トムヤムクンさんの映画レビュー・感想・評価

トムヤムクン

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採点甘くなりがちです。アジア圏の映画にはまってます。写真は在りし日のアンドレ・バザン(Andre Bazin)です。

2018年暫定ベスト(劇場鑑賞のみ制作年関係なし)
1. 万引き家族
2.バーフバリ 王の凱旋
3.ラッキー
4.河
5.童年往時 時の流れ
6シェイプオブウォーター
6 長江 愛の詩
6. 郊遊 ピクニック
7. ライオンは今夜死ぬ

映画(451)
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最後の人(1924年製作の映画)

4.9

実生活を冷徹にあるがままに描く。それも映画の一つのあり方かもしれない。
しかし、反実仮想…ありえたかもしれない未来を夢見てもいいではないか。映画のもたらす救いの夢をこれでもかと炸裂させるラスト。

赤い砂漠(1964年製作の映画)

5.0

この作品は私に取り憑いたかのようだ。
霧に煙る港を走る大人たちのシーン、帆船と女の子のくだりは圧倒的な映像美であるがゆえに、いっそう不可解で不気味だ。
本作にせよ以前観た『欲望』にせよ、アントニオーニ
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コード・アンノウン(2000年製作の映画)

4.0

様々なアイデンティティを持った人物たちがあるかないか微妙な作用・反作用を引き起こしていく様を見せつけられるんだけど、全く話が繋がっていく様子がない。おそらく、ビノシュ演じる主人公格の女優には実際そうい>>続きを読む

セブンス・コンチネント(1989年製作の映画)

4.5

冒頭からクロースアップで捉えられたモノの断片的な映像の連なり…生活というものがこうも限りなくおぞましいものとして映し出されるとは。定点カメラの長回しを中心にした撮影が素敵。ブレッソンを思わせる連続性を>>続きを読む

軽蔑(1963年製作の映画)

4.0

ゴダールの趣味満開の映画だと思いました。

ソドムの市(1975年製作の映画)

-

話としてはアレだけど、猥談が繰り広げられる広間をはじめ圧巻の美。
ロンパリ気味の大統領が不気味でいいキャラだった、ついでヒゲの公爵、すきっ歯の大司教の順に好き。ハゲの最高判事は蒸しパンに針混ぜてた記憶
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地獄に堕ちた勇者ども(1969年製作の映画)

4.0

格調高い、という言葉がいかにもしっくりくる重厚な一族ドラマ。全体主義の中で崩壊していく肉欲と愛憎のデカダンス。スタイル的にはリアリズム調で話としては分かりやすく面白い。2時間半も許せます。マルティンく>>続きを読む

女の都(1980年製作の映画)

4.5

列車と夢から始まるフェリーニのアリスインワンダーランド、あるいは神曲のデカダンスで猥雑なパロディか??フェリーニがモダニストであることは疑いようもありません。フェミニズム運動を戯画化しつつうまく取り込>>続きを読む

ことの次第(1981年製作の映画)

5.0

初めて観た時は意識が朦朧としていたが、なんつー面白い映画だこれは。。。まず映画の撮影クルーや俳優達の話なのに開始早々に「フィルムもない、金もない」ってそんな。そういうわけで前半は撮影が一時中止になりリ>>続きを読む

プレイタイム(1967年製作の映画)

4.5

凄すぎる… 前半の空港からユロ氏がオフィス内を彷徨うあたりまでのシーン、幾何学的なエクスタシィを感じた。何が何だか分からないが、混沌と多幸感が一体になってグルグル円環のように楽しい時間(プレイタイム)>>続きを読む

北の橋(1981年製作の映画)

5.0

初のリヴェット。
超好きだったんですが、なんですかこの映画は。笑 冒頭のバイクでライオンの周りをグルグル回るバチストのシークエンスのように、二人の主人公、特に妄想癖のバチストの見る行為が前面に強調され
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郵便配達は二度ベルを鳴らす(1942年製作の映画)

4.5

初ヴィスコンティ。悲劇ですね…
車の荷台に乗って旅をする放浪者ジーノ、ブルジョワ風のレストラン経営者ブルガーノの家に転がり込み、夫との生活に嫌気がさしているファム・ファタールであるジョヴァンナに熱烈に
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彼女について私が知っている二、三の事柄(1966年製作の映画)

4.0

サイレント時代後期に生み出された大都市映画の傑作、たとえばヴェルトフの『カメラを持った男』のように、都市を一種の登場人物のように機能させつつその中での人々の小さな物語が断片的に提示されている。そこに時>>続きを読む

ある女の存在証明(1982年製作の映画)

4.0

この作品の主人公である映画監督のニコラは周囲の状況や人間をひたすら見ることに徹している印象。謎の女マーヴィに連れられてやってきた夜会で特にその印象が強められる。ニコラ自身の当惑を我々視聴者にもシンクロ>>続きを読む

ミレニアム・マンボ(2001年製作の映画)

4.0

雪の降り積もる夕張キネマ街道の長回し、侯孝賢監督がこの場所をみつめた映画への愛の眼差しを思う。
2001年、新たなミレニアムの幕開けに浮き足立つ台北と旧炭鉱と映画の街夕張を舞台に、クズ男ハオ、義理堅い
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憂鬱な楽園(1996年製作の映画)

4.0

気だるげなインダストリアル系ヒップホップをBGMに、うだつの上がらないチンピラ二人とその女が、チャンスを求めてグダグダと移動している映画…なんだけどもその移動は時間的にも空間的にも、どこかに向かって行>>続きを読む

グリーン・デスティニー(2000年製作の映画)

4.0

酒場で大立ち回りを演じる剣豪は武侠映画の定番ですね。チャン・ツィイーは息を呑むほど綺麗。フワフワと飛び回るワイヤーアクションは好き嫌いがあるかもしれないが、楽しめました。

第三の男(1949年製作の映画)

4.0

モノクロ映画だからこそ、映像美が際立っている。真夜中の人通りの少ないウィーンの通りが鮮烈だ。影に生きる人々。ラストのオーソン・ウェルズの指!!

太陽はひとりぼっち(1962年製作の映画)

4.0

冒頭の別れのシーンやアラン・ドロンの家でのくだりなど、手の動きが非常にエロティック。ネオレアリズモにおける戦後イタリアの苦境を映し出すリアリズムの後に、存在することそれ自体に無意味さ、不毛さが付きまと>>続きを読む

さすらい(1957年製作の映画)

5.0

ドゥルーズの『シネマ』を読んどるので、取り上げられてる監督の作品を観ていこうと思います。

なかなかにエモいピアノや割に真っ当な恋愛映画らしく、ある意味アントニオーニらしくはない作品なんだろうなと思い
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裏窓(1954年製作の映画)

5.0

映画鑑賞の窃視症的な性質を戯画化しながら至極のサスペンスでした。物語の世界が空間的にとても狭い中、隣人の行動一つ一つに何か意味があるんでないかと見逃さずに居られなくなる。挙句フレームの中で何が起こって>>続きを読む

時の外何物もなし(1926年製作の映画)

-

ヴェルトフの『カメラを〜』然り、やっぱりこれも眼球がフィーチャーされる。カメラレンズによって人間の眼に捉えきれない世界が明らかにされたことで、逆に肉眼への意識が高められることになったのかいね。

デリダ、異境から(1999年製作の映画)

5.0

ニコニコで観たけどつけ忘れていた。
単純なドキュメンタリー、記録映画という感じではない不思議な手触り。運転するデリダ、カメラを見つめるデリダ、水族館の魚の思考を想像するデリダ、スペイン系ユダヤ人として
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バレエ・メカニック(1924年製作の映画)

3.0

誰がこんなキチガイフィルムを!
階段を登り続けるオバン、笑う女の口元、ブランコに目のクロースアップと、狂気へ誘うイメージの反復。

波長(1967年製作の映画)

5.0

ある部屋の天井の隅あたりにカメラを設置してカメラの映像を見せる、音の波長の高まりとともにカメラが徐々に白い柱にかかっている波間の写真にズームしていく、それだけの非常にシンプルな作品であり、非常に興味深>>続きを読む

クローズ・アップ(1990年製作の映画)

5.0

クローズ・アップ… 彼の表情を極大に映し出し背景は後退していく、捨象、選択のテクニック。しかし映し出された顔はフレームの外の世界、人生のことを語らずにはいない。キアロスタミの声は二つのカメラの存在を告>>続きを読む

ヴァンダの部屋(2000年製作の映画)

5.0

身体を洗う、オムツを替える、シャブをきめて○○を吐く… 重機の圧倒的で無慈悲な破壊の音にさらされ、日々着実に足元が喪われていく、これが彼らの日常。○○を誤魔化し、寒い寒いと陽気に口笛を吹いてみせるヴァ>>続きを読む

裁かるるジャンヌ(1928年製作の映画)

-

なんたることだ。
ジャンヌの顔のイメージの強さ、ラストの業火と反乱の怒涛のモンタージュ…
やはり映画は視の芸術。

十月(1928年製作の映画)

5.0

馬が落下するシーン、橋が繋がってドドドッと駆けていく兵士たち、ショスタコーヴィッチの劇伴に支えられた躍動するモンタージュなど、今でも画面を前に高揚感がすごい。こんなもん社会主義に魅せられずにおられます>>続きを読む

ストライキ(1925年製作の映画)

5.0

労働者たちが基本的に大群、加えて身振りが大きく逃げまどったり飛び跳ねたりとアクションが激しいので、イメージの力がいちいちものすごい。屈服する労働者たちと絞られるレモン、屠殺されて首から夥しい血を流す牛>>続きを読む

ファンタスティック・プラネット(1973年製作の映画)

5.0

人間が支配される側だったら?という想像力は昔から創作の源泉ですよね〜
ドラーグ人や人間以外のキメラ的な生物たち、ギターが痺れるサイケなBGMも素晴らしい。そして圧倒的な知恵を持ちながら愛玩動物?に手を
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ビューティフル・デイ(2017年製作の映画)

4.0

好き!でも奇妙な映画でした。オカンを殺した奴とほんの少し心通った風になったり、ヒロインが意外にタフネス… アクションやスリラーか?と言われると微妙な気がして、トラウマの映画。決してここにはいない…
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大人は判ってくれない(1959年製作の映画)

4.5

とりあえず今のところはラストの表情を噛み締めておきたいので…

女と男のいる舗道(1962年製作の映画)

4.5

今まで観たゴダールの中ではベスト。
過剰に衒学的ではないし、ダンスシーンなどポップな滑稽さを交えていて割と観やすい映画だったと思います。ラストの呆気なさも悲劇ではあるが人生の無情さを感じさせる…そして
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9 Songs ナイン・ソングス(2004年製作の映画)

4.0

結構好きでした。
ありがちなクサいラブソングが「君と過ごした日々が僕の中で〜」とか陳腐な言葉を垂れ流してる一方で、本作では冒頭で言われるように、絡み合う唾液の味や吐息の匂いや熱さといった極めて直接的で
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