love1109さんの映画レビュー・感想・評価

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金沢在住の映画好き。http://love1109.hatenablog.jp/

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牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版(1991年製作の映画)

4.4

「いまさら観てないとは言えない映画」はずっとこの映画だった。あの頃、映画好きなら誰もが興奮しつつ口にしたエドワード・ヤンの伝説的な作品を、四半世紀のときを経て、ようやく目にすることができた。さて。やっ>>続きを読む

ロープ/戦場の生命線(2015年製作の映画)

3.9

戦場。極限の緊張状態の中では、例え味方同士であったとしても、理想と現実、本音と建て前、あるいは、善と悪、清濁をあわせ呑み、飲み込まなければ決して生き延びることはできない。ほんの些細な出来事に凝縮される>>続きを読む

女と男の観覧車(2017年製作の映画)

3.8

ウディ・アレンのコメディはいつもいたたまれない。そこには「人生というのは、ものすごくシリアスで、ものすごく悲しいもの」だから「何とか笑えるよう最善を尽くすだけ」という哲学が細部に行き渡っている。ある意>>続きを読む

ロンドン、人生はじめます(2017年製作の映画)

3.7

あのウディ・アレンをして「おしゃれの天才」と言わしめたダイアン・キートンの魅力が炸裂。まるで少女のように、というとあんまりだけど、こんなにもチャーミングでいられることが不思議。色褪せるどころか、ますま>>続きを読む

焼肉ドラゴン(2018年製作の映画)

3.8

翻弄されるのはいつも普通の人たちだ。普通の人たちが、普通に学び、普通に恋をして、普通に結婚して、普通に暮らすことが叶わない。それは本当に悲しくてやりきれない。それでも家族には、笑いがあり、喜びがあり、>>続きを読む

孤狼の血(2018年製作の映画)

3.8

「昭和残侠伝」や「仁義なき戦い」シリーズを例に挙げるまでもなくヤクザ映画といえば東映。刑事に、ヤクザに、女と、それぞれの矜持をかけた熱き生き様に胸が熱くなる。これぞハードボイルド。コンプライアンスとい>>続きを読む

ビューティフル・デイ(2017年製作の映画)

3.8

俳優の到達点とは一体どこにあるんだろう。一瞬一瞬に緊張感が漲っており、一挙手一投足から決して目を離すことができない。怪優ホアキン・フェニックスの演技を観ていると、彼の佇まいやその仕草に一つの答えがある>>続きを読む

カメラを止めるな!(2017年製作の映画)

4.0

これを観なきゃ今年は終われない! ということで「カメラを止めるな!」。ああああ、そうなんだ、創作とは狂おしいほどの愛をどれだけ爆発させられるかなんだ。面白いものをつくる。ただそれだけのために、走って、>>続きを読む

ラブレス(2017年製作の映画)

3.8

久しぶりにまったく救いのない映画をみた。あまりに強い自己愛は、やがて他者への無関心にかたちを変える。携帯でSNSばかりみている妻と世間体ばかりを気にしている夫。人生をリセットしたい、そんな離婚間際の夫>>続きを読む

のみとり侍(2018年製作の映画)

3.5

江戸文学の最高峰のひとつといわれる「好色一代男」や江戸庶民が愛してやまなかった春画を例に挙げるまでもなく、江戸の「色好み」は、粋で、鯔背で、そして何よりエネルギッシュだ。阿部寛を主役に据えて、寺島しの>>続きを読む

素敵なダイナマイトスキャンダル(2017年製作の映画)

3.6

猥褻の解釈についての警察とのやり取りなんてもはやコント。原作者でもある伝説の天才編集者・末井さんの「ちょっとオチョくるみたいな」という言葉には、遊びというか、余裕というか、表現がもっと若くて熱かった時>>続きを読む

レディ・バード(2017年製作の映画)

3.9

愛すべき自意識。特別な存在でありたい、特別な存在になりたいと願う少女が、決して伝わることのない母親の大きな愛情に包まれながら、何者でもない自分を受け入れる物語。さすが、さすがの、シアーシャ・ローナン。>>続きを読む

三尺魂(2017年製作の映画)

3.6

三尺魂の花火によって集団自殺を図ろうとしていた4人が、タイムリープを繰り返すことによって「人は誰かの手を必ず借りていて、誰かに助けられている。同時に自分も誰かに手を差し伸べて、誰かの力になっているとき>>続きを読む

ファントム・スレッド(2017年製作の映画)

3.9

「ブギーナイツ」、「マグノリア」、「パンチドランク・ラブ」、「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」、「ザ・マスター」。そのフィルモグラフィーを並べるだけで、ポール・トーマス・アンダーソンという監督が、いかに>>続きを読む

モリのいる場所(2018年製作の映画)

3.8

拙宅の玄関には、万平ホテルに行商に来ていた画廊から、かなり背伸びをして買った熊谷守一の「桜」の絵が飾ってある。彼が45年間住み続けた旧宅跡地にある豊島区の美術館は、とても静かで気負いのない、和やかで自>>続きを読む

エンドレス・ポエトリー(2016年製作の映画)

3.9

カルト界の巨匠としての面目躍如。まるでフェリーニやパゾリーニの映画を観ているような、そんな感覚を21世紀に味わえることの衝撃。詩人である主人公と、巨女や小人、フリークスたちが、おどろおどろしくも美しい>>続きを読む

女は二度決断する(2017年製作の映画)

4.0

被害者の身体のみならず、その家族の精神をも殺してしまうテロリズム。このあまりに卑劣で、非道な行為に対し、法の前に無力な私たちは、加害者や、自らの感情にどう折り合いをつけていくべきなのか。とてつもない苦>>続きを読む

ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

4.2

かなり期待して映画館に足を運んだけれど想像以上だった。フレディ・マーキュリーが、クイーンが、いかに伝説となったのかを丹念に描いた134分に引き寄せられ、一瞬たりとも目が離せなかった。ブライアン・メイと>>続きを読む

オー・ルーシー!(2017年製作の映画)

3.9

たった1本の映画によって、少しでも、背中を押されることがあったなら、それはとても素晴らしいことだ。これは、満たされない日常を過ごしていた「LUCY」や、絶望的な悲しみから逃れられない「TOM」だけでな>>続きを読む

しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス(2016年製作の映画)

4.0

当代一の女優となったサリー・ホーキンスが、またもや、素晴らしいキャリアを積み重ねた。こちらも脂の乗ってきたイーサン・ホークとともに。カナダの小さな港町の、これまた小さな家で、ときを経ながら育まれた、一>>続きを読む

アイスと雨音(2017年製作の映画)

3.9

なにかを伝えようと真摯に向き合い表現されたものに絶対的な敬意を払いたい。涙を流し、叫んだ者にしか吐きだせないものが必ずあると、たいした根拠もなく、それでいて強く信じているけれど、キャリアも、名もなく、>>続きを読む

わたしは、幸福(フェリシテ)(2017年製作の映画)

3.4

私たちが頭に思い描くことのできるアフリカはその広い世界のほんの一部だ。夜な夜な酔っ払いがバーに集い、修理したばかりの冷蔵庫が壊れ、息子が交通事故で重傷を負い、病院でスリにお金を奪われる。絶望の淵から彼>>続きを読む

友罪(2017年製作の映画)

3.7

「死刑もやむを得ない」と考える人が8割を超すこの国で、人を殺めた加害者が生きていく。そのことを描く映画を撮るというのはとても勇気のいることだ。人を殺めてしまった人間とその家族、そして、殺められた側の家>>続きを読む

BPM ビート・パー・ミニット(2017年製作の映画)

3.6

無知から恐れが生まれ、恐れから偏見が生まれ、偏見から差別が生まれる。その負のループを抜け出すために必要なのは、伝える、ということなんだろうけど、こんな映画を観ると、関心のない人間に伝える、ということの>>続きを読む

ウィンストン・チャーチル /ヒトラーから世界を救った男(2017年製作の映画)

3.7

ゲイリー・オールドマンの名演も、ウィンストン・チャーチルという人物の偉業も、さすがに素晴らしかったけど、英国の歴史を描く映画を観ていつも思うのは、英国王室の格式の高さと、それを重んじる国王の気高さだ。>>続きを読む

フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法(2017年製作の映画)

4.2

なんだろう、このやさしい感じ。定住する家を持たず、物乞いし、体を売って金を稼ぎ、ときに犯罪に手を染めるシングルマザーとその娘の女の子。普通に考えれば絶望的な暮らしが、なぜかきらきら輝いて見えるのは、そ>>続きを読む

四月の永い夢(2017年製作の映画)

3.9

若き天才・中川龍太郎監督の映画はどこまでも透明だ。それは、明るいとか、清らかであるとか、そういうことではなく、人々はいつも何かに悩まされ、もがいているけれど、それでも、その生き方の芯に透きとおるような>>続きを読む

ザ・スクエア 思いやりの聖域(2017年製作の映画)

3.8

前作「フレンチアルプスで起きたこと」もそうだったけれど、リューベン・オストルンド監督は、いたたまれない状況へと登場人物を追い込み、じわりじわりと人間のいやらしさをあぶりだす天才だ。「思いやり」が、非日>>続きを読む

サニー/32(2018年製作の映画)

3.8

なにかに縋りたい。リアルな世界では、満たされることのない、癒されることのない魂の救いを、バーチャルなネット世界の「ネ申」に求める気持ち。なんとなくわかる。例えそれが、まるで「宗教ごっこ」のような幻想で>>続きを読む

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

4.1

ポール・トーマス・アンダーソンが、ペドロ・アルモドバルが、グザヴィエ・ドランが絶賛したのもよくわかる、恐ろしいほどに耽美で、切なく、まばゆい映画だった。思春期の青年が抱く強い欲望と、抑えきることのでき>>続きを読む

あしたは最高のはじまり(2016年製作の映画)

3.9

未来がどうなるかなんて誰にもわからない。だからこそ、今を懸命に生きる必要があり、現在が積み重なった後に未来があるということを、わかってはいるけれど、ついつい忘れてしまいがちだ。とにかく今を生きること、>>続きを読む

ナチュラルウーマン(2017年製作の映画)

3.8

なにをもって「ナチュラル」とし、なにをもって「アンナチュラル」とするのか。それを決めるのは、他者でも、世間でもなく、自分であるということを、自身もトランスジェンダーである女優ダニエラ・ヴェガが教えてく>>続きを読む

レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)

4.2

忘れることなかれ。スピルバーグこそが世界を熱狂させた史上最初の映画オタクなのだ。近未来の仮想現実の世界の中で、メカゴジラとガンダムが戦い、キングコングが街を破壊し、デロリアンや金田バイク(AKIRA)>>続きを読む

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(2017年製作の映画)

3.8

民主主義を守るのは、その主権者たる国民であり、ジャーナリズムは国民のために「本当のこと」を伝えなければならない。この映画が強く問いかけるのは「その権利を保障するものとして、政府が国民のあいだに打ち立て>>続きを読む

ゴーギャン タヒチ、楽園への旅(2017年製作の映画)

3.4

芸術なんてものに心を奪われたが最後、どんなことがあろうとも、後は盲目的に人生をかけて信じ抜くしかない。ゴーギャンの生き方を辿っていくと、常識やモラル、ときには愛でさえも、それらすべてを捨てて信じ抜いた>>続きを読む

さよなら、僕のマンハッタン(2017年製作の映画)

3.8

好きな場所で暮らしていいよ、と言われたら、絶対にニューヨークだ。ニューヨークほど、知的で、お洒落で、刺激的で、懐が深く、寛容な都市を他に知らないからだ。昔も、今も、サイモン&ガーファンクルが最高に似合>>続きを読む

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