mikuさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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(1928年製作の映画)

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あんなに風が吹くところに、どうして人が住んでいるのでしょうか。集落諸共さっさと引っ越したらいい。映画冒頭に差し込まれた晩年のリリアンギッシュも話していたが、終わり方が暴力的なハッピーエンドで笑う。人を>>続きを読む

パンドラの箱(1929年製作の映画)

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ルイーズ・ブルックスのかわいさが時空を越えていて恐れ入る。100年近く前ってどうなってるの。近づく者すべてを破滅に導く魔性の存在だけど、流されるがままに生きてたらそうなっただけで、本人にはまったくその>>続きを読む

TOKYO EYES(1998年製作の映画)

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ゴダールの映画のなかのアンナカリーナのような吉川ひなのが、下北沢を行ったり来たり。小田急線のホームも駅前の喧騒も今とは違ってなんだかまるで別の街になっちゃったな〜。ああいうごちゃっとした路地は今でも残>>続きを読む

慶州(キョンジュ) ヒョンとユニ(2014年製作の映画)

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古墳のある街。生きることと死ぬことはいつも隣り合わせ。そこに今あるものとないものが曖昧に混ざり合う。酒飲んで大騒ぎするまではお決まりで、そのあとにまん丸の古墳の上に寝そべる3人が心地よかった。そんなこ>>続きを読む

放蕩娘(1981年製作の映画)

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父と娘のぶつかり合い。お皿で父親をぶん殴ろうとも、父親と物理的に腹を突き合わせようとも、美しさに翳りのないジェーンバーキン。彼女と同じような青いストライプのシャツに色の濃い細身のジーンズを合わせて着て>>続きを読む

あばずれ女(1979年製作の映画)

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穴のあいたセーターを着た女の子と、どうしようもない男の子の奇妙な同居。誘拐だと言うのさえ不十分な関係性。扉の上から手が届いちゃう鍵とか、絶対撮影してないあのカメラぐらい間の抜けた暮らし。マドがこそこそ>>続きを読む

泣きしずむ女(1978年製作の映画)

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歪んだ生活を自ら作り上げたくせに飄々として、しまいには平和がほしいだなんて宣う男が一番狂っていると思ったが、これを監督自身が演じているのには笑った。精神状態が浮き沈みながら常にさかってる女も怖い。ドミ>>続きを読む

とらんぷ譚(1936年製作の映画)

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悪事をしたことにより命拾いした少年は、大人になっても窃盗、詐欺により生き延びていく。子役の表情がすばらしく、トリュフォーがこれを好きと言ったのには納得しかない。ギトリとはこんなに喋り倒す人なのか。お喋>>続きを読む

青い年(1964年製作の映画)

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時間を無断ですっ飛ばすから変な映画って気持ちになる。2人で出かけた妙にかっこいいあの建物はなに?ああいうイカした壁の前に佇む男女って構図だけで、ギリギリこの映画好きだなと思えた。唐突すぎて、は?ってな>>続きを読む

秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)

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未来から来たの?-後ろの道から。静けさが美しい。物分かりのいい子どもが母の苦しみに気がついている。後部座席から母にお菓子とジュースをあげる。誤字だらけの母のノート。おばあちゃんの手の匂い。1箇所だけ残>>続きを読む

EDEN/エデン(2014年製作の映画)

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わたしもいくらかこんな遊び方をしたこともあるので、胸がぎゅんとなった。煙草の臭いのついた服といつかの朝焼けを思い出す、みたいな。華々しい人生なんかじゃない、泥くさくてナイーブ。あとヴァンサンマケーニュ>>続きを読む

心の根(2000年製作の映画)

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偏見と暴力に塗れたリスボンで、結局誰が何をしたいんだかわからないまま終わった。本当にまったくわからない。ど派手なドラァグクイーンが出てきて画が派手なのに、普通に寝た。かつてシルヴィオだったシルヴィアを>>続きを読む

ジュラシック・パーク(1993年製作の映画)

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見たことないって言うと驚かれる映画シリーズ。ジープで巡るジュラシックパークはとても楽しそうでわくわくするけど、実際恐竜がすぐそこにいるだなんてたまったもんじゃないよね。淘汰された生き物にはそれだけの理>>続きを読む

ラヴ・アフェアズ(2020年製作の映画)

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哲学的なことをひたすら話しまくる男女のクソしょうもない恋愛、という点では確かにロメールに近いのかもしれない。とは言え、この人たちはどうしようもなく浮気と不倫を積み重ねすぎて、これはわたしの物語かもと思>>続きを読む

スパイダーマン(2002年製作の映画)

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グリーンゴブリンのいるところにスパイダーマンが現れるのは結局、事件の起こるところに江戸川コナンが現れるのと一緒ですよね。

愛より強い旅(2004年製作の映画)

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アルジェリアにルーツを探しに行く旅。ナイマが平気で浮気したり下品な笑い方をしたり肌を隠すベールを嫌がったりするのが耐え難かったし、意図があるとはわかれど、人混みを逆走する2人に端を通れとキレそうになっ>>続きを読む

月の寵児たち(1985年製作の映画)

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お皿は割れるし絵画は段々小さくなる。盗んだり盗まれたり浮気したり。浮気も盗みみたいなものか。パリの街を彷徨う人々の悲喜交々。人を写しているようでいて、本当は街の方を写しているのかもね。若き日のマチュー>>続きを読む

東京の闇(1982年製作の映画)

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小津安二郎や黒澤明が大好きな外国人が憧れて撮っちゃった、な雰囲気だけを感じて内容はひとつもわからなかった。こんなの理解する必要ないだろうってぐらいのしょうもなさ。たかだか20分ぐらいなのに途中でうとう>>続きを読む

湖の見知らぬ男(2013年製作の映画)

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湖の瑞々しい風景に人間の欲望が当たり前のようにそこにある。あまりに生々しさに感情が麻痺してくる。とは言え、さすがにこんなの見てるだなんて人に言うのも憚れるほどあれもこれもくっきりと映ってた。殺されると>>続きを読む

風の中の子供(1937年製作の映画)

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ターザンのように叫べば集落の子どもがみんな出てきて遊んでいたのに、ある日突然誰も遊んでくれない。兄弟2人でするお布団でのオリンピックごっこで既にわびしかったのに、ひとりかくれんぼがあまりに切なすぎる。>>続きを読む

有りがたうさん(1936年製作の映画)

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トーキー黎明期ゆえか、ゆっくりとした喋り方をする人たち。こんな時代にロケ撮影だらけのヌーヴェルヴァーグみたいな映画が日本にあったのか。せいぜい伊豆の峠を超えるぐらいの距離の中に人生がつまりすぎていてつ>>続きを読む

シルビアのいる街で(2007年製作の映画)

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ストラスブールをあっちに行ったりこっちに行ったり。街に差す光と影が美しく、その風景にトラムの窓に映り込む女の顔が溶けてく。なんだか女の多い街。やってることは完全にアウトなのにこの風景を眺める心地よさで>>続きを読む

ミュリエル(1963年製作の映画)

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街のいろんな風景のモンタージュ、家に向かって歩く3人の顔を代わる代わる映す、デルフィーヌセイリグの佇まい。始まり方で「あ、この映画好き」ってなっていた筈なのに。最後の30分くらいが耐え難く、早く終わっ>>続きを読む

アマチュア(1979年製作の映画)

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牛乳瓶の登場。上階から捉える道の様子など、わたしの知ってるキェシロフスキになってきた。カメラに夢中になって、家庭を顧みないことが批判の対象であることは間違いないけれど、結婚してしまったが最後、もう何か>>続きを読む

傷跡(1976年製作の映画)

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おじさんばっかり出てきて誰が誰だかずっと分からない。木が次々に薙ぎ倒されていくのはやたら見応えがある。車から犬を下ろして追いかけさせる謎の遊び。街を走るロゴの入ったトラックとか、集合住宅の佇まいとか、>>続きを読む

天はすべて許し給う/天が許し給うすべて(1955年製作の映画)

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現代の感覚で意見するのは違うのだろうけど、ブルジョワの差別的思考に吐き気がする。そういう教育をしたのは自分たち世代であるのだから、自業自得であるとも言えるけど、親の身分の差のある結婚に反対する子どもた>>続きを読む

魅せられて(1949年製作の映画)

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行くのを躊躇うパーティーはやっぱり行かないほうがいい。金を持ったが故にあんな人間になってしまった男と、貧しいが故にあんな思考を植え付けられた女。結局金が人を変えてしまう。使用人の夜中のピアノと言い、医>>続きを読む

オルフェ(1950年製作の映画)

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鏡の映画。鏡の中から出たり入ったり。バックミラーは怖い(いや気づけよ)。ラジオに熱中して、妻が死ぬのにも気づかないオルフェは想像を絶するクズ。地上についてからもずっと妻の顔を見てはいけないなら、別居し>>続きを読む

美女と野獣(1946年製作の映画)

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間違いなく、史上最も美しい舞台美術のひとつ。父が野獣の館に入ったあと、腕だけ見える燭台に誘われていく幻想が美しい。ベルの涙はダイヤモンドに変わる。ディズニー版の美女と野獣と同じく、野獣は野獣のままのほ>>続きを読む

めまい(1958年製作の映画)

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かつて愛した女に見た目を似させられるの、相手が好きであればあるほどつらいな。実態の明かされない女性を追って、完全に精神が破綻してしまった男。素晴らしい映像だってことはわかるけど、突然のアニメにはちょっ>>続きを読む

午後の網目(1943年製作の映画)

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白日夢。休日の午後に昼寝すると見る夢のよう。もしくは踊る人の頭の中。これを解体して再構築したらおもしろい舞踊作品になりそう。重力に異常を来たし上手く走れなかったり、異様に浮かび上がったりする身体と、そ>>続きを読む

リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

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25歳の女から見た15歳の男ってただの子どもでしかないと思うのだけど、まったく15歳に見えないクーパーホフマンのおかげでなぜだか成立している世界。ビッグな子役にも妙に納得できちゃうのに、クソ生意気にい>>続きを読む

パトニー・スウォープ(1969年製作の映画)

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クールなアヴァンタイトル。破茶滅茶とはこのこと。きったない言葉を大声で言いまくるのも、箱の中に溜め込んだ現金に火を放つのも、どっちも気分がよさそうなのでこれは良い憂さ晴らし。「一人真珠湾攻撃」はもう一>>続きを読む

健康でさえあれば(1966年製作の映画)

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エテックスは短編のほうが好みだなと思っていたので、これは楽しい盛り合わせだった。カフェで薬飲む男も、森でピクニックしようとする夫婦も、みんな家に帰れよと言ってしまえばそれまでなんだけど、家で眠れなくな>>続きを読む

絶好調(1965年製作の映画)

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ドジっ子エテックスの愉快なソロキャンプのはずだったのに、警察に連れて行かれた先はまるで強制収容所だったっていうお話。"キャンプ"を楽しむ人々をエテックスはどう見ているのか。地面に掘られた穴をくぐると、>>続きを読む

ヨーヨー(1965年製作の映画)

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メランコリックなのに幸せに満ちているし、愛がそこにあるのに愛が不在。没落と再生。まるでサイレント映画のようにかつての栄光を描き、世界恐慌のあとにトーキーへと変わる。車での煙草の渡し方とか、お父さんがト>>続きを読む