想田監督の声がかなり入ってる所に、別作品との距離感や感情移入のほどの強さを感じた。
NPOの介護福祉施設を運営している夫婦を追った作品。老老介護のような様子や、切迫した運営、独居老人の孤独、猫。
世>>続きを読む
昭和31年を舞台としたゲゲゲの鬼太郎のオリジン。
主人公はゲゲゲの鬼太郎にも出てくる目玉おやじの昔の姿、ゲゲ郎と、戦争経験により日本の腐敗した社会構造を内面化しのし上がろうとする水木の物語。
横溝正>>続きを読む
支離滅裂で下品で道理に反して「普通」とされているものを否定している。だからアングラ映画なのだが。
穴への謎の執着の変遷。「フラフープは流行じゃない」と叫びながら室内でフラフープを回す姿かから始まり>>続きを読む
如何にこの地上に地獄を作り出すか、いやこの地上にこそ地獄があるではないかを、バチバチに決まったライティングと、二人のだけの世界に1人加わり、構成最低人数の社会が形成されることで始まる怪談話のような御伽>>続きを読む
メモ
・『理想郷』的
・教会からいなくなるのがいい
・主人公が真に下らない人間で、彼こそが外を知り「余所者」の普遍的な排他的構造を知っていたのに
・最後、なんだか分からないのに奥行きを利用し>>続きを読む
『選挙』に引き続き鑑賞
精神科診療所に通う精神病患者達を群像的に撮る。1人の人物とその周辺を描いた『選挙』に対して、やや散漫な印象を与えながらも人の精神が如何に環境や境遇によって唯一無二な状態を保っ>>続きを読む
想田監督の観察映画一作目。
超面白い。2005年自民党から市議会議員補欠選挙にハッキリと凡人な山内和彦が巻き込まれ、当選するまでの流れを撮ったドキュメンタリー。
山内和彦という男が「選挙」に巻き込まれ>>続きを読む
サイコパスという言葉が広義であやふやで、めちゃくちゃ軽い。サイコパス=犯罪者は精神病患者=殺人鬼の強引な図式に近しい嫌さを感じさせた。
そこに加えて脳チップなる設定が追加されて、よりその言葉の意味する>>続きを読む
バーチャルリアリティーの在り方は、実際にその世界を堪能している人と、そこに所属せず外からやいのやいの言ってる人では、その認識の仕方が違う。それをこの映画は伝えてくれるのだ。
かつてなりきりチャットや>>続きを読む
今やこのハリウッドバビロンを彷彿とさせるスケールの史実映画を作ることが出来るのは、リドリースコット位かもしれない。確固たるヴィジョンに裏打ちされたこの一種の"公共事業"のようなスペクタクルは、人がその>>続きを読む
子育て中だったアニエス・・ヴァルダが50m圏内のダゲール街の人々の様子を撮影する。
小売店の中での時間感覚を体験したい、というのが作中での動機として定時されるが、同時に客と店の物理的距離感の近さにも小>>続きを読む
あらゆる意味で悪名高い本作を初めて鑑賞。
KKKが映画的な運動たる「馬」の躍動と共に、英雄的に描写され、"悪人=黒人"を成敗していくという後半の展開には目眩がする。既に自分の中にあるKKKへの印象故>>続きを読む
面白い!妊娠中の女性が、母体からの胎児への多大なる影響を過信し、「怒らない、驚かない、怖がらない」と感情を抑制してお腹の子ファーストな生き方をしていた。
ある種のコメディーにいくのかと思いきや、そのパ>>続きを読む
カットの連続性の限界に挑戦しているような作品。ところどころ破綻しているけど、異化効果を狙った演技の数々が「まぁいっか」とさせる。
家族にお荷物として見なされた寝たきり老人のおじいちゃんが、ゾンビとし>>続きを読む
以前シャンタル・アケルマンの『家からの手紙』を観たとき、カメラが持つ市井の人々の日常を変異させる力に驚愕したのを憶えている。
定点カメラが普段の日常空間にあるだけで、"そこ"に映る人々や、"そのカメラ>>続きを読む
素晴らしかった。大傑作だと思う。
「なかったことにされた物事」への視座は鋭く、熱を帯びていて、今だからこそ改めて議論の場に引きづり出す意義を感じさせたし、それを個人の限界への諦観を以て描いてるのが最>>続きを読む
小林賢太郎の名を全く知らずに鑑賞。
ハッキリつまらなかった。今年ワースト級。
映画を見に来たのだから最低限「映画」をみたいなぁと心の底から思ってしまった。
インドネシアに軍事政権が樹立し、コミュニスト狩りが行われ、凄まじい人数の人々が虐殺された。その加害者側の一人である男に当時の殺人の様子を再現してもらい、それを1つの映画にしてもらおうと依頼する。
「>>続きを読む
精神病棟に閉じ込められていた謎の女性モナ・リザの逃避行。
何故施設に収容されていたのかや能力の原因には触れないスタンスが、抑圧されていた女性の自由への逃避行という寓話だという意思表示かのようで、色々と>>続きを読む
「君は成功のアレルギーなんだ」という痛烈な一言が未だに心に残響している。
LAで偶然ご近所になった二人の男は、超常現象に発見し、それを撮影記録し、ドキュメンタリーにしようとする。
『アンダーザシルバ>>続きを読む
全部は遊びで戯れ、そしてアホくさい。男同士の男だけの社会も突き詰めていけば、満たされるべき欲望は支配欲のみ。
そんなホモソーシャルの中では性欲のはけ口として女性すら存在せず、男は男同士で完結してしまう>>続きを読む
毎日3Pしてる脱落した活動家と彼を危険人物として監視する公安。
ピンク映画というフォーマットに則り、過激で秀逸なセックスーシーンを描きながらも、闘争脱落者のうだつの上がらない姿を描いていて、闘争の日々>>続きを読む
ほぼ全編が長回しのショットでクロスフェードで繋がれている。しかし主人公菊之助が旅を経て久しぶりに大舞台へと立った「関の扉」の墨染を演じる場面では、切り返しのショットを多用する。またこの映画の白眉である>>続きを読む
フランク・ボーセージ監督第一回アカデミー監督賞受賞した際の作品。
下水道清掃をしていたチコと姉に虐められ、臆病故にそこから抜け出せなかったディアンヌの戦争を跨ぐ恋愛物語。
「チコ、デュアンヌ、天国>>続きを読む
WWⅡ以前の日本のサイレント映画。小津の現存する最古の映画。
学生の三角関係コメディーとして秀逸なのは然ることながら、とにかくショットが気持ちがいい。
見やすくて状況が分かりやすい画角で「こちら側」>>続きを読む
「金の換金を、高額紙幣で頼む」「軽い方が持ち運びやすいからな」
この二言しか喋らなかった男は、その生きようとする意志によって「奪われる」ことへの怒りを雄弁に物語る。
西部劇的に統一された演出と『マッド>>続きを読む
久しぶりに引いたぜ!最初の何気ないモンタージュからもうダメな感じが醸し出されていてある意味凄かった。あの場面1つで、この映画が出てくる登場人物を捌けないことが証明されてしまっているかのようでびっくりす>>続きを読む
とにかくエネルギッシュに人生を進めていく。その先には破滅しかないのだが、その刹那的な生き方が大島渚から始まり、連綿と続く松竹ヌーベルバーグ的なストーリーなのだろう。
大島渚は結構好きなのだが、本作は好>>続きを読む
デヴィッド・フィンチャーの『ザ・キラー』に明らかに影響を与えていて、確かマイケル・ファスベンダーが本作をちょうどオファー前に観ていたという話らしい作品。
サムライというタイトルは、その武士道精神のこ>>続きを読む
森田作品におけるコミュニケーションの描かれ方は両極端だと思う。
80年代当時の邦画には紋切り型の映画文法によって無視され、表象されずにいた冷ややかな共同体の繋がりを描き、現実を誠実に視座を向ける。また>>続きを読む
とにかくフレーム内フレームの使い方、フィックスショットによる弛緩の意図的な使い方、それらの使い方が明らかに『黄色い家の記憶』より冴え渡っていた。
神の使いと自称する男に大金を無条件に渡される男。その>>続きを読む
陰影が強調され、緩やかなパンや前方向のドリーを印象的に利用した映画的に上品かつ上質な映像感で贈る、とにかく好感を許さない下品で身も心も貧相な男の物語。
撮影したくてたまらないようなリスボ市内ンの街並>>続きを読む
凄まじい怒りを感じる。その怒りがエンタメにも芸術にもなってなくて(なる必要もない)、追悼的なニュアンスもなく、今の時代にチューニングされたテロルとして発露されている。
昔ならもっと過激な作品になってい>>続きを読む
日本映画の70年代はやはり、革命の時代だったんだなと再確認出来る一本。
スクリーンプロセス的なセットと合成撮影、ロールを強いた脚本、分かりやすい演技、合理性や精細さよりと"衝撃"を優先したモンタージ>>続きを読む