atosoさんの映画レビュー・感想・評価

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落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.0

人もモノもサービスも「ストーリー」によって共感者を得、行為や存在意義の良悪まで判断される昨今、多くの人が話を編纂する作業に駆られていると考えます。
ストーリーを作る側、受け止める側どちらも森羅万象に通
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ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス(2022年製作の映画)

5.0

ホラーアクションドラマテンコ盛りでとにかくサービス精神に溢れた快作でした。
ストレンジ映画の象徴とも言える曼荼羅シーンは控え目で、ビジュアル的な差別化が図られているのも良かったです。
クライマックスの
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死刑にいたる病(2022年製作の映画)

4.0

凶悪でも魅せた面会窓芸がゲキシンカしていて楽しかったです。
虐待の連鎖をテーマにしているとは思いますが描き方は少々陳腐だったかもしれません。
個人的にはオリオン通りや宇都宮ヒカリ座がもろ地元なのでリア
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エール!(2014年製作の映画)

3.0

クライマックスの手話歌唱シーンはグッと来ますがガブリエルがなあなあで許されてるのはマジ無理です。

モービウス(2022年製作の映画)

3.0

マーヴェル映画には珍しいホラー的要素が多く新鮮でした。VDXは迫力がありましたがスローモーションを多用した戦闘シーンは若干ワンパだったかも知れません。
個人的には普段は日陰者の動物さん大活躍的展開が好
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ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密(2022年製作の映画)

3.0

ニュートの魔法生物学者の知識を生かした。オモシロ展開は少なめで、逆にハリポタ的魔法戦が多く、過去作と違ったテイストで楽しかったです。
ただ、かなり詳細な前提を持っていることが前提に話が進んでいくので、
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虐殺器官(2015年製作の映画)

3.0

原作で読んだときにイメージしていた有機的な兵器のビジュアルの乖離が殆どなくて驚きました。登場するテクノロジーも秘密裏にはどこかで実用化されていそうな感じで物語にリアリティを与えていたと思います。逆に中>>続きを読む

ナイトメア・アリー(2021年製作の映画)

4.0

全編通して漂う不穏な空気が、奪うことしか知らない男の致命的な結末を常に予期させ、長丁場ですが緊張が途切れることがありませんでした。
デルトロ的なファンタジー要素は控えめで、むしろ作品の態度としては懐疑
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THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

4.0

出だし鈍重シリアスっぽくてまたこの感じか〜と思ったのもつかの間、サスペンスホラーアクションユーモアおもろい要素は全部入れてみました的サービス精神が天元突破し気づけば3時間経過してました。
特にバットモ
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ウエスト・サイド・ストーリー(2021年製作の映画)

4.0

色彩も動作も様々入り乱れるダンスシーンはややもするとカオスになりがちな所、見事にまとめ切っていてさすがスピルバーグといった感じでした。
致命的な事態を避けるには互いに許し合うしかありませんね。
終盤ア
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ダージリン急行(2007年製作の映画)

4.0

兄弟が旅を経て和解に至るのは典型的なストーリーですが、独特なキャラと画面構成で作品に引き込まれます。
作中インド描写は上澄みだけすくった感じで若干セレブ旅感ありました。
個人的には、列車のトラブルで旅
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ゴヤの名画と優しい泥棒(2020年製作の映画)

3.0


007でもネタにされるくらいこの盗難事件は有名だったんですね。窃盗の手口が超シンプルで稀にある盗難事件ももしかしたらこんな風に盲点をついたものなのかも知れませんね。
全体的にテンポがスローな分主人公
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素晴らしき、きのこの世界(2019年製作の映画)

5.0

太古の昔から岩を砕き土を耕し大地に根を張り、命の循環の中心に居続けるきのこの重みを感じる作品でした。
観終わったあとは知的好奇心を大いに満たせるのは勿論のこと、幻覚キノコで世界の認識が変わった諸氏よろ
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アンチャーテッド(2022年製作の映画)

4.0

アンチャーテッドといえばアイテムを集め組み合わせて謎を解くミステリ要素は勿論、様々なオブジェクトに対してキャラクターの動作が変わったり、時々刻々とステージの環境が変化することも楽しさの要素でしたが、そ>>続きを読む

天才マックスの世界(1998年製作の映画)

3.0

画面構図の作り込みや色彩のこだわりは流石といったところですが、マックスくんの行動がかなり奇矯で(自分の見栄のために醜聞も厭わず、気になる人に無碍にされた腹いせにチクリ行為に及ぶとかたちの悪い糞餓鬼です>>続きを読む

イカロス(2017年製作の映画)

4.0

映画中盤から事態が加速度的に監督の糸を離れていきコントロール不能になって行くのがハラハラします。
アスリート第一を謳っておきながら結局は興業成功のため事態を有耶無耶にするIOCの体質は今となっては納得
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ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

3.0

主演二人のキャラが立っていた上に、二人のために用意されたように景色がピッタリ嵌っていて画作りの巧みさに唸らされました。
6年間の同日のみを軸としたコンセプトは面白かったですが、若干詰め込み過ぎ感があっ
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ゴーストバスターズ/アフターライフ(2021年製作の映画)

4.0

プロトンパックを始めとする小道具の実在感、手触り感が極大で、製作者のこだわりを感じます。そもそも道具は人の役に立つために生まれたわけで、乗り手を失い鉄塊になったECTO-1号、整備途中で機能を発揮でき>>続きを読む

あのこは貴族(2021年製作の映画)

4.0

自分の周りが似たような属性の人で固まってしまい視野が固定してしまうというのは誰もが陥りがちなことで、染み付いた価値観から自由になることの困難さが良くわかります。
地方描写や婚活描写、親が逃げ道を絶って
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フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

4.0

雑誌の体を取っているため白黒シーンが多いものの、ウェスアンダーソンの特徴と言える、ハイファッション誌を彷彿とさせる豊かな色合いや、細部まで拘った偏執的とも言える画作りは健在で、観ていて情報量に圧倒され>>続きを読む

ブラックボックス:音声分析捜査(2021年製作の映画)

4.0

事実を集めることは過去の出来事を明らかにする調査のための第一歩ですが、過去をまるごとどこかに再現することは不可能です。そのため、足りない部分は推論で補うことになります。そして推論にしばしば混ざり込んで>>続きを読む

さがす(2022年製作の映画)

5.0

キャラクターの過去を知れば知るほど単純に受け止められるシーンが無くなっていく、他ではあまりできない体験が味わえる作品でした。誰でもトイレのシーンは愛しさとせつなさと滑稽さとが綯い交ぜになってどういう感>>続きを読む

ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

5.0

このままじゃいけない?わかるわかる、でもヒステリー起こしちゃ駄目だよ、怒った顔面白いしネタにされるに決まってるじゃん、数字出されてもわかんないよ、科学なんて退屈だよ、理解を得たいなら簡単に説明しなきゃ>>続きを読む

クー!キン・ザ・ザ(2013年製作の映画)

4.0

キンザザの異世界感がアニメになることでマシマシ、特にキャラクターの動きにユーモアが生まれていて観ていて気持ちよかったです。全体的にテンポも良くなり現代的な作りになっているなと感じました。
トリクの適応
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不思議惑星キン・ザ・ザ(1986年製作の映画)

4.0

言葉も習慣もわからない、自分の常識が一切通じない土地で如何に意思疎通を図ることができるか?という異文化コミュニケーションについて考えさせられる作品でした。
文化・技術・価値観の全く異なる世界ながら、登
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スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021年製作の映画)

5.0

スパイダーバースでマルチバースの広がりは期待していましたが、実際に画として観せられると感無量ですね。
思い返せばスパイダーマンシリーズのヴィランはちょっとした事故や些細なボタンの掛け違いで道を踏み違え
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遠すぎた橋(1977年製作の映画)

4.0

冒頭の落下傘降下から野戦、渡河戦、市街戦と、画作りに注ぎ込まれた資金と手間に圧倒されますね。息つく間もなく続く銃撃と爆発の音は戦場の恐ろしさが余すことなく伝わってきます。
作戦の最高責任者であるモント
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ホドロフスキーのDUNE(2013年製作の映画)

5.0

SF超大作を自身の望む形で完成させようとするホドロフスキーの情熱は、思いついた端からメンバーを追加していく過程で危なっかしい匂いを醸し出し、原作改変いいじゃないを笑ってない目で語りだす件で狂気の頂点を>>続きを読む

アフタースクール(2008年製作の映画)

4.0

何でもないとシーンが後々重要な意味を持っていたり、最初に見た時と2度目では全く意味が違っていたりと、構成が見事でした。大きな謎の1つである木村の所在が解った後、さらにもう一捻りあるのが秀逸です。
個人
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アオラレ(2020年製作の映画)

4.0

ラッセル・クロウの狂気に駆られて起こす行動のほぼ全てが予想を上回っており、怖くも楽しいスリル体験を味わえます。
舞台もシチュエーションも様々に展開するので先が気になるアトラクション度が高く満足です。
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沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)

5.0

原作の荒涼感 凄惨な拷問が見事に再現されていて素晴らしいの一言です。日本側キャストも老若男女演技が素晴らしく、特に奉行所側の人間の、実益にしか興味を示さない態度、ただ支配構造の維持のためだけに役目を果>>続きを読む

ドロステのはてで僕ら(2019年製作の映画)

4.0

2分間のタイムテレビ!出落ち感が半端なくて大丈夫かと心配しましたが、ものの2分でそれは杞憂だったと確信しました。
ちょっとした閃きで不思議な道具を応用してしまうのはいかにものび太くん的で、エンディング
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東京リベンジャーズ(2021年製作の映画)

2.0

高校生のまま時が止まったダメ男がようやっと自分のトラウマに立ち向かうわけですが、帰結がもうどうしようもなく情けないのがユーモラスで良かったです。本人は必死でやっているのがさらに笑いを誘いました。
多対
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ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男(2019年製作の映画)

5.0

大企業が利潤を追求する上で不都合な事実を隠蔽する...悲しいことに、現在進行で似たようなニュースを国内でも見聞きします。
本作で描かれるテフロンはその影響を及ぼす地域の広さ、期間において文字通り地球規
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キングスマン:ファースト・エージェント(2020年製作の映画)

3.0

スパイ映画のみならずド派手な戦争映画分も味わえる大変満足な一本でした。
ロシアといえばチャイコフスキーとバレエでしょと言わんばかりのラスプーチンバトルはカメラワークやアクションが創意工夫に満ちていて楽
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マトリックス レザレクションズ(2021年製作の映画)

5.0

マトリックスの素晴らしさは枚挙に暇がありませんが、個人的には、精神の自由さ、崇高さを高らかに謳う点にあると思います。
厳しい現実や物理的な制約によって、心が肉体の奴隷に堕していたアンダーソンは、想像の
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