資本と映像技術の力技
「ポンコツのスクラップめ!」と罵りながら、敵を真っ二つに切り裂くオプティマスプライムを見たときに「こいつが敵じゃなくてよかったな」と本気で思っていたが、今作では敵として対>>続きを読む
とても美しい映画を観た。
小さなことからコツコツと。
フルーツのように実りある、そして深い深い絆で結ばれたある夫婦の物語。
味わい深く心に染み入る映画。
ミニオンみたいな自分の甥っ子と初めての映画。
あんなに落ち着きがなかったのに、映画が始まると最後まで画面に釘付けだったからきっと楽しかったのだろう。
内容的にはタイトルの「ミニオン大脱走」がど>>続きを読む
引き際の美学
「カーズ2」は内輪ネタとグダグダなストーリー展開で、高い完成度を誇るピクサー作品のなかは珍しく酷い出来だったが、今作「カーズ クロスロード」のコンセプトは最高傑作の呼び声高い「ト>>続きを読む
これぞパイレーツ!シリーズの原点回帰作
「生命の泉」の何が良くなかったといえば、イアン・マクシェーン演じる黒髭の存在感があまりに薄かったというその一点に尽きるのだと思う。
シリーズの原点回帰作と>>続きを読む
カブト狩りじゃああああ!!
漫画の実写化において重要なのは、作品の核の部分をどう抽出できるか、それこそが成功の別れ目だと思う。
「銀魂」においての核は、ギャグ漫画でありながらシリアスな展開>>続きを読む
月明かりに照らされて
作品賞の誤発表という前代未聞の珍事に見舞われた今年のアカデミー賞だったが、騒動に隠れていまいちパッとしない作品賞に輝いてしまったのたが「ムーンライト」である。
LG>>続きを読む
ほぼジブリ
「思い出のマーニー」はジブリ史上屈指の名作だと個人的には感じているが、「かぐや姫の物語」に続いて興行的には芳しくなかったようだ。
結果的にスタジオの制作部門は解体され、古巣を失>>続きを読む
ワクワク感が薄い
「のぼうの城」は徹頭徹尾エンタメに徹したその作りがとても好印象だったが、同じ原作者が今回は脚本も担当した「忍びの国」はワクワク感が相当薄い。
後半の合戦に至るまでのブースト>>続きを読む
「沈黙 サイレンス」に続き、アンドリュー・ガーフィールドが信仰深い役を演じている(両作とも日本が舞台)が、彼のストイックな佇まいが役柄とマッチしているのだと思う。
「アポカリプト」以来のメルギブ>>続きを読む
どうせいつもの藤原達也だろうと思っていたら、イメージを逆手にとった意外な展開が楽しめた。
原作となった韓国映画は観ていないが、阪神淡路大震災や公訴時効を絡めてくるあたりはオリジナルとは随分と違う>>続きを読む
不死身の肉体の終着点
「劇画オバQ」という藤子不二雄の短編がある。
大人に成長していく過程で人はいつしか過去と決別していく。そんな哀愁漂う作品を本作を観て思い出した。
不死身の肉体を持つ老>>続きを読む
謎のハイテンション
予告編を見た時から観ないと決めていたし、観たところで「イケメン使ってバカ騒ぎ」みたいなノリについていけないと思っていた。
ところが「帝一の國」はいい意味で裏切ってくれた。最>>続きを読む
ばかうけ禁止
ここ数年ものすごい勢いでハリウッドにくいこんでいるのが、カナダ出身のドゥ二・ヴィルヌーヴ監督である。
「プリズナーズ」「ボーダーライン」と次々と話題作を送り出す監督の新作はなん>>続きを読む
天才的センス
新海、細田とポスト宮崎駿が続々と名乗りを挙げるなかで、この人も間違いなくその一人だろう。
「夜は短し歩けよ乙女」に続く湯浅政明監督の最新作は自身初のオリジナル長編アニメーション。>>続きを読む
やや古いが上質な人間ドラマ
今やこんなにもナチュラルな昭和の匂いをスクリーンに再現できるのはこの人たちだけなんではなかろうか。
降旗康男監督×木村大作撮影による「追憶」は現代劇ながら非常に古風>>続きを読む
残酷なまでにグロテスクで美しい
「チェイサー」で衝撃的なデビューを果たしたナ・ホンジンの最新作、という色眼鏡でみていると、サスペンスともミステリーとも形容し難い極めて異質な物語に圧倒される。>>続きを読む
原作前半の要素を満杯に詰め込んだ前編と比べると、後編は作品のテンポもスピード感もまるっきり異なる。
おそらく意図的にそうしているのだろうが、「るろうに剣心」と同じ轍を踏むことなく、前編同様に後>>続きを読む
エマ・ワトソンは男前
伝統あるディズニーアニメのなかでも頂点の一つといえば「美女と野獣」であり、アニメーション作品としては史上初めてアカデミー賞作品賞にノミネートされたそれはそれは素晴らしい名作>>続きを読む
久々にきちんとしたミステリー
小学生の時に「迷宮の十字路」をに一人で観に行ったのが、10数年前。
まさかそれから毎年の様に映画館に通い、未だに1人で映画を観ているとは当時の自分は想像もしていな>>続きを読む
盛り上げ方が上手い
かつてディズニーと一時代を築いたドリームワークスのアニメが凋落していくなかで、じわじわと存在感を現してきたのがユニバーサルのアニメ作品だろう。
いまやミニオンズが大人気のよ>>続きを読む
押井版と主題が真逆
「AKIRA」「銃夢」「MONSTER」となにかと塩漬けになっているハリウッドの実写化コンテンツだが、日本が誇るSFの名作「攻殻機動隊」は念願の実写化となった。
基本的なビ>>続きを読む
原作×監督×脚本の三重奏
「外堀を埋める男」という、甘酸っぱい青春あるいはストーカーの気持ちがわからんこともない身としては、この映画の主人公の行動原理がとてもよく理解できた。
森見登美彦の原>>続きを読む
感想を綴りたいんだけど、何となく上手く言葉に出来ない。
一見すると過去と現在とがぐちゃぐちゃになった精彩を欠く映画のような気もするのだけれど、終盤にいくにしたがって徐々に心地よいテンポへと変化>>続きを読む
ほとばしるB級感
予算規模とキャスティングからいってもハリウッドの超大作であることに違いはないのだが、完成した作品は何故かB級テイストたっぷりに。
日本版ポスターはそんな中身を見越してか、>>続きを読む
神山健治監督は本作を「娘に見せたい映画」だと語っている。
口下手な父親が不器用な方法で、娘に昔の出来事を語るシーンは、アニメーションでメッセージを伝えようとする監督自身と重なる。本作のハイラ>>続きを読む
おじい強すぎ
映画を観ながら悲鳴をあげたのはいつ以来だろうか。テレビで観てこれなら、映画館で観たらブッ倒れてたかもしれない。
何やら凄い映画らしい、というのは噂で耳にしていたが、予想を上>>続きを読む
密度が濃すぎて消化不良
直前に原作本をまとめて読み、ふっかりはまってしまったので、映画の出来が楽しみでもあり不安でもあったが、少なくとも前編の完成度は非常に高かった。
漫画原作の映画は、>>続きを読む
伝統的ディズニーアニメの復権
ディズニーがかつてのブランド力を失い、どん底にあった時代にその復権を担ったのは、ピクサーで辣腕をふるったジョン・ラセターだった。
彼はピクサー方式によるアニメ制作、>>続きを読む
私のモットーは「心臓が止まらない程度に頑張る」なので、そういう意味では命を削って将棋を指した村山聖とは正反対な気もするが、「出来ることは目の前の一手に集中すること」という真摯な姿勢には心打たれた。>>続きを読む
夢をみていた
映画を観た後の幸福感がたまらなく心地よく、そして切ない。
狂気のレッスンがやがて突き抜けた快感へと昇華していく大傑作「セッション」に続くデミアン・チャゼルの新作は今日ハリウッド>>続きを読む
テレビシリーズどころか予告編も見たことないのだが、これが意外にも面白かった。
VR(仮想現実)やAR(拡張現実)、ドローンまで登場し、さぞかし壮大なスケールの物語が展開されると思いきや、基本は主>>続きを読む
アメリカが一般人の情報を秘密裏に取得していた、という事に関して今さら驚きもしないが、それでも日本のセキュリティに侵入し「日本が同盟国でなくなるとき、インフラを壊滅させる」と明確に言及している点は本気>>続きを読む
映像化には一番向いていない
随分前に読んだ伊藤計劃の原作は内容は綺麗さっぱり忘れてしまったが、自分の読書メモにはただ一言「べらぼーに面白かった」とだけ記されていた。
ともあれ伊藤計劃のオリ>>続きを読む
ぶっ飛んだキャラしか出てこないのは原作通りなんだけど、映画は森田君を怪物として描くことに力を入れすぎな気がしてならない。
マンガ「ヒメアノ〜ル」の魅力は、不器用(と括ってしまうと広すぎる気もする>>続きを読む
遠藤周作の「沈黙」の映像化は、マーティン・スコセッシの長年の夢だったという。
考えてみれば、絶対的な神を盲信する神父ロドリゴが「沼」と評される日本の宗教的価値観の違いに苦悩していく様は、自ら破滅>>続きを読む