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特攻をやり直すゴジラ映画だった。
特攻から逃げたことを苦にする青年がゴジラを相手に今度こそ特攻して成功する話だが、そのことと、作品全体を貫く「戦争で死んではいけない」という戦後的価値観がバッティング>>続きを読む
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おっっもしろかった!
有名演出家殺害の疑惑をかけられた駆け出しの女優が友人の女性弁護士とともにその冤罪を利用し、社会的にのしあがっていくコメディだった。まだ女性の権利が保証されていなかった1930年>>続きを読む
互いに結婚相手を喪った男女が過去の思い出を引きずりながらも徐々に惹かれあっていく、フランシス・レイの劇伴が無限によい映画だった。
モノクロとカラーの使い分けが特徴的で、男女が距離を縮める現在のシーン>>続きを読む
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戦後ドイツの復興と、収監中の夫の帰りを待つ女性のしたたかな成り上がりを重ねて描く。
が、最終的にドイツはワールドカップで華々しく優勝を飾るのに対し、彼女の人生はしだいに陰りを見せ、夫の帰宅直後にタバ>>続きを読む
見たことない超絶技巧のコマ撮りアニメーションだった。
残酷な現実の外側には別の残酷な現実しかない、したがって今いるコミュニティから脱出することはできないという絶望を、立体のクレイと平面の油絵を自在に>>続きを読む
『オオカミの家』の前座で併映されていた。女の子が死んだ夫と結婚仲介人?を骨から蘇らせて婚約破棄させるストップモーション・アニメ。1900年ごろに撮影された謎のフィルムが近年発見されて修復してみたのだが>>続きを読む
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すさまじい映画だった。
母に捨てられ京劇の劇団に入れられた少年がやがて相方の青年と『覇王別姫』の演目で一世を風靡するが、密かに恋心を寄せていた相方に遊女の妻ができたことをきっかけに登場人物全員の人生>>続きを読む
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時間の順行と逆行を織り交ぜて物語を論理的に進行させるテクニカルな映画だった。
前半と後半で視点が変わって物語の意味が変容するタイプの映画だが、同一の出来事を別の人物の視点から順を追って語り直すのでは>>続きを読む
限られた時間のなかで知的な男女がハイスピードなコミュニケーションを取りながらおしゃれな街を歩く会話劇の2作目だが、前作と違って出会ってから別れるまでの会話がほぼノーカットで収録されていて、それはさすが>>続きを読む
前半と後半で物語の視点が変わって同一の出来事の意味合いが変わる、というタイプの脚本の映画だったが、あんまり面白くなかった。
彼女はいつ彼のことを好きになったんだろう、異動届を出すほどに、という気持ち>>続きを読む
『パラサイト』を見たあと、わざわざ友人が「君っぽいから見とき」とアマプラで課金して見せてくれた。めんどくさめの女に振り回された男が失恋から回復し、立ち直るまでの物語だった。
こんな女のどこがええねん>>続きを読む
双極的な恋愛映画を続けて見たので次はどうでもいいやつ、と思って選んだジャッキー・チェンの映画はとにかく見せ場のオンパレードで、生身の人体に可能なアクションシーンの限界を試している感じがよく、さっき見た>>続きを読む
台風が来るので友人の家でおとなしく映画を見まくった夜の2本目、『バッファロー'66』の次にこれを見た。
『バッファロー』とは対極にあるような映画で、あらゆるコミュニケーションが円滑で、知的で、話題も>>続きを読む
「Wet Dream」の「『バッファロー'66』のDVD持ってるからうち来ない?」という口説き文句で有名なこの映画は、親子関係と愛着に問題のある男が行きずりの少女を誘拐して最終的に無償の肯定と抱擁を受>>続きを読む
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見た。つらく悲しい映画だった。
母を失った少年が青キジを案内役に異世界へ母を探しに行く話だが、異世界ではだれひとりとして幸福に暮らしていないし、一生懸命がんばるけれど母は帰ってこない。
その異世界>>続きを読む
友人とそのセフレが深夜に突然うちに現れ、だらだらしゃべりながら流し見した。
東京の街並みに過去の恋愛を重ねる友人と、映画よりパワフルなエピソードを話しはじめるセフレと、そういう経験が欠落していることに>>続きを読む
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まあまあだった。
結末が美しすぎて現実と乖離しているという批判もよくわかるけど、世界にはもっと悲惨な現実もあるのと同じようにこのような現実もあるのだろうし、まして映画の表現はある一定の現実味を代表す>>続きを読む
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さくっと見れて楽しいゴールデンウィーク映画だった。
ゲームだと単に囚われて助けられてキスするだけのピーチ姫はさすがに主体的で勇敢な女性になっていた(アイスフラワーを使ったときのデザインは自立したプリ>>続きを読む
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キャラが立ってる映画だった。原作でたぶん一度も泣いていないコナンが涙を流したり(実際は海水が頬を伝ってそう見えるだけだけど)、阿笠博士がカーチェイスしたり、灰原が唇を返したり、ウォッカが饒舌だったり、>>続きを読む
仮面ライダーに親しんだ人に向けたOVAっぽいなと思った。物語は陳腐に感じたが(あらゆるキャラクターの信頼関係の変化に説得性がなかった気がする)、オーグの造形がよく、同じ様式で差異のバリエーションを楽し>>続きを読む
宗教に基づく売春婦への嫌悪はジャーナリズムによって解決しないという話だった。暴力はいかなる場合にも肯定してはいけないけど、この映画に関しては宗教に対して強気な正義感をあからさまにするジャーナリストがち>>続きを読む
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直前に観た『生きる Living』は襟を正して生きる話だったけど、これは襟を正せず死ぬ話だった。
余命が宣告されたときに、最期に人の役に立とうと努力して成し遂げる前者に対して、なにも努力せず成し遂げ>>続きを読む
終盤の絶賛はちょっとあざとかったけどすばらしい映画だった。襟を正して生きるとはこういうことか、、。
映画そのものも折り目正しいというか、50年代っぽい格調高い演出で貫かれていて好みだった。
あとで黒>>続きを読む
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人生は失敗の反復と選択しなかった成功の可能性のモザイクだけど、そのどれをとっても(あるいはそのどれをとっていたとしても)今が一番良かったのだ、と言い切る肯定的な映画だった。その表現としてのマルチバース>>続きを読む
ヘプタポッドの文字の造形がかっこよかった。未来の出来事が過去に干渉するロジックを言語体系の違いによって説明するところが鮮やかでよかった。
堂々たる文学映画でよかった。自殺願望を抱くに至る主人公の半生は一切説明されないが、やたらカーブと坂道の多い荒れ野を走る車のシークエンスが人生の苦難を暗示してるし、彼の自殺幇助を請け負うのが最終的に生活>>続きを読む
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資本主義社会の風刺映画だった。
豪華客船が海賊に襲撃されて転覆し、富豪たちは無人島に流れ着く。野生の環境では彼らの権力も役には立たず、やがて生き抜く技術を持っていたトイレ掃除のおばさんがグループの頂>>続きを読む
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モーションキャプチャとCGであの山王戦をリアリズムのバスケとして再現していた。あれって現実のバスケの試合としても成立してたんだ〜(そういえばスーパープレイはあっても必殺技とかないよな〜)と思う一方、ス>>続きを読む
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新海誠がついに震災とその記憶の忘却に向き合った映画だった。
日本の各地で起こる災害を防ぐためにすずめと草太が全国を奔走するロードムービーだが、発災の原因である「後ろ戸」が開くきっかけはその土地で過去>>続きを読む
二人の屈強で超人的なインド人が史実を無視してイギリスの支配を完全粉砕する映画で面白かった!! ストーリーの山場をいくつも作りながらいろいろな伏線をラストシーンに収斂させていく王道エンタメ感がよいし、ダ>>続きを読む
映画をIMAX 3Dで観ることについての映画だった。ジェイクが車椅子でアバターに憑依するのは観客が映画館の座席で映画の世界に没入することの比喩で、人間界とナヴィ界をつなぐアバター計画はそのまま現実と虚>>続きを読む
『ドライブ・マイ・カー』みたいなテーマを『美味しんぼ』みたいな手法でやってた。
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エンタメにおける「見る/見られる」の暴力性についての映画だった。チンパンジーの暴走も映画史における馬も眼球みたいなUFOの造形もそれを撮影しようとしてる黒人たちも、すべてがそのメタファーとして有機的に>>続きを読む