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ズルい映画だなと思う。
結果として簡潔に表現された善悪の二項対立(『Cloud クラウド』の松重さんの、たったワンシーンの登場であるにもかかわらず、ショットの強さと相まって、こうも存在感が変わるもの>>続きを読む
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ナヨンは移住する前、ヘソンとデートをした。帰りの車の中で手をつなぐふたり。ナヨンは眠っているが、ヘソンは窓を開け、外を見ていた。後に、移住のことを耳にしたヘソン。下校時のふたりに会話はない。そして別れ>>続きを読む
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まるで恐怖の原石を目撃したような、そんな感覚。
殺人・幽霊・警察という3大恐怖を詰め込まれたとのことでしたが、観ている私たちが感じる恐怖という以上に、主人公の松岡がどう恐怖と向き合っていくのかを見つめ>>続きを読む
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まず、廃屋を見つけて、その廊下を進むダグラスの、明るさはあるものの、まさに廃れている様子漂うなか、わずかな風とその後たくさんの犬の進入によるカーテンの揺れを捉えたショットがあったことは記しておきたい。>>続きを読む
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アーサーの行為についてはここではひとまず触れないでおきたい。
記しておきたいこととして、アーサーは階段を上がることがとても辛そうなのに、階段を下りるときはとても軽快だったということ。
客席からス>>続きを読む
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助監督の優子までは惹かれていなかったかもしれないが、「水戸黄門」や「名奉行遠山の金さん」「暴れん坊将軍」「三匹が斬る!」など、私も家族の影響で、幼少期から時代劇は見ていた方であると思う。
たしかに、今>>続きを読む
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タイトルの『ぼくが生きてる、ふたつの世界』とは、予告編で見るかぎり、それまで両親のコーダとして生きてきたふるさと宮城と、東京に出てきてからの暮らし、そのふたつの世界のことを指すものだと思って本編を観た>>続きを読む
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特徴がないことが成瀬映画の特徴とか言われたりするけれど、男と女が肩を並べて歩くトラベリングショットがとても好きだ。
『乱れる』では、三度ある。
ゆで卵早食い競争をバーでしていたスーパーマーケット清水>>続きを読む
冒頭の擦れ違いのカット割り、その後の引きの画、列車が通る線路を映したショット、タイトルロールの向こうでなおも続く語り。おなじみの役者さんたちも含めて、加藤泰の『緋牡丹博徒』と同じスタイルのように思えた>>続きを読む
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物語からの逸脱や暴走は、作品や監督の「遊び」に遭遇できた気がして、素晴らしい瞬間ではある。
今回の作品もティム・バートンの「遊び」に惹かれる一方で、どこかもったいない思いにも駆られた。
ビートルジ>>続きを読む
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主人公の吉井を襲い、拉致するメンバーがすぐに判明されるため、なぜどうしてなんのためにといったことが謎にはならず、得体のしれない不安や恐怖に苛まれるということはない。
たしかに彼のしでかした行為は、メ>>続きを読む
オープニング・クレジットを観ていると、ある違和感をもつ。映されている光景は、ミニチュアの世界ではないのか、と。
案の定、クレジットの終わりに捉えられた家に、大きな蜘蛛が襲いかかってきた、かと思えば、>>続きを読む
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M・ナイト・シャマラン
違和感のある撮影手法は、たしかに練られていて、簡潔ではある。
振り子のように左右に数回移動するショット。
主人公の家族であるキャパたちをとらえた、リゾート・ホテルでの部屋に入>>続きを読む
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たとえば、小夜子が最初に帰宅したシーン。玄関側とは反対側の部屋が映し出され、何かの気配をとらえるやいなや一気に緊張感が走る様。
あるいは、喫茶店を出て歩くアルベールと小夜子とともに移動するショット。>>続きを読む
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奇妙なショットを数多く目撃する。
大槻の家までの道中、まさに蛇のような道。運転中の車内の奥が霧で覆われているいつものショット。
トランクから大槻を降ろし、縛っていた足を解放したあと、逃げる彼を捕ま>>続きを読む
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アマゾンの奥地で神として崇拝されていたという生物を、人間に代わる宇宙飛行士としてロケットに乗せようという話が出てくるけれど、この生物そのものが、地球外生命体に見えてもおかしくない風貌である。
よくわ>>続きを読む
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恋人アランを失ったチャーリーはその後引きこもり、食べることでしか哀しみを癒せなかった。その成れの果ての体型に対して、自意識過剰で劣等感を抱いている。オンライン授業で自身の姿を、あえて非公開にしていると>>続きを読む
トニー・スコット監督の印象として、全作観てはいないけれど、カットの暴走というのか、その過剰さによりカットの意味を変えていくところが魅力のひとつであったように思うけれど、このときから細かなカッティングは>>続きを読む
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もしかして『トップガン』ではないかと思わせるほどに、瓜二つのオープニング・クレジット。やがてタイトルに『マーヴェリック』という文字が加わり、明らかに別の映画だと示されたにもかからわず、映し出されたのは>>続きを読む
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映画がはじまって、まもなく排泄物が映し出される。し尿を汲み取る場面なのだが、モノクロの画面でも、人によっては目を背けてしまうかもしれない。
私が先日鑑賞した映画に、高いところを登る描写があった。とても>>続きを読む
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あまりホラー映画を観たことがないけれど、これまでの映画に感化されて撮られてるようで、おもしろい。とくに『サイコ』の影響を感じた。
その上で、どう見せれば恐さを演出できるのかを考えて作られているように>>続きを読む
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・冒頭のクライミングで、主人公ベッキーがダンに飛び移る行為
・共通の友人であるハンターの立ち位置
・ワイヤー
・ダンは鳥の威嚇行為がきっかけで落下する
・まるで遺灰が舞うかのようなタイトルロール
・歌>>続きを読む
一度観ただけでは、ストーリーの辻褄を合わせることが難しい。その困難さに加えて、幽霊と思われる映像や登場人物たちがいなくなっていく展開から、不安や恐怖を感じさせるのかもしれない。ただ、私は唐突に思え、世>>続きを読む
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まず告白しないといけないことに、ラスト、スクリーンを見つめるガルデルと呼ばれている男が瞳をとじたところを目撃できなかった。それまでの彼の表情にはなかった、意志が見えた気はしたが、それはなぜなのか。とに>>続きを読む
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久しぶりの鑑賞。
観ているものを鷲掴みするような強引さはないのだけれど、気がついたら虜になってしまっている。いったい何に魅了されているのか。
アナやイサベルたちの純な姿。単純にかわいく思えたり、い>>続きを読む
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映画全体的に、物語も、登場人物も、温かい雰囲気が漂っている。描かれている季節は冬なのに、伝わってくるのは、温もりのようなもの。例えば、寒くても昼間の低い日差しにしばらく暖かさを覚えるような、寒くても手>>続きを読む
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月曜日から日曜日までの7日間を通してパターソンの日常をとらえた映画。
朝、眠っているベッドを中央に、真上から撮ったショットと、「何曜日」という表示がされてはじまり、フェードアウトしてその曜日が終わっ>>続きを読む
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ケイコが目を澄ませるとはどういう体験なのか。
ケイコがジムのロッカーに入室した際、壁をノックすることで、自身の存在を知らせたように、この映画は、ケイコの周りにある、あらゆる音に注意を促すことで、ケイコ>>続きを読む