、画面の中で元気に話していた人が、テロップでさらっと死んで行く。
映像や編集の加害性をここまで押し出したドキュメンタリー映画もないと思う。
しかし、これこそリアリティ>>続きを読む
まさかスリを題材にした映画で、こんな燃えると思わなかったし、こんな泣けるとも思わなかった。
男は女が泣いてたら問答無用で助けなきゃいけないんだ。
大好きな映画のうちのひとつになりました。
アクションに次ぐアクション!
行くところまで行ってやる、やれるところまでやりきってやるという気概みたいなものが感じられる。
これをスクリーンで観れたことが、幸せ。
松方弘樹のあの最後の眼差し。
あれは沖縄の眼差しだ。
「生きるためだ。生きるためなら犬でも豚にでもなるさ。」
権力の都合で、戦いを押し付けられて来た沖縄。
本土復帰というタテマエで、彼らのホンネを抑>>続きを読む
残虐な戦闘描写と、唐突に訪れる兵士達のまどろみの緩急が戦場の地獄感を際立たせる。
戦争に行ったからといって、ずっと戦闘しているわけではない。
戦場にも生活はあって、彼らはいくら人を殺したって人間なので>>続きを読む
あー、これは紛れもなく映画だ。
おもしろいという言葉以外を、ここで紡ぐことは野暮だとさえ思われる。
だから、今はこれしか言いません。
おもしろい。
見終わった後、混沌としたこの世の中にひとりぼっちで放り出されたような気持ちになった。
イーストウッドは、原罪とか運命とかそういうものをテーマにして映画を撮り続けている。
「15時17分パリ行き」が運命>>続きを読む
あー、ジョニートーの映画だなぁって感じの作品。
復讐という主題を、主体者の記憶の喪失という設定で問い直す。
記憶のないものに復讐とは意味をなすのか。
この映画は、その問いに「意味をなさない」と答えた。>>続きを読む
奪われた人々の、鬱屈した怒りとかパワーとかを全編に爆発させた凄まじい映画。
怒り方とか、反抗の仕方を忘れてしまった私たち若者たちに「なんでもいいから、やっちゃえよ!」とハッパをかけてくる。
表現や娯>>続きを読む
映画を見終わったあと、言葉にすることができない時、自分はすぐに「言葉にできないものが映画だ」と割り切って言葉にすることをやめるのだけれど、この映画を見終わったあとなんだか意味がわからないのに語りたくて>>続きを読む
用心棒と椿三十郎を、ごった混ぜにしたような感じと鈴木清順の美学が融合するともうめちゃくちゃ!
めちゃくちゃかっこいいし、めちゃくちゃ面白い。
四方田犬彦が日活無国籍アクションについて「戦後社会そのも>>続きを読む
正しく怒る偉いおっさんをリーアムニーソンが、正攻法で演じている。
腐った野郎どもがこの国を動かしてる!ふざけんな!という正攻法の怒り方がバカにされ出しているこの世の中で、こういう映画が撮られることは、>>続きを読む
殺しに取り憑かれた女の話。
憎しみと愛は本質的に変わらなくて、主人公は自分がどれだけ愛したか、または愛されたかという確認をとるかのように、殺しを行なっていく。
主観的な映像を積み重ねていくことで、殺>>続きを読む
戦争をするのは、どんな時代であっても人間であるということを思い知らされる映画だった。
不完全な人間。
そして、不完全な人間によって作られた不完全な機械。
2つの不完全な存在が、小さなボタンのかけ違いを>>続きを読む
愛と憎しみ、善と悪という二元論はこの映画に対しては全く無意味だ。
いや、この映画に限らないのかもしれない。
全ての映画に対して無意味だ。
いや、映画に限らず、私たちの生きる現実においても無意味だ。>>続きを読む
自分を正義と信じて疑わず人を罰するようなことをする人のことを、病理学用語で「ダーティーハリー症候群」というらしい。
世の中「ダーティーハリー症候群」のやつばっかりだなと思う。
不倫のやつを叩いてるやつ>>続きを読む
時代に取り残された男たち。
ペッキンパーの凡人賛歌。
西部開拓時代を弔うための映画であったと思う。
時代から時代へ移りゆく中で、その時代に取り残されてしまう人は少なからずいる。
この主人公のような>>続きを読む
ミスチルのHEROって曲を聞いて、とてもミスチルのことが嫌いになった。
HEROの一節。
「ダメな映画を盛り上げるために、簡単に命が捨てられていく」
おい!お前ジョンウーのこと言ってんのか!ふざけんな>>続きを読む
「ワイルドバンチ」大好きなこの俺が、この映画嫌いなはずないでしょ!
銃撃だけでここまで感情を表現した映画はないのではないか。
男たちの絆を表現した銃撃。
敵対する親分子分の関係を表現した銃撃。
愛す>>続きを読む
前作ではロクが権力という悪魔に魂を売ってしまう様子を、結末のあのラストシーンで劇的に描写したが、今作ではジミーが権力に魂を明け渡してしまう様子が刻々と淡々と描き出される。
権力というのは、人間にど>>続きを読む
ジョンウーここにきてこんな映画撮っちゃうなんて正気じゃない!
御都合主義最高!
支離滅裂!
この映画は、あるセリフで幕を開ける。
「古い映画って長すぎるのよね。」
このセリフは、ジョンウーが「これか>>続きを読む
フォルマークス試写会にて鑑賞。
信仰の対象として長江に舞台を設定し、人間にとって祈りとは何か、信仰とは何か、愛とは何か、そして救いとはなんなのかを描いた映画であると思う。
アンルーとは何者なのかと>>続きを読む
やっぱりこの作品でも、クリントイーストウッドは暴力を狂気的なまでに忌避している。
それを象徴する、ブッチが暴力を振るうお祖父さんを拳銃で恫喝するシーン。
「愛してると言え、さもないと殺すぞ」という狂気>>続きを読む
善悪の境界が曖昧になっていくあの感覚。
そして、待ち受けるあの切ないラスト。
これこそ映画的体験だと思う。
なんとしても子どもを取り戻すという信念は狂気でもあるのだけれど、それを私たちは「治安を乱す>>続きを読む
成り上がりという幻想をひたすら追い求める主人公。
彼は、昼は普通のサラリーマン、夜は暴力的な一匹狼のギャングという二つの顔を持っている。
そのような設定で、浮き彫りになるのは人間の二面性だ。
主人>>続きを読む
とてもストイックな映画だなと思った。
他者といかにして暮らしていくのか。
「受け入れる」という単語は現代的な単語だと思う。
ストイックに「信じるとは何か」「友達とは何か」「贖罪とは何か」「過去とは何>>続きを読む
いろんな批判があるのもわかるけど、私的にブチ上がりました!
スターウォーズを俺たちの手に取り戻してくれたライアンジョンソンはヒーローでしかない。
俺は好きです。
日劇ラストショウにて鑑賞。
黒澤明の真骨頂。
映画の楽しさが全部詰め込まれた映画のように思う。
落馬する男たち、火を使った時間の経過の表し方、斬新な構図、綺麗な風景、集団の描き方。
どれを取っても>>続きを読む
塚本晋也作品のイヤーな感じを凝縮したような映画。
都市と身体変容というテーマは、この作品からずっと一貫してるんだなと思った。
私たちは変容していく都市世界に戦後ずっと暮らしているわけだけれど、それに>>続きを読む
むき出しの正義は、むき出しの悪と同義語なのだ。
あの警官たちは、自身を完全なる正義だと思い込んでいる。
そこに、差別しているという感覚は微塵もなく、自身の正義を疑うという感覚もない。
彼らは気づいて>>続きを読む
今日は給料日だ。
給料日に銀行に行って、それほど多くもない給料がしっかり振り込まれていることを確認すると、祈りたくなるくらい有難い気持ちになる。
大した仕事はしてないけれど、あの時のあの仕事がお金に変>>続きを読む
小林勇貴監督作をこれで全部観たことになるが、この映画が一番グワァーっとなったかもしれない。
もちろん孤高の遠吠、ヘドローバでもグワァーっとなったが、スーパータンデムはまた違うグワァーなのだ。
北野>>続きを読む
小林勇貴の映画は観辛い。
観ると疲れる。
ジャンルを越えてゆく瞬間が何回もあるからだと思う。
オフビートバイオレンスシリアスコメディ映画みたいな感じで、自分の中のどんな定義も小林勇貴の映画の前では、意>>続きを読む
小林勇貴の逆徒を観て、すぐに三池崇史のキチガイ映画を観るという暴挙!
邦画界には、こんなヤバイ監督が二人もいると思うと日本も捨てたもんじゃない。
深作欣二版の石川力夫と三池崇史版の石川力夫の大きな違>>続きを読む
小林勇貴という監督は、下の人間が上の人間に義理や仁義を押し付けられ利用されるという深作欣二の仁義なき戦い的な搾取の構図を、自分や身内の人生経験から拾って来て、それを映画というフィクションに落とし込んで>>続きを読む
新宿のあの感じ。ギラギラしてて、なんかそのギラギラで自分たちの悲しみとか不幸とか苦しみとかを麻痺させるようなギラギラ。
男たちは「なめんなよ!」と吠え続ける。
俺は今はこんなだけど、こんなもんじゃね>>続きを読む