2011年から2012年、シリア内戦の現場を観るドキュメンタリー。
町が破壊されていく。仲間が撃たれて倒れる。血だらけになって運ばれてくる。その生々しい音と映像に恐怖を感じた。撮影も命懸けなんだろう>>続きを読む
行ったり来たりを味わう映画。
暴力と暴力が闘う塀の中での父子喧嘩を観る映画と言ってもいい。
暴力でしか自分を守れない19歳の少年がセラピストや仲間たちの助けを借りて少しずつ変わっていく。
でも、>>続きを読む
戦争下、立入禁止の国境の川。そこに浮かぶ廃船の中で交わす心の物語。
これ、好きです。
主人公の少年の息づかいの音が印象的。外の世界から隠れて暮らす状況に、観る側も音に敏感になる。
セリフは少なく>>続きを読む
少女の歌声を聴く映画。
聾唖の家族の中でただ一人耳がきこえる高校生ポーラが、歌の才能に気付き、パリの音楽学校を目指す話。
ガツンと来た。
振り返ってみると、いろいろ雑で映画としての品質はあまり良>>続きを読む
家族に訪れる変化の連鎖の話。
見える景色が一瞬でガラリと変わるような感覚を味合う映画。
とてもユニーク。初めての感覚。
でも、この監督の味を理解した上で観るとより面白さを感じられるような気した。>>続きを読む
親友の自死を受け止める道のりを描く物語。
監督の実体験に基づく映画。極めてパーソナルな映画。
非常に迷いながら作ったのではないかと想像する。
自分の心の中をスクリーンに映す映画を作るって、どういう>>続きを読む
高慢ちきの外科医トンマーゾが変わっていく姿を映すコメディ。
おもしろかった。
トンマーゾがちょっと風変わりな神父との交流を通じて自分以外のものに目を向けるようになっていく。
近くにいる人が悩んで>>続きを読む
ドローンを遠隔操作し標的を爆撃する兵士の精神世界を描く映画。
敵には自分は見えない。見えないから殺される恐怖は無いのかもしれない。見えない自分も存在しないのかもしれない。そうだ、存在しないのだ。内な>>続きを読む
監督の実体験に基づく、父と娘のギクシャクした関係の物語。
この映画を作ったのは娘の方で父親も映画監督。
北京という都会に住む内モンゴル人たちの暮らしが舞台になっている。民族というものを感じる映画。>>続きを読む
ジャズ・トランペット奏者チェット・ベイカーの葛藤を観る映画。
僕の苦手な伝記的映画だけど、この映画は苦手ではなかった。彼のスゴさを知らなくても置いてけぼりにされなかったからか。
ヘロインに溺れ、そ>>続きを読む
覚せい剤の売人、ケンとカズの物語。
ああ、そっち行っちゃうかあって終始思わされる。行きたい方とは逆に逆に行ってしまう。深みにハマっていく。
この映画の核心は分からなかった。
だけど、
手が届かな>>続きを読む
ぴあフィルムフェスティバル・アワード2015グランプリ受賞作品。
10代、20代の頃、自分が何か分からなくて、だから自分でいられる場所も見つけられるはずがなく、居心地の悪さを感じていた。だから、くだ>>続きを読む
生物誌学者の中村圭子さんの哲学を紹介する映画。
いろんな分野のプロフェッショナルと中村さんとの対話を観せられるけど、ちょっと難しかった。対話と対話の脈略も見つけにくく、睡魔に度々襲われる。
無関係>>続きを読む
水と星と記憶、そして人間の物語。
スペイン人征服者による先住民族の抹殺。ピノチェト独裁政権による反政府人民の虐殺。
二つの狂った時代にチリ・西パタゴニアで起きた悲劇をトレースしながら、人類が宇宙の>>続きを読む
深夜食堂にやって来る人びとのやさしさの物語。
TVドラマの続きものだから、それっぽい作りで、ちょっと残念な気持ちで観てたんだけど、終わってみれば、じわりじわりと心に響いた映画でした。
そこでは誰も>>続きを読む
高度経済成長期の日本、大学病院の政治力学の物語。
めちゃくちゃエネルギッシュな映画。作り手のパワーが画面から滲み出ている。
教授になるため、させるためには、何でもやる。金、ポストの約束、脅し。殺人>>続きを読む
父親との確執、兄弟に関わる事故の自責の念から、生まれ育った町を出て行った男が、20年ぶりに故郷に帰り、父親を弁護する物語。
故郷に留まり、父親を弁護する中で故郷と家族を取り戻していく。父親の後悔と、>>続きを読む
ああ、なんという映画なんだろう。こんな感覚は生涯で初めて。
自分が宇宙の破片のひとつだと感じた。
冒頭からいろいろな対比が繰り返し映し出される。
接近と俯瞰。
地面と宇宙。
現在と過去。
過去>>続きを読む
ブラジル音楽を愛するDJ、ジャイルス・ピーターソンが、ブラジルの一級ミュージシャンと共にプロデュースしたアルバム『BRASIL BAM BAM BAM』の制作過程を映すドキュメンタリー。
ジャイルス>>続きを読む
イラク戦争における米海軍特殊部隊の伝説のスナイパー、クリス•カイルの戦場と人生における闘いの物語。
すごい映画だ。
人間が自覚せずに狂気の世界に入っていく姿が観る者を恐怖に追い込む。
愛国心と正義>>続きを読む
双子の弟の死から逃げる10才の科学者の家出の物語。
別々の役割を持って生まれてきた双子はお互いがかけがえのない存在だった。弟は父親に愛されていた。そして、一緒にいた時に事故で亡くなった。
喪失感と>>続きを読む
生と死の境にいる人間の魂が、家族や恋人との日々を振り返る物語。
「一番楽しかった日」が羨ましかった。パンクロッカーだった父親とその昔のバンド仲間、ロッカーの恋人、そしてチェロ奏者の主人公がガーデンパ>>続きを読む
置いて行った人と、置いて行かれた人とが寄り添う物語。
未練と後悔。
逝く前に言えなかった一言。
逝かれる前に伝えられなかった思い。
それを言うために、それを伝えるために、川の両岸から向き合えたら>>続きを読む
主人公4人が、本当にクリープハイプを追いかけてる高校生に見えた。全然、演技っぽくなかった。
中学・高校の頃の感性はとても鋭く、その頃に好きだったものは大切にした方がいい。その後、他のものに心が移った>>続きを読む
青々とした若い頃、女性に対して「不思議な生き物だなぁ」なんて感じた、あの感覚をかなり忠実に再現させられる映画。
女同士で変な空気になったのに、表面的にはそれが無かったかのように振舞う。そんな奇妙な場>>続きを読む
フランスに不法滞在する移民のセネガル人男性と、仕事に燃え尽きて精神を病んだフランス人女性の、生きるという闘いの物語。
苦しい。苦しい。移民が不法滞在する国で生きていく姿が、ひたすら苦しい。
どこに>>続きを読む
チャルラータの瞳を見せる映画。
その瞳が見ているものは何?
その瞳の奥にある感情は何?
瞳に吸い寄せられていたら、防波堤が決壊して感情の波が急激に押し出されてきた。不意打ちにドギマギして受けとめき>>続きを読む
絵画のような映像。
詩のような出来事。
草原で見つけた、スクリーンに写してみたい画を、詩でつなぎ合わせたような映画だ。
セリフもナレーションも無い。言語による説明が排除されたことにより、何にも邪魔>>続きを読む
移民少年の犯罪グループにロックオンされた少年たちが、移民少年たちの巧みな罠で追い込まれていく心理を写すスウェーデン映画。
ちょっと異色で、ある意味とてもおもしろいのだが、後味はかなり悪い。
カメラ>>続きを読む
喪った人が、もうここにいないことを受け容れる物語。
人の、ひとへの思いを深く感じる詩のような映画だ。
忘れることと、忘れないでいること。
置いていかれた人間の心の置きどころがどうにも分からなくて>>続きを読む
観る前は、人気DJの栄光と挫折のアップダウンを見る話かと思ってたけど違った。最初から破滅に向かっている。
主人公を写す、あの距離感はなんなんだろう。決して内面に近づき過ぎない。画面に映る感情の振れ幅>>続きを読む
女子プロレスラー安川悪斗が、がむしゃらに生きる姿を写すドキュメンタリー。
精神がぶっ壊れたという中学、高校の暗黒の時代を経て、演劇、そしてプロレスという生きる喜びをつかみとっていく。
プロレスって>>続きを読む
キスについて5つの話、オムニバス。
5つのキスを見た。それぞれ意味が違うのかな。でも、同じように必ず心の動きが表現される。
矢崎仁司監督が、インディーズ製作をしていた頃の魂を思い出して作った作品だ>>続きを読む
1960年代アメリカのヴォーカルグループ、フォーシーズンズの光と影の物語。
気持ちが乗っからなかった。
作品を貫く主題が見つからなくて、入り込めなかった。
観終わった後で調べたら、元々はミュージ>>続きを読む
うーん、ちょっと駆け足すぎるのかなあ。
マンデラが投獄された後の、黒人と白人の関係、黒人と黒人の関係の変化をもう少し丁寧に教えてほしかった。
目が見えないけど杖なしで行きたいところに歩いて行ける男の話。
杖を使わないのは見える人との差を認めたくないからじゃないんだ。
目が見えない状態で生きる、生活するのがどういうことか、想像してみる。た>>続きを読む