外は雨さんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

スターリンの葬送狂騒曲(2017年製作の映画)

3.7

スティーブ・ブシェミがフルシチョフ。1953年スターリンの死による側近達による後継争いを序盤はユーモラスに、後半は流石にスターリンと共にガンガン粛正しまくった人達らしく笑えない。笑えないよw 

モー
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皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ(2015年製作の映画)

3.5

映画はもっとこうダークヒーローが活躍する痛快アクション的なものかと思ってたんだけど、ちょっと違う。心を病んだ彼女の拠り所の鋼鉄ジーグ。彼女の毛糸のマスクを覆る彼の街を見下ろす強い孤独の姿。

永井豪の
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オリーブの樹は呼んでいる(2016年製作の映画)

2.5

脚本は「麦の穂をゆらす風」や「わたしは、ダニエル・ブレイク」などのポール・ラヴァーティ。売ってしまった祖父の樹を取り戻すためにトラックに乗ってドイツへ。

んー、なんかねぇ。家族の不和からの再生を描い
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鑑定士と顔のない依頼人(2013年製作の映画)

3.8

ジュゼッペ・トルナトーレ監督脚本。ジェフリー・ラッシュの美術鑑定士、女性と接するのが極端に不得手で、秘められた彼の部屋には収集した膨大な女性の肖像画が収蔵されている。そんな彼が依頼を受けた廃墟にも見え>>続きを読む

囚われの美女(1983年製作の映画)

3.2

ルネ・マグリッドの絵画の絵葉書のような。謎の館、入れ子の構造の物語。「世にも怪奇な物語」や「あの胸にもう一度」的なイメージが拭えない。今作1983年かー。うんちょっと当時だとしてもこのイメージは古くな>>続きを読む

マイ・マザー(2009年製作の映画)

4.0

グザヴィエ・ドラン主演監督。19歳。愛しているけれども憎んでもいる母。恐るべき子供のドラン自身がここにいる。いや本当に驚愕のその早熟さだけではない煌き。アンヌ・ドルヴァルの母の姿もわかり合えないわから>>続きを読む

365日のシンプルライフ(2013年製作の映画)

3.2

フィンランド。部屋のモノを全て貸し倉庫に預け1日に一つずつ取り出しに行くというドキュメンタリー。‪お金を使う事も禁止だけど修理はオッケー、‬食べ物は弟くんが差し入れてくれるとかちょっとズルいんじゃない>>続きを読む

ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男(2017年製作の映画)

3.8

試合の結末は知ってても、この戦いは熱い!ウィンブルドンのビョルン・ボルグとジョン・マッケンローの壮絶な決勝戦。悪童マッケンローのシャイア・ラブーフもいい。ボルグ超イケメン。

ボルグの厳しく自分を律し
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ジグザグキッドの不思議な旅(2012年製作の映画)

3.4

フィンセント・バル監督。敏腕刑事のパパ、亡くなったママの事がわからない少年が怪盗おじいちゃんとママの痕跡を辿る。想像力でパパとママのかつて、を発見していくような素敵さ。イザベラ・ロッセリーニの歌姫。正>>続きを読む

ザ・ギフト(2015年製作の映画)

2.7

ジョエル・エドガートン主演・監督。ホラーかな?と思って観たんだけどサスペンスだった。引越してきた素敵な郊外の邸宅アッパー層の夫婦に偶然出会うかつての夫の同級生。んー、あんまり惹かれるとこなかった。>>続きを読む

ハッピーエンドが書けるまで(2012年製作の映画)

3.3

父と娘と息子の恋愛についての話。弟くんの初めてのちょっと問題を抱えた彼女との恋愛体験はキュンとするし、それぞれの痛み。しかし家族全員が文筆家ってなんか別の問題抱えそうですけど。リリー・コリンズかわいい>>続きを読む

ヴァレリアン 千の惑星の救世主(2017年製作の映画)

3.8

ピエール・クリスタン、ジャン=クロード・メジエールのバンド・デシネが原作。面白かった。パール星人の惑星ミールはとてもユニークな美しさで。現実と並行するVR空間で物ブツ受け渡しをするのも面白い。あの宇宙>>続きを読む

ヨーロッパ横断特急(1966年製作の映画)

3.8

ジャン=ルイ・トランティニャン。アラン・ロブ=グリエ自身が列車の中、映画の脚本を練る男、トランティニャンはその物語の登場人物として同時進行で描かれる。物語は行ったり戻ったり支離滅裂になって訂正されたり>>続きを読む

バンク・ジョブ(2008年製作の映画)

3.3

1971年イギリスで実際に起こった銀行強盗が基になっている。途中まで正直だるいな〜と思ってたんだけど、事を終えてからの展開が警察やMI5や公民権運動のテロリストやらポルノの帝王やら八方塞がりの中ステイ>>続きを読む

のぼうの城(2012年製作の映画)

3.8

犬童一心・樋口真嗣監督。2万の軍勢相手に500人で戦う。小田原征伐の忍城の戦い。こういう史実交えた話は面白くない訳がないので。野村萬斎さんは狂言師なのでちょっと大仰なお殿様成田長親ではありますが「のぼ>>続きを読む

スタンリーのお弁当箱(2011年製作の映画)

3.0

インド映画。正直途中までは、優しい友達や先生が協力してお弁当を持ってこれない、でもクラスの人気者のスタンリーを手助けするという道徳の授業的な作り物ぽいお話で退屈していたんですが、ラストの彼のお弁当に涙>>続きを読む

ビューティフル・デイ(2017年製作の映画)

3.7

ホアキン・フェニックス 。これは確かに「ジョーカー」の彼のいる違う世界線のようだ。母と暮らす彼。煩わしくも彼をこの世界に繋ぎ止めている。彼らの「It's a beautiful day.」とはどこに。>>続きを読む

ブラックパンサー(2018年製作の映画)

3.1

アフリカに超高度な隠された文明ワカンダ王国があり、その王座を決める儀式が行われる。ありそうでなかったヒーローの世界観ではある。天才科学者の妹はかわいいな。ブラックパンサー自体よりも女性陣のがかっこいい>>続きを読む

嘘をつく男(1968年製作の映画)

3.9

スロバキアの森の中、男は兵士に撃たれる。男は戒厳令下の町を歩き宿を探す。男の話や、唐突に介入するカット、ちぐはぐな音によって、その存在はわからなくなり、その反復によって、全てが次々に書き換えられ、全て>>続きを読む

ホドロフスキーのサイコマジック(2019年製作の映画)

3.3

劇場で観る予定にしてたんですけど、おうち時間になりましたのでオンライン先行上映にて。ホドロフスキー自身のマッサージを軸とするヒールのメソッドを他者に実践するその行為のドキュメンタリー。ホドロフスキーの>>続きを読む

誰よりも狙われた男(2014年製作の映画)

3.2

ジョン・ル・カレ原作。ドイツの諜報機関とCIAや人権団体とイスラム過激派のメンバーと言われる密入国の青年を巡る攻防を描いた映画。フィリップ・シーモア・ホフマンが捜査官でその内部でも成果を取り合っている>>続きを読む

ブエノスアイレス恋愛事情(2011年製作の映画)

3.2

ブエノスアイレスの雑多に無秩序に混み入った街、靴箱みたいに小さなワンルーム。だけど裏腹に建物の切り取り方は魅力的で。インターネットの世界や自分のショーウィンドウに引きこもった孤独な男女。ウォーリーを探>>続きを読む

放課後ソーダ日和-特別版-(2018年製作の映画)

3.2

「少女邂逅」とほんの少しのそのつながりがちょっとほっとする。クリームソーダこれはわたしには懐かしの飲み物、今の子には新鮮なのかな。色付きのソーダ水にアイスちょっとゴツいガラス。至高のキラキラですよね。>>続きを読む

少女邂逅(2017年製作の映画)

3.5

糸を出す蚕のような少女たち。蚕につけた名前と同じ名前の転校生。逃れたい世界と夢が交錯して。モトーラ世理奈さんのどこにもないその幻のような現実感のなさが儚く美しくて。彼女たちの教室は色を失った青白い小さ>>続きを読む

とうもろこしの島(2014年製作の映画)

4.0

川の中洲を見つけそこに小屋を建て畑を耕しとうもろこしを栽培する老人と孫。ジョージアとアブハジアとの紛争の最中、遠くで鳴る銃声、時折船で行き交う両軍の兵士。孫娘は人形を抱きしめる幼さと大人への変化が、そ>>続きを読む

みかんの丘(2013年製作の映画)

4.0

アブハジア自治共和国エストニア人の移民のいる村でみかんを栽培する人。ジョージアとの紛争が起こり二人の立場の違った傷ついた兵士が老人に助けられる。お互いを憎みながらも交わされる食事やお茶。戦闘への緊張感>>続きを読む

さらば、愛の言葉よ(2014年製作の映画)

3.3

3D作品として制作されたものなのでこのヴィデオのように荒く彩度の過剰な映像の映像としての効果がどうだったのか、これは判断がつかない。3Dというアプローチも独自のものなんだろうけど。これは2Dではわから>>続きを読む

サラは走る(2013年製作の映画)

3.3

陸上でモントリオールに進学するが資金面で両親はいい顔をしない。結婚をすると支援がもらえる制度で友人と偽装結婚をするが。走る事以外は何もわからないサラ。自分の事すらもわからない。走る事以外の楽しさもない>>続きを読む

ブロー・ザ・マン・ダウン~女たちの協定~(2019年製作の映画)

2.8

メイン州の港町イースター・コーヴの姉妹。妹が起こしたトラブルが元でその町の秘密が見えてくる。ああ、日本にも赤線っていうのが戦後ありましたよね。時折流れる船乗りの歌はとてもいいな。

転校生(1982年製作の映画)

4.3

尾道三部作の第一弾。小林聡美さんのあっけらかんとした感じや、尾美としのりさんのナヨナヨした姿。ノスタルジックな尾道の風景を8ミリフィルムで一緒に歩く。ショパンの「別れの曲」。

「さよなら、わたし!」
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サウンド・オブ・ノイズ(2010年製作の映画)

2.7

町中のあらゆるものを音楽に変えて演奏する音楽テロリストというのに惹かれてミュージック・コンクレート的なゲリラ音楽を想像してたんだけど、そこで演奏される音楽は至って普通のサンプリング・ミュージックでうー>>続きを読む

クスクス粒の秘密(2007年製作の映画)

3.8

フランス港街のチュニジア移民の家族、父親は家を出て家庭を持っているが、そこでも仮住まいのような暮らし。船上レストランを開店しようとしみんな奮闘する。延々と続く様々な不平不満がいつの間にやらあいつを助け>>続きを読む

ブレイン・ゲーム(2014年製作の映画)

3.0

連続殺人犯を追跡するためのアナリストにアンソニー・ホプキンス。未来や過去を読む超能力を持ってるんですけど、もうレクター博士にしか見えなくて。ここで流れる音楽がプッチーニの「ラ・ボエーム」だったりするの>>続きを読む

セブン・サイコパス(2012年製作の映画)

3.6

サム・ロックウェル、クリストファー・ウォーケン、トム・ウェイツ、おまけにハリー・ディーン・スタントンまで出ているみんなおかしなサイコパスぶりが面白くて、コリン・ファレルと同じように眉毛を八の字にしてw>>続きを読む

さよなら、人類(2014年製作の映画)

4.0

色のない角度のついたウェス・アンダーソンというかw 一つ一つの固定シーンが笑っていいのか困惑するような奇妙なコントで。バーに立ち寄るスウェーデン国王の戦地に向かう隊列が窓の向こうに流れて行くのは密かな>>続きを読む

ライフ・アフター・ベス(2014年製作の映画)

3.4

彼女が突如亡くなり、悲しみをこじらせた少年の青春モノかと思ったら、彼女は墓地から蘇ってきたでござる。ハイキング!ハイキング!ラベンダー!ラベンダー!彼女との夢のハイキングは最高でした。オーブンwww >>続きを読む