Akiさんの映画レビュー・感想・評価 - 18ページ目

カップルズ(1996年製作の映画)

4.5

絶妙なまでの照明の扱いと人物の動かし方がある。物語中盤、ヴィルジニー・ルドワイヤンが売春をやると知らされる。ヴィルジニーが左方向に数歩歩くことで彼女に当たる光が「白色」蛍光灯から、外からの「青」の照明>>続きを読む

ちはやふる 上の句(2016年製作の映画)

4.6

照明はともかく、色調が素晴らし過ぎ。あんな温かみのある雪景色初めて見た。

ロブスター(2015年製作の映画)

4.0

ヘテロセクシャルかホモセクシャルであることしか許されず、バイセクシャルの認められない、靴のサイズすら半端は認められない「中庸が許されない」状況設定や、45日間恋人ができなければ動物に変えられてしまう社>>続きを読む

シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム(2011年製作の映画)

4.5

再見。彩度が落とされた色調ながら、それぞれの原色が巧く生きていて、特にワトソンの結婚式ではガイリッチーにもこんな色彩が出せるんだなと驚いた。ガイリッチーのスタイルでもある、肉弾戦や銃撃戦で用いられるス>>続きを読む

たそがれの女心(1953年製作の映画)

4.5

大傑作。人物を捉え続ける長回しや舞踏会場での鏡の反射が正確無比だし、車窓から破り捨てられた手紙→雪景色へのディゾルブも素晴らしい。あと、乗馬の直後シャルル・ボワイエとヴィットリオ・デ・シーカの会話の背>>続きを読む

13F(1999年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

マジで埋もれた傑作。既に使い古されたネタだけど、このネタだからこそ「プールの水面越しに殺されかける(外部の世界の人間に殺されかける)」、終盤の「鍵が掛かったガラス戸の外に出られない」、(『永遠と一日』>>続きを読む

張り込み(1987年製作の映画)

4.6

序盤の漁港、なんであんなグロテスクなロケーション使ったんだろうと疑問に思っていたら、終盤の材木工場に繋がってくるのね。とはいえ、あの鱗まみれになるシークエンスはかなり狂ってると思う。普通ならあんなん思>>続きを読む

秋津温泉(1962年製作の映画)

4.2

岡田茉莉子(が抱かれた後に一人風呂で身を清める満足気な表情の色気、彼女を引き立てる不穏な桜吹雪、死に魅入られた視線)の美しさはもちろん、序盤の鏡の扱いや、二人を隔てる障子や引き戸の扱い、長門裕之の吐き>>続きを読む

輪舞(1950年製作の映画)

4.4

傑作。シュニッツラー原作の円環構造と映画的な回転のイメージとの相性の良さや、冒頭からの長回し、カメラを斜めにやや傾けたフィックスショットなどはもちろんだが、何より夫婦のエピソードが完璧すぎる。振り子時>>続きを読む

街のあかり(2006年製作の映画)

4.1

「視線」に対する配慮などは感じるし、失恋した主人公の無気力っぷりは少し笑えはするものの、ぶっちゃけイマイチ。あと、この1年で自分の色彩感覚が鋭敏になってしまったこともあるけど、カウリスマキの色彩は実は>>続きを読む

バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生(2016年製作の映画)

4.4

終盤の熱量だけは凄いのだけど、歪さの余り珍品という他ない作品。バットマンとスーパーマンが決闘始めてからは持ち直し始めるんだけど、そこに至るまでのアクション及びドラマ進行が余りに脆弱。状況説明も下手クソ>>続きを読む

鍵泥棒のメソッド(2012年製作の映画)

4.5

この手の映画を見る度に「映画であることの必然性」について考えてしまうのだけど、傑作脚本であることだけは認めなければならない。

夕陽のガンマン(1965年製作の映画)

4.3

時間の扱いや編集は雑なんだけど、帽子の撃ち合いがやたらと面白い。

ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!(2013年製作の映画)

4.8

再見。本番はもちろん開始30分過ぎてからなんだが、それまでも冒頭からキレまくったサイモン・ペッグの演技でガンガン引っ張ってくし、歩行者や自動車等をカーテンのように用いてカットを繋げる編集にはこだわりが>>続きを読む

過去のない男(2002年製作の映画)

4.3

音楽に頼り過ぎている感はあるし、カッティングが慌しいせいか編集もぎこちなくは感じるけど、それでも好き。『浮き雲』の方が好きだけど。

浮き雲(1996年製作の映画)

4.3

序盤が面白い。アル中のシェフから包丁を取り上げるオフスクリーンでは警備員は役に立たないし、夫は買い物依存症だし、リストラする人員をトランプで決める適当さといい、笑うしかない。

浮雲(1955年製作の映画)

4.2

どうしようもない題材を愚直なまでに大真面目に辛気臭く撮ろうとする姿勢には首を傾げるが、蠟燭や列車を用いた演出はさすがという他無い。
物語前半、森雅之が高峰秀子の部屋を訪れるシーンが2度ほどあるが、この
>>続きを読む

真夜中のカーボーイ(1969年製作の映画)

4.0

フラッシュバック、クロスカッティング多用の編集には全くノレず。正直、ワースト認定しようと思っていたところだけど、終盤の鏡を用いたトリックショットに迂闊にも面白いと思ってしまった。ラストでゴミ箱の中にカ>>続きを読む

デスプルーフ in グラインドハウス(2007年製作の映画)

4.4

ラストのカーチェイス最高。結末には笑ったが、やはりそれ以外の会話劇がめっちゃタルい。

風立ちぬ(2013年製作の映画)

4.6

大傑作。アニメーションにおいて画面内で風が吹き続けることの快楽。再見分では二等車と三等車の越境、パラソルを受け止める際の切り返しが印象的だった。あと、『魔の山』の主人公カストルプが大量のクレソンを食べ>>続きを読む

思い出のマーニー(2014年製作の映画)

4.4

登場人物の配置にやたらめったら鏡像関係が意識されていたり、作中のモチーフからして、意識されているのは完全に『鏡の国のアリス』なんだが、宮崎作品に並ぶには余りにも構造で作品を縛り過ぎていて窮屈になり活劇>>続きを読む

サイコ(1960年製作の映画)

4.3

『映画術』の塩田明彦の解説は優れていると思うけど(いやもちろんラストのオーバーラップは気付くよ?)、スリラーとしての面白さも演出も『白い恐怖』の方が格上。

アンリ、アンリ(2014年製作の映画)

4.3

MUBIにて視聴。青緑を基底とした透明感のある色調とウェス・アンダーソンのようなキッチュな色彩が美しく、小道具の扱いが楽しい。(フィックスのショットと登場人物たちの横移動はまさにウェス・アンダーソンな>>続きを読む

トランスポーター(2002年製作の映画)

-

カット割り過ぎ問題。気持ち悪くて15分で見るの止めた。同シリーズは同様の問題を抱え続けてるらしいので、監督共々ブラックリストに加えさせて頂く。

月光の女(1940年製作の映画)

4.4

傑作。愛のために全てを許す男、自らの手で死ぬことすら許されない残酷さ。ところで、扇風機及びシーリングファンの「回転」にはヒッチコック以上の執念を感じる。敬服。