のんさんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

のん

のん

映画(527)
ドラマ(0)
アニメ(0)

Mr.インクレディブル(2004年製作の映画)

4.2

ウォッチメン×007=面白さ∞


恥ずかしながら、ピクサーの長編作品は全て見ていたつもりだが、最後まで観てなかった作品があった。



いや、見ようとはしたんですよ。遡ること7年前、レンタルしたDV
>>続きを読む

ジグソウ:ソウ・レガシー(2017年製作の映画)

3.6

非拡大縮小再生産


超低予算でスマッシュヒットを記録した「ソウ」は、たぶん映画史に残る優れた脚本で、その後シリーズ化されるほどの人気となった。



とはいえ、シリーズものの宿命で、予算は増えても内
>>続きを読む

パーティで女の子に話しかけるには(2017年製作の映画)

3.9

エル・ファニングは宇宙レベルで可愛い


オシャレなポスターに誘われ映画を見始めると、想像の斜め上をいくパンクな世界に圧倒される。


前半のテンションの高さだけでも凄まじいものがあるが、後半に至って
>>続きを読む

デッドプール2(2018年製作の映画)

3.9

ファミリームービー



頭のいい人がバカを計算でやってるのが透けて見えた前作は、個人的に世間の評判ほどイマイチ乗り切れなかった。


がしかし、そうしたマイナス点をカバーし、2作目にして1作目を上回
>>続きを読む

素敵なダイナマイトスキャンダル(2017年製作の映画)

3.9

破天荒性春グラフィティ


お母さんが浮気相手とダイナマイトで心中するという「そんなん誰が思いつくねん」というような話だが、実話ということでさらに驚く。



田舎の村から出てきて、あれよあれよと言う
>>続きを読む

犬ヶ島(2018年製作の映画)

4.0

細部まで行き届いた世界観


ウェス・アンダーソン監督の「グランドブダペストホテル」は、ワンシーンワンシーンが絵画のようで、観ているだけで楽しい映画だった。

最新作となる「犬ヶ島」もこれまた細部まで
>>続きを読む

万引き家族(2018年製作の映画)

4.1

人の繋がりを問う是枝作品の現時点における到達点


是枝監督の映画に共通するのは、ドキュメンタリーの様な登場人物と画面の距離感、そしてか“擬似”的な家族の形態を通して描く“繋がり”の再考である。
>>続きを読む

ゲティ家の身代金(2017年製作の映画)

3.7

誘拐狂想曲


ケビン・スペイシーの降板劇により、公開前から注目していた
作品だが、邦題が現代と違っているのには驚いた。



ともあれ齢80を超えるリドリー・スコットが驚異的な力で完成にこぎつけた本
>>続きを読む

恋は雨上がりのように(2018年製作の映画)

4.1

小松菜奈の吸引力

おっさんと女子高生の痛い恋愛劇だと侮るなかれ。
「恋は雨上がりのように」は真っ直ぐな青春映画であり、胸が晴れるような爽快感がラストに待っている。


永井聡監督はさすがMVの出身だ
>>続きを読む

否定と肯定(2016年製作の映画)

3.9

歴史修正主義者と闘う



「ホロコーストはなかった」と主張は、今の政権の取り巻きにいる「南京虐殺はなかった」と叫ぶ人たちと重なってみえた。



単に歴史を歪曲した主張だけでなく、排外主義や民族差別
>>続きを読む

いぬやしき(2018年製作の映画)

3.8

日本独自のSFの発展形態


佐藤信介監督の作品でいうと、「GANTZ」と「アイアムアヒーロー」のちょうど中間のような作りになっている「いぬやしき」は、ハリウッドとはまた違う日本独自の発展を遂げたSF
>>続きを読む

女神の見えざる手(2016年製作の映画)

4.0

進まぬ銃規制の裏側


相変わらず銃乱射事件がばんばん起きるアメリカをみていると、タイムリーな作品としか言いようがないが、むしろこれだけ問題が常態化しているのなら、本作で描かれることは普遍的な要素を含
>>続きを読む

GODZILLA 決戦機動増殖都市(2018年製作の映画)

3.9

反撃への狼煙


虚淵玄のカラーが色濃くでた「GODZILLA 怪獣惑星」は、3部作のアニメということで、第1章は圧倒的な絶望によって幕を閉じた。



第2部となる本作は、プロレスでいえば、いよいよ
>>続きを読む

ザ・スクエア 思いやりの聖域(2017年製作の映画)

3.8

リアルゴリラ


何なんだろうこの映画は…。



乱暴に括ってしまえば、現代アートを展示する美術館を舞台にしたブラックなコメディということになるのだろうか。


昨年のカンヌ国際映画祭のパルムドール
>>続きを読む

孤狼の血(2018年製作の映画)

4.2


尋常でない熱量

柚月裕子の小説からして「仁義なき戦い」へのストレートなリスペクトであることは確かだが、映画版は原作の骨格を維持しながらも往年の任侠映画を彷彿とさせる痛快な作品に仕上がっている。
>>続きを読む

勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)

4.2

生き下手すぎて泣けてくる


観ている間ずーっと自分を観ているような気がした。




10年間妄想に近い片思いをしている「イチ」とちょっとヘンテコな「二」との間で揺れる生き下手女子を松岡茉優がコミカ
>>続きを読む

ゴッホ~最期の手紙~(2017年製作の映画)

3.9


ゴッホの油絵がぬるぬると動き出すこの凄まじい映像だけで充分に鑑賞に値する。


映画の内容は原田マハ先生の「楽園のカンヴァス」等が好きな人にはたまらないゴッホの死をめぐるミステリー仕立てとなっていて
>>続きを読む

アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2018年製作の映画)

4.1

全部ぶっ込み超大作


「アイアンマン」から続くマーベルのヒーロー大作は、一作ごとの製作費が1億ドルを超える世界最大のフランチャイズシリーズ。

そのヒーローたちが大集結する「アベンジャーズ」の第3弾
>>続きを読む

レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)

4.2

スピルバーグの果てなき夢

「ペンタゴン・ペーパーズ」と本作を同時期に手掛けれるその振り幅の広さは、スピルバーグという1つの身体に2つの作家性が宿っているとしか思えない。


ともあれ娯楽の帝王が完全
>>続きを読む

パシフィック・リム アップライジング(2018年製作の映画)

3.7

高揚感がない


デルトロの特撮愛が爆発した「パシフィック・リム」は、とりわけ日本で熱狂的に受け入れられた傑作だが、そんな日本での人気に応えるべく、製作延期など紆余曲折を経て、およそ5年ぶりに続編がお
>>続きを読む

名探偵コナン ゼロの執行人(2018年製作の映画)

3.8


歩きスマホも危険だけども、スケートボードをぶっ飛ばしながら、携帯をいじいじするコナン君はそろそろ公安の監視対象にすべきだと思うの。



本作でシリーズ4作目となる櫻井武晴による脚本は、この人はびっ
>>続きを読む

グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)

4.0

偉大なるミュージカル


ヒュー・ジャックマン演じるバーナムという男は、これはどう考えてもナチュラルにヤバイ奴だとしか思えないが、映画は彼の功績を全面的に肯定して描く。


「ラ ラ ランド」はミュー
>>続きを読む

ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル(2017年製作の映画)

4.0

カバは凶暴


オリジナルの「ジュマンジ」はテレビで繰り返し放送していた様な気もするが、あまり記憶がない。



10年ほど前から延々と続くハリウッドの旧作のリメイク、続編ものだが、本作では80年代、
>>続きを読む

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(2017年製作の映画)

4.0

日米ともにタイムリー過ぎる1本


スティーブン・スピルバーグは、ドナルド・トランプが大統領に就任することが決まったその日に新作「レディ・プレイヤーワン」の製作を中断して、本作の製作に取り掛かったとい
>>続きを読む

リメンバー・ミー(2017年製作の映画)

4.4

アナ雪は必要ですか?


ピクサー作品のテーマには共通項があって「変わりゆく時代や環境の中で自分の居場所を見つけていく」というのが作り手の精神部分に通底しているのではないかと思う。


ピクサー屈指の
>>続きを読む

ちはやふる ー結びー(2018年製作の映画)

4.3

一生ものの、一瞬


同じ時代の青春映画として「3月のライオン」と「ちはやふる」は長く人の記憶の中に刻まれていくのだろう。


大友啓史監督は「3月のライオン」を「俳優神木隆之介のドキュメンタリー」だ
>>続きを読む

ブラックパンサー(2018年製作の映画)

3.8

高純度で迎え撃つアベンジャーズ新章への布石


全米で6億ドルを超える超ウルトラスーパーサプライズヒットを叩き出している話題作だが、内容が他のマーベル作品と比較してより優れているかといえば疑問。
>>続きを読む

マザー!(2017年製作の映画)

4.1

あまりに不快で純粋な物語


日本公開中止となった本作は、どのシーンがまずかったのか、見れば一発でわかるのだが、作品の核心に触れる部分のため中止の理由は詳しく明かされなかった。



アメリカでは批評
>>続きを読む

映画ドラえもん のび太の宝島(2018年製作の映画)

3.8


ドラえもんを愛してやまない川村元気が脚本を書き下ろした本作は、彼の過去の小説でもテーマとされてきた親子の愛に根ざしたドラマ。


のび太の成長物語、というよりは彼らの敵である海賊シルバー人物描写に相
>>続きを読む

シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

4.3

愛のかたち

ちょうど一ヶ月前の「スリー・ビルボード」の感想に「アカデミー賞を獲るだろう」と書いたが、本作を観た後では、作品賞はこっちが持っていくかもしれないと思った。厳密には本作に「アカデミー賞を獲
>>続きを読む

ドリーム(2016年製作の映画)

4.2

淡々と、けれども力強く


昨年のアカデミー賞作品賞のノミネート候補では、「ラ ラ ランド」超えの大ヒットを記録していたにも関わらず、日本では集客が見込めないことからお蔵入りになっていたかもしれないと
>>続きを読む

君の膵臓をたべたい(2017年製作の映画)

4.0


小説の内容はこれっぽっちも共感できなかったが、映画版はそこそこ感情に訴えかける部分もあり、原作を超えた稀有な例だと思う。



とはいえ原作になかった小栗旬の現代パートは全くもって不要だし、不満がな
>>続きを読む

羊の木(2018年製作の映画)

4.1

他者を受け容れるということ


これだけ多様性が叫ばれる時代にあって、世の中は未だ異なるものをすんなりと受け容れるようには出来ていないのだと思う。


不寛容な社会からはじき出された人は如何に生きてい
>>続きを読む

マンハント(2018年製作の映画)

3.7

原型をとどめていないリメイク

高倉健の「君よ憤怒の河を渉れ」はアジア圏で大ヒットを記録して、ジョン・ウー監督も感銘を受けた一人だそうである。

「日本で映画を撮ることが夢だった」と語る監督が全編大阪
>>続きを読む

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

4.4

行き場のない感情の出口

今年のアカデミー賞でおそらく作品賞を獲るであろう「スリー・ビルボード」は、哀しさを纏った喜劇であり同時に可笑しさで包まれた悲劇でもある。


さびれた3枚の看板に警察へのメッ
>>続きを読む

劇場版 マジンガーZ / INFINITY(2017年製作の映画)

3.5


永井豪画業50周年ということで、Netflixでは「デビルマン」が新作アニメを配信中。「キューティーハニー」も新作の放映が決まっているが、劇場アニメとして「マジンガーZ」も復活した。



旧作を観
>>続きを読む