majimakiraさんの映画レビュー・感想・評価

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ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)

4.7

原作の強い衝撃冷めやらぬ中鑑賞。

必ずしも見慣れているわけではない湿地帯の自然の営み、その視界や音など、勝手にイメージしていたものに寄り添ってくれるような壮大な世界観と、特にクライマックスで、原作と
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老後の資金がありません!(2020年製作の映画)

3.9

切実な家計の将来設計、面倒を見るべき親の問題…
間違いなく目を背けられないものだし、解決の方法に簡単なものはほとんどないのだが、やはり信頼関係、思い遣りの下で、一緒に前を向いて生きられるかが大切だなと
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カレとカノジョの確率/一目で恋に落ちる確率(2023年製作の映画)

4.0

空港・フライト× 偶然の出逢い。とても好きなプロットだ。

邦題に「確率」という言葉を入れたくなった気持ちがよくわかる、奇跡的な偶然を確率や数字でフィーチャーし、主人公のひとりであるオリバーの専攻や特
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クレイジークルーズ(2023年製作の映画)

4.1

終始少しの旅情と非日常感に包まれながら、戦慄を覚えつつもどこかしら穏やかな物語の世界を楽しめる。

坂本裕二氏の脚本は、常に心地いい驚きと腹落ちがある。
クルーズの中の仮初の娯楽と、陸の世界と断絶され
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フローラとマックス(2023年製作の映画)

4.3

若くして母になったフローラ。多少不器用に生きながらも、素行不良の一人息子マックスへの真っ直ぐな愛が、自らもひょんなことから学び始めた音楽を通して、より純粋に現れてくる。

個人的には見慣れないダブリン
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ビューティフル・ライフ(2023年製作の映画)

4.2

類稀な歌声…本当にそうだ。Christopherの歌声と演奏にとても胸が熱くなる。

全体的に少し伏線が不十分なストーリーに感じたが、
華々しいサクセスストーリーの向こう側にある、リリーとの未来を恐る
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異動辞令は音楽隊!(2022年製作の映画)

4.1

あぁー、こういうのにとにかく弱い…
あっと驚く壁にぶつかってからの、反省と改心。その過程での周囲の人々との繋がり。
どうしても爽やかな感動の涙を禁じ得ない…。

やっぱり、生きてく上では、音楽が必要だ
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宇宙人のあいつ(2023年製作の映画)

3.9

ちょうど良い感じのコメディタッチもさることながら、とにかくテンポがいい。

地球でやり残したこと、そして厳しい「ミッション」に思いを巡らせて苦悩する日出男の視点も、「ドリーミング」なお兄ちゃんの視点も
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ある男(2022年製作の映画)

4.3

原作の雰囲気がとてもよく保たれ、さらに強い印影を残すような、良い作品だった。

こうでもしなければ生き直せない人もいる。
そして、生き直せた僅かな年月の、それがもたらしたであろうなにがしかの救いが、心
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461個のおべんとう(2020年製作の映画)

4.1

ミュージシャンの父が、高校生の息子と約束してつくり続けた、
毎日のお弁当のお話。
それ以上でも以下でもない、とされているが、
お弁当映画感よりも、淡々としながらいつしか静かに熱くなるような親子の映画と
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歩いても 歩いても(2007年製作の映画)

4.3

亡き兄の面影、喪われた日の不幸に対する両親の割り切れなさと、それが故にそこにあり続ける心の距離。

命日の日、集まる一家の中で、そんな微妙な距離感と、それでいて当たり前に通い合う家族としての自然な思い
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キネマの神様(2021年製作の映画)

4.8

素晴らしい原作をもとにしながら、やはり素晴らしい山田洋次監督作品に仕上がっていると感じた。漸く鑑賞できた喜びや、志村けんさんの想い出や、その遺志を継ぎ、どころどころで彼の気配を尊重しながら演じられた沢>>続きを読む

ドリームプラン(2021年製作の映画)

4.5

勤勉と礼節、信仰、そして家族が社会的試練を強いられてきたからこその誇りを重んじ、5人の娘たちに徹底させる父。

型破りで頑固な姿で、一見向こう見ずな「ドリーム・プラン」を片手にふたりのウィリアムズをグ
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スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐(2005年製作の映画)

4.6

上映時以来の再鑑賞。
「オビワン=ケノービ」をまだ鑑賞できていないため、その準備も含めての鑑賞である。

当時、クライアントの社内向け貸切上映に、仕事での貢献のご褒美で混ぜてもらったんだった、という記
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フォルトゥナの瞳(2019年製作の映画)

4.1

幼い頃の悲劇を境に、「運命の女神」の視点を持ってしまい、人の死を見ることになること。
そして、そんな視点を含む自分の運命自体を、選択を交えずに受け入れて生きること。

やがてその生き方に交わる別の運命
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劇場版 きのう何食べた?(2021年製作の映画)

4.1

ドラマの続きのように楽な気持ちで鑑賞しながらも、いちばん近くにいる、いちばん親しい人との未来に、少し鋭く切り込むストーリーにも魅せられる。

そして、やや衝撃的なこともいくつか。
コロナ禍を経て無事楽
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ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス(2022年製作の映画)

4.3

マルチバースの世界観…
「スパイダーマン ノーウェア・ホーム」からの流れでその不気味な全貌に迫りながら、そこで「ダーク・ホールド」なる新たな概念に辿り着き、まるで闇に堕ちたかのようなワンダ・マキシモフ
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沈黙のパレード(2022年製作の映画)

4.4

無念の連鎖が生み出す、静かで大きな決意。その渦の中に巧みに練り込まれる何重かの謎と、解き明かす光…。

原作の満足度ほぼそのままに、福山雅治氏による湯川学の深みのある存在感と、パレードをはじめとする数
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鳩の撃退法(2021年製作の映画)

4.3

原作の魅力をとても巧みに生かしながら、
小説家・津田の織りなす、現実と小説、過去と現在の交錯に惑わされる快感を映像ならではのチカラで味わえるとても面白いサスペンス作品になっていた。

藤原竜也演じる津
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スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021年製作の映画)

4.9

最高だった…。間違いなくこれまでのマーベル作品、MCU作品で一番の興奮と感動だったと思う…。

「全ての運命が集結する」
確かに…涙

正直、トム・ホランド版のスパイダーマンは当初の、浮き足立った雰囲
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ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密(2022年製作の映画)

4.6

シリーズ第3作、予定通り初日のシネマ鑑賞叶ってよかった。

遂に魔法界全体を支配せんとする、最悪の、黒い魔法使いグリンデルバルド。
ダンブルドアの計画のもとに集う教え子・ニュートや兄のテセウス、アメリ
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エターナルズ(2021年製作の映画)

4.5

MCUフェーズ4で、
ついにこの世の創造に関わる種族といわれるセレスティアルズが登場するエターナルズ。

その誕生の謎や、紀元前後を跨ぎ悠久の時の流れを超越する壮大なストーリーがところどころ難解でもあ
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スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム(2019年製作の映画)

4.5

「ノー・ウェイ・ホーム」に勇んで走ろうとしたが、「ファー・フロム・ホーム」が飛んでしまっていたことに気づいたわたし。

「エンドゲーム」後の、まだまだ謎だらけの世界観の中、閑話休題のようにも楽しめたト
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オン・ザ・ロック(2020年製作の映画)

4.1

夫の浮気を疑う娘と、
元?プレイボーイの父。

過去に裏切られた父と、優しい距離感を保ちながら、そんな父に焚きつけられるかたちで繰り出す小さな冒険。

夫婦や、男女のことについて、父の振り切った考えに
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マスカレード・ナイト(2021年製作の映画)

4.2

原作をいい具合に忘れており、この多重の、そして複数散りばめられる仮面の凄みに純粋に驚嘆の声を発してしまった…。

もうじき出版される原作の続編も非常に楽しみだ。

アダム&アダム(2022年製作の映画)

4.6

何これ、っていうぐらい楽しく観させていただいた。

タイム・トラベル×SFアクション×父子、ということで、共通項の有無はともかくとしても、大好きな「オーロラの彼方へ」も想い出した。

オマージュ?とい
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マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章(2015年製作の映画)

4.5

第二章があったことに遅れて気付いたため、とても嬉しい。

原題でもあたまに”THE SECOND”がつくが、それはストーリーの中で解る、事業拡大を目指すマリーゴールド・ホテルのステップを表す文字通りの
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パディントン 2(2017年製作の映画)

4.3

2作目鑑賞まで時間が空いてしまったが、それもあり改めてこの愛しき世界観を純粋に楽しめた。

パディントンの優しさやルーシーおばさんとの絆の美しさも、ブラウン一家の愛ある結束も、そして町の人々との当たり
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鉄道員(ぽっぽや)(1999年製作の映画)

4.4

改めて鑑賞すると、ほんとうに、それまで味わったことのない、静かに揺さぶられる感動の大きさを再発見する。

雪深い北海道の、廃線間近の路線の終着駅で、不器用に鉄道員一筋で、他に何もできない気持ちで務めて
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マリーゴールド・ホテルで会いましょう(2011年製作の映画)

4.2

英国からインドに渡ってセカンドライフを始める熟年の男女7人。
少しもの寂しいような、それでいて変化を愛おしむような、そんな雰囲気でゆっくりと進む物語の中で、いつしかみんなが好きになり、なのでグレアムの
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任侠学園(2019年製作の映画)

4.3

西島秀俊さんと西田敏行さんのW主演で描く、文字通り「任侠×学園」モノ。

街の人々に頼られる正統派のやくざとして厄高校生にも正面から対峙し、厳しくも優しく、「一歩踏み出す」ことに導く。

そして、きっ
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トイ・ストーリー2(1999年製作の映画)

4.1

いつか見送ることになっても、
愛する子の将来を想いながら寄り添うんだ、という気持ちで集うトイたちに泣かされる。

仲間が増えて嬉しいのと、
ジェシーの声がジョーン・キューザックなのが何気に嬉しかった。

ワン チャンス(2013年製作の映画)

4.8

幼い頃からオペラ歌手を志しながら、一筋縄ではいかず、紆余曲折を経た後に衝撃的なデビューを果たした英国人歌手、ポール・ポッツ。

本作と、彼の人生を変えたオーディション番組の予選の模様を残したYouTu
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キツツキと雨(2011年製作の映画)

4.3

沖田修一監督×役所広司さんをはじめとする魅力的な役者陣により、
人と人とのつながりが愛おしくなる作品。

きこりの克彦と、静かな村の人々が、いつしかやってきたゾンビ映画の撮影隊に戸惑い、翻弄されながら
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騙し絵の牙(2021年製作の映画)

4.2

大泉洋さん「当て書き」の原作を読んだ上で鑑賞したが、
ほどよく脚色されており、騙された!感はこちらの方が強かった。

文芸もエンターテイメントも、コンテンツ配信の媒体やその面白さを追求する目の区別が曖
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Shall we ダンス?(1996年製作の映画)

4.8


幸せな家庭と、比較的無難に安定した仕事と、マイホーム。その峠の向こうで感じる、そこはかと無い虚しさや物足りなさ。

そこに、正直で罪の無いほどの、細やかで淡い恋心が後押しして、新たな世界の扉を、おそ
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