5さんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

ゴジラ-1.0/C(2023年製作の映画)

4.5

白黒の表現で伝わるゴジラの禍々しさが恐怖心を募らせる。軽々しく奪われる命の冷たさや、被災後のピリついた人間関係がよりリアルに描写され、海の波や深さによる陰翳も白黒でしか出せない、日本的な良さ。

20
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浮き雲(1996年製作の映画)

4.5

カウリスマキの敗者三部作の一つ。
労働者の社会の中で起こる苦悩や挫折に対し、折れない心を持つこと。絶望的な状況下でも強い信念と希望を持ち続けること。音楽と共に教えてくれる。

2024|5|0,5

リリイ・シュシュのすべて(2001年製作の映画)

5.0

沖縄旅行で起こる不穏な出来事を機に、いじめや万引き、売春、強姦、自殺などの圧倒的な劣悪環境と隣り合わせの中学生活、安らぎや休息を与えてくれる音楽(リリイシュシュ)。
現実の生死の境界線はとうに掠れてお
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コンスタンティン(2005年製作の映画)

3.5

天国と地獄、天使と悪魔が同居する世界のオブザーバーとしてのキアヌがかっこいいだけの映画。

2024|3|0,3

ヴィーガンズ・ハム(2021年製作の映画)

3.5

人肉ってあんまり美味しくなかったんじゃないっけ、、、

2024|1|0,1

ファースト・カウ(2019年製作の映画)

3.5



2023|168|86,82


2023公開の個人的ランキング(暫定)
①アフターサン
②怪物
③ピギー
④タタミ
⑤枯れ葉
⑥I 人に生まれて
⑦パーフェクトデイズ
⑧ダッシュカム
⑨キラーズ
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マッチ工場の少女(1990年製作の映画)

3.5

無機質な生活と救われない女性にフォーカスを当て、淡々と進むストーリー。まともな人間が登場しない中、終盤の悲壮感溢れる結果へやるせなさとほんの少しの爽快感。

2023|167|85,82

枯れ葉(2023年製作の映画)

4.5

良作。劇的ではない展開が続き、眠くなるような前半ではあったものの、徐々に色付き出す2人の関係性やカウリスマキの原色使い、場を作り過ぎないが故に日常的にも見える風景が日々を振り返る引き金になる。
社会情
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TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

4.0

キングダム(トリアー)を想起させる死者の誘いやストレンジャーシングスのような淡白な描写が良く、同じ降霊表現があるエクソシストとは異なり目や言動の変化の強弱が明確でかつ過激で的確。90秒の縛りもリアル。>>続きを読む

VORTEX ヴォルテックス(2021年製作の映画)

4.0

「心臓の前に脳が壊れるすべての人へ」

過去に心臓の手術を行い推定寿命も短い夫、少しずつ認知症でボケてきた妻、老後の壁としてぶつかる衰えか障害を映し出す現実的な内容と、スプリットスクリーンでの見せ方が
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燃える惑星 大宇宙基地(1960年製作の映画)

3.0

アポロ11号の月面着陸が1691年だったことを踏まえると、感慨深い。
せっかく宇宙人の造形制作したのであれば見せ場を増やしても良いのではと思うのが正直な感想、年代の割には作り込まれている(ストーリーと
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ザ・ヴォイド 変異世界(2016年製作の映画)

3.5

病院×異形×カルト
白装束のカルト集団に囲まれる病院に閉じ込められ、病院内ではクトゥルフ系の異形の怪物達が発生するホラー、コスタンスキ監督の特撮が前に出過ぎてホラー要素が薄れてしまう、、、

2023
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ザ・バニシング-消失-(1988年製作の映画)

4.0

異様な執着心の傍に潜むサイコパス気質が巧みなカメラワークによって悍ましく感じられる。戦慄するラスト。

2023|160|82,78

地獄愛(2014年製作の映画)

3.5

ヴェルツのベルギーの闇三部作漸く制覇。
変態村はカルト村落という常軌を逸したストーリー故に現実と差別化でき、依存魔は極度のメンヘラだがどこか御伽話のような美しさがある一方、連続殺人ヒス夫婦は1番キツい
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黄龍の村(2021年製作の映画)

3.5

ドライブの際に若者達が行き着いた先は山奥の辺鄙な村、どこか異質だが手厚い対応を受ける傍ら、村には変わった風習があるというヴァナキュラーなホラー。一風変わったクセのある映画、よい

2023|157|8
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ミザリー(1990年製作の映画)

3.5

Sキング原作。小説家の大ファンのアニーが本人を監禁、更にアニーの情緒不安定な性格が作家を絶望的な境地に追いやる情け無しのホラー。

ジョジョ4部の山岸由花子や岸辺露伴を彷彿とさせる人物像から荒木先生の
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夜を越える旅(2021年製作の映画)

3.5

インディーズ映画に組み込まれたホラーの展開はやや特殊で新鮮、一方でカラグレの粗さが目立った。また中盤がピークで終盤にかけて盛り下がっていったのが残念。

2023|155|81,74

パーマネント・バケーション(1980年製作の映画)

3.5

日が刺す窓際の哀愁感や崩れ落ちた実家と不法滞在者などの対比と若さゆえの逃避行が、ジム・ジャームッシュ近年の気怠さではなく無知故の錯誤や現実との直面に対する自身の不確定さに感じる。

2023|153|
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死霊館のシスター(2018年製作の映画)

3.5

女神の継承を彷彿させるようなシーンは緊張感があるものの、悪魔崇拝やエクソシストのような王道物なので可もなく不可もなく。

2023|151|80,71

ツィゴイネルワイゼン(1980年製作の映画)

5.0

今年の鑑賞150本目は鈴木清順によるツィゴイネルワイゼン。
夢幻か現か、難解かつ高度な視覚芸術。
腐敗により熟れゆく果実や肉が燃焼することで残る白色の人骨こそが美しさと評する思想は、九相図のような仏教
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ポゼッサー(2020年製作の映画)

3.5

父のデヴィッドクローネンバーグ同様、ブランドンもゴア描写やドレープ状の皮膚表現、他者にアクセスする寄生暗殺など、普遍的事象に対し異を織り込むのが上手い。
自我との対立から被食者への立ち回りにリアリティ
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グランド・ブダペスト・ホテル(2014年製作の映画)

4.0

作家性として確立したコンポジションと華美な装飾+パステルの色使い等。作品毎のテーマに対するアプローチが似通って感じる理由は技術面に特化した作家性が与条件としていかに遊び心を加えられるかで作品を作ろうと>>続きを読む

タタミ(2023年製作の映画)

4.5

イランとイスラエルの政治的背景の影響で、国家からの重圧を受けるイラン選手と監督の葛藤。陰翳や柔道の所作がモノクロとアスペクト比によって洗練されつつ、タイムレスな映像に昇華される良さを感じながらも、他国>>続きを読む

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.5

石油で栄えた裕福な先住民族(オセージ族)の土地を結婚や相続という手段で白人に蝕まれていく様を、オセージ族視点で描くことで事の重大さを体感できる良作。役の割り当ても良く、殺人の非情さたるや。
スコセッシ
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恐怖の報酬 オリジナル完全版(1977年製作の映画)

3.5

大迫力にも程がある、ジャングルでの橋渡りシーン。

2023|144|78,66

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.5

公衆トイレの清掃を介して、文通のような間接的な人との対話や音楽が人と人との共通認識を感じさせたりと、日常を詩的に捉えて表現する様が非常に良かった。
葉の揺れ、部屋に溜まったカセットテープや本、やわらな
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シック・オブ・マイセルフ(2022年製作の映画)

3.5

作り手のトマスは表現者として感動を得ようとする一方、受け手のシグネは周囲からの共感を得ようとするという内容のシニカルなストーリー。
シグネによる異様な自己愛と執念にはドン引きだが、自分自身を見直す機会
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ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

4.0

SF映画としてメカニカルな造形表現が巧みであり、サイボーグ、複製人間、AIなどを上手く棲み分けつつ魅力的。渡辺謙が良い。

2023|141|76,65