ムイ子さんの映画レビュー・感想・評価

ムイ子

ムイ子

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ある男(2022年製作の映画)

3.6

真実は1つ…

とは限らないのです。

人が関わる以上、人の数だけ真実はあり、見え方も違うのだから。

そんな曖昧なものよりも、確かなこと。

「さみしいね」

息子がポロリとこぼす言葉。

素直な、
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ノートルダムの鐘(1996年製作の映画)

2.5

今の時代、コンプラ的に…って感もあるけれど、勧善懲悪で、メッセージはシンプル。

誰かと関わるコトで、自分の殻を破っていける。
喜びを、幸せを、感じることができる。

で、けっきょく、美男美女がくっつ
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ナイル殺人事件(2022年製作の映画)

3.6

まさに、サスペンスエンターテイメント。
サスペンス初心者にも安心してみていられる映像です。
格調高いセリフで、サスペンスドラマが上品さをまといます。

超セレブの豪華客船の旅、眼福でございました。
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スパイの妻(2020年製作の映画)

3.8

「お見事です」!


高橋一生と蒼井優、このお二人を主役に置いたことでほぼ成功なんではないでしょうか。
そして、ラストで笹野さん、いい仕事しますねー。

前半のお上品なセリフ回し。
それも伏線かと思え
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TAR/ター(2022年製作の映画)

2.9

話の落ちどころがよくわからなかった…
何を主題にしているのかが、そもそも謎で…
主人公を女性にする必要もあったのかな?と感じてしまう。
作り的には、とても完成されていて、役者もすばらしい。
ですが、テ
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蛇イチゴ(2003年製作の映画)

3.8

キャスティングが、見事にハマっています。
この頃から配役も上手かったのですね。
そうそうたる役者の中に、芸人が1人。
その異質感が、家族の異端児的な長男の存在を際立たせます。
雨上がり決死隊のツーショ
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英雄の証明(2021年製作の映画)

3.9

重厚に幾重にも練られたストーリー。
その見事さに、唸ってしまいたくなる…
見終わった後からも、ジワジワと追いかけてくる。

なにが真実なのか…
誰がうそをついているのか…

いや、そんなことはどうでも
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ノマドランド(2020年製作の映画)

3.6

人それぞれの幸せがあり、それぞれの人生の選択がある。

自由ってなんだろう…

ノマド生活も、自由そうでいて、内実自由ではない。
むしろ、衣食住が足りて、社会規範の中で生活する方が自由なのでは?とすら
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マッチ工場の少女(1990年製作の映画)

3.9

最初のセリフが出てくるまでが長くて、今か今かと待ち望んでしまいました。
そんな独特の間が、クセになる。

見るからに最低賃金も貰えていないであろうマッチ工場で細々と働き、その稼ぎさえ、母と母の男(働い
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真夜中の虹(1988年製作の映画)

3.7

これでもかってくらい不条理な世の中。
労働者階級の失業、日雇、日暮しのやるせなさ。
だけれどもそこに失望はない。
極寒の北欧で、オープンカーぶっ飛ばすのですよ。
でっかいキャデラック乗って。
ロードム
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パラダイスの夕暮れ(1986年製作の映画)

3.3

鬱屈とした空模様、風景、空気感。
労働者階級の状況を表しているよう。

どうしようもなくやるせない雰囲気も漂わせつつ、そこに悲哀や苦しみを描いているわけではない。
むしろ、そういう中でも、生活し、生き
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グランド・ブダペスト・ホテル(2014年製作の映画)

4.1

オープニングの映像が始まるやいなや、「はい、ウェス・アンダーソンの世界へようこそ!」って感じで、一気に世界観の中に引き込まれます。
どれを切り取っても絵になる構図。
独特の映像と間がクセになります。
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

3.3

人気のピークを過ぎた俳優のリックをレオナルド・ディカプリオが好演。
哀愁漂う様とか、往年の俳優のプライドとか…
どうしようもないヤツなんだけど、とっても人間臭く、チャーミングに演じてます。
対して、プ
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別れる決心(2022年製作の映画)

3.6

ねっとりと絡みつく質感。
情感たっぷりの演出。
目線が、指先が、愛を語る。
それでいて、決定的な言葉は何もない。
すべてが不確かなまま、進んでいく。

目線や表情を読みとるように構成された独特のつくり
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プラダを着た悪魔(2006年製作の映画)

3.8

アン・ハサウェイがおしゃれなお洋服着てNYを闊歩する姿を観るだけで眼福。

え?太ってるの?とか、ファッションセンスないのにいきなり?とか、ちょいちょいで、疑問は浮かんできますが…
なんせ、テンポが早
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少年の君(2019年製作の映画)

4.1

時間にして135分。
2時間15分なんですよ。
その中に、なんて重厚で濃密な、心を揺さぶるストーリーを詰め込んでいるのでしょう。
観終わった後には、軽い疲労感をおぼえます。

正義や正論は、はたしてわ
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ミセス・ハリス、パリへ行く(2022年製作の映画)

3.8

夢の叶え方がここにはあります。

純粋に夢を追いかけて、大好きなものは大好きと公言する。
お手伝いさんだって、なんだって、クリスチャンディオールのドレスを着たいのです。
そんな人には、
「ゆめを追いか
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ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

3.9

「生まれてくれてありがとう」
なんて、破壊力のある言葉。
なんて、全てを包み込む受容力のある言葉なのでしょう。
トドメのように癒しを与える。

日本人のキャストだったら、もっと生々しく感じたかもしれな
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ソウルメイト/七月と安生(2016年製作の映画)

4.5

時間にして、2時間足らず。
たったそれだけの時間しか経過していないのに驚く。
それなのに、それなのに、なんて重厚な深い余韻を残すのだろう。
観終わった後には、軽い疲労感さえ漂う。

女の友情?
いいえ
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デッド・ドント・ダイ(2019年製作の映画)

3.6

ゾンビ映画とかは基本観ないのだけれど‥
そこは、ジムジャームッシュ監督ということで、がんばって鑑賞。

ゆるいです!
ゾンビ嫌いな人でも大丈夫👌
ゾンビの恐ろしさとか凶暴さとか、全然なし。
ゾンビがア
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ザ・スクエア 思いやりの聖域(2017年製作の映画)

4.2

いやいや、なんともおもしろいです。
終始、ディスってます?
ディスってますよね。

価値があるとかないとかが大切なのではなく、どう付加価値をつけるかが大切。
付加価値によって人をどう惹きつけるか。
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幸せなひとりぼっち(2015年製作の映画)

4.1

1人でいるのが楽。
1人になりたい。
そう思う時もあるけれど…
人が1人で生きていくことはできない。
避けていたって、どうしたって、つながっているし、関わっている。

亡くなってしまった愛する奥さんが
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きっと、またあえる(2019年製作の映画)

4.0

展開は、わかってしまう。
わかってしまうけど、一緒に泣いて笑ってハラハラしちゃう。
シンプルでいいのかもしれない…
いや、シンプルがいいんだ!
どストレートでなにが悪い?

「僕らは勝敗、成功や失敗に
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サンザシの樹の下で(2010年製作の映画)

3.5

文化大革命のことを知っていたら、もっと深く、時代に翻弄されるやるせなさや怒りが込み上げてきたかもしれない。

でも、全く時代背景を知らなくても、時代に制圧され、押しつぶされそうな感覚は画面から伝わって
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ファーザー(2020年製作の映画)

3.9

なんのストーリーかわからずに見始めると、何が起こっているのかわからず、ちょっとしたパニックを起こしてしまいそう。
時系列もバラバラ。
登場人物も、ん?誰?って、なる。
実在の人物なのかどうかもあやふや
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ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)

4.1

かっこよいです。
スパイク・リー監督にしか出せないかっこよさ全開。
根深い人種差別への苛立たしさ、怒りを根底に持ちながらも、それを正論で説き伏せようとはしない。
風刺はたっぷりだけど、それがストーリー
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ミナリ(2020年製作の映画)

3.7

この家族はいったいどうなるのだろう?
これは、ハッピーエンドなの?
そうは思えない…
この先のこの家族のサクセスストーリーは私には想像ができない。
貧しくも家族仲良く幸せに暮らしていく。そんな未来も想
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ベルファスト(2021年製作の映画)

4.3

子供の世界、大人の世界、夫婦の世界。
それぞれの視点から見る世界の違い。

子供の視点、夫の視点、妻の視点、母の視点、父の視点、それぞれのそれぞれの世界。
時にぶつかりながら、調和しながら世界は作られ
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キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン(2002年製作の映画)

3.4

うわぁ、ハリウッドって感じでした。
っていっても、そんなにハリウッド映画見てるわけでもないので、あくまで個人的感想…
ラストの終わり方とか特に…
実話だそうですが。

天才詐欺師と彼を追う刑事の攻防戦
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17歳の瞳に映る世界(2020年製作の映画)

3.4

どうして女性ばかりがこんな目にあわなくてはならないんでしょう…
身体もココロも傷ついて。
やるせない怒りがお腹の底からふつふつと湧き上がってきます。

けれども、映画は多くを語らない。
セリフも最低限
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プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

4.4

すごい作品を観てしまった。
パーフェクトな作りなのではなかろうかと思ってしまう。
生々しく社会提起しがちな問題を扱いながら、一見POPで、明るい色彩の描写。
主人公が、キュートなんです。
そのキュート
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ピースオブケイク(2015年製作の映画)

3.0

多部ちゃん、ガッツリラブシーン?なのビックリ。
しかも恋にちょっとだらしない女の子だし。
綾野剛もだらしない感じの優男。
こちらは、ハマってますね。

そして、脇役が豪華!
配役がしっかりハマってて、
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キャッツ(2019年製作の映画)

2.0

セットがめっちゃ豪華。
もうそれだけでいいやって感じ。
こんなのをめちゃくちゃお金かけて作ってるんだなと思うと、ハリウッド?ってすごい世界だなと思う。

一見バカらしそうとかできなさそうなことを形にす
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ラスト・クリスマス(2019年製作の映画)

3.4

ラストクリスマスっていう言葉が、切なく響く。
単なる恋愛映画ではなかった…

劇中のセリフ「日常の小さな行いがその人の人格をつくる」。
そうだよね、自覚を持って行動していこうって思える。
ほんとに自分
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夢売るふたり(2012年製作の映画)

3.9

見応えあり!
終わったあとのなんとも言えない余韻がすごいです。
ねっとりとまとわりついてくる余韻。

最後のテロップ、総作、指揮、監督、全部西川美和って流れるの超かっこいい。

言葉にできないどうしよ
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長いお別れ(2019年製作の映画)

3.5

優しいなと思う。
あったかい。
いろんなことあるよね…

それぞれに抱えてるものはあるけど、家族への眼差しが温かいし、希望がもてる。

悲しさや切なさの中にユーモアとか笑いを持ってくるのがほんとうにう
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