地下室のショットの美しさ!
迷走気味なメインキャラクターの姿とは対照的にバチッと決まった構図。そのバランスがあるから成り立つのかも。
これだけ美しい言葉がたくさん出てくるにもかかわらず、音楽や映像が負けていない。
陰影が非常にうまく使われていて、特に暗闇に浮かぶ各々の顔が印象に残る。
子供から見た世界の切り取り方が非常に面白い。また村の生活や文化、価値観などが垣間見えるのも良い。
子どもと大人のコミュニケーションの齟齬には、イランという国とそこで暮らす市民の関係が暗に示されている>>続きを読む
ラストの「地平線はどこにある」にすべてが集約されるのが本当に気持ちいい。
映像を撮るという行為がどのようなものか、主人公(スピルバーグ)の経験を通して私たちに突きつけられる。それは時として悲しみや虚>>続きを読む
平山の生き方は、「経済的な豊かさ」や「物質的な豊かさ」から距離をとっているように見える。また本作そのものも外から見た“日本的”な美学を全面に押し出して作られている。そこに観客は羨望や美しさを感じるわけ>>続きを読む
ツグミを撃つことと野犬を撃つことの違いは何か?
限られた状況の中で選ばざるをえない私たち。
相対主義でもなく冷笑主義でもなく、何か答えがあるはずだと思える映画。
車上生活の人々の語りが差し込まれることで、鑑賞者は生活の奥にある「生き方」や「自由」と向き合うことになる。
感傷的でもなく、ドライでもなく、それぞれの人生につかの間触れる監督の力量が素晴らしい。>>続きを読む
登場する一人ひとりの人生をそのまま受け止める。不器用に、しかし全力で生を全うする彼らを愛おしく思う。
「食べていける?」
「毎日イモだ(small potatoes)」
「いいわ」
あまりにも美し>>続きを読む
錯綜するストーリーが「地下」という装置によってつながる。
圧倒的な力で3時間引きずり回される映画。
逆さまのイエスキリスト像の周りを、燃える車イスが回り続ける。