なっこさんの映画レビュー・感想・評価

なっこ

なっこ

映画と本が好きです。のんびり更新、邦画が多めです。
採点は、3が基準点。
3点以上がおススメ。4点以上は傑作、名作、文句なし、です。

映画(97)
ドラマ(8)

グッバイエレジー(2017年製作の映画)

2.8

街にも顔がある。

東日本大震災や熊本地震後に、震災前の風景を写し取った映画が上映されて、かつて日常だったはずのその景色が一変したことで、元に戻せない風景を懐かしんで愛おしみ、復興への力へと変える、そ
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ナミヤ雑貨店の奇蹟(2017年製作の映画)

3.0

物語の途中で登場人物の誰かが死んでしまうような物語は好きじゃなかった。けれど、現実世界で度重なる災害を目にするようになって、“死”というものがもっと身近にあると感じられるようになってきたように思う。喪>>続きを読む

君の膵臓をたべたい(2017年製作の映画)

2.9

この物語には私の大切にしているものが二つ出てくる、だから、見ないわけにはいかなかった。ひとつは図書館、もうひとつは内藤濯訳の『星の王子さま』。あらすじだけ読めば、読んだ気になってスルーしてしまいそうな>>続きを読む

blank13(2017年製作の映画)

3.2

とても素直な映画だ、と思った。

葬儀の一日。始まりからメトロノームのように淡々と語られていくそのリズム。違和感なく入ってくる。主人公の回想とともに、徐々に感情が高まって音楽も盛り上がる。そして、フッ
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北の桜守(2018年製作の映画)

3.0

人と人を結んでいる目に見えないつながりのことを、“絆”と呼ぶのならば、それは、今という現実を生きている者同士と、死によって分けられた者同士のどちらの方が強い絆で結ばれているのだろうか。
今という時間を
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わたしは、ダニエル・ブレイク(2016年製作の映画)

3.3

貧困は、すぐそこにある現実的。

伝えたいメッセージは、極めてシンプル。彼らに与えられた筋書きは、とても過酷。それでも、よく生きる、ということをちゃんとこなそうとするとき、あなたならどう生きるのだろう
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マンチェスター・バイ・ザ・シー(2016年製作の映画)

3.0

赦しとは、心の中にもうひとつ部屋を作ること

そんな言葉をどこかで聞いたことがある。
人は生きていく中で色んなことに出会い、色んな感情を経験する。見たもの、聞いたもの、湧き上がった感情は、心のどこかに
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パッション・フラメンコ(2016年製作の映画)

2.7

2014〜2015年に天才ダンサー、サラ・バラスがフラメンコの6人のマエストロに掲げた『ボセス・フラメンコ組曲』の世界ツアー。パリ、メキシコ、ニューヨーク、東京、そして母国スペインを巡る様子に密着した>>続きを読む

ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣(2016年製作の映画)

3.1

セルゲイ・ポルーニン、ウクライナ生まれのバレエダンサー。

まるで海外の自伝ものを読んでいくような構成。祖母や両親など身近な人のインタビューと幼少期からのホームビデオ、写真、本人が携帯でとっているよう
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本能寺ホテル(2017年製作の映画)

2.9

何百年も前から同じ土地で、人々の行き来があって、そこに生活があって、同じような四季を繰り返していたのだとしたら、そこにいる人は、同じような人間に育つのだろうか。時代が違ったとしても。

本能寺の変は、
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幼な子われらに生まれ(2017年製作の映画)

3.3

男と女は難しい、
親と子はもっと難しい。

重松清さんの作品は、いつも子どもの視点に寄り添っていて、痛いところをついてくるけれど、これが多くの家族の偽らない現実のように思えて、向き合わなきゃいけないと
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三度目の殺人(2017年製作の映画)

3.3

この映画は、2017年の流行語“忖度”という語を思い出させる。

忖度されて引き起こされた出来事は、起きたことの責任の所在を曖昧にする。

観客は冒頭の河川敷での殺人場面を目撃したことで、これは“起き
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海辺のリア(2017年製作の映画)

3.4

1人の老人がスーツケース片手にトンネルを抜けて出て来るとこらから始まる。それがどこで、誰で、いつなのか。どこへ向かうのか。多くの情報は削ぎ落とされた形で提供される。まるで理解を拒むように。

そして海
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(1985年製作の映画)

4.0

物語はいつも途中から始まりある点で終わる
もちろんその枠外に、物語には過去があり未来がある。ある点から点へ、その経過を切り取ったに過ぎない。
見る側は視点的な人物に感情移入して、一喜一憂、感情と共に旅
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言の葉の庭(2013年製作の映画)

2.9

そうね、ひとつの恋のはじまりはきっとこんな風。
はじめは自分ひとりが語っているような一方的な一人称の世界。自分と、自分から見た彼女。ふたりの世界となって、ようやく世界は反転して“あなた”の世界、彼女の
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古都(2016年製作の映画)

3.2

とても優しく美しい物語だと思う。
京都もパリも“優美”だという形容詞が似合う街だ。どちらの街並みもとても美しく切り取られていて旅行気分でうっとり眺めてしまう。

そして見終えた後、なぜか優しい気持ちに
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隠し剣 鬼の爪(2004年製作の映画)

2.7

【あらすじ】
幕末の東北の小藩。秘剣を身につけた下級武士、片桐宗蔵(永瀬正敏)は、かつて好意を抱いていた奉公人きえ(松たか子)が病に倒れたと知って引き取り、心を通わせていく。そんな中、藩の江戸屋敷で謀
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必死剣 鳥刺し(2010年製作の映画)

2.7

【あらすじ】
天心独名流の剣の達人・兼見三左エ門(豊川悦司)は、海坂藩藩主の妾を殺める。しかし処分は軽く、その腕を買われた三左エ門は藩主の命を狙う別家の帯屋隼人正(おびやはやとのしょう)殺害の命を受け
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果し合い(2015年製作の映画)

3.1

恥ずかしながら江戸時代の武家に“部屋住み”なる扱いの人が存在することをこの作品に出会うまで知らずにいた。
武家には武家の苦労がある。冒頭から縁側にどかっと座ってどこかのんびりとした空気も残しつつ悲哀の
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遅いしあわせ(2017年製作の映画)

2.9

あらすじ通り安心の展開。それ以上それ以下でもないのかもしれない、
けれどこの“遅いしあわせ”というタイトルへと終着するまで健気に生きるおもん(檀れい)を見守るようにして見入ってしまう。

冒頭の雨宿り
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かぐや姫の物語(2013年製作の映画)

2.8

かぐや姫の物語は、一体誰のための物語なのだろう

もしかしたらこれは、姫をヒロインとして見立てない方が良いのかもしれない。これは、親子の別れ、親離れ子離れの難しさを描いているのかもしれない…なんて思う
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いつまた、君と 何日君再来(ホーリージュンザイライ)(2017年製作の映画)

2.5

親から子へ語り継がれるていくはずの家族の物語。もうあなたのことを隅から隅まで知る人はいない。私とあなたの物語。誰かが語らなければ、ふたりで生きた軌跡までもなかったものになってしまう。
あなたは、もう語
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(2017年製作の映画)

3.4

大切なセリフは全て予告編で聞いてしまった。でも、ただそれだけで、この映画を理解した、ということにはならない。

この映画は、一つひとつの言葉がとても重く響いてくる。

ひとつ一つの問いが重いのだ。
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アメリアとドゥアルテ(2015年製作の映画)

2.6

[恋愛が終わった後、男女は湧き上がる感情にどう対処するか?]

カップルの別れを描いたお洒落なつくり。実写とアニメーションがうまく融合してる。
どこの国でも恋愛の浮き沈みって、こういうものだよね〜って
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シンデレラ(2015年製作の映画)

2.7

ああダメだ、私はケイト・ブランシェットが嫌いになれない。
悲しいかな、どうしても、大人の方の心の動きの方にばかり気持ちが持っていかれて少女に感情移入できない。

もちろん幼い頃はシンデレラも白雪姫も鉢
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サイレンス(2016年製作の映画)

2.9

このレビューはネタバレを含みます

[難民の娘が、診察室で沈黙を守る理由。]

舞台はとある病院の待合室。母と娘が診察を待っている。
診察を受けるのは母親。
ほぼこの建物の中でお話は完結する。ひとつの場所、わずかな登場人物。
けれど、こ
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アラン・ワールド(2016年製作の映画)

2.9

[彼の特殊能力で結婚生活を守ることができるのか。]

短編アニメーション。コメディタッチでクスクス笑っちゃうんだけど、途中からなんだか切なくてあったかくて、なぜか涙が出てきてしまった。

人生において
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4時15分 世界の終わり(2016年製作の映画)

2.8

[ある男がヒッチハイカーを道端で拾う。]

深い余韻。考えれば考えるほど、完璧で完成された作品だと思う。

そして、
紙一重だなって思う。

罪を犯すことも贖うことも
神も人も
救いも赦しも

ひとり
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エミリー(2013年製作の映画)

3.0

[見知らぬ男女がお互いの孤独を埋めようとする。]

衝撃的でちょっと処理するのに時間がかかってしまった。なんて大人な世界。イギリスってこんな感じなのかな。

一夜限りのLoveRomanceを交通事故
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ハッピーマーケット(2010年製作の映画)

2.7

[退屈なスーパーの夜勤をハッピーに変えるとっておきの秘密教えます!]

これこそスーパーのCMみたいだけど、
こんなお店なら好きになっちゃう通いたくなる。
こういう仕事の楽しみ方は、素敵。

born、bone、墓音。(2016年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

[家族が亡き父の骨を洗う、粟国島の物語。]

とても素敵な家族の話。無駄なシーンはひとつもない。描きこみ過ぎず、端折り過ぎず、でも、丁寧に。

死んだ人の骨を洗う風習は初めて知りました。
でも、決して
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5分間のラブストーリー(2011年製作の映画)

3.3

[一つの出会いが運命を変える。]

すごくキュートで、素敵な展開にたったの5分。
でも、よく練られてると思う。

恋に落ちるのに時間は要らないし、
いつヒロインの役がまわってくるのか分からないものね、
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壁の花(2011年製作の映画)

2.7

[盗みに入った泥棒カッレは孤独な女性シャーロットに見つかってしまう。]

可愛らしくてちょっとsexyなタンゴの世界そのもの

くるくる回る

盗まれたのは宝石だけじゃない…
って、ベタな展開は世界共
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Oh Lucy!(2016年製作の映画)

2.7

このレビューはネタバレを含みます

【ドラマ版を鑑賞】
桃井かおりさん主演の短編の方もかなり気になりますが、NHKで放送された海外との共同制作のドラマ版を視聴しました。

東京とアメリカ。ひとりの男をめぐるふたりの女。そして、ハグと電車
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セッション(2014年製作の映画)

2.8

これは、肯定してはいけない物語なのかもしれない。始めから終わりまでひとつも休むことなく奏で続けられる壮大な交響曲のようで、得体の知れない緊張感に縛られたまま私は彼の聴かせる切れ目のない音楽にずっと魅せ>>続きを読む

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

3.1

『ローマの休日』のラストシーン、記者会見を終えて宮殿の廊下にはひとりグレゴリー・ペックが歩くその靴音が響き渡る

「この靴音が“切ない”ってことなんだよね」

っていう話をしていたのは誰だろう。
始め
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