のんさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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ソー:ラブ&サンダー(2022年製作の映画)

4.0

ヤギがソーゾーしい

マーベルのシリーズでは最長の第4弾となる「ソー ラブ&サンダー」はMCUのコメディリーフ担当タイカ・ワイティティによるゆるーい雰囲気がたまらない。

監督が7割くらいの力で作った
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鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成(2022年製作の映画)

3.6

「完結まで描く」代償に失ったものも大きい

1作目の評判が悪すぎて第2作「復讐者スカー」は興行的には大爆死だったようだが、原作の序盤がコンパクトにまとまっていて、個人的には悪くないと思った。

完結編
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ソニック・ザ・ムービー/ソニック VS ナックルズ(2022年製作の映画)

4.0

試写会 日本語吹替

前作よりパワーアップした映像そのままに、往年の映画オマージュ、ゲームネタ、ゴシップとモリモリにもりこんだホイップクリームのような作品。脇道の話が意外と面白かったりする。

3Dア
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香川1区(2021年製作の映画)

4.0

怒涛の選挙区選挙エンターテイメント

「香川1区」の前作にあたる「なぜ君は総理大臣になれないのか」は、監督が当初意図したところはかけ離れた部分に面白みがあると思っている。

政治家に絶対向いてないピュ
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トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

4.1

トム・クルーズという伝説あるいは狂気

最近のハリウッド映画の続編ものに多い「前作のキャラが再登板!」で喜ばせるパターンかと思いきや、36年の歳月を経てなお若手に後進を譲らず誰よりもアクションをこなす
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ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

4.1

刺され、誰かの心に…

フィクションの可能性をどこまでも信じるという作品の根底に流れるテーマは「映画大好きポンポさん」と同じだが、突き抜けたフィクションで夢見心地なエンディングを迎えるあちらに対し、こ
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鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー(2022年製作の映画)

4.1

耐えねばならんのだよ…

「そんなのあった?」と思うほどにもう誰も覚えていないであろう「鋼の錬金術師」の実写版は、興行的にも批評的にも続編が作られることはないだろうと思っていたが、なんと二部作で原作の
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流浪の月(2022年製作の映画)

5.0

他者を理解することの難しさ


凪良ゆうの小説「流浪の月」はわたしがここ数年で読んだ本ではぶっちぎりに面白く、その映画化が李相日監督と広瀬すず主演となれば、それはもう観る前から傑作になることが決まって
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シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

3.7

「空想と浪漫」の具現化


「現実対虚構」の文字通り、徹底したリアリティの中にフィクションをぶち込み特大ヒットとなった「シン・ゴジラ」と同じ路線を期待していたのはわたしだけではないはずだ。

ところが
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ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス(2022年製作の映画)

4.3

ほとばしるサム・ライミエキス

「スパイダーマン 3」以来となるサム・ライミのヒーロ映画復帰作は、「ドクター・ストレンジ」の皮を被ったMCU史上最狂の、しかもシリーズ初のホラー映画である。

「ノー・
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バブル(2022年製作の映画)

3.4


プロデュース川村元気×荒木哲郎監督×虚淵玄脚本×キャラデザ小畑健という映像、音楽、物語どこを切り取っても面白くないわけがないはずなのに、なぜだか全く面白くない。


映画の存在そのものがフワフワしす
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名探偵コナン ハロウィンの花嫁(2022年製作の映画)

4.2

久々にちゃんと面白い劇場版コナン


漫画原作の劇場アニメとして初の興行収入100億を目指していたのに、『緋色の弾丸』の公開が1年延期になってるうちに『鬼滅の刃 無限列車編』に記録を全部奪われてしまう
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ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密(2022年製作の映画)

4.0

適度なシリアス適度なユーモア


ハリー・ポッターと世界観を共有する本シリーズは、第3弾にして単なる番外編の位置付けから脱去した面白さがある。

「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」から15年にわたり
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

3.9

家族の絆ものではない家族もの

賞レース終盤の劇的な追い上げで「パワー・オブ・ザ・ドッグ」をぶち抜きオスカーの座を射止めた「コーダ あいのうた」は、「家族の絆」ではなく、絆から解放されるところにドラマ
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ベルファスト(2021年製作の映画)

4.4

答えが一つだけなら紛争なんて起きやしない

「パラサイト 半地下の家族」でアカデミー賞を受賞した時にポン・ジュノは「もっともパーソナルなものが、もっともクリエイティブなもの」であるとスピーチした(これ
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ナイル殺人事件(2022年製作の映画)

4.1

豪華絢爛ドロドロ愛憎ミステリークルーズ


「オリエント急行殺人事件」に続くケネス・ブラナー監督兼主役の名探偵ポワロシリーズの第2弾は、舞台をエジプトに移し超豪華キャストによるミステリークルーズが展開
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映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争(リトルスターウォーズ) 2021(2021年製作の映画)

4.1

あまりにタイムリーすぎる一作


一年公開延期の憂き目に遭った結果、内容がいま現実世界で起きていることとリンクしすぎて謎の文脈が発生している「映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争2021」は子どものみな
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SING/シング:ネクストステージ(2021年製作の映画)

4.2

夢よ、どこまでも響け


日本でも興行収入50億円超えの大ヒットを記録した『シング』の続編は、映像と音楽をパワーアップさせた第2幕としてとにかく見事な続編に仕上がっている。

前作と比較して映像の強度
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THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

4.1

ブルースウェイン=バットマンの再構築


DCのみならず世界のスーパーヒーローの中でも高い人気を誇るバットマンのもう何度目かわからない実写化は、監督に『猿の惑星』シリーズのリブートを手がけたマット・リ
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さがす(2022年製作の映画)

4.1

二度と観たくない

序盤の展開だけだと大阪の下街を舞台に韓国ノワールをやろうとしてるのかなと思いながら見ていた。

その志は評価したいが微妙にローカライズに失敗してるなーと感じていたら、中盤以降は語り
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余命10年(2022年製作の映画)

3.9

原作者の生きた証

余命感動ポルノも難病感動ポルノも全然好きではないのだが、『余命10年』は少なくとも「今この瞬間を生きる尊さ」をビビッドに切り取った映像と脚本に誠実さを感じた。

スクリーンのど真ん
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ウエスト・サイド・ストーリー(2021年製作の映画)

4.0

スピルバーグというジャンル


多彩なジャンルの作品を撮っているのに、それを一言で表す言葉がない。スティーブン・スピルバーグの作品は「スピルバーグ」というジャンルそのものとしか形容できない。

「ウエ
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牛首村(2022年製作の映画)

3.7


「恐怖の村」シリーズの第3弾として製作された本作は「犬鳴村」ほどJホラー要素は強くないが、「樹海村」ほどクリーチャーものの側面が強いわけでもない、いわば前2作の中間点くらいのタッチの作風である。
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ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

4.1

正常性バイアス


地球に隕石が衝突する話も、それを回避しようと人類がジタバタする話も、それ自体は決して目新しさはない、というか手垢のつきまくったジャンルだとは思うのだが、それを強烈に皮肉な社会派コメ
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フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

4.0

浴びる美術展

映像のどこを切り取っても完璧な一枚の絵画のように映える構図は「グランド・ブタペスト・ホテル」で確立されていたが、本作はそこに架空の雑誌の挿絵、アニメーションなど様々バラエティに富んだ映
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鹿の王 ユナと約束の旅(2020年製作の映画)

4.0

混迷の時代の一筋の光

児童文学の名手、上橋菜穂子氏の「鹿の王」は、メディアミックスが盛んな本屋大賞受賞作としては初の劇場アニメーション化でもある。

原作はまだ途中までしか読んでいないが、アニメ化に
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大怪獣のあとしまつ(2022年製作の映画)

3.5

高度な意趣返し


公開初日からSNSで「令和のデビルマン」と圧倒的な低評価が話題の作品だが、まずもって酷評の大喜利みたいな状態が長く続くのはあまり良いと思わない。この種の大喜利を面白いと思ってやって
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コンフィデンスマンJP 英雄編(2022年製作の映画)

4.2

偉大なるマンネリズム

脚本家 小沢良太のライフワークとなりつつある「コンフィデンマンJP」の最新作は、「痛快などんでん返し」というシリーズのフォーマットを踏襲しながら、それでいて観客の予想を超える結
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バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ(2021年製作の映画)

3.7

悪くはないけど別に良くもない


ミラ・ジョヴォヴィッチ夫妻の過激アクションと化したシリーズは、それでそれで好きだったのだけれど、原作ゲームの雰囲気から遠く離れたことは間違いない。

そんなわけで心機
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マトリックス レザレクションズ(2021年製作の映画)

4.1

壮大にして究極のメタフィクションムービー


映画界に革命を起こした「マトリックス」から約20年ぶりの新作となる「マトリックス レザレクションズ」は昨今のリメイクやリブートとはまた違う、生みの親のひと
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明け方の若者たち(2021年製作の映画)

3.8

「私と飲んだ方が、楽しいかもよ?笑」


二度と戻らない青春のマジックアワーをビビッドに切り取ったカツセマサヒコの原作小説を忠実に映像化しているが、似たようなテーマだと「花束みたいな恋をした」のほうが
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スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021年製作の映画)

4.5

さよなら全てのスパイダーマン


MCUと歴代実写映画の流れを汲むトム・ホランド版スパイダーマンの集大成となる本作は、後半はもう何を言ってもネタバレになってしまうので、まだ観ていない人は絶対に下の文章
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キングスマン:ファースト・エージェント(2020年製作の映画)

3.9

アクションキレキレ ユーモアは半減


2019年の制作遅延からコロナ禍での公開延期など2年を経てようやく劇場公開にこぎつけた「キングスマン ファースト・エージェント」はマシュー・ボーン監督が引き続
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劇場版 呪術廻戦 0(2021年製作の映画)

4.2

持論だけどね、愛ほど歪んだ呪いはないよ


「鬼滅の刃」に続く週間少年ジャンプ発のメガヒット作品として期待される「呪術廻戦」の初の劇場アニメーションは、原作コミックを丁寧に再現しつつも、アクションの比
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ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ(2021年製作の映画)

3.8

口当たりの軽い仕上がりに


前作はシリアスに振り切りたいのか、コメディにしたいのか、そのあたりがさっぱりわからず、シナリオの散らかりっぷりも酷いものだったが、続編となる本作はかなり交通整理されてさっ
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エターナルズ(2021年製作の映画)

4.3

真実は心を解放させる

巨大な仕組みとキャラクターのミクロな視点との対比、という点ではクロエ・ジャオの「ノマドランド」と同じ構造だが、ドキュメンタリー的要素が強かったあちらと違い、こちらはMCUの新シ
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