あとりさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

あとり

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彼女がその名を知らない鳥たち(2017年製作の映画)

4.6

皆歪んでる。
クレーマーで浮気性の十和子も酷い扱いを受けても一途に支える陣治も、水島も黒崎も。
でも真相と陣治の本当の想いを知った時、究極の純愛だと思ってしまった。
最後の言葉は呪縛かもしれない。
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添い寝フレンド(2019年製作の映画)

4.0

多分初フィリピン映画。
抱擁(カドル)するのに理由は要らない。
ただ抱きしめられて眠ることで得られる安心感とか気持ちが近づくにつれて心がぐちゃぐちゃになる感覚とか…
娼婦と男娼の恋模様だけどピュアで満
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グッド・ナース(2022年製作の映画)

4.0

明らかに事件性があるのに隠蔽体質を貫く病院側の悪質さに鳥肌…
殺害現場のシーンはないものの表情から張り詰めた空気を構築するエディ・レッドメイン演じるチャーリーの「I can't」のギアが壊れていく様な
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ハロウィンの呪文 ブリッジホローは大騒ぎ!?(2022年製作の映画)

2.8

ゾンビ、ピエロ、巨大蜘蛛など何でもありのファミリー向け作品で怖さはほぼ皆無。
ウィジャボードがiPadなのが現代的。
しかしこの手の作品に出てくる子供の話信じない親、フィクションって理解しててもめっち
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オカムロさん(2022年製作の映画)

3.6

ポスターからそれっぽさあるけど牙狼好きな人は観てほしい笑
首狩りシーンの多彩な演出とソード&ガンアクションの躍動感、世相を反映したブラックユーモアも堪らない。
ジャンプの打ち切りみたいなラストも声出そ
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アプローズ、アプローズ! 囚人たちの大舞台(2020年製作の映画)

3.5

犯罪者が更正する難しさ…と一言で切り捨てられない複雑さ。
皆で作り上げる奇跡の舞台。
だがひとたびステージを降りれば不自由で拘束された日常。
塀の外の世界を味わったばかりに板挟みに苦しむ辛い現実。
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RRR(2022年製作の映画)

4.3

良すぎた!
最初から最後までクライマックス。
運命に操られるかの如く2人の出会い、正義がぶつかる別れ、そして共闘をエモーショナルでドラマチックに描く。
アクションやナートゥにパルクール、エンドロールま
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バッドマン 史上最低のスーパーヒーロー(2021年製作の映画)

3.8

やたら高クオリティのOP、やけにかっこいいスーツやモービルにアクション、それ風のBGM…
訴訟ギリギリを攻める悪ノリのオンパレード!
記憶喪失から勘違いでヒーローとして覚醒する主人公が起こす騒ぎがおバ
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カラダ探し(2022年製作の映画)

3.6

ホラーの様相を呈した脱出ゲーム系青春映画。
死がタイムリープの鍵になる作品はハズレがない!
失敗=絶命のトライアンドエラーを繰り返す過程がとにかく楽しい!
カラダ探しを続け、次第に関係性に変化が生じ、
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スペンサー ダイアナの決意(2021年製作の映画)

3.7

選択することも自分らしく生きることさえ許されぬ日常から生じる歪み。
劇中は3日間の出来事だが自由など一切なく、長年型にはめられ、国中から注目され、息が詰まるを通り越して心が壊れていく過程を目の当たりに
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耳をすませば(2020年製作の映画)

3.3

ジブリ版のラストのその先を誰もが想像したことがあるのではないだろうか。
お馴染みの様々なシーンとリンクさせつつキラキラだけじゃない大人の青春映画に。

再現度高いからこそ設定変えた点が(恐らく大人の事
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ビリーバーズ(2022年製作の映画)

3.7

邪心だらけの俗世と決別し崇高な存在となるべく頑張る3人。
だが狂信的になればなるほど断ち切れない煩悩や本能が…
抗えないリビドーをフェティッシュに。
突き動かす信仰を皮肉交じりに。
それらの醜悪とされ
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オールドピープル(2022年製作の映画)

2.9

捨てられる様に施設に入れられ、無下に扱われてきた高齢者達がゾンビの如く寄ってたかって襲い来る!
高齢化社会を象徴する社会派な目の付け所なのだがやや説教臭い。
俊敏で屈強なお爺ちゃんお婆ちゃんが予想を上
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アルプススタンドのはしの方(2020年製作の映画)

4.4

甲子園での熱戦が展開される、更にはしの方で展開される会話劇。
頑張る人を無駄だと思ったり、心の底で嫉妬していたり。
そんな生徒達が徐々に感化されていく美しさと感情の昂り…
ひとりひとりの人生を応援した
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女神の継承(2021年製作の映画)

3.6

奇怪な言動が邪悪にエスカレートし刻一刻と得体の知れない存在へと変貌していく怖れ。
その不安を掻き立てる高湿度な映像が濡れた土の匂いと禍々しさを運んでくる。
呪いが人々を狂わせ巫女と親族、撮影クルー、そ
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X エックス(2022年製作の映画)

3.9

人生を謳歌する若さや美貌への嫉妬、羨望、そして欲望が絡み合う…
あんな作品やこんな作品が頭に浮かぶ古典的作風ながら老いに対する恐れや性への渇望などの本能的な部分に着目したアプローチがエキサイティングか
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“それ”がいる森(2022年製作の映画)

2.7

序盤で予想はつくが邦画で“それ”系のホラーってあまりなかった気がするので挑戦的な意欲を感じた。
造形は気味悪いけど演出自体はジャンプスケア連発で『事故物件 恐い間取り』がめちゃくちゃ怖かったんだと思え
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マイ・ブロークン・マリコ(2022年製作の映画)

3.9

マリコが置いて逝ったこと。
骨になって父親の元にいること。
シイノは何一つ腑に落ちない。
だが対話も贖罪も遺骨の前では一方通行。
今を生きる為に偲ぶ衝動的すぎる旅。
そこに生半可な優しさや安易な美化は
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哭悲/The Sadness(2021年製作の映画)

3.6

ウイルスの突然変異によって電車内や病院…台湾の街中に欲望を制御出来ず、凶暴化した感染者達が暴虐の限りを尽くす正に地獄絵図が目の前に広がる。
暴力、性加害、殺戮…常に大量の血や臓物が飛び散り、ストーリー
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LOVE LIFE(2022年製作の映画)

4.4

限りある人生で身近な人とどれだけ目を合わせて話すことが出来るだろう。
伝わらなかったり別れを余儀なくされた相手に依存していたり。
伝えなかったから起きたことは伝えたら変わったのか?
思いもよらない出来
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渇きと偽り(2020年製作の映画)

3.4

旧友が無理心中した報せを受け、故郷に戻った警察官。
捜査を続けるうちに過去に起きたある事件と対峙し思わぬ真相が…
ひび割れた大地、枯れ果てた草木、干上がった湖。
それらが人の心を乾かせ観る者すら疑心暗
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犬も食わねどチャーリーは笑う(2022年製作の映画)

3.7

長く過ごしすぎて目につく不満や鬱憤が溜まった妻が始めた旦那デスノート…を見つけてしまった夫笑
言葉足らずやすれ違いが露呈し対立関係に…
元々は他人同士が生きるのは奇跡の様に困難。
どんな夫婦にも存在す
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わたしは最悪。(2021年製作の映画)

4.5

30歳の節目。
恋愛、結婚、出産、そして自分の人生について…
物語の中だけでなく個人的にも日々悩んでいたり、モヤモヤすることが形となりその上で選択も後悔も、私の人生ごと包み込んでくれる様な…
今でも折
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呪詛(2022年製作の映画)

3.6

モキュメンタリーの効果を最大限活かした良作。
禁忌を犯した女性を襲う得体の知れない恐怖。
超常現象の数々や登場人物が語りかけてくることで強制的に巻き込まれ、呪いの不穏が張り詰めるゾワゾワ感と禍々しい空
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ヘルドッグス(2022年製作の映画)

3.7

漫画的キャラクター像やドラマチックな展開にドライな映像や俯瞰的視点。
渋すぎる。
泥臭い肉弾戦と的確な関節技に痺れる岡田准一さん監修の超絶アクションシーンも見事。
あっさりしていながら濃密な空気感に満
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L.A.コールドケース(2018年製作の映画)

3.7

地位や家族との生活まで犠牲にして執念深く捜査を続けても誰一人逮捕されない未解決事件。
組織の体裁や金の為に蔑ろにされる命や正義があっていいのか。
努力では報われなくて…だからこそ心に刻まれる。
LAに
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人質 韓国トップスター誘拐事件(2021年製作の映画)

3.8

あのファン・ジョンミンが誘拐された!?
持ち前の演技力と機転を利かせたアドリブ力で駆け引きをスリリングに切り抜けながらもがく姿は問答無用に熱くなる。
出演作の小ネタを絡めながらパブリックイメージを生か
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そばかす(2022年製作の映画)

4.2

恋愛感情を持ったことがない。
本音は言い辛く本心を打ち明けても理解されない窮屈な毎日。
でも外野に勝手に価値を決めさせず、自分の幸せは自分が選び取る。
そんな主人公が腹割って家族喧嘩するシーンと『宇宙
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ソー:ラブ&サンダー(2022年製作の映画)

3.9

白塗りのクリスチャン・ベール?
ヤギ連れてくの?
ジェーンがマイティ・ソー?
小籠包の神!
そして2人の別れの真相…
カオスでロックなノリのよさなのに泣かせにくるのずるい笑
気軽に楽しめてちょっぴり切
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ハッチング―孵化―(2022年製作の映画)

4.2

抑圧された感情から産まれたものは……
思春期ならではの自我の芽生え、親への反抗心、歪んだ家族像や“幸せ”の為の犠牲をグロテスクに昇華。
不快指数高めでめちゃくちゃ面白かった!
映像美やゴア描写、更にク
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ビースト(2022年製作の映画)

3.4

ライオン版と言えばほぼ伝わりそうなぐらい『ジュラシック・パーク』へのオマージュに溢れまくったB級パニック。
危機的状況で冷静な判断が出来ないとはいえ命を軽んじる行動を取る登場人物達にツッコんだりハラハ
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百花(2022年製作の映画)

3.1

ピアノの旋律と共に歪んでいく記憶。
日常が少しずつ変化する母の世界をホラーテイストに繊細な映像表現と俯瞰的視点で引き込んでいく。
百合子(母)と香織(妻)。
どちらに感情移入するかで泉への印象が全く異
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キングメーカー 大統領を作った男(2021年製作の映画)

3.5

どれだけ志が高くとも勝たなければ意味がない。
選挙の裏側に蔓延する裏工作や足の引っ張り合い…目的は同じだったのに次第にすれ違う2人。
そんな信念の齟齬を如実に表したラストが切なすぎる。
硬派だが皮肉を
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君たちはまだ長いトンネルの中(2022年製作の映画)

3.5

政治のこと、景気のこと、税金のこと、自分たちの生活のこと…
賛同するにも抗議するにも論破するにしてもまずは知って自分なりに考えるのが何より重要。
シンプルながらメッセージや熱意がしっかりと伝わる濃い作
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この子は邪悪(2022年製作の映画)

3.7

サイコスリラーな第一印象だったがオカルト系の怪作で掘り出し物だった。
「何かがおかしい…」の連鎖から巻き起こる不可解な現象にゾクゾク。
“この子”がもしかして…と察知した終盤の冷や汗が出そうな感覚とそ
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ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

4.5

不運にも偶然が重なり乗り合わせた殺し屋たちのハイスピードに飛び交う会話劇とカオスに繰り広げられるアクションが本当に楽しすぎる!
その裏側の奇跡的な巡り合わせにも爆上がり。血みどろなのに笑いと爽快感満載
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