ケンヤムさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

ケンヤム

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CURE キュア(1997年製作の映画)

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2017/5/1
私たちが感じている無意識の不安、無意識の憎悪は、他者の介入によってあっという間に増幅する。
この映画は、その過程を克明に描き出した傑作だ。
そこかしこに憎悪や不安がはびこる現代。
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絞死刑(1968年製作の映画)

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国家の可視化と現実の消滅。
現実を想像に寄せようという行為は映画的な営みだ。
そのことの加害性を一手に引き受けてRは死ぬ。
大島渚の映画で父性を象徴する役者は動かない。
最後に動く。

スパイの妻(2020年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

軽さと重さが同居する感覚が、黒沢清映画独特の感覚だ。
スパイ物、ラブロマンス物、駆け落ち物というジャンルを横断していく軽やかさ。一方、731部隊。戦後日本が抱える永遠の加害性という果てしない重み。黒沢
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儀式(1971年製作の映画)

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儀式めいた記号的なアクションは映画だ。葬式、結婚、葬式。
長回しは人を発狂させるとなにかのレビューで書いたことがある気がするけれど、それは記号的なアクションが、長い時間の間でなんらかの映画的な物語を示
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シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

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身体的な反復こそ現実で、喜びも悲しみも苦しみも何もかもが平べったく平坦に扱われることがフィクションなのだとしたら、誰も救われなくてそこにとどまってリセットしてしまえばいいのだろうけれど、私たちはやっぱ>>続きを読む

ホムンクルス(2021年製作の映画)

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世界によって捏造された記号化されたトラウマをホムンクルスと呼ぼう。記号化されたトラウマ、薄っぺらな人間、腰が重い、砂のように軽い女をよく見ると砂ではない、一粒一粒が記号そのもの。
記号が映画だ。
清水
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