えびちゃんさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

えびちゃん

えびちゃん

映画(669)
ドラマ(21)
アニメ(0)

歓楽通り(2002年製作の映画)

3.7

上品ないやらしさを堪能!ふわふわとした耽美さにうっとり。映像がすんばらしく美しく、妖艶な娼館の奥底へと進みたくなる。美しくのぼせそうな色気を全ての毛穴から放出している娼婦のおねえさんたちに優しくしても>>続きを読む

今のままでいて(1978年製作の映画)

3.2

マルチェロ・マストロヤンニがナスターシャ・キンスキーの尻にかじりつくと聞いて観ずにいられるか。しかも音楽はエンニオ・モリコーネ。これで駄作なわけがない。わけがない…。わけがない…、、、。わけがない、は>>続きを読む

秒速5センチメートル(2007年製作の映画)

3.7

開始数分で涙が出てきた…。桜と雪の舞い落ちる描写、さみしげな両毛線、種子島の圧倒的な青空に涙がじわじわ溜まった。なんなの、背景美しすぎるでしょう。いつもの新宿なのに、目を凝らし雑踏に耳を傾けるとこんな>>続きを読む

Wの悲劇(1984年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

昔の傑作サスペンスといわれたら邦画苦手なわたしもイケるのでは?と思ったのだけど見事に完敗しました。厳しいこと書きたくなると1,2日寝かせて落ち着いてからレビューするんですけど、これはどうしたもんかとだ>>続きを読む

はなればなれに(1964年製作の映画)

4.0

ウワ〜すき!無条件で好き!!決して清々しく気持ちがぱあっと晴れわたるような作品ではないのかもしれないけど、謎の多幸感とまだ見ぬ未来に希望を託し、次世代へとつながれるバトンを手渡されたような余韻のラスト>>続きを読む

Girl/ガール(2018年製作の映画)

3.7

シスジェンダーの人間がかけらも想像できないほど、心と身体の性別が乖離している苦しみを常に抱えているということを改めて思い知らされた。静かな彼女の心の叫びが伝わってきて痛かった。ずっと痛かった。
16歳
>>続きを読む

キャラメル(2007年製作の映画)

4.0

砂糖を煮詰めてキャラメルにして、ちょっとつまみ食い。よく練って皮膚に伸ばして、勢いつけてびっっと剥ぐ。これが中東での脱毛方法。甘いけど熱くて痛い。鑑賞後の余韻もこんな感じ。ちょっと…いや、かなり…しん>>続きを読む

君とボクの虹色の世界(2005年製作の映画)

4.0

不器用な人間たちの不器用で愛くるしい生きざま。このままずっと観ていたかった。
マルチアーティストのミランダ・ジュライが監督・脚本・主演。アーティストを目指しながら高齢者タクシーで生計をたてるクリスティ
>>続きを読む

細い目(2004年製作の映画)

3.9

恋に落ちた瞬間をこの目で見た。
ムスリムのマレー人少女オーキッドと露店で海賊版VCDを売る華僑系少年アーロン。金城武のVCDを買うために露店を訪れたオーキッドにアーロンは恋をする。マレー人と中華系。多
>>続きを読む

ラブン(2003年製作の映画)

3.5

2か月前から夢に出るほど楽しみにしていた没後10周年記念ヤスミン・アフマド特集。
ラブンは初長編作品。とっても私的。これといって盛り上がりもなくオチもなく…。ところどころ監督らしいユーモアが散りばめら
>>続きを読む

風櫃(フンクイ)の少年(1983年製作の映画)

4.0

ホウ・シャオシェン監督の自伝的作品という事だけど最高の青春ではないか。トップの画像、ばかみたいでしょう。高校を中退した台湾の風櫃出身男子4人組が女の子の気を引くために踊ってるのよ、波打ち際で。途方もな>>続きを読む

ドラゴン・タトゥーの女(2011年製作の映画)

3.5

凍えるようなミステリー、人物の描き方、キャラクター性に好感を持った。
バイクから颯爽と降り、さっとヘルメットを外すマリアンヌ・フェイスフル…ではなくなにもかも真逆のルーニー・マーラ。真っ黒だしげそげそ
>>続きを読む

blue(2001年製作の映画)

3.7

ノスタルジーに襲われて呼吸がうまく出来ない。新潟の夏、舞台は日本海のすぐそばに構える女子高。我が母校。原作は魚喃キリコ。
卒業して10年以上経つのに、じめっとした鬱陶しい空気、夕方になると漂ってくる雑
>>続きを読む

テス(1979年製作の映画)

3.9

印象派の絵画を観ているのかと思った。オーケストラ音楽も伴ってこの悲しく美しい物語の世界を形作っていた。
美しく貧しい村娘のテス、祖先がかつて盛えた旧家であるということがわかり、母は同じ苗字をもつ家へ親
>>続きを読む

ベルヴィル・ランデブー(2002年製作の映画)

3.7

しばらく何観てるかよくわからなかった…やっぱりアニメ合わんのか…とくよくよしていたら、30分超えたあたりから一気に面白くて…花火のように面白さが後から後からぽこぽこ打ち上がっていった。
絵本のように美
>>続きを読む

オテサーネク 妄想の子供(2000年製作の映画)

3.7

すごい不快。最低最悪の気味の悪さ。でも嫌いじゃない!シュルレアリスムアニメの巨匠、シュヴァンクマイエル監督、実は実写&長編ははじめて。アニメの世界観そのまま、本当に人を不快にするのがお上手!
人を食ら
>>続きを読む

終電車(1980年製作の映画)

3.9

好きだーーーー。誰がなんと言おうと好きだ。後味がなんとも言い現すことのできない大人のラブストーリー。やっとラブストーリーにありつけた…。
第二次世界大戦下、ドイツに占領されるパリ。マリオンはユダヤ人の
>>続きを読む

パディントン 2(2017年製作の映画)

3.6

みんなの心にパディントンが居たらいい。
なんて礼儀正しく心優しい善良な子グマ。育ててくれたルーシーおばさんへ誕生日プレゼントを贈るために奔走するなんて泣かせてくれるじゃあないか。ちゃっかり『グランド・
>>続きを読む

ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス(2016年製作の映画)

3.9

はぇーーーー情報量も凄まじいが次から次へと繋がれていく構成もすごいわ。圧倒の3時間半であった。解説どころかテロップのひとつもでないドキュメンタリー初めて観た。
図書館は単なる貸本屋じゃない知の宝庫だ。
>>続きを読む

アンチクライスト(2009年製作の映画)

3.7

どっぷり浸る恋愛映画が観たい〜!と思っていたのになんでこれを観たのでしょうか。
大好きなウィレム・デフォー氏が主演だから思考が脳みそを通過せず手が勝手に取ってしまったのかもしれません。お陰さまで大火傷
>>続きを読む

ワイルドライフ(2018年製作の映画)

3.6

揺らぐ家族の肖像を少年は真正面から切り取った。
1960年、モンタナ。お父さんは山火事消火の出稼ぎに、お母さんは水泳のインストラクターに、14歳の僕は家計を助けるために写真館でバイトを。職を転々とする
>>続きを読む

永遠と一日(1998年製作の映画)

4.8

老詩人と難民の少年の人生の旅路。老人は美しく切ない記憶を、少年は不確かな人生の希望をそれぞれ海越しに見た。
闇に浮かび上がる鉄線越しの人影。廃墟でのお弔い。バスでの2つのマジックリアリズム。息を飲む長
>>続きを読む

エドワード・ヤンの恋愛時代(1994年製作の映画)

4.0

どっぷり恋しちゃってるエドワード・ヤン監督作品。静謐でシャープな切り取り方が彼の作家性だが、あれ、これ何観てるんだっけ?と混乱してしまった。というのも、開始10分だけで『恐怖分子』の全セリフ分は喋って>>続きを読む

哀しみのトリスターナ(1970年製作の映画)

3.7

没落貴族の老人ロペ、父も母も亡くした少女トリスターナを養女として迎えるが、あんまり美しいから手篭めにしちゃう。お互い自由だ!と言いながらも自由なのは自分だけ。トリスターナは外出を禁じられる。無垢な少女>>続きを読む

昼顔(1967年製作の映画)

3.7

美しさが咲き誇った24歳のカトリーヌ・ドヌーヴにこのような役を演じさせたことにただただひれ伏します。下着姿のドヌーヴを縛りあげて、ドブを顔に投げ付けるとはブニュエル先生だからできたわけです。なんてサデ>>続きを読む

太陽がいっぱい(1960年製作の映画)

3.8

太陽がいっぱいだ…!
タイトルがなんかこダサいのとアラン・ドロンかぁ、というネガティブな気持ちがあり後回しにしていたけど、おおおお面白かった…!!タイトルバックは最高にオシャレだったし、音楽はニーノ・
>>続きを読む

メモリーズ・オブ・サマー(2016年製作の映画)

3.8

12歳の夏、母は太陽だった。母が全てだった。12歳のピョトレック、母と二人暮らし。父は国外へ出稼ぎに出ている。ポーランドの短い夏、母と2人で湖に泳ぎに出かけ、チェスやカードを楽しむ。いつも一緒だった。>>続きを読む

ミリオンダラー・ホテル(2000年製作の映画)

-

はみ出しモノたちが集まるミリオンダラーホテル。個性と呼ぶにはあまりにも変人すぎる人間たちの中にほんのり光る2人の男女。少しだけ知的障害がある心優しいトムトムと、自らを虚構と呼び、息をひそめるエロイーズ>>続きを読む

ジェラシー(1979年製作の映画)

3.7

"男は女に何を求めるか"
"欲望を満たすものであること"
"女は男に何を求めるか"
"欲望を満たすものであること"

心理学者のアレックスと謎多き奔放なミレナ。舞台はウィーン。ミレナの強烈なアプローチ
>>続きを読む

イーダ(2013年製作の映画)

4.2

汚れなき少女時代との別れと、本当の自分との出会いの旅。
1962年ポーランド。天涯孤独で修道院育ちのアンナは尼僧見習い。シスターから実は伯母がいると知らされ、修道誓願をたてる前に会いにいくよう命じられ
>>続きを読む

マグダレンの祈り(2002年製作の映画)

-

不遇な歴史から最近はずっとアイルランドに心を寄せていた。
イギリスに抑圧されていたその影に、アイルランドカトリック教会の厳しく歪んだ悪習によって虐げられた少女たちが1996年まで実際に存在していた。
>>続きを読む

SWEET SIXTEEN(2002年製作の映画)

-

待ち構えているのは、背負うに重すぎる光輝かない未来。
15歳の少年リアム、恋人の薬物により刑務所に収監されている母の出所を心待ちにしている。母はあと数週間で刑期を終える。その次の日はリアム自身の誕生日
>>続きを読む

シークレット・サンシャイン(2007年製作の映画)

-

イ・チャンドン監督作品を観ることはほとんど自傷行為なのではないのかと思ってしまうほど、また心をぐちゃぐちゃにかき乱された。
キリスト教信仰の構造上の矛盾を描いた作品。救いとその限界。神の愛、本当の救い
>>続きを読む

バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト(1992年製作の映画)

-

ハーヴェイ・カイテル魂の演技を、文字通り余すところなく堪能。素ではなかろうかと見紛うほどのクズっぷり、有難き全裸、慟哭、ファンからしたらなんとお得な作品であろうか。お口直しみたいなノリでドラッグを嗜み>>続きを読む

クリムト エゴン・シーレとウィーン黄金時代(2018年製作の映画)

-

血の繋がった妹をねっとりした視線で描いたり、幼女の裸体や性器を描いてしまうエゴン・シーレは目を逸らしたくなるくらい苦手だったのだけど、"ヘテロセクシュアルの男性はシーレの絵を署名の方向に沿わなくても水>>続きを読む

彼の見つめる先に(2014年製作の映画)

-

なんてかわいい青春ラブストーリーなんだ…。尊くて愛おしくて最高にチャーミング。不純まるだしのうす汚れた心が洗われる。
ブラジルの高校生で全盲のレオと親友のジョヴァンナ、転校生のガブリエルの三角関係。3
>>続きを読む