love1109さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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金沢在住の映画好き。http://d.hatena.ne.jp/love1109/

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スウィート17モンスター(2016年製作の映画)

3.5

イライラ、モヤモヤ。何をしても上手くいかなかったり、誰も信じられなくなったり、あらゆることが嫌になったり。その原因がすべて自分自身にあるとわかっていても、認めることができない。世界はすべて敵。ティーン>>続きを読む

ムーンライト(2016年製作の映画)

4.2

美しい映画だった。麻薬中毒者を母にもつ黒人のゲイという圧倒的マイノリティ。誰からも肯定されることのない苛酷な状況の中で、もがいて、苦しんで、絶望の果てに頬を流れた涙がほんとうに美しかった。人は誰もが孤>>続きを読む

モン・ロワ 愛を巡るそれぞれの理由(2015年製作の映画)

3.5

恋愛偏差値のべらぼうに高い国フランスから、またもや熱烈なアムールが炸裂する、10年にわたる愛の映画が誕生。これぞ「嫌よ嫌よも好きのうち」の極致。さすがの女性監督というべきか、これはちょっと男にはハード>>続きを読む

わたしは、ダニエル・ブレイク(2016年製作の映画)

4.8

好きな映画監督を挙げよ、と訊かれたら、まずはケン・ローチを挙げる。どんな作品であれ、彼の映画の根底にあるのは、やさしくない社会への、やむにやまれぬ哀しみと怒りだ。効率化という名のもとに定められるマニュ>>続きを読む

たかが世界の終わり(2016年製作の映画)

4.4

すごい。圧巻。呼吸の乱れや胸の鼓動、目線の動き、瞬きの一つひとつまで。悩み、迷い、怒り、悲しみを内包する人間の繊細な「感情」の揺れを、グザヴィエ・ドランは、圧倒的に美しい映像と音楽によって描きだす。傷>>続きを読む

ハーフネルソン(2006年製作の映画)

4.3

「ラ・ラ・ランド」から「ブレードランナー2049」へ。今やハリウッドきっての超・売れっ子となったライアン・ゴズリングが11年前にみせた演技には彼の天才がはっきりと見てとれる。どんな孤独な人間にも、性別>>続きを読む

パリ、恋人たちの影(2015年製作の映画)

3.6

どっひゃー。言ってしまえば、一年にわたる夫婦の痴話げんかが、オッシャレ~な恋愛映画になってしまうのは、美しいパリの街並みによるものなのか、愛に生きるフランス人の気質によるものなのか、それはわからないけ>>続きを読む

緑はよみがえる(2014年製作の映画)

3.8

80歳を過ぎたイタリアの巨匠エルマンノ・オルミ監督が亡き父の涙に捧げた映画。戦場に赴いた戦士ひとり一人に、家族があり、暮らしがあり、夢があった。常軌を逸した戦場の中で正気を保つことがいかに困難なことで>>続きを読む

島々清しゃ(2016年製作の映画)

3.4

漁師役の渋川清彦が「グルーヴよ、グルーヴ」と発する印象的な台詞がある。その、なんとも定義しがたい、音楽による高揚感のようなもの。それが作られていく過程を丹念に描いたのがこの『島々清しゃ』だ。上手くても>>続きを読む

タンジェリン(2015年製作の映画)

4.0

ゲイであれ、バイであれ、ノンケであれ、心にぽっかり空いた穴を埋めてくれるのは自分ではない誰かだ。この映画が感動的なのは、ロサンゼルスの片隅で生きるトランスジェンダーを、そのままプレーンに描いているから>>続きを読む

灼熱/灼熱の太陽(2015年製作の映画)

3.5

異なる国家、異なる民族、異なる人種、異なる信仰。なぜ拒むのかを深く理解しないまま、なにかに扇動されるように、私たち人間は、自分とは「異なるもの」をいとも簡単に排除してしまう。かつてクロアチア人とセルビ>>続きを読む

君の名は。(2016年製作の映画)

3.7

光の美しいアニメーションだった。都会の高層ビルを照らす朝日も、校庭に射し込む木漏れ日も、美しく清らかで世界を包み込むような光が全編に満ち溢れていた。時代に、とりわけ、若者に圧倒的に支持される作品という>>続きを読む

沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)

4.0

弾圧する側も、弾圧される側も、そのいずれにも「弱さ」はある。この映画が胸を打つのは、善人も、悪人も、人間なら誰しもが持っているその「弱さ」に、終始一貫、揺れ動きながらも寄り添っているからだ。人間を救済>>続きを読む

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

4.2

今さらの「ラ・ラ・ランド」。いやー面白かった! エンターテイメントへの限りない憧れと愛情。ドキドキとワクワク、そして、ちょっぴりの切なさが、きらきら散りばめられた魔法。わずか1本のフィルムでエマ・スト>>続きを読む

ヒトラーの忘れもの(2015年製作の映画)

4.0

人の痛みをリアルに想像することでしか憎悪の連鎖を断ち切ることはできない、というシンプルで力強いメッセージ。第二次世界大戦後、ナチス・ドイツがデンマークに埋めた200万個以上の地雷を除去した多くは、20>>続きを読む

(1955年製作の映画)

3.9

新藤兼人による1955年の作品。貧困が人間をどのように破壊していくのかを緻密に描いたエンターテイメント。それにしても、今や社会派としか紹介されない監督がこんなにも第一級の娯楽作品をインディペンデントで>>続きを読む

僕と世界の方程式(2014年製作の映画)

3.9

いまいちメジャー感はないけれど、サリー・ホーキンスはとても素晴らしい女優の一人だ。愛情表現が不器用で、事故で亡くなった父親に引け目があり、自閉症ぎみで数学にしか興味を示さない息子に相手にされずとも、大>>続きを読む

幸せなひとりぼっち(2015年製作の映画)

3.9

先立った最愛の妻を追いかけようと何度も自殺を図ろうとする偏屈で実直な主人公が、偶然引っ越してきたお隣さんによって、もう一度、生を見つめ直す小さな奇跡。どんな境遇の、どんな人間であれ、人を愛し、人に愛さ>>続きを読む

皆さま、ごきげんよう(2015年製作の映画)

3.8

原題の「冬の歌」は故郷グルジアの歌のタイトルでその歌には「冬が来た。空は曇り、花はしおれる。それでも歌を歌ったっていいじゃないか」という歌詞があるとオタール・イオセリアーニ監督。人が人を糾弾し、抑えつ>>続きを読む

どぶ(1954年製作の映画)

3.9

新藤兼人による1954年の作品。黒沢明の「どん底」に匹敵する、戦後のルンペン街に暮らす人々の、貧しくもエネルギッシュな生活。それぞれの人物描写も素晴らしかったけど、この映画の見どころはなんといっても乙>>続きを読む

アラビアの女王 愛と宿命の日々(2014年製作の映画)

3.5

これは「砂漠」を観る映画だ。あのヘルツォークによって、まざまざと見せつけられるのは、圧倒的なスケールの「映画にしか撮れない自然」があるということだ。そして、ニコール・キッドマン。自主制作のような作品か>>続きを読む

変態だ(2015年製作の映画)

3.5

最強コンビ降臨。「エロは大宇宙」「変態は王」など数々の名言を発してきた、キング・オブ・エロ、みうらじゅん大師匠の企画・原作を、あのソラミミストの安齋肇さんが撮った。これぞまさしくロックなポルノ。魂の解>>続きを読む

トランボ ハリウッドに最も嫌われた男(2015年製作の映画)

3.8

卒業論文のテーマは「赤狩り時代の映画作家」だった。裏切るか、亡命するか、堪えて闘うか。それら三択しか生き残る方法がなかった時代の中で、堪えて闘い続けた男こそ、稀代の脚本家ダルトン・トランボだ。オスカー>>続きを読む

シークレット・オブ・モンスター(2015年製作の映画)

3.8

ヒトラー、ムッソリーニ、スターリン。20世紀の独裁者はどのようにして生まれたのか。サルトルの短編小説から着想を得たという不条理な世界。全編に漂う、何かが起こりそうな不穏な空気が、観るものを釘付けにして>>続きを読む

原爆の子(1952年製作の映画)

3.7

ふと、新藤兼人の映画を観よう、と思った。戦前・戦中を生き抜いた日本人が戦後、何を書き、何を描いてきたかを、今、深く知りたいと思ったからだ。検閲を免れるため、自腹を切って制作された本作は、被爆国の人間が>>続きを読む

ダーティ・グランパ(2015年製作の映画)

3.8

ロバート・デ・ニーロ、73歳。まるで、山上たつひこ先生のお下劣な世界を映画化したような、ドン引きする人も多いであろう度が過ぎる下ネタを、まるで水を得た魚のように連発する究極のプロフェッショナリズムを見>>続きを読む

母の残像(2015年製作の映画)

3.7

死によって、その存在が無になるというよりも、その存在が逆に、強く、濃くなる感覚がある。その人が身近であればあるほど、ましてや、血のつながりがあればなおさらのことだ。それは決して時間ではなく、その死と人>>続きを読む

黒い暴動(2015年製作の映画)

3.3

人生で初めてジャケ買いしたCDはThe Clashの「London Calling」だった。で、この映画、青臭い、青臭すぎると思いながら、結局、最後まで観ちゃう中2レベルの自分に気恥ずかしさを感じつつ>>続きを読む

獣は月夜に夢を見る(2014年製作の映画)

3.4

こと映画に関しては、猟奇的な殺人者は美少女、また、化け物と人間の恋ほど切ないものはない、と相場が決まっている。そんな定石に、ヨーロッパで伝承されてきた狼男や吸血鬼など獣人の要素がつけ加えられた北欧発の>>続きを読む

ハングリー・ハーツ(2014年製作の映画)

4.2

愛が正しいとは限らない。愛とは狂気であることは、すでに多くの映画によって表されているし、人間の狂気こそが一番怖ろしいということは、ヒッチコックの映画なんかをみるとよくわかる。この映画が素晴らしいのは、>>続きを読む

ジュリエッタ(2016年製作の映画)

3.8

告解。生きていくうちに知らず知らず犯してしまった罪を告白することで神からの赦しを乞うこと。巨匠ペドロ・アルモドバルの最新作は、喪失し、絶望したひとりの女性でもある母親が、告解によって、再生していく物語>>続きを読む

マダム・フローレンス! 夢見るふたり(2016年製作の映画)

3.5

どれだけ無垢な気持ちでひたむきに愛することができるか。心を震わせる表現の決め手となるのは、決して上手い下手でないことをメリル・ストリープが全身全霊で示してくれる。そして、忘れてならないのがヒュー・グラ>>続きを読む

ブロークン 過去に囚われた男(2014年製作の映画)

3.5

歳をとると誰もが柔和になるというのは幻想だ。というよりも、囚われる過去が増えることで、より自分の殻に閉じこもり、頑固になっていくことの方が自然なのだ。これはそんな偏屈ジジイをあのアル・パチーノが演じる>>続きを読む

続・深夜食堂(2016年製作の映画)

3.8

松岡錠司という映画監督のすごさをどう伝えればいいだろう。「バタアシ金魚」や「きらきらひかる」など、初期の作品のインパクトは言うまでもないけれど、円熟期にさしかかった現在、この「深夜食堂」シリーズを観て>>続きを読む

エリザのために(2016年製作の映画)

3.6

いい映画はわかりやすい善悪を描かない。その代わり、私たちの内面に、じわじわじわじわ問いかけてくる。オマエハフセイヲハタライタコトハナイノカと。例え、ツテやコネ、賄賂が横行する社会であっても、それを社会>>続きを読む

アズミ・ハルコは行方不明(2016年製作の映画)

3.7

無差別に男をボコる女子高生たち。最初は眉をひそめつつ、途中から「やっちまえ!」と、心の中で叫ぶ自分がいた。街中に描かれるグラフティも、それに火をつける行為も、すべて法を犯しているけど、やらずにいられな>>続きを読む