あくとるさんの映画レビュー・感想・評価

あくとる

あくとる

ベイブ(1995年製作の映画)

4.0

優しい豚のベイブ
可能性と挑戦の物語。
ひたむきに頑張るベイブの姿で前向きな気持ちになれる。

ゼロ・グラビティ(2013年製作の映画)

4.0

徹底したリアリティ。
無限の宇宙に放り出される絶望。
観終わると普段意識することのない重力の存在を実感する。
ジョージ・クルーニーがいいキャラしてる。

ダンケルク(2017年製作の映画)

4.0

久しぶりに鑑賞したが、劇場公開時よりも面白く感じた。
戦場にいるような臨場感、映像の迫力。
救命のタイムリミットが刻々と迫りつつある緊張の継続。
中盤で若干中だるみするものの、ラストは感慨深い。

インターステラー(2014年製作の映画)

4.0

長すぎるきらいはあるものの、その長尺だからこその魅力もあり。
最もエモーショナルなノーラン作品。
運命的な父と娘の美しい物語には謂わず涙がこぼれる。
そして豊かなSF的ヴィジュアルの楽しさ。

後半の
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ダークナイト ライジング(2012年製作の映画)

3.0

大傑作『ダークナイト』を経たのに、また『ビギンズ』のダメさに戻ってしまったような出来。
画はかろうじてかっこいいが、とにかくストーリーがだるい上に長過ぎる。
物語を引っ掻き回し続けたジョーカーというキ
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神さま聞いてる?これが私の生きる道?!(2023年製作の映画)

3.5

タイトルだけ聞いたらまず観ることはない邦題だが、『スウィート17モンスター』のケリー・フレモン監督作品ということで鑑賞。

大人になることに憧れを持ち、背伸びしがちな12歳。
体の成長や宗教の選択につ
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ダークナイト(2008年製作の映画)

4.5

言わずもがなの名作。
『ビギンズ』のかったるい脚本とは違い、しっかりと展開にメリハリがあり、緊張感の漂うサスペンスに仕上がっている。
何と言っても、映画全体を圧倒的に支配するジョーカーの存在感、ヒース
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バットマン ビギンズ(2005年製作の映画)

3.0

久しぶりに鑑賞したがやっぱり苦手。
シリアス一辺倒なのでどうもかったるくて異様に長く感じる。
アクションシーンがごちゃごちゃで見づらい。

プレステージ(2006年製作の映画)

3.0

二人のマジシャンの憎しみ合い。
瞬間移動に魅了され取り憑かれる男。

物語のテンションが平板で飽きてくる。
また、主役のどちらにも共感しづらいので引き込まれない。
何より終盤の展開やオチはズルいという
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インソムニア(2002年製作の映画)

3.5

真実か保身か。
刑事の正義が試される。

ノーランにしては地味で渋い。
サスペンス・スリラーとして手堅く楽しめる。

サンクスギビング(2023年製作の映画)

4.0

まさに「こういうので良いんだよ」なナイスエンタメホラー。
ホラー映画のお約束的展開を丁寧に重ねながらも、非常にスリリングで、どこかユーモアも漂うバランスが見事。
見ていてるだけで体が痛くなるような、グ
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.0

"プロメテウス"

先に言ってしまうと、自分には知識不足なのもあって消化しきれなかった。
脚本は3時間常に密度が高く、登場人物が異常に多い上に、時系列通りでない部分もあるため、非常に難解だった。
また
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メメント(2000年製作の映画)

4.0

「自分が残した文字」以外は全て信用できないという、この極限の設定がサスペンスとしてよく機能している。
時系列の倒錯がストーリーをより難解にし、暴力的とも言えるストーリーテリングに楽しく翻弄される。
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.5

"信/導"

前作はただの前日譚、エピソード0に過ぎなかった、と言ってしまいたくなるくらい格段に面白くなっていて驚いた。
静のPART1に対して、圧倒的に動のPART2。
自分のように前作がイマイチだ
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アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

4.5

世間は、高品質だが難しくて高いものより、中身が無くとも安くて手軽に楽しめるものを求めている、とはまさに真理。
黒人作家が出版社の白人たちが気に入るような"黒人らしい"作品を書いて納めるという皮肉な構図
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ドミノ(2023年製作の映画)

3.0

どんでん返し系、騙される系として宣伝されていたが、結局のところ催眠術超能力バトルのような内容で、イマイチ論理的に納得しづらいのが残念。
明らかに尺が足りておらず、全体的に展開が唐突で、説明もあっさりと
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.5

落下死した男。
自殺か事故か、それとも妻による殺害か。

目撃者や証拠に欠ける中で、男やその妻の話した言葉や書いた言葉の断片を繋げて真実に辿り着こうとする。
ひたすら霧の中を進むような作品。

非常に
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スウィート17モンスター(2016年製作の映画)

4.0

嫌味で口が悪く、クセの強い性格のために周囲から浮いている17歳のネイディーン。
その痛々しい青春の暴走に笑いながら、彼女を見守る親友や教師、家族との関係にじんわり胸を打たれるヒューマンドラマ。

ネイ
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オペレーション・フォーチュン(2023年製作の映画)

3.5

軽いノリのスパイもの。
気軽に見れるのは良いことだが、尖った個性が欲しかった。
チームものとしては弱いが、ステイサムのアイドル映画として観ると楽しい。

ボーはおそれている(2023年製作の映画)

4.7

"世界"

本作のレビューは難しい。
そして先に言ってしまうと過去最低のレビューになりました。
本作の感想を書こうとするとどうしても自分語りの駄文になってしまうからです。
それだけ私にとって極めてパー
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スラムドッグス(2023年製作の映画)

3.5

犬たちのVFXの技術力に驚く。
ストーリーは予告編で伝わってきた以上のことは起こらなかったが、しょうもない下ネタ満載で息抜きで見るには丁度いい。
ウィル・フェレルとジェイミー・フォックスの個性的な声と
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SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

4.0

"不死身"

死なないのではなく、死ねない。
もはや言葉など不要だと言わんばかりに肉体言語に振り切ったまさしく純アクション映画。
「舐めてた男が殺人マシーンでしたモノ」にマッドマックスを加えたらそりゃ
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ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)

3.5

ロッテンの批評家支持率が低い(対照的に一般レビュアーの評価は非常に高い)ので期待せずに見たが、全然悪くはなかった。
しかし、非常に丁寧に作られた再現ドラマ的な味わいで、どこか物足りなさを感じるのもたし
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Saltburn(2023年製作の映画)

3.5

人間というものは多かれ少なかれ、誰もが他人から求められている役柄を演じている。
その献身こそが愛なのかもしれない。

いったい何についての映画なのかすらよく掴めないまま進み、最後になってようやく事実が
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.0

"自立/檻"

ヨルゴス・ランティモスなので見る前から分かってはいたが、やはり非常にクセの強い奇っ怪なファンタジー。
とても一回見ただけでは理解しきれないが、とりあえず面白いし、考えさせられるので高評
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聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(2017年製作の映画)

4.5

"完璧/選択"

美しいガラス細工のように、完璧に見えるものほど脆い。
自分の罪から逃げた男とその家族に起こる悲劇もとい惨劇。
121分間に渡って心にメスを突き立ててえぐり続けてくる徹底した精神的ホラ
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ロブスター(2015年製作の映画)

3.5

"お似合い"

パートナーを見つけられなければ動物になるという奇抜な設定を深く掘り下げ、監督の持ち味で露悪的でシニカルに調理。
追い詰められた人間の汚さ、残酷さを堪能。

籠の中の乙女(2009年製作の映画)

3.5

"躾"

親によって外界からの遮断された子どもたち。
でたらめな語彙や常識といい、見るもの触れるもの全てを支配し、洗脳する。
シュールな味わいだが、描いていることは極めて恐ろしい。

奇を衒い過ぎてい
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西部戦線異状なし(2022年製作の映画)

4.0

撮影がとても美しく、戦場の地獄のような描写は素晴らしかった。
ひたすら命の価値について考えさせる旅路。
見終わってひたすらに虚しい気持ちになった。
戦争映画としての完成度は間違いなく高い。

ただ、戦
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裏窓(1954年製作の映画)

4.0

窓から見る景色は刺激に満ちている。

人間はいつの時代もスキャンダルやゴシップが好き。
SNSで他人の人生の一部を見て一喜一憂する。
全てを知れないから妄想が捗る。

このシチュエーションならではの空
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REBEL MOON ー パート1: 炎の子(2023年製作の映画)

2.0

雰囲気づくりだけは上手いと思っていたのに、それすらできていない。
ザック・スナイダーの良さが減退して、ダメなところが目立つ。
幼稚とすら思えてしまうこのわかりやすさ、もとい奥行きの無さは意図的なのか、
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マエストロ:その音楽と愛と(2023年製作の映画)

4.0

"偽り"

自分が率先して見るタイプの映画ではないのだが、ブラッドリー・クーパー監督作ということで鑑賞。

音楽家の夫と役者の妻。
やはり序盤のロマンス的なパートには興味がなかったのだが、ある秘密が明
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28日後...(2002年製作の映画)

2.0

全てが勢い任せ。
やはりダニー・ボイルは苦手だと再確認。
何と言うかどの要素を取っても、センスが合わない。

まず、ショッキングシーンやアクションシーンでのカメラワークが酷すぎる。
接写でガチャガチャ
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フレンチ・コネクション(1971年製作の映画)

4.0

ドラッグのルートを巡る捜査。
時代性もあってか、物語は非常に渋いというか地味に進む。
正直単調ではあるが、それを補うのが不穏で切れ味のよい音楽と開放的でダイナミックな画。
そして、当時にしては斬新だっ
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TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

4.5

刺激に満ちた世界で正気を保てるか。
人は見たいものを見る。

極めて痛烈で、真に残酷な映画。
刺激が身近に溢れている現代を生きる人々の病をシニカルに描く。
本作における降霊はまさにドラッグやSNSのよ
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.0

古い記憶の断片のようなビデオカメラの映像が非常にノスタルジーに満ちていて切ない。
他人の美しい思い出を共有するような瑞々しい画のタッチが巧みで味わい深い。
自分とこの映画の距離が近いと感じられる人ほど
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