mkさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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マイ・ブロークン・マリコ(2022年製作の映画)

3.7

生きてる実感がシイノの存在でしか感じられないマリコが最後は一人ぼっちで逝くことを選んだのはシイノへの最後の恩返しのようで、
マリコの残された思いや悔いはそのシイノの手によって最高の仕返しと共に散骨でき
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こちらあみ子(2022年製作の映画)

4.5

あみ子からしたら不思議でわからないことだらけの世界でとても生きにくいと思う。でも、
もう片方のトランシーバーの先で聴いてる味方がいるから大丈夫じゃ!そのまま行け!と叫びたくなる。
わかったようにそれっ
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メタモルフォーゼの縁側(2022年製作の映画)

4.5

好きの価値や方向性が合っていると嫉妬が生まれたり、違うと嫌われちゃうかなと心配になったり。
大事に大事に隠していたものを、声の大きい人に軽く発信されて自分のものじゃ無くなってしまったようなあの感覚。
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余命10年(2022年製作の映画)

3.8

病気、死、別れ、のシーンでよくある涙涙みたいな描写じゃなくて、
和人がまつりへ最後にかけた言葉がとてもよかった。
好き、とかよりも聞きたい一番嬉しい言葉なんじゃないかなぁと。

カモン カモン(2021年製作の映画)

4.0

モノクロの世界のジョニーとジェシーを観ながら、自分のことを考えていた。
子どもの頃に教わっていたこと、自分が子どもたちに怒ること、実はいい大人になった自分が全然できていないことに気づく。
子どもの言葉
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

3.8

プロローグが大っ嫌いで、エピローグがとても好きだった。こんな映画あるんだな。
長々と語る主要人物たちよりも、声を発さない子の言葉の方が気になる。
言う言わない、書く書かない、声が大きい小さい、みたいな
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偶然と想像(2021年製作の映画)

4.5

偶然街なんかで会った人に声をかける時、マスクも相まって、○○ですと名乗るようにしてたけど、もしかしてこういうオモシロを逃してしまっていたのかも。
描かれていない部分を想像したくなるこういう映画がやっぱ
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川っぺりムコリッタ(2021年製作の映画)

4.5

生きていればなにもない人なんていないしな。
この人のこれの意味はなんだろう?
この2人は過去になにかあったのかな?
みたいな描写があっても説明し過ぎない、踏み込み過ぎないストーリーの進み方が、現実世界
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ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

4.4

エンドロールでクリープハイプのナイトオンザプラネットを聴きながら涙が出てしまったのは、照生と葉に触発されて私もちょっと思い出してしまっていたから。
もう絶対にこの人しかいないと思っていた大恋愛が意外と
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あのこは貴族(2021年製作の映画)

4.4

お金、美、才能、地位、要領、どれかがあってもなにか足りない。
こっちがいいあっちがいいなんて、永遠のないものねだりで、
生きづらさとか、私らしくとか、こうあるべき、の呪いは、ただ自分が自分を縛っている
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ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)

4.0

やるせなさで狂いそう。
正しい生き方なんて誰も教えてくれないのに、一度踏み外しただけでこんなにも許してもらえないのか。
他人の家族と自分の家族にある愛がなぜ違うと言えるのか、見えない暴力とは、因果とは
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あの頃。(2021年製作の映画)

4.2

泣いたり笑ったり引いたり頷いたり懐かしんだり愛しんだり、観ていて全部の情緒が乱れて塗れて、私もみんなと一緒に発狂したかった。
あの頃はよかったなって思えるあの頃があることも、それをバカ笑いしながら振り
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花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

3.9

「電車に揺られる」
こういう一瞬の言葉選びでその人の全部が好きになってしまうことってある。
坂元さんはそんな描写がいつも天才的。
終電逃して朝まで居酒屋、ガヤつくファミレス、歩きながら飲む缶ビール、
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静かな雨(2020年製作の映画)

3.9

食べること歩くこと忘れること妬むこと想うこと、生きている生きていく映画だった。
使うコーヒーカップが入れ替わっていることで親密さが濃くなっているのがわかる生活の描写がすごく好き。

初恋(2020年製作の映画)

4.1

仕事終わって帰る前に震えるくらい嫌なことがあって、そういう時はこれだと思ってその足で観に行って、そして正解だった。
想像と全く違った。めちゃくちゃ面白かった。
最低で最高で、ヤクザを好きになりそう。
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デッド・ドント・ダイ(2019年製作の映画)

3.5

なにこれー!オールスター!たのしいー!
欲望のままのゾンビの方が愛くるしく生きてる感じするし、嘘か本当かジョークか本気か、いちいち考える人間の方が面倒でクリーピーだ。
なんでもいいんだ私はとにかくアダ
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ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019年製作の映画)

4.2

結婚がすべてじゃないっていう自立する女性の話はどこか強がりや痛さが見えて苦手だ。
だけどこの作品は寂しさや後悔やこんなはずじゃなかった後の祭り感がちゃんとあって好きだった。
華やかに見える女系家族の生
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はちどり(2018年製作の映画)

4.2

大人でさえわからないことを体も心も未熟なうちに体感すれば溢れ出るに決まってる。でもそれのあるとないを選択できるのなら私はこっちでいい。
過去におこった忘れないこと忘れていいことの選別をしようと思う。
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劇場(2020年製作の映画)

3.9

映画館に行かずとも公開初日にネットで観れてしまうこの時代、風情がないけれど観てしまった。

「手を繋いでって言ったら、明日は忘れてる?」
この言葉がこの人を表すすべてだと思った。
シングルベットの半分
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MOTHER マザー(2020年製作の映画)

3.8

言葉だけじゃなく「あなたしかいない」とあんなに他者を寄せ付けない姿を見ていたら「僕しかいない」と歪んだ無償の愛になるのか。
夏帆の最後の行動を考える。
自分は選ばなかった家族という存在、一体どんな人な
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ハニーボーイ(2019年製作の映画)

3.9

誰だって人の子になるのははじめてだし、人の親になるのもはじめてだ。
何度も間違ってぶつかってまた間違って、理解できるのはいつだって時間が経ってからで、それでも私はこの親子が好きだな。
ラストシーンが素
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僕の好きな女の子(2019年製作の映画)

3.9

小さな傷だから放っておけばいいのに、瘡蓋になったら弄って血がでて弄って血がでての繰り返しで、あぁほら一生消えない跡が残っちゃった、みたいな気持ち。
「脚本協力 今泉力哉」という安心と信頼のワードをエン
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ソワレ(2020年製作の映画)

3.5

なんにもない自分だけど、たったひとりだけでもいいから誰かの宝物になりたいと願うだけくらいは許してほしいじゃんか。
走っても走っても、逃げられない自分からは。

甘いお酒でうがい(2019年製作の映画)

4.1

この先も、佳子さんが何処かで楽しそうに生きていてくれるなら泣きそうなほど嬉しい。
ストーリーの中でさえこれほどまでに他人の幸せを喜ぶことってなかった。
そして私はシソンヌじろうさんがシンプルに好みのタ
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ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)

4.0

性別血縁国籍なんて関係ないって本当だろうか。わかったようなフリで軽口たたいていた自分がとても恥ずかしい。
美しいって刹那的で、現実は多分もっと残酷で、強いんじゃなくて強くいようとしているだけで。
今日
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生きちゃった(2020年製作の映画)

4.5

「英語ならすんなり本音が言えるのに」
知らないからシンプルな言葉になる。
日本人だからじゃなくて日本語は選択肢と意味合いが多すぎるから。
今の時代背景、事件にこのタイトルが効いてくる。
日本人にしか作
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82年生まれ、キム・ジヨン(2019年製作の映画)

4.2

辛さや痛さは他人と比べられないから、知らずに患っていた女性の苦しさ、それを支える男性側の難しさ。
女の人生は精神も肉体も保つのが難しくて社会的地位も見方も簡単に世は変わらない。
だけどそんなとき圧倒的
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罪の声(2020年製作の映画)

4.0

エンドロールで富士吉田の新世界乾杯通りとか月光寺が撮影場所に使われているのを見つけて全然気づかなかった、悔しいどうしようもう一回観たい。
同じ条件の人間がほんの少しの差でここまで未来が変わる絶望。
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詩人の恋(2017年製作の映画)

4.3

笑っている場面で泣けて、泣いている場面で笑えてくる。
自分と他人、主観と客観はそんなものなんだろうな。
美しいバスのシーンと教室での言葉はきっとずっと忘れない。
息もできないと同じ人とは信じられない良
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佐々木、イン、マイマイン(2020年製作の映画)

4.6

孤独やもがきの上にある笑いはどうしても泣けてくるけど、
何も考えずにただただ大笑いする、佐々木のために、自分のために。
明日には忘れてるレベルの会話しかない飲み会や呆れるほどくだらない思い出たちが今の
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影裏(2020年製作の映画)

3.7

綾野剛松田龍平、ありそうでなかったこの組み合わせ、最高だ。

皮肉だね、でも嬉しいね。
人が泣くときって悲しいときでも嬉しいときでもなくて、安心した時なんだろうなと思う。
人の数だけの見方、印象があっ
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街の上で(2019年製作の映画)

4.7

今泉監督が撮る、対人に絶対生まれる隙間とか気まずい間とか歪な空気は絶妙。そしてそれがこんなに似合う役者は若葉さんしかいない。
客観すれば笑えて、主観すると泣きそうになる。
私も下北で青に会いたい。
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風の電話(2020年製作の映画)

3.5

風で声が届くなんてバカバカしい、そんなのあるわけない。
と思いつつ、私もあの電話を見たら受話器を取るだろうな、そのくらい信じても恥ずかしくならない優しい世界であって欲しいと思う。

モトーラさん、新し
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his(2020年製作の映画)

4.0

家族や友人、我が子からはもちろんなんだけど、赤の他人から言われる軽い一言にひょいっと救われることってある。無責任な関係だからこそ。

現実、私の周りにLGBTQの方がいない。なんとも思わないと言いつつ
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マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)

4.3

友人も恋人も家族も仕事ももうやだ無理だと思ったときに限って小さな好きを見つけて、もったいない精神がでてくる。
2秒あれば好きにも嫌いにもなるのに決別することは難しいんだな。
さみしくて切ないけれど、と
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よこがお(2019年製作の映画)

4.1

音と光と色の映画だと思った。
夕日で染まる喫茶店、逆光で見えない表情、インターホン、クラクション、風を切る音。
夢か現実か過去か、大きな演出もはっきりとした描写もないのに聴覚によって思考が誘導される。
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