夏樹さんの映画レビュー・感想・評価

夏樹

夏樹

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燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

3.9

第72回カンヌ国際映画祭 脚本賞を受賞

ドライブマイカーの前年度の脚本賞とあって、以前から気になっていた作品。

1770年?18世紀のフランスの孤島が舞台。2人の女性の物語。

印象的なのが、登場
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三度目の殺人(2017年製作の映画)

3.9

第41回日本アカデミー賞最優秀作品賞などを受賞。

ベイビーブローカーを観る前にちょっとおさらい。
最後がスッキリはっきりしないクライムムービーだから、3.4の評価かな?と思うが、もっと高くてもいいと
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ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ(2018年製作の映画)

4.4

待ちに待ったレンタル開始!
動画配信を利用して、1回目は通しで、2回目は何度も見返した。
それだけ、難解な作品。

それでも観たくなるのは、映像美の素晴らしさや、泡沫の夢のような不思議で印象的な感覚が
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スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

4.0

第90回アカデミー賞主演女優賞、助演男優賞
第41回英国アカデミー賞作品賞含む5部門
など多数の映画賞を受賞。

娘を殺された母が、警察の捜査が進まないことを抗議することで物語が展開する。

3人の人
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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破(2009年製作の映画)

4.1

新劇場版4部作の2作目。

映像は更に緻密で、美しい。使徒の構造や動き、進化?などがとても複雑に。

律子さんが「昨日と同じ今日、今日と同じであろう明日、繰り返す日常を謳歌、むしろ感謝すべき事態ね」と
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.7

第74回カンヌ国際映画祭 脚本賞受賞

原作を読み直しての鑑賞。
濱口監督他2人の脚本家が、村上春樹作品をどう表現したのか、とても楽しみに観させてもらった。
そして、これまで抱いていた私なりの解釈に近
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アルファヴィル(1965年製作の映画)

3.8

ベルリン国際映画祭、金熊賞受賞作品。

ゴダール作品をオススメされ、どうしても観たいと思って動画配信やレンタルショップを探しましたが、見つからず…。DVDを購入しての鑑賞。

主人公が声の主に、尋問?
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逃げた女(2019年製作の映画)

4.5

第70回ベルリン国際映画祭
銀熊賞受賞作品

あらすじでは、結婚して5年間一度も離れたことのない夫の〜と説明が。
そのまま受け止めれば、淡々とした作品で終わってしまうかもしれない。
ただ、会話や状況か
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グリーンブック(2018年製作の映画)

4.3

アカデミー賞、ゴールデングローブ賞などを受賞。

さすが、名だたる賞を受賞しているだけありました。
感動して涙、涙という感じではなく、じーんと心温まる実話を元にした作品。

グリーンブックとは、黒人ド
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82年生まれ、キム・ジヨン(2019年製作の映画)

4.1

大きな事件はなく、あっと驚く展開は一部で、多くはよくある夫婦のお話。
だからこそ、身につまされる内容。
子どものいる夫婦のあるあるが満載。

相手のためを思って伝えた言葉が、反対に傷つけてしまったり、
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渇き(2009年製作の映画)

4.1

第62回カンヌ国際映画祭 審査員賞受賞

パク・チャヌク監督のオールドボーイは、第57回カンヌ国際映画祭審査員特別グランプリを受賞。韓国を代表する監督の1人。

あるビデオの予告から、興味を持ち鑑賞。
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パニック・ルーム(2002年製作の映画)

3.7

スリリングでとっても面白かった!
私だったら…と、その状況を自分に重ねてハラハラしどおしでした。

作品紹介では、ほとんど説明がないため、引越しの夜に何が起こるのかと、色々想像をめぐらして視聴。
想像
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007/カジノ・ロワイヤル(2006年製作の映画)

3.8

ドラゴンタトゥーの女で見惚れた、ダニエル・クレイグを観たくて、手を出した007。
まだ観てないと思って借りたら、すでに観ていたw

今回は鑑賞前に007の予習。
もちろん、かなり詳細にジェームズ・ボン
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さよなら渓谷(2013年製作の映画)

3.6

2013年モスクワ国際映画祭の審査員特別賞を受賞。

『楽園』『悪人』に続き、吉田修一さん原作の作品を視聴。
吉田修一さんの小説をいくつか読んでみると、情景を思い浮かべやすく、感情移入をしやすい作品だ
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シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

4.5

破、Qの理解できなさから、シンも置いてかれて終了となったら…と思うと、少し怖々観ましたw
でも、単純に観て良かった!と言うのが、率直な感想。
もちろん、訳わからないところは随所にありますが、全体として
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帰れない二人(2018年製作の映画)

3.9

中国映画を観たくて、ジャ・ジャンクー監督作品を選んだ。

主人公のチャオと、その恋人のビンの2001年、2006年、2017年の物語。

長江の船上での出来事、結婚式会場での食事やお金持ちを利用するシ
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天気の子(2019年製作の映画)

4.1

TV放映されていたものを視聴。

深海監督作品の映像美は変わらず健在。日本のアニメの凄さをこれでもか!と見せつけられる。
毎回、自然のキラキラした美しさに圧倒された、子どもの頃の記憶を呼び覚ましてくれ
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楽園(2019年製作の映画)

3.9

吉田修一さんの、実際にあった事件を元ネタに書かれた短編集「犯罪小説集」から、青田Y字路、万屋善次郎の2作を映画化した作品。

3部構成。
田舎が舞台。ほとんどが顔馴染みのため、後から越してきた余所者は
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新しい街 ヴィル・ヌーヴ(2018年製作の映画)

3.9

全編墨絵のアニメーション作品。

レイモンド・カーヴァー短編「シェフの家」(『大聖堂』村上春樹訳の2作目)から影響を受けて作られた作品。
「シェフの家」を読んでから、視聴しました。

原作は短編で、夫
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スパイの妻(2020年製作の映画)

4.4

2020年ヴェネチア国際映画祭、銀獅子賞受賞作品。

1940年の太平洋戦争開戦前の時代。

戦争映画というより、正義とは何かを問うている映画だと感じた。
戦争の悲惨さや、反戦的なものは極力省き(その
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鵞鳥湖の夜(2019年製作の映画)

4.0

映画館にて鑑賞。

薄氷の殺人に続いて、ネオンの光や暗闇とライトに浮かび上がる映像、キャッチーな音楽が素晴らしかった!クールなグイ・ルンメイが、音楽に合わせて踊るシーンも印象的。ピカピカ光る靴も、履き
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薄氷の殺人(2014年製作の映画)

3.8

2014年ベルリン国際映画祭
金熊賞、銀熊賞受賞作品。

鵞鳥湖の夜の予習のため鑑賞。

題名「薄氷の殺人」ですが、「白昼の花火」でしょう!と思ったら、原題が「白日烟火(白昼の花火)」だったw

ネオ
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TENET テネット(2020年製作の映画)

4.2

前評判通り、難解どころか、一度観ただけでは話の筋自体も理解が難しい映画。
インセプションでは、見ているうちに、その世界のルールを理解できた気がした(自分なりに納得できる程度の解釈です)が、今回はルール
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インターステラー(2014年製作の映画)

4.3

クリストファーノーラン監督作品を鑑賞。

2時間49分という大作。
宇宙ってどんなところか…4次元、5次元、相対性理論、ワームホール…難しいことは分からないが、これまでの知識だけでも、素晴らしい映像と
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インセプション(2010年製作の映画)

4.5

クリストファー・ノーラン監督、脚本、製作。148分と少し長め。
第83回アカデミー賞の作品賞始め、8部門にノミネート、撮影賞、視覚効果賞、音響編集賞、録音賞を受賞。
その他、受賞した賞は数知れず。
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この世界の片隅に(2016年製作の映画)

4.6

戦争があったことを忘れないように…と、やや気を負って観たのに、不思議と最後には温かい気持ちになり、大切なことを気づかせてくれた。この感覚は忘れてはいけない。自分にとって貴重な作品となった。

やわらか
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オアシス(2002年製作の映画)

4.3

ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞受賞作品。
バーニング、ペパーミントキャンディのイ・チャンドン監督作品。
ペパーミントキャンディのソル・ギョングとムン・ソリが出演。

社会に適応できないジョンドゥ(ソル・
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ペパーミント・キャンディー(1999年製作の映画)

3.8

韓国とNHKの共同制作。
バーニングのイ・チャンドン監督の作品。
殺人者の記憶法のソル・ギョングが、主人公のキム・ヨンホを演じた。

何故泣いているのか、気が狂ったような行動の原因は?
現代から過去に
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はじまりのうた(2013年製作の映画)

4.1

元気が出る映画を観たいなぁと思い、この映画を選んだ。
評判通り、楽しく、元気をたくさんもらえた作品。ちょっと、うまく行きすぎ?とも思ったが、元気をもらうという目的なので、それくらいが丁度いい。

劇中
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冷たい熱帯魚(2010年製作の映画)

3.0

Amazon primeでたまたま目に入り、視聴。

好みかどうか、ハッキリ分かれる作品。
1990年代の愛犬家殺人事件を元に作られたようですが、後半は、より激しく脚色されている。
全体的に暴力的。特
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凱里ブルース(2015年製作の映画)

3.8

監督の故郷、凱里が舞台。出演者のほとんどが、監督の友人や親族とのこと。監督のインタビューで、凱里ブルースについて「過去や未来が同時に存在する時間そのものを、映像の中で表現したい」と語っている。
それを
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レイニーデイ・イン・ニューヨーク(2019年製作の映画)

4.3

久しぶりに映画館での鑑賞。

ウッディアレンらしい曲が流れ、一気に映画の中に引き込まれる。ニューヨークを魅力的な街に見せてしまうのもさすが!
ミッドナイト・イン・パリを思い出した。今回も、雨降りがテー
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トニー滝谷(2004年製作の映画)

3.7

村上春樹の同名の小説が原作。

大切にしていたTシャツに、"TONY" TAKITANIと書いてあり、想像を巡らせて書いた短編小説(「雑文集」「村上T」より)。

著書の淡々と…に似て、映画も極力抑揚
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国際市場で逢いましょう(2014年製作の映画)

4.4

哭声(コクソン)の霊媒師役のファンジョンミンが主人公のドクスを好演。

涙なくして見られない、秀逸な作品でした。

朝鮮戦争の「興南(フンナム)撤退」の際、主人公が経験した家族との別れ。その後も生活は
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君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

4.3

アカデミー賞脚色賞受賞

1983年北イタリア。クレーマが舞台。

まずは、イタリアの夏休みのとても贅沢な時間の過ごし方に、心を奪われた。
主人公のエリオは、読書、ピアノやギターの練習、作曲や編曲、泳
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