トムヤムクンさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

トムヤムクン

トムヤムクン

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ウエスト・サイド・ストーリー(2021年製作の映画)

3.0

言わずと知れた名作ミュージカルのスピルバーグによるリメイク。冒頭の空撮から「うおぉ…」となり、ダンスのシーンは全員躍動しまくってますね、スペクタクルが過ぎる。アニータさんが「アメリカ万歳!」な感じでプ>>続きを読む

アンフレンデッド:ダークウェブ(2018年製作の映画)

3.5

スカイプ上での友人たちのダベリが延々と続く前半部20分ぐらいはノれなかった…SkypeもPapayaも知らんわ…画面の動き少なくてつまらん…と思ってましたがダークウェブや冥界の渡守「カロン」の名を冠す>>続きを読む

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.5

長女のルビーだけが健聴者であり漁業を生業とするロッシ一家、ともかくハンディを抱えているからといって遠慮するところがありません。オトンとオカンは情熱的に愛し合いまくり、兄貴もスミにおけないモテ男です。配>>続きを読む

アス(2019年製作の映画)

4.0

自分とそっくりの分身(ドッペルゲンガー)が現れて、オリジナルの自分とは無関係に行動しはじめ、次第に周囲の人間も分身のほうを認知しだして、やがてはオリジナルを差し置いて「自分」になり変わってしまうという>>続きを読む

悪霊館(2018年製作の映画)

3.0

成熟を迎えつつあるおなごの肢体を合法的に咎められることなく舐め回すように見ることができるというのは、カメラと映画が可能にした一つの罪深い特権でありまして…。邦題は『死霊館』のパチモン、内容は『エクソシ>>続きを読む

アナベル 死霊館の人形(2014年製作の映画)

3.0

キャストインタビューでヒロイン役の女優が述べていたように、描かれているのが70年代アメリカの白人中産階級家庭の日常生活であり、テレビを聞き流しながらお裁縫をしたりする日々の何気ない情景に異常な出来事や>>続きを読む

悪魔のいけにえ(1974年製作の映画)

4.0

レザーフェイスも確かに怖いが、ヒッチハイカーの気持ち悪いけど無碍に扱うことを躊躇させるところがヤバいと思った。血や脳漿がブシャーッと飛び出るような感じではなく、低予算感のあるザラついた粒の洗い映像にド>>続きを読む

アイアン・ドアーズ(2010年製作の映画)

2.0

不条理監禁もの…ホラー感は皆無。食生活のエグさはなかなか良かった。選り好みせずにレンタルすればこういうのにも出会う。

狼の血族(1984年製作の映画)

5.0

緑の爽やかな郊外と思しき一軒家。車から降りてきた夫婦に快活な姉が走り寄ってくる。どうやら妹が困りもので部屋から出てこないらしい。姉は騒がしく家の中を走り回り妹を部屋から出そうとする。しかしこの冒頭のシ>>続きを読む

アイダよ、何処へ?(2020年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

窓からニュッと銃口だけが入ってきて、次のショットは一本の木が静かに揺れながら、凄まじい銃撃音。恐ろしい処刑シーンでした。戦後、傷の癒えないスレブレニツァの街に戻ってきたアイダ。前まで住んでいた思い出の>>続きを読む

バーニング 劇場版(2018年製作の映画)

4.0

常に口が半開きで足元も覚束ない、小説を書いているというフリーターのジョンス。立居振る舞いだけでこの男の社会から見放されている感を観客に説得的に提示していて、ユ・アインの演技には終始うなりました。小学生>>続きを読む

アナザーラウンド(2020年製作の映画)

4.0

『死に至る病』などで絶望や不安を論じたキルケゴールをエピグラフとして、中年の危機というありふれてながらも重大な人生の危機的状況を、血中アルコール濃度を常に一定に保つというトンデモ解決法で乗り切ろうとす>>続きを読む

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

5.0

親密のひとときの終わり、明け方のベットで妻が身を起こし、「物語」を夫に語り始める…。霧島れいか演じる妻の「音」の真っ黒いシルエットが、少女の異様な恋を語り始める冒頭のシーンから圧倒的だ。西島秀俊演じる>>続きを読む

サマーフィルムにのって(2020年製作の映画)

4.5

「休みの日とかなにするの〜?」
「まあ…そうですね…映画をみたり…」
「え〜〜あたしも映画大好き〜!どんなの見るの?!」
「えーと…日本だと黒澤とか…」
「えっ黒崎くん見たんだ!意外〜!小松菜奈めっち
>>続きを読む

ウェンディ&ルーシー(2008年製作の映画)

4.5

雑木林を突っ切る列車のミドル・ショットから始まり、林の中を歩く女・ミシェルと犬・ルーシーのカップルが歩く姿を横移動でカメラが移していく。本作に限ったことではなく、映画は「動く」ものに取り憑かれてきた。>>続きを読む

17歳の瞳に映る世界(2020年製作の映画)

4.5

原題の四つの副詞の並びを見た時に「?」となっていたものが、タイトル回収となる長回しのシーンでその意味が判然として戦慄を覚えた。質問されるオータムの顔だけを大写しにして、質問者側はフレーム外で、四択で答>>続きを読む

竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

もう一つの世界、もう一つの人生…。
特に2011年の出来事以来、アニメ映画は喪失とその克服を描こうと努力を重ねてきて、少しずつ身を結んできたような気がします。

主人公の鈴は、幼少期に大好きだった母親
>>続きを読む

バケモノの子(2015年製作の映画)

4.0

熊徹の筋肉のカットが入ったラインとか、細田これ作りながら興奮してたんやろなあ。ポルトガルやイタリアっぽいというか、あの坂道にお家が集まってる渋天町の感じもいいな。熊徹は三船さん、菊千代っぽいと思った。>>続きを読む

オリーブの林をぬけて(1994年製作の映画)

4.0

え、ホセイン普通に怖くない…?タヘリへの好意というより、家もなくコミュニティのなかで承認されていない自分の個人的な危機の解消手段として、結婚に執着しているようにみえる。他のレビュアーの皆様の反応を見る>>続きを読む

街のあかり(2006年製作の映画)

4.5

冒頭から、視線だけでこの男が周囲の人間関係や社会のなかでどう思われているのかがわかる残酷さ。悲劇と言えるような高貴さはこの男コイスティネンの人生にはない。悲劇には高貴な英雄の偉大な死と哀悼が必要だけど>>続きを読む

パラダイスの夕暮れ(1986年製作の映画)

4.5

いつものもう若くない俳優たちが、いつもどおりに何かしらの理由で仕事をクビになったりして、なぜか恋に落ちる。カウリスマキは同じ俳優を使って、大体こんな感じに要約できる映画を何本か撮っているけど、そのどれ>>続きを読む

カラマリ・ユニオン(1985年製作の映画)

4.0

ロッカー風のおっさんたちがタバコふかして神妙な感じに集まるいつものカウリスマキらしい絵から始まる。このおっさんたちは地域から愛されていないらしく、理想郷エイラを目指して旅立つらしい…。ロードムービーか>>続きを読む

トータル・バラライカ・ショー(1994年製作の映画)

3.5

メリケン趣味の象徴であるクソデカリーゼントを頭に乗せ、ソ連共産党員風の衣装に身を包み、ロックをかき鳴らすキッチュスレスレな野郎ども、レニングラード・カウボーイズ。彼らとソ連の退役軍人たちの楽隊が共同で>>続きを読む

ラヴィ・ド・ボエーム(1992年製作の映画)

4.0

画家がスリに合うシーンの手のクローズアップはモロにブレッソンだなぁ。資本主義の世界的勝利が明らかになった1992年という時代に、モノクロ映画でパリのボヘミアン芸術家たちの生活を描くなんて、なんとまぁ時>>続きを読む

ハムレット・ゴーズ・ビジネス(1987年製作の映画)

4.0

ハムレットを現代の状況に移し、ワンマン経営のお父さん社長を妻とその愛人が謀殺、女にかまけるボンクラ息子のハムレットが父の幽霊に使嗾されて復習に走る…。黒澤明あたりが撮ると硬派でシリアスな密室政治劇みた>>続きを読む

浮き雲(1996年製作の映画)

4.6

最後の空を見上げるカティ・オウティネンの表情がもう、素晴らしいのね。アキさんの男性キャラクターって、大柄で無口で仏頂面でライダースファッションのイカつい感じの人が多いけど、男らしさが変に空回りしたよう>>続きを読む

アイアン・カウボーイズ ミーツ・ゴーストライダー(1994年製作の映画)

4.0

青年特有のアンニュイさを持て余した中流家庭出身のヒッピーが、刺激を求めて、大学を辞めた夏に極悪ライダー軍団に入団。しかしこのライダー軍団、掟を破ったものを地獄の果てまで追い回し、裏切り者の肉を文字通り>>続きを読む

フルメタル・ジャケット(1987年製作の映画)

4.0

戦争はほんと地獄だぜ!!タガが外れたように笑いながらヘリから機関銃掃射をかます若者、マジで逝ってしまっている。微笑みデブというあだ名のキャラがいることは前もって知ってたけど、見てみると予想以上に微笑み>>続きを読む

淵に立つ(2016年製作の映画)

4.5

住宅街には人には言えない罪の情動が漂っていて、それは時に冷たい罰となって私たちのもとにやってくる。柔和さと狂気の二面性をたたえた浅野忠信の怪演。明日から、近所をぶらついている時に聞こえるピアノの音を聞>>続きを読む

仁義なき戦い 代理戦争(1973年製作の映画)

4.0

古いスジモンには行きづらい世の中やのう…。冷戦という世界史的状況のなかで、東西両陣営の首脳部よろしく、テメエで手を汚すことはせずに裏でコソコソ動き回り、血を流す汚い戦争は若いモン=第三世界に押し付ける>>続きを読む

仁義なき戦い(1973年製作の映画)

5.0

暴力!ポスト任侠の現代ヤクザ映画。
義理人情よりテメエの懐事情のほうがでぇじだっつーこと、親が子を利用する腐りきったクソヤクザどもの世界!ハジキぶっ放して終わるのに、カタルシスなどなく、なんとも悲しみ
>>続きを読む

アカルイミライ(2002年製作の映画)

5.0

夢遊病者のように突拍子もなく動き回るオダギリジョーの演技が素晴らしい。軽トラ内で藤竜也とオダギリを分割して捉えているカメラも面白い。松山ケンイチどれ?と思ってたら、ヤンキー・グループのなかでなかなかの>>続きを読む

エリ・エリ・レマ・サバクタニ(2005年製作の映画)

4.0

音を「採取」する二人組。人が死ぬのは病のせいなのか、それとも死ぬ意志によるのか。生きたいと思えば生きればいい。

シェイディー・グローヴ(1999年製作の映画)

4.0

1999年の作品。私は1995年の生まれで、90年代は物心がつくより前ですから覚えてはいませんが、日本に限っていえばとりあえず「絶望的な時代」だったのだろうというイメージです。阪神淡路大震災と地下鉄サ>>続きを読む

日子(2020年製作の映画)

5.0

ああクッソ素晴らしい。自分的ミンリャン・ベストである『黒い眼のオペラ』超えてきたかもしれない。飯を用意する青年の日常的で慣れきった動作。病気、性愛、食事、そして排泄も少しばかしあった。身体が単純にそこ>>続きを読む