なっこさんの映画レビュー・感想・評価

なっこ

なっこ

フォーチュンクッキー(2023年製作の映画)

3.1

滋味ある映画だった

静かにたんたんと進む。

モノクロのせいか、
誰かの夢に入り込んだかのように、
その光が朝なのか夜なのかうまく見分けられない

眠れないヒロインの眠れない理由は、私が思うよりもず
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おばあちゃんと僕の約束(2024年製作の映画)

3.2

親や祖先が遺したものをどう分け合うか

それが大きなテーマで、お金や形見という細々としたものも含めて、家族の手から手へと渡っていくものと、与えたり与えられたりする人と人の関係性について考えさせられた。
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We Live in Time この時を生きて(2024年製作の映画)

3.4

さっき卵を割った後に気が付いた、

私は一流シェフの彼女の助言に従わなかったなって。

私のいつもの割り方をしてしまった。
でもきっと彼らは違う、卵を割るなら任せて、と率先して彼女のやり方で割るように
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八犬伝(2024年製作の映画)

3.1

蔦重と同時代の貸本屋の話に、馬琴の戯作について書いてあるのを読んで

そう言えば八犬伝が映画化されてた、

と思い出して視聴。

エンドクレジットにあがる原作本タイトルを見るまで、山田風太郎原作とは知
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

3.3


音 が印象的な映画だった。

映画なのだからもちろん、取捨選択された音を聴かせられるわけだが。主人公平山の生活音、カセットテープの音楽、私たちは平山の聴く音を一緒に聴く。そのことを大きく意識させられ
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【推しの子】-The Final Act-(2024年製作の映画)

3.1

異常者とどう向き合うか、

を視聴の動機にしてしまったのでスッキリとしないエンディングを迎えてしまった。

しかし、エンタメとしては面白かったと思う。

転生して二度目の人生で推しの子として生まれ、推
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ブリジット・ジョーンズの日記(2001年製作の映画)

3.1

公開当時劇場にて鑑賞済み、原作は未読。
第4段にして完結編の公開にあたって復習視聴。

当時学生だった友人たちと集まったときにこの映画の話になって懐かしいねって。もう24年ですって。信じられない。
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パリタクシー(2022年製作の映画)

3.3

人生は美しいな、そう思わせてくれる作品

パリと邦題がついただけで見たくなる私のような人に向けた作品だとわかってはいる、
それでも定期的にパリの街並みを映画を通して味わってみたくなる

主人公は朝から
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リアル・ペイン〜心の旅〜(2024年製作の映画)

3.2

シンプルな映画

予告編で惹かれた通りの展開だった。

シンプルなstory、少ない登場人物、後戻りしない時間。
空港で始まり空港で終わるロードムービー。

中心人物はカズン、従兄弟同士、彼らの父親た
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本心(2024年製作の映画)

3.3

新刊の小説を片端から全て読破していくような本好きの同僚が、

「分からない」と一言で評した原作。

恐らくエンドクレジットが出て暗転した銀幕を見つめながら多くの人が同じ感想を持ったのではないだろうか。
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

3.1

原作既読。

ハルキを初めて読んだ。

食わず嫌いではなくなってしまったことを少し残念に思う。

映画の脚本には、
『女のいない男たち』短編集から、
「ドライブ・マイ・カー」を軸に「シェラザード」と「
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丘の上の本屋さん(2021年製作の映画)

3.1

本はよく味わって読むんだ

一度目は理解するために、
 二度目は考えるために。

映画も同じかもしれない、一度目は見逃したことに二度目に気がつくこともある。
一度目は泣かなかった場面に、二度目は泣かさ
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ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ(2023年製作の映画)

3.2

何を怖がっているの?

ほんと、何を怖がっているんだろうね。
良い年なのに。

メイン3人の出演者の中で私は中年の教師に完全に感情移入した。彼の目線で若者に出会い、メアリーと親しくなり、彼女の悲しみに
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青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)

3.1


許光漢を見に行く映画

台湾ドラマで知った俳優さんの映画が地元の映画館で封切られると、ああ同じ時代を生きているんだなと感じる。

ドラマで素敵な演技を楽しませてもらったのだから見に行かない選択肢はな
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わたしの幸せな結婚(2023年製作の映画)

3.2

職場で上司が話題にしていたので…おお、そんな幅広い世代にウケる作品なのか…と心に留めておいたタイトル。

なるほど。
王道のロマンス、これは安心して見られる。
ボーイミーツガールの、みにくいアヒルの子
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岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023年製作の映画)

3.1

配信で見てしまいました、ごめんなさい。

期待通りの面白さでした。素晴らしい。
フランス、パリっぽさはあまりなくてちゃんと連続ドラマから続く日本的なじめっとする湿度のある怪奇が表現されていてとても良か
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(1990年製作の映画)

4.0

家にVHSがあったので複数回見た記憶がある。私の中ではおとぎ話のようなレベルで受け入れてしまっているstoryなので批判的に見ようとは微塵も思わない。

ただ懐かしさがあるだけ。

以前ゴッホが登場す
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ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)

3.0

あんなにたくさんのものを背負わされて、あの子はこの先も踊り続けられるだろうか

とても男くさい物語に思えた。

あの角を曲がるまでと、傷だらけになっても走り続けて、その先になら新しい自分がいると、新し
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マイ・ニューヨーク・ダイアリー(2020年製作の映画)

3.3

なんて美しい作品だろう

映画館で見なくてごめんなさい

音楽もとても良い。

原作は2015年にクリップしたままずっと読めずにいた、2回はトライしたのに。見てる途中で読みたくなって止めて借りに走った
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異動辞令は音楽隊!(2022年製作の映画)

3.1

時代はきっともうこんな不器用な男にこれ程優しくはない

コンプライアンスは完全無視。自分の信念だけで仕事をする。部下には細かな説明も感謝も省く。言葉が全く足りてないから単なる自分勝手に見えてしまう。し
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世界で一番美しい少年(2021年製作の映画)

3.1

期待していたものとは少し違った。

では、どんなものを期待していたのか、と聞かれると、さあなんだったろう…と思い出せないものだ。
これじゃなかった、とは分かっているものの、これはこれで見て良かったと思
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メタモルフォーゼの縁側(2022年製作の映画)

3.0

原作未読。

放送を楽しみにしていた作品。年齢差のあるふたりが出会って友だちになってお互いに少しずつ変化する、こちらも人生の出会いの素晴らしさを描いた作品。

ふたりの語り合いの舞台となる縁側がまた素
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パリの調香師 しあわせの香りを探して(2019年製作の映画)

3.2

私の父のかける給仕してくれた方への「ありがとう」はいつも美しい。

それが私が受け継ぎたいと思っている彼の唯一の美徳。

それと同じように、
人生で大事なことは全て関係性なのだと、この映画は教えてくれ
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テーラー 人生の仕立て屋(2020年製作の映画)

3.0

久しぶりに映画らしい映画を見た、というのが最初の印象。

ナレーションが入らない。
あれ、それって普通のことだったかな…ここのところ、心の声まで聞こえてしまうドラマを見慣れてしまっていたからだろうか。
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生きる(1952年製作の映画)

4.0

命短し恋せよ乙女

DNAに刻まれてしまっているのでは、というレベルで影響を受けている気がするので、点数をつけることさえも躊躇してしまう名作。

幼い頃に父が見ていたものを断片的に見ていた記憶はあった
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生きる LIVING(2022年製作の映画)

3.2

ソメイヨシノが散ってしまう前に見たかった

黒澤作品は幼い頃に父とVHSのビデオで見たことはあっても内容はさほど覚えていない、
旧作を先に見てしまうと違いにばかり目がいって新しくこの作品を楽しめないと
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TOVE/トーベ(2020年製作の映画)

3.1

ムーミンが好きな人は多い

私もなぜか心惹かれる、けれどトーベの紡ぎ出したお話としてのムーミンを好きになったのは随分と大人になってからだったと思う。日本ではたぶんアニメのイメージが強く、かわいいキャラ
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エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)

3.6


映画って何だろう

子どもの頃は家族で見るような話題作ばかりを一緒に見て、学生になって自分で見る映画を選ぶ様になってからは、ミニシアター系を好むようになった。そんな私にとって、映画は“窓”。スクリー
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僕のワンダフル・ライフ(2017年製作の映画)

3.2

世界には一匹の犬しかいない

そんな風に書いてくれた人がいる、
愛犬を亡くしたいま、私も心からそう思う。

この世界にいる犬は全て一匹の犬なんじゃないかって。

実は、幼い頃に『子猫物語』を見て号泣し
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ある男(2022年製作の映画)

3.5

原作を読んだのは2019年。それからすぐに映画化の話を聞いたように思う、今回は全く読み返さずに鑑賞した。
それが良かったように思う、読後すぐに見てしまうと省かれたシーンだったりセリフが違ったりするとこ
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ファーザー(2020年製作の映画)

3.2

少ない登場人物

繰り返し重なるような時間軸

同じようなしつらえの室内

目覚めて起きて会話して食べてまた寝て…気がつくと自分が何処にいるか分からない
今がいつかもわからない、朝なのか夜なのか

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コロンバス(2017年製作の映画)

3.1

静かな映画

雨音が聴いていて心地よい。街と建築が主人公のような顔をしている。

建物が何かを語ることが出来たらならどんな話を聞かせてくれるだろうか。

建築に込められた意味を知っていくことは楽しい。
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おと・な・り(2009年製作の映画)

3.0

なるほど、そうつながるのか…と納得の展開。世代が近いせいか、ヒロインの気持ちが痛いほど分かって、ちょっと切なくもなる。お話としてはロマンスだけれど、男性視点なので、それほどドラマティック過ぎず、仕事の>>続きを読む

ノッティングヒルの恋人(1999年製作の映画)

3.3

何故かずっと見たと思っていた、だからこれは、見なくても良い部類に入るのかもしれない、あらすじ以上のことは起こらない、予告編で十分、なんだったら倍速で。

でも、飛ばしはしなかった。
けれど、全部一気に
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マチネの終わりに(2019年製作の映画)

3.0

ずっと見たかった作品。ようやく見れた。

原作小説は珍しく2回読んでる。
友人がこのタイトルを冠したクラシックギターコンサートのチケットを贈ってくれたときに、課題図書のように復習したから。

何よりも
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82年生まれ、キム・ジヨン(2019年製作の映画)

3.2

私が韓国のヒロインに興味を持つきっかけになった原作『82年生まれ、キム・ジヨン』

すごくオシャレに美しく映像化していると思う。原作小説と映画はやはり別物。けれど、この作品は、問題提起をした原作へのひ
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