無何有郷さんの映画レビュー・感想・評価

無何有郷

無何有郷

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秋刀魚の味(1962年製作の映画)

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フランス語のタイトルは『秋刀魚の味』じゃなくて『酒の味』なんだけど言われてみりゃ確かにこいつら呑み過ぎ

東京暮色(1957年製作の映画)

2.0

「母殺し」に失敗した娘が死ぬ話、と見せかけて実際には有馬稲子は母の呪縛なんかではなく小津の非常に保守的な家族観からはみ出したが故に彼に殺されてしまったのだと思う。というわけで母娘とか引き揚げとか中絶と>>続きを読む

ルージュ(1987年製作の映画)

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ふらっと入ったカルチェラタンの名画座で上映してたB級香港ロマンス映画。しれっと幽霊が彷徨いてる感じ嫌いじゃないぞ

ビヨンド・ユートピア 脱北(2023年製作の映画)

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フランスの文化チャンネル、オンラインで普通に無料で鑑賞できたので特に前情報もなく観ていたがこれまで観てきた数々の北朝鮮系ドキュメンタリーと比べてもかなり質が高く情報量も多かったので驚き、のちに日本では>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

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大嫌いだわ〜。「名作だけど嫌いな映画」の1位が『パリ・テキサス』なのだけど(おっさんのロマンを観させられるやつ)それと同じ理由でまず嫌いだし、加えて今回は外国人目線のニッポン満載ー木漏れ日(なぜか海外>>続きを読む

東京物語(1953年製作の映画)

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もう観るの何度目か分からないけど、中学生の頃は退屈で寝落ち、大学生くらいになると杉村春子の絶妙な嫌な感じ→「喪服どうする?」でウワーとなったり、でも今観ると杉村春子の言動一つ一つが自分にも思い当たる節>>続きを読む

HOW TO BLOW UP(2022年製作の映画)

5.0

フランス版タイトルは『サボタージュ=破壊』、上映後に環境団体「大地の蜂起」と親パレスチナ運動で頭角を表してきたユダヤ系団体Tsedek、原作「パイプライン爆破法」の作者アンドレアスという豪華アクティビ>>続きを読む

お早よう(1959年製作の映画)

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Arteで配信中。お得意の世代対立もの、消費社会到来期の日本の日常コメディ。杉村春子vsテレビ所有女性とか、杉村春子とその進化系ラスボス的存在の三好栄子とか、メインストーリー以外のキャラクターもみんな>>続きを読む

早春(1956年製作の映画)

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「兵隊があんなんだから日本戦争に負けたのよ」強烈、戦後の匂い

晩春(1949年製作の映画)

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フランスの文化チャンネルで無料配信中。小津の原液シロップというか、このままだとちょっと濃いな〜という感じでこの後の作品のほうが好み

アビス/深淵(2023年製作の映画)

1.0

つまらない映画を観ないように努めてきた人生だったのでこれが人生ワーストかもしれない(笑)

幸福(しあわせ)(1964年製作の映画)

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ヴァンセンヌの森でするピクニックこそが大方のパリ/パリ郊外に住む庶民階級にとって日常における最も幸福度の高いイベントであるという事、同意!!

僕はキャプテン(2023年製作の映画)

4.0

壮絶な、現代の奴隷船。しかし命の保証がゼロかつ「自己責任」の世界なので奴隷船より酷そう。イタリアに向かう移民船が沈没するニュースなんて定期的に耳にするが、船場に行き着くまでの時点でこんなことがあるのか>>続きを読む

アルジェの戦い(1966年製作の映画)

5.0

なぜフランス政府が親パレスチナデモをあそこまで警戒するのか、なぜフランスでパレスチナにおけるイスラエルの占領・虐殺に反対する人たちが「私たちはパレスチナ人だ」と叫ぶのが、この映画を観ればその理由がわか>>続きを読む

落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.0

裁判のシーンは面白いんだけどそこに行くまでがやや助長だし、ミステリー要素もそんなに…で、これが天下のパルムドール?と思ってしまう出来であった。犬の演技は素晴らしかった。どうやったらあんなに才能ある犬を>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

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パリで鑑賞。もっと彼個人の苦悩とか倫理の話かと思いきや事前情報から予想していたよりより政治的というか、集団心理ゲームを観ているような。オッペンハイマー自身が共産党と少なからず繋がりもあり、組合活動もし>>続きを読む

福田村事件(2023年製作の映画)

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ずっとカルト宗教を追ってきた森達也だからこそ撮れるのか、閉鎖的なコミュニティにおける集団心理とその怖さのリアリティ。そして女性の描き方に関してもこだわりを感じる。規範や同調圧力から逃れ、抵抗するヒロイ>>続きを読む

バービー(2023年製作の映画)

3.5

フェミニズム映画と評されていたのを知って観に行ったが、大部分の「フェミニズム」パートはバービーという商品に付随する白人中産階級のネオリベイデオロギー&アメリカンドリームでしかなく、真髄は「死」も「生/>>続きを読む

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

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トラウマになるんじゃないかと恐ろしくて絶対観ないようにしようと思っていた映画。結局観た。とても面白かった。資本主義生産様式における労働疎外、そしてその疎外がつまるところ類的存在としての人間からも疎外さ>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

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『羅生門』オマージュ。『羅生門』の海外上映の際には「これが黒沢明お決まりのヒューマニズム!」とか言って盛り上がっていたというけど、そうした思想主義まで踏襲している感じ。しかしそのヒューマニズムの「ヒュ>>続きを読む

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

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スラムダンクに関する予備知識が1.登場人物の中に安西先生というおじいちゃんがいる 2. 彼の名言は「諦めたらそこで試合終了ですよ」、だけの状態で鑑賞。しかしこんなスラムダンク素人から見ても本来の主人公>>続きを読む

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

5.0

警報が映った最初のカット、私、意外と原作に沿って昔トトロなんかよりやりたかった文芸『火垂るの墓』をここに来てやるのか?と思いかけた。が、疎開して屋敷に入った時には既に様子がおかしくなり、7人の小人みた>>続きを読む

あしたの少女(2022年製作の映画)

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社会派。韓国の資本主義、競争社会、失業問題、雇用の不安定化と学校制度が絡む闇深い構造を暴いていく。フランスでもかつて大手テレコムが民営化後ぞくぞく従業員が自殺したりして、今では契約破棄に関しては今は手>>続きを読む

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

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ようやくフランスでも公開。途中から思った以上に『風の電話』だったけど、私が『風の電話』で秀逸だと思ったのはクルド人難民を出してきたことである一方、こちらはローソンで働く白人女性だったので、そういうとこ>>続きを読む

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

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アメリカのイタリア系移民のサクセスストーリーと受け取った!4DXで観たら本当にゲームの世界の中に入っているようでとても楽しかった。ピーチ姫のキャラクターもマリオ&ルイージの兄弟愛も良い。全部のマリオゲ>>続きを読む

ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン/ブリュッセル1080、コルメス3番街のジャンヌ・ディエルマン(1975年製作の映画)

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フェミニズム映画の極北。
イギリス映画誌のベスト映画100本で1位に輝いたそうな。監督はこの撮影直前アメリカにいたそうなので、ヨーロッパ映画とアメリカ映画のあわいに位置するハイパーリアリズム映画との説
>>続きを読む

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

3.0

数少ない記憶に残るシーンの一つの洗車もハネケだし、だったらハネケのほうが良いし、これくらい軽い感じなら東京ゴッドファーザーズでいいし、警察ものにもなりきれてないし、全ての側面が相乗効果をしていないなん>>続きを読む

アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(2022年製作の映画)

3.0

映像はきれいだがシナリオがお粗末だった。3D/4Dの効果を高めるためだけに家族で海への引越しを余儀なくさせられたりするような感じなので、不自然な点が多すぎる。でも私4DXで観たからおかげで楽しめたのも>>続きを読む

ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)

3.5

邦画黄金期には売春防止法の施行前後の赤線を描いた映画があったが、なんとなくそれらを彷彿させた。ちょっと先の展開がかなり読み易いし、ラストはあんなにドラマチックにしなくて良かったんじゃない?と思う(個人>>続きを読む

アテナ(2022年製作の映画)

1.8

フランス国内で糞映画としてバズっててかなり論争を呼んでいたので鑑賞。映像は面白いけど『憎しみ』や『レミゼラブル』のようにフランス社会の分断とかリアリティを描くようなものでは全くなく、どちらといえば『猿>>続きを読む

麦秋(1951年製作の映画)

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タイムリーすぎて映画館出て30分くらいひたすら泣いていた、ラストでお父さんお母さんに幸せと言わせてくれて本当にありがとう小津….秋田弁の仏語字幕は本当に北部の訛りっぽくなっていて(vient→bien>>続きを読む

スクールライフ: パリの空の下で(2019年製作の映画)

3.0

観終わって邦題を見てびっくり。何このキラキラネームは…サンドニはサンドニで、パリとはちょっと一線跨ぐし。映画はよくあるバンリュー物で、想像の枠を超えない。(不良少年とケアする女性。) 日常をリアルに描>>続きを読む

別れる決心(2022年製作の映画)

2.0

フランスメディアもだけど何故こんなに評価が高いのか全くわからない。お嬢さんが好きだっただけに失望。ミステリーも恋愛もたまに笑わせてくるシーンも何も上手く繋がっていないように見えて乱雑で、余計な情報やシ>>続きを読む

私をくいとめて(2020年製作の映画)

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ヨーロッパ移住(しかも結婚を機になんて夫しか頼るものなくてよっぽど孤独だろう)なんて別にキラキラなんかしてなくて、絶対過酷だろうに。あそこで橋本愛ちゃんが泣いてくれて本当によかった…..全体的にはちょ>>続きを読む

本気のしるし 劇場版(2020年製作の映画)

5.0

パリ郊外の小さな映画館で。いや〜良かった!コメディ、スリラー、ホラー、謎に啓発的でもある(?) 「振り回す女性」という男性目線のファムファタール的な感じに始まり、でも後半でひっくり返って、彼女が主体性>>続きを読む

名探偵コナン ハロウィンの花嫁(2022年製作の映画)

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やばい、ここに来ての松田刑事映画登場で爆上がり…..警察学校組いいね。コナン映画はある様式美というか、歌舞伎みたいになってきてるのかな。

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