Angieさんの映画レビュー・感想・評価

Angie

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悶絶!!どんでん返し(1977年製作の映画)

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恐怖狂気の大暴力博覧会

恐ろしいものを観た。最初から最後まで、一貫して物語を開示しない姿勢そのものがまず恐怖であるが、より感覚的にも、暴力の連鎖からなる恐怖感は抑えられず、永遠と続いていく。

こう
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にっぽん’69 セックス猟奇地帯(1969年製作の映画)

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我らと彼らの間には?

2021年7月23日、ニッポン、トーキョーでは、オリンピックの開会式が行われていた。そんなテレビの中継を見ながら、私はいたたまれない気持ちになっていた。この世は、大きな矛盾のも
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天使のはらわた 名美(1979年製作の映画)

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精神世界の限界点へ

これは・・・!現実だろうか、そうじゃないかなんて、もうどうだっていい。そう思わせてくれないのは、物語前半と後半の温度差が凄いからだろう。名美はキャリアウーマン、一流編集者の女性記
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天使のはらわた 赤い眩暈(1988年製作の映画)

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「まあ、いっか」そんな軽さがある

この作品は少し異質であるのは何でだろう。軽いのか、重いのか、何でだろう。
デヴィットリンチのような夢のような空気に、ふわふわと浮かんでしまうのか、何でだろう。おそら
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Wの悲劇(1984年製作の映画)

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もう一人の自分は厄介だけど

正直ここまで涙が出るとは思わなかった。そしてその涙の理由が全くよくわからない。練り込まれた脚本、舞台と相まって上がっていくスクリーンのボルテージ、薬師丸ひろ子の女優魂、流
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探偵物語(1983年製作の映画)

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探偵ごっこ のつもりだったのに

自分でも言ってしまうほど「退屈な女子大生」の直美、自ら巻き込まれていく純情無垢で怖いもの知らずの彼女だったが、常に寂しさと切なさを背負っているように見えてしまうのはな
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(秘)色情めす市場(1974年製作の映画)

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ゴム人形のように

生々しく、これ以上にないくらい、淀んだ空気と暑い空気が伝わってくる。
トメの額に浮かび上がる汗の、これまでにないエロチックな描写。しかし、彼女は自分のことを「ゴム人形」だと言うのだ
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白い指の戯れ(1972年製作の映画)

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少女は自分を犠牲にできる

最初、レッカーされる車を見て泣くような少女だったゆきは、衝撃的な「女に生まれてよかった」というセリフを吐くまで大人の階段をかけあがる。しかし、心はずっと少女のままだった。レ
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恋人たちは濡れた(1973年製作の映画)

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こういう映画がわかる「平成最後の」モーメント

平成も末期、こんな時期にこの映画がしみるのは、今俗にいう「エモい」が溢れているからかもしれない。「エモい」なんて言葉の定義はしっかりしていないし、私もな
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太陽を盗んだ男(1979年製作の映画)

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どうしようもない、これは青春映画。
形は過激なサスペンスを取りながらも、もはやモッズやロッカーズ的な青春色さえする傑作。

ストーリー設定や物語展開はかなりクレイジーでカルト映画的要素も感じるが、その
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サスペリア(1977年製作の映画)

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違和感こそホラーの醍醐味

そのメロディ、印象的に鳴り続ける。いいメロディではない。不気味でぞわぞわする。追いかけてくるような旋律。

スタイリッシュな色使い。普段の映画なら感心してしまうところだが、
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いちご白書(1970年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

無気力少年の目覚め

アメリカンニューシネマ。その中でも一際エネルギッシュなこの作品。学生闘争を描きながらも、一人の少年の変化にフォーカスする。だからやりきれない気持ちと共に、ヒューマンドラマ性も感じ
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リトル・ダンサー(2000年製作の映画)

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ロックンロールはバレエとともに

夢を叶える、そんな強い気持ちではなくて。
だから夢を叶える神話なようなメッセージも感じられなくて。
というよりは、
純粋無垢に、踊ることへの喜び、自然に「電気のように
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ニック・オブ・タイム(1995年製作の映画)

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リアリズムの88分

映画の中の時間と実際の時間が同時進行する「真昼の決闘」並みのリアリズム。
話のオチも読めず、どう進むかの見せ方が素晴らしい。巻き込まれてしまった男を演じるジョニーデップが本当にい
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ロックンロール・ハイスクール(1979年製作の映画)

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女性主導のロックンロールとは?

言葉が出ないくらい王道の学園コメディをいきながら、ラモーンズは出てくるわ学校は萌えるわ、てんやわんやの王道すぎるロックンロールストーリー。この清々しさ、汚れのない純粋
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ローラ(1961年製作の映画)

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3部作の一部。

ジャックドゥミのデビュー作はモノクロで。ローラを軸に、ローランと水兵のフランク、そして少女セシルの「初恋」が描かれる。切ないラストはヌーヴェルヴァーグ的。どこか違うのは、この話が次も
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ロシュフォールの恋人たち(1966年製作の映画)

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ハリウッドにならないのは音楽と色とカメラ目線

この洒落た映画よ。ハリウッドミュージカルには程遠い。到底叶わないスタイリッシュさよ。だけど十分楽しめる展開になり、キュートなキャラクターに心温まるストー
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私は告白する(1953年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます


「告白」群像劇

カトリックのルール「神父は秘密を漏らしてはいけない」をうまく利用しながらスリリングな巻き込まれ・・・と思いきや。まさかのまさか、神父自身にも裏があり、殺しは神父にとっても嬉しいもの
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めまい(1958年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

ハッピーエンドはありえない

この物語、この時代にこのようなバッドエンドお提示してくるのはハリウッド産の映画としては珍しい。と言っても、このラストは当時からすれば当たり前、と言ってもおかしくないだろう
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哀愁(1940年製作の映画)

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シンデレラは笑わない

貧しい踊り子の純粋な娘が貴族上がりの将校に見出され、結婚に至る。ここまで聞くと人生勝ち組感溢れる素敵なシンデレラストーリーなのだが。
正直結婚に至るまでや、死んだと思った男が実
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リトル・ミス・サンシャイン(2006年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

グランパの魂!

なんて愛おしい家族。短期間に思えないほどの不幸が舞い降りてしまうけれど、それは映画ならではのご愛嬌です。何と言っても、グランパの存在感がこの映画を一段階上に高める。まさか死んでしまう
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フレンチ・カンカン(1954年製作の映画)

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マイベストラストシーン

まさに大団円。これこそ!めちゃくちゃになった話は、最後まで勢いよくかき混ぜられ、蒸発寸前にまで燃え上がる。そして余韻を残しまくったまま大団円を迎える!FINが名残惜しい!この
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大いなる幻影(1937年製作の映画)

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その友情は、その恋愛は、幻影なのか?

フランスとドイツ。戦時下にみえた、ふたつの「幻影」。
1つは貴族出身の将校という共通点で繋がった2人が立場上に悲惨な結末を迎えてしまう。ドイツの将校は現状にうん
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うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー(1984年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

現実=夢?

完成された作品。無駄が1つもなくストーリ展開も完璧。作品自体に起伏はなく、ずっと同じテンションが続く。最後に盛り上がる訳でもなく、意外とあっさりと終わりを迎える。しかしそれがまた良い。ク
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ヘザース ベロニカの熱い日(1989年製作の映画)

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出口のない高校社会とは

誇張されたスクールカーストを爆破するJD
その陰謀に巻き込まれた女の子、ベロニカの物語。毒がすごい。

自殺という社会問題をどういうわけかコメディタッチで描き(13reaso
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映画に愛をこめて アメリカの夜(1973年製作の映画)

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映画製作の始まりと終わり

この溢れ出る映画愛、しかもスタジオセットでのハリウッド古典的撮影。ヌーヴェルヴァーグを牽引したトリュフォーが、大好きな古典的ハリウッドの裏側を愛を込めて描く。小さな少年はき
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オルエットの方へ(1970年製作の映画)

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女の子たち、男、海、バカンス、終わり

この約3時間にも渡るバカンス映画。
ひたすらに女の子三人のバカンスを描く。起承転結はほとんどない。少し恋のバトルが起きて、ジルベールが破れ、カリーンが去り、バカ
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マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー(2018年製作の映画)

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母と娘の物語

楽しい楽しいミュージカル、と思いきや、とんでもなく泣ける話に仕上がってる。これは前作がかなりふざけた展開を遂げ、やっぱりミュージカルは頭空っぽで観なきゃな〜と実感したからこその、この作
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バッド・ジーニアス 危険な天才たち(2017年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

受験は戦争?
引き返せない道を行く2人の主人公

映画の面白さを鍋に入れてぐるぐる混ぜてしまったかのようなカオス。いろんな要素を随所に感じ、統一感のない空気感に戸惑う。この鮮烈なまでのエネルギーを持っ
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ロスト・ハイウェイ(1997年製作の映画)

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疾走?実相?

脈略のない映像。論理を求めてしまう私たちを否定するこの作品は、最後まではっきりとした回答は得られない。ボウイがI’m Deranged と言うなら、そういうことなんだろう。何の本質も
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マルホランド・ドライブ(2001年製作の映画)

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まるで「悪夢」のような強烈な世界。(実際のところ、「夢」を描いている映画ではあるが) 難解なストーリーは考えるだけ無駄かもしれないが、その意味を見出さずにはいられない。私は初めて鑑賞した後、取り憑か
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イット・フォローズ(2014年製作の映画)

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全ては擬人化された「それ」なのか

何と若いこと。何と青春。これはまぎれもない青春映画であり、ホラーのどっぷり怖い感じはあまりなく、お遊びのように見えてしまう。雰囲気は柔らかささえ感じる、この映画自体
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アメリカン・スリープオーバー(2010年製作の映画)

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夏の終わり、プールサイド、お泊まり会、廃墟、大人、子供、その間。

中学から高校に。高校から大学に。この大きな転換期のクライマックスを飾るのが、夏休み最後の日。大人になりたいもどかしさと子供でいたい惜
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アンダー・ザ・シルバーレイク(2018年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

ポップカルチャーはティッシュとおなじ

これもまたとんでもない作品。サブカルチャー、ポップカルチャーのエネルギーたっぷり、すべては監督の妄想なのか、真実なのか。観るものを惑わすラストの結末は予想外でも
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search/サーチ(2018年製作の映画)

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一人称の物語

このアイディアは素晴らしいの一言。すべてデジタルデバイスに語らせるというルールは新聞で物事を語らせていたヒッチコックもびっくり。

この映画のとても大事な点は、カメラが常に主人公目線の
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マンディ 地獄のロード・ウォリアー(2018年製作の映画)

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物語は三度始まる

いや、いやいや、この映画はとんでもねえな。美術的なビジュアルに、ぶっ飛んだ話が重なって一種のトリップ現象が引き起こされる。コメディにもサスペンスにも振り切らない微妙な中間的立場を貫
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