そういえば「菊とギロチン」を初日に観に行ったとき東出昌大氏がテアトル新宿の前でチラシ配ってたな、などということを思いながら鑑賞。
実際に生き物を撃ち、その内臓を取り出し、肉を解体して食べる、そのさまは>>続きを読む
アリ・アスターの3作目。「ミッドサマー」観たときも「このひと実はめっちゃ繊細で良い人なんだろうなー」と思ったが、「ボーはおそれている」でもおんなじことを考えた。
母親の感情に子の抑圧。家族というなかで>>続きを読む
「聖なる鹿殺し」を観てからヨルゴス・ランティモス監督のファンである。不穏で、けれどどこか滑稽で。
「哀れなるものたち」はそれに加えて、歓びがある。エマ・ストーンのベラ、登場時は言葉もままならぬ「大人の>>続きを読む
選挙ドキュメンタリーは好きだ。選挙というのは最も身近に自分の思いを政治に反映させられる手段なのに、中身はいまひとつわからないことが多いから。
杉並区長選挙が大変僅差だったことは知っていたけれど、このよ>>続きを読む
ようやく観た。森達也が初めて撮った劇映画。
森達也に映画的な画いけるのかな(すみません)などと思っていたがそこはきちんと劇映画だった(脚本家陣を観てこの映画観に納得したりも)。また、視点人物を適度に散>>続きを読む
ブラッドリー・クーパーが自ら監督してレナード・バーンスタインを演じ、その妻をキャリー・マリガンが演じる、いわばバーンスタイン夫妻の人間関係映画である。
確かブラッドリー・クーパーの特殊メイクが批判され>>続きを読む
よく考えたら北野武の映画ちゃんと観たことないなと思いつつ鑑賞。
初っ端から首なし死体が転がってて、これでもかというくらいしゅっと首が飛びまくる。首ってあんなに簡単に飛ぶのか…。この世界には忠義も仁義も>>続きを読む
カンヌ国際映画祭男優賞受賞作。
ひとことでいえば「トイレ清掃員の日常」。だが、毎日規則正しいルーチンを丁寧にこなす男、役所広司演ずる平山は、どこかしら人間を超越しちゃってるな、と観終わったあとしみじみ>>続きを読む
ケリー・ライカート監督作日本初公開!と言われても無知過ぎてピンとこなかったが、私の好きな映画監督たちの絶賛コメントを読むとそれは観たくなるというもの。
時代的には西部劇の時代の、男性の友情物語ではある>>続きを読む
あまりに評判がよいため(神田伯山先生がラジオで絶賛していたため)鑑賞。さすがバルト9。上映回数がすごい。
これPG12でいいの?!という突っ込みありましたが確かにこれはせめてR15くらいでは。お嬢さん>>続きを読む
マーティン・スコセッシの新作は「アイリッシュマン」ばりの長さだし絶対に映画館で観なくては…と思いつつもその時間を確保できずようやくの鑑賞。
原作は観る前に読みたかったが完全に積読である。「花殺し月の殺>>続きを読む
クエンティン・タランティーノによるリビジョニスト・ウエスタン。奴隷制度というものをこういうエンタテインメント振り切った西部劇で描いてしまうのはやっぱりタランティーノのセンスなんだろうなと思う。
レオナ>>続きを読む
にわか映画好きだから「パルプ・フィクション」は初見である(というか、タランティーノ作品は「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」しか観ていない…)。
なんというか、特に主張もない物語の積み重ね>>続きを読む
そういえばジブリの映画を劇場で観たのはいつぶりだろうか。本当に遠い昔のことのような気がする。
事前の宣伝一切なしで公開された「君たちはどう生きるか」、パンフレットで予習しようと思ったらパンフレットも売>>続きを読む
試写会にて。
もう粗筋を読んだだけで、筒井真理子主演と聞いただけで、「やばい絶望だな」という気持ちになっていたのだが(でも深田晃司監督作品の筒井真理子を観るとやっぱり絶望しちゃうのである)、いや、なか>>続きを読む
A24史上最高の興行収入を叩き出して賞レースもトップを走る「エブエブ」の監督が「スイス・アーミー・マン」のコンビだと鑑賞直前に知った。
「スイス・アーミー・マン」もまあ訳がわからないエモーショナルな映>>続きを読む
16mmフィルムの質感、画面の緊張感、「目を澄ませた」ケイコの眼差し。
冒頭にあるボクシングのトレーニングシーンのリズミカルさ。劇伴を廃して届けられるさまざまな生活音。音のリアルさに触れるたびに、「あ>>続きを読む
ある日突然、親友(だと思っていた人)から「退屈だから話しかけないでくれ、話しかけたら指を切る」ってそりゃあなた…と思うが、「イニシェリン島の精霊」はそういう話だ。
内戦のメタファーとしての人間関係の側>>続きを読む
よくよく思い返してみれば、原作を読んだこともなければディズニーの映画も観たことがない。ピノキオはそれでも大変有名だから断片的な知識だけはある。ゼペットじいさんが木で作った人形がピノッキオで、嘘をつくと>>続きを読む
どうして馬はあんなにも美しいのか。そしてみんなで合唱する姿は楽しいのか。
「ドリーム・ホース」は基本元気になれる映画だ。希望があって絶望がない。明るい。
くたびれたトニ・コレット演じるジャンと、いびき>>続きを読む
「バーフバリ」のS.S.ラージャマウリ監督の最新作ということで、まあ感想が結構すごかったので、この機会にと鑑賞。
筋とか辻褄とか考えてはいけない。なんというのですかね…暴れん坊将軍を1万倍くらい?拡張>>続きを読む
「母たちのドラマ」と「スペインの歴史」を絡め合わせた本作は、とても心を揺さぶられるのだけれど、一見だけで何かを理解した、とはいえない複雑さを持ち合わせている。
パンフレットでペドロ・アルモドバル監督の>>続きを読む
観終わったあとも放心状態というか、打ちのめされたともいえる。
あのときあの事件にさえ遭遇しなければ、交わることのなかった人間たち。その苦悩は想像はできるけれども決して体感できず、外側からそれを見つめる>>続きを読む
2021年ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞。原作のアニー・エルノーは2022年度ノーベル文学賞受賞。
「あのこと」という邦題は凄いと思った。まさに大っぴらに口にできない「あのこと」。
中絶が違法だった1>>続きを読む
NHKBS1で「キャッチ!世界のトップニュース」を見ていたら藤原帰一さんが紹介していたので早速鑑賞してきた。
ワインのソムリエというのはなんかグラスをくるくる回しているというイメージしかなかったのだが>>続きを読む
「ドント・ウォーリー・ダーリン」は、ある意味予想を裏切らない作品だ。展開に著しい意外性はない。
「完璧な街」の暮らしはやはり、「神の視点」的観客から見れば完全にディストピアのそれだ。最近さまざまな宗教>>続きを読む
Filmarks試写会にて。
原作は発売と同時くらいに読んだが、かなり前なので記憶が薄い。そこで自分の感想を読んだところ「なぜ著者はあの「序」を入れたのだろう」と書いてあった。さっぱり思い出せなかった>>続きを読む
東京フィルメックスにて。
ジャファール・パナヒ監督の最新作であり、ヴェネツィア国際映画祭で特別審査員賞を受賞した作品。パナヒ監督は2022年7月11日に拘束され、現在は収監されている。
映画制作と海外>>続きを読む
初日に鑑賞。東京国際映画祭観客賞。
「街の上で」にどことなく通じるものがある、もどかしい人間関係劇。
妻の浮気にショックを受けない自分に悩む主人公、正直だな…と羨ましいような居た堪れないような。
恐ら>>続きを読む
東京国際映画祭にて。クロージング作品。
実は黒澤明の原作の方は観ていないので、どこまで原作に合わせてきたかはよく分からないのだけれども。
黒澤明ファンだというカズオ・イシグロの脚本は、舞台をロンドンに>>続きを読む
東京国際映画祭にて。ワールド・フォーカス。
防弾チョッキ業界で一時代を作り上げたリチャード・デイビスを栄枯盛衰を追ったドキュメンタリー。
冒頭、まず自分に銃口を向けて撃つというシーンから始まる。192>>続きを読む
今年初の東京国際映画祭参戦。ノア・バームバックの新作で、ヴェネツィア国際映画祭のオープニング作品。
大変シュール…というか不条理なブラックコメディで、全部理解するのは到底無理、なのだが、とにかくどこか>>続きを読む
韓国のトップスター・ファン・ジョンミン氏が誘拐されました…
とまあ、ファン・ジョンミンがファン・ジョンミンを演じるサスペンス映画である。
やばい集団に絡まれて、帰宅途中に拉致されて、脅されるファン・ジ>>続きを読む
映画というのは大体観たら疲れるものだが、この作品は心底ぐったりした。これまで観た深田監督作品の中でもダントツで疲れ果てた。
「幸せ」に潜む痛みと、突然の喪失と、人間が皆持つ「正しくなさ」。エゴ、と表現>>続きを読む
IMAXレーザーGTで鑑賞しなければと思っていたのでようやくの鑑賞。
ジョーダン・ピールがただのホラーとかUFOスペクタクルを作るとは思えなかったが、今回のは中々高度じゃないかな、と感じる。
ダニエル>>続きを読む
ウォン・カーウァイはまったく観たことがなくて(!)、今回の特集上映もなかなか行けず、「ブエノスアイレス」を選択したのはチャン・チェンが出てるからというだけの理由である。ある意味ひどい。
率直にいえば、>>続きを読む