甘夏さんの映画レビュー・感想・評価

甘夏

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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.6

革命?
倫理的に受け付けない、受け付けたくない自分がいたのも確かで、でも真っ先に倫理とか考える時点でもう縛られてるよな…って気付いてしまい、震えが止まらなかった。


それにしても、うっとりとしてしま
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浮き雲(1996年製作の映画)

4.1

ずっと暗澹としていて先の見えない不安に飲まれるが、平面的で鮮やかな画とポップな色使いにより調和され、コミカルになっている。

大恐慌時代、カラフルな食器が流行したそうだが、日常に色を加えることで暗く重
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いまを生きる(1989年製作の映画)

5.0

詩は、処方薬のようなものだと思う。
悩んでいるときや不安なときほど、言葉に縋りたくなるものだ。

今の自分に相応しい言葉と出会ったとき、その言葉が信念や指針となり自らを突き動かす原動力となることはよく
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ゴーストワールド(2001年製作の映画)

5.0

どのコミュニティに居ても居心地が悪く、みんなが当たり前に知っている話題やカルチャーに興味が持てない、会話が出来ない、つまらない。まるで自分はゴーストになったかのよう。

自分にとっての普通は、他人から
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ファイト・クラブ(1999年製作の映画)

5.0

めちゃくちゃアナーキー!大SNS時代、物やファッションに固執し支配されている消費社会へのアンチテーゼだった。観ていて清々しいです。

パーフェクトブルー(1998年製作の映画)

5.0

どのサブスクでもなかなか観れずで、私の中でずっと神格化されていた作品。初視聴は映画館でした…リバイバル上演感謝…

結論から言うと、シーン転換が秀悦!!!!

家のドアを開けた瞬間次の場面へ移るなど、
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水の中のつぼみ(2007年製作の映画)

4.4

「燃ゆる女の肖像」とはまた違う良さがありますね〜〜
これは私観ですが、「燃ゆる(略)」は波打つ鼓動や騒つく心情、主人公の精神状態を音楽で表現していたのに対し、こちらはシンクロや水の揺らめきで表現するシ
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

5.0

結論から言うと、この作品は「ジブリの集大成」です。ジブリの大倉庫を覗いたような気持ちになれます。

それと同時に、この作品は、宮崎駿から、次のアニメーターへの強いメッセージが込められています。


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さくらももこワールド ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌(1992年製作の映画)

5.0


大瀧詠一の「1969年のドラッグレース」に次ぎ、細野晴臣の「はらいそ」たまの「星を食べる」筒美京平作詞のエンディング曲など。90年代を代表するアーティストがずらり。。それだけでもう私得ですが、エンド
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水の中のナイフ(1962年製作の映画)

5.0


男女3人、ヨットの上。
閉塞感と淀んだ空気の中、ひとつのナイフが加わることで一気に場が緊張感とピリリと張り詰めた空気に変わる。

若い青年にどうしても見栄を張りたい男は、自前のヨットに同乗させるが、
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田舎司祭の日記(1950年製作の映画)

3.8

主食は砂糖を入れたワインと、固いパン。
ワインにパンを浸して食べるシーンがやたら美味しそうで猛烈にワインが飲みたくなった。

クリスチャンではないが、キリスト教の歴史は好きだったので、かなりハマりまし
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月曜日のユカ(1964年製作の映画)

3.7

めちゃくちゃゴダール・・

充分な愛を受けずに育ってしまった少女。異性に尽くすことで自分の価値を見出すようになる、ある意味現代的な女性例だと思う。


お洒落な画角や軽妙でコミカルなBGMなど、一際美
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THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.5


漫画史に残る伝説の試合を映像で観れたことに、まず感無量です。

「なるべくナチュラルに、写実的に描きたい」
という作者の想いが何度も脳裏をよぎりました。

頭にタンコブ三つ!
みたいな、あの頃特有の
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グラン・トリノ(2008年製作の映画)

3.9


タクシードライバーを想起させるストーリー
個人的に、終わり方はタクシードライバーより好き

友だちのうちはどこ?(1987年製作の映画)

4.0


子どもの主張を全く耳に入れない大人たち

どの大人も自分のことばかり考えていて、どっちが子どもなんだ?って思ってしまう
対照的に、少年の心優しさや無垢さがより際立っていたなぁと。



縦横無尽なカ
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燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

4.8


夜祭の焚火
燃え上がる炎と、絡み合う視線、息を呑むほど官能的だった…

言葉よりも見つめ合うことの方が多かったように感じる。
静謐な世界にこそ美は宿るのだろう。



追記: 冒頭、本能の赴くままパ
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白痴(1945年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます



原作のドストエフスキーの著書は未読だけれど、カラマーゾフっぽいなと感じた



主人公の純粋無垢が過ぎるが故に周囲の人間が狂っていく様は、観ていて清々しかった。完璧な善人って悪魔に最も近い人間なの
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