kneeさんの映画レビュー・感想・評価

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「大衆映画を根絶やしにしろ‼︎」

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母という名の女(2017年製作の映画)

3.9

異形の家族から生まれぬ完璧な家族

確かな血縁はあっても正常な家族の形の維持さえも許されなかった人間たちが露わにするコンプレックスと欲求


母 アブリル

十七で産んだ娘が十七で子を産むことを決めた
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アイスと雨音(2017年製作の映画)

3.9

生を抗う

見るのが怖い
見るのが怖かった
一歩でも踏み外せば全てが一気に決壊することを知っていたから

ー 私たちは自意識を持った宇宙なんです

松居は自分自身での真の体現は難しくなった生気と反抗を
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ブリグズビー・ベア(2017年製作の映画)

3.5

クマボーイ1 ・2・3 とクマガール

自分が誘拐されたことも知らず、“いま”の両親とシェルターで暮らすジェームス。その生活は社会から完全に独立し、誘拐でできた家庭であっても本物の家族からさえ羨まれる
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レディ・バード(2017年製作の映画)

3.5

“ ” ?


理由を聞かれると、自分でつけた名前だからだと彼女は言う


彼女の名前は “レディ・バード”
並々ならぬ反骨心の持ち主で、高校 最後の年をパワフルに駆け抜ける。観た者に身勝手な勇気
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ラッキー(2017年製作の映画)

3.8

Ungatz.


人の心情などおかまいなしに、何度も何度も陽は昇る、ハーモニカの音とともに。

死とは縁遠い元海軍調理兵〝ラッキー〟 軍隊上がりの彼は老後も独り身で悠々自適に過ごしていたが、ある日突
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ビューティフル・デイ(2017年製作の映画)

3.7

死への諦観 生への固執


濃い血が飛沫 生への絶望、水面で屈折しつつも必ず届く斜光。惜しみない暗がりと決してストレートではない美しさを併せ持ち、そこに誰のものかもわからない空想的な空気が立ち込める。
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泳ぎすぎた夜(2017年製作の映画)

3.5

雪上の温み

4:3に切り取られた青森県弘前、夢へと誘うかのように闇夜を切りながら降れば、昼間には日差しを受けて顔を照らす雪。
あくまで想像の話しかできないが、雪国で根を下ろし暮らしている大人にとって
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フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法(2017年製作の映画)

3.7

323号室


Magic castle.
紫のモーテルは実際にフロリダで営業している。鶴たちもペットだ。
ホテルの口コミをみてみるとフロントスタッフはフレンドリーで、安くて寝るだけには十分と書いてあ
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犬ヶ島(2018年製作の映画)

4.2

民主主義な犬が4匹


『そうして私たちはプールに金魚を、』私が純粋な感動を語る毎にどうしてもこの作品を基準に出してしまう。純粋な感動とは物語に対するものではなく、映画そのものに、存在に、出会いに感激
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花咲くころ(2013年製作の映画)

3.7

あの鞄は父からのプレゼントなのかな

そう、彼女の幼気な後ろ姿に想いを馳せながら文章を書きはじめる。父、家族 それぞれ形は違えど その影を必死に追うエカとナティア。酒浸りで家庭崩壊を招きつつある父 か
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君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

3.9

「後で」、「今すぐに」

青きなかを赤橙の愛が駆け巡る。そしてそこに厚く寄り添う家族の愛、この二つを目の当たりにしてしまった観客は相当堪えるに違いない。私はかなった愛の経験は少ない方だ。愛へのもどかし
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Oh Lucy!(2016年製作の映画)

3.0

「レッツハグ 節子さん」

桃井かおり主演の短編映画の部分を含めその後を描いた平柳監督初長編作品。
まずトレーラーが捏造の類であったのは確か。私はコメディというよりかは人生賛歌ものの雰囲気を感じた。実
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ザ・スクエア 思いやりの聖域(2017年製作の映画)

3.5

劇場のビルを出ると外は雷雨。駐輪場のゲートが故障し開かず無理矢理こじ開けて通る、カゴからペットボトルが落ちる 拾わず走り去る。雨に濡れまいと自分にベクトルが一斉に向いた結果がこれだ。表現は悪いがエゴを>>続きを読む

彼の見つめる先に(2014年製作の映画)

4.0

ー I don't want to go back alone

映画のなかの三人も、最後まで見守ってきた観客も救われるような愛の答え合せが用意されているブラジルから届いたホットなラブムービー。「作品
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サバービコン 仮面を被った街(2017年製作の映画)

2.0

かえって心をかき乱されるほどの酷さ

柵越しで淡々とキャッチボールをして(薄いメタ演出)本当にそれで映画を終わらせてしまい帰り道「何が起こった?!」と戸惑いさえした。こんなものを映画として流せる理由が
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女は二度決断する(2017年製作の映画)

3.9

カティヤの心はどこにあったのか

1. 家族

叩きつけられるように悲しみは彼女を襲う。そこに移民である夫への謂れのない疑惑と両親間の溝を埋めずして結婚したが故、事件が起き露見する歪みがさらに抉る。い
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アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダル(2017年製作の映画)

3.5

「私が滑ること自体が〝事件〟よ」

食い違いのインタビューと共に(バイオレンス)コメディとしてナンシー・ケリガン襲撃事件についての事の真相を探っていく今作。まずは隠れた演技派映画の一面から。助演女優賞
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パティ・ケイク$(2017年製作の映画)

3.0

hip-hopコレステロール

勝手な映画 というのが言い得て妙なのかな。エミネムでもお馴染みのfuck bad sign からバッと ~ Patti Cake$~ イカしたタイトル出し。オープニング
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ハートストーン(2016年製作の映画)

4.1

愛にも憎しみにも倒れかねない危険な距離を他人(ひと)との間に築くアイスランドの小さな漁村。そこで紡がれる鈍くて鋭い物語

「普通にしてくれよ。そしたら元に戻れる」

どこか『Moon Light』を思
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ナチュラルウーマン(2017年製作の映画)

3.9

「私たちみたいなオネエがもう少し綺麗どころのお仕事、女優さんだったりとかをして、扱いがもっと変わってきたら新しい作品やLGBTの新しい環境ができてくる」
ちょうどIVANが5時に夢中!でこのように話し
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ダンガル きっと、つよくなる(2016年製作の映画)

3.8

〝ボリウッド〟やキャッチーな音楽とダンス、最近でいうと『バーフバリ』などインド映画の話題は時折耳にすることがあり、インド映画がなんなのかを知るために観てきた。


[とてもインド。とても映画。]

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ミスミソウ(2017年製作の映画)

3.8

血のコミュニケーション


鮮血が雪を赤く染める。血のいちばん美しい見せ方とは何かがわかるバイオレンスムービー

恐らく誰も悪くない物語。実際内藤監督も10代の演者らには
「自分たちのことを、悪人だと
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ラブレス(2017年製作の映画)

4.1

強烈。そして怪力

『Polina, danser sa vie』以来2つ目のロシアを舞台とした映画。ロシアには映画の将来性が十分にあると再度感じる。ロシアという・雪国という土地固有の陰鬱さが鮮烈に描
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シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

4.0

これは、〝あなた〟と〝私〟の物語

黄い字幕。そこには彼女の音を持つ言葉へ向ける渇望を感じ取ることができる。また青い映画の補色ということは言うまでもない。そして話すということができる人間であっても、ほ
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グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)

3.9

頭ごなしにバツ印をつけるつもりで劇場へ

あー勢い任せ あー勢い任せ 余りにもあからさまもんで歌唱シーン入る度に声あげて笑ってしまいました。なんと この映画 全てを歌で乗り切ろうとしていたんだが、見事
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BPM ビート・パー・ミニット(2017年製作の映画)

4.0

胸内で絶え間なく 力強く打つビート。彼らの心拍は生命を讃え、そして誰よりもその生命を渇望している。彼らは眼前に迫ってくる死に対して激しく燃え、一瞬の煌めきを放つ

ACT UP Parisの目まぐるし
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ウィンストン・チャーチル /ヒトラーから世界を救った男(2017年製作の映画)

3.0

ヒトラーの演説もマジックありきのパワーなのだから、ゲイリー・オールドマンにかなりのものが要求されるのも当然で 見事それをやりきった結果なのでしょう。チャーチルに化けさせた辻さんも称賛に値する 2人揃っ>>続きを読む

聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(2017年製作の映画)

3.5

映画『光』と同様 受け入れ難い、作品を好きにはなれないが非常に映画であって また出来も文句なし。


「父とスパゲティの食べ方が一緒だねって言われたんだよね。こうやってグルグル巻いて口に頬張るの。でさ
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ヴァレリアン 千の惑星の救世主(2017年製作の映画)

2.5

総評は最高の技術を以ってしても隠すことのできなかった物語のチャチ模様。原作はスターウォーズにも多大な影響を与えたとあるから作者に感謝の意を示さないといけないのだがビジュアルに伴わない物語の出来の悪さ。>>続きを読む

はじめてのおもてなし(2016年製作の映画)

3.0

本作の予期せぬメッセージ性
この映画の進むごとに増す滑稽さ安さ こそ難民に関して周りに山積する問題や揉め事そのもののバカバカしさを言っている。

「人類皆兄弟、困っている人に差し出す救いの手は無条件、
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ハッピーエンド(2017年製作の映画)

4.0

「誰だ おまえ?」

はじめてのハネケ。携帯のカメラ画面を模したポスターのビジュアルに惹かれて観たものの、それが肩透かしでない 観る価値のある新しい映像作品。眠気に襲われながらみたので内容よりかは見た
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リメンバー・ミー(2017年製作の映画)

4.0

炸裂ピクサー節

7つの弟とみたので吹き替え やはり吹き替えは苦い。作画は微妙 骸骨のテイストももう少しマシなものがあったはず。皆口揃えて言っている色彩はメキシコ固有の文化の色をひしと感じたものの画面
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ぼくの名前はズッキーニ(2016年製作の映画)

3.5

あんな母親であっても〝ズッキーニ〟そう呼んでくれた名前にこだわるイカール。まだ9つの少年は母を求める、母を愛していながらも自分の手で殺めてしまった現実に向き合いながら。その過去故の親への異常な執着 憧>>続きを読む

地球に落ちて来た男(1976年製作の映画)

3.0

演出の遊びは良くも悪くも物語理解を難しくしている。画面設計なんか凝っているがやはり作品の質はホドロフスキーには及ばない。ボウイの為に用意された物語
監督の言う美しさもあるが何があっても変わらない彼のメ
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しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス(2016年製作の映画)

3.8

2人を巡り会わせた張り紙 を最後 忘れていたところで持ってくるから涙が溢れてしまう。後半が若干低調だった分をきちんと返済してくれた そんな感じ。『草原の河』もその形だからやられた方は是非

2人の距離
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サーミの血(2016年製作の映画)

4.2

苦悶

彼女が傷つくところをみたくない
劇中幾度となく目を伏せてしまう
自分自身も身を以て体感する苦しみ


最初 サーミの血に誇りをみせていたエレ・マリャ。お客さんからの見せ物、研究資料としての辱め
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