あらたさんの映画レビュー・感想・評価

あらた

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パンズ・ラビリンス(2006年製作の映画)

4.4

ギレデル先輩のダークメルヘン。
夢見がちな少女の空想と過酷な現実との二重構造が魅力的。
現実の部分だけを取り出して主人公オフェリアを見るとあまりに不憫で、現実ではない別の世界(おとぎ話や空想)にすがら
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ペレ 伝説の誕生(2014年製作の映画)

4.2

派手な映画ではないけど良い映画。
特に序盤の少年期はそれだけで一本の映画を見た気分になれるくらい満足感があった。
サントスFCに入ってからは、少年期にクリアした問題(普段と違うサッカーをしようとしてう
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ノートルダムの鐘(1996年製作の映画)

4.3

差別と迫害をテーマにしたディズニーの文芸映画。
原作はもちろんヴィクトル・ユーゴーの古典。

まずカジモドのキャラクターデザインが凄い。「見ようによっては可愛い」みたいな逃げに走らず、きっちり醜い。
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シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

4.0

メヒコのオタク番長ことギレルモ・デル・トロのオスカー受賞作。

「誰が誰を愛してもいい」という強烈に肯定的なメッセージはとても現代的で素晴らしい。
さして美人でもない発声障害の掃除婦、キモカワ半魚人、
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真田十勇士(2016年製作の映画)

3.5

映画冒頭いきなり数分間アニメになるのだが、これが「この映画はアニメ的に見てくださいね」と観客に伝えるという点で効果的。
これがあるから、登場人物の行動にリアリティが無かろうと戦国時代にそぐわない言葉や
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クロノス(1992年製作の映画)

4.0

ギレルモ・デル・トロ監督のデビュー作。
古物商のおじいちゃんが商品の天使像の中から見つかった謎の虫型機械・クロノスに刺されたところ、あら不思議、吸血鬼になっちゃった。しかもその機械を狙う敵も現れて…と
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男たちの挽歌 II(1987年製作の映画)

3.8

ガンアクション!爆発!男の友情!かっこいい死に様!以上!
監督の撮りたいものが単純明快で、その潔さが清々しい。

もともと前作のヒットを受けて無理に作った続編なので、前作で死んだマークの双子ケン(もち
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シン・シティ(2005年製作の映画)

3.5

アメコミ原作の白黒で描かれた汚れた街のおとぎ話。
基本モノクロで時折ビビッドな色が部分的に入り、鮮烈な印象を与える。
演出も、役者の動きより決め絵のかっこよさを重視しており、映画というより動くマンガと
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桐島、部活やめるってよ(2012年製作の映画)

4.9

怖い。懐かしい。痛い。恥ずかしい。悔しい。面白い。
いろんな感情が渦巻いちゃってもう心の中がぐちゃぐちゃ。
自分が教員ということもあるが、翌日の仕事にも軽く支障をきたすほどだった。

学校における生徒
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スター・トレック イントゥ・ダークネス(2013年製作の映画)

4.0

初スタートレック。
話のテンポが早く飽きさせない。

エンタープライズ号のクルーがみんなどこかしら欠点を持っているのがとても良い。
カークは無鉄砲だし、スポックは感情表現が下手だし、スコットは頑固だし
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孤高の遠吠(2015年製作の映画)

4.2

実際に街の不良をキャスティングしたインディーズ映画。
スタッフロールで裏方としても役者の名前が並んでおり、本当に身内で作られたことが分かる。

うひー怖え。富士宮絶対行かない。
出演者が富士宮のリアル
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ミンボーの女(1992年製作の映画)

4.0

ワンパターンと笑わば笑え。
伊丹十三監督『〇〇の女』シリーズ、安定の面白さ。
この作品に限ったことではないが、もう本当に奥さんでもある宮本信子に伊丹監督は惚れ抜いてたんだろうなぁと微笑ましい気分になる
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ルパン三世(2014年製作の映画)

1.7

原作物としても、単品の映画としても不出来な作品。

まず原作物として。
役者の服装や口調といった表層だけはそれぞれのキャラクターらしくなっている。特に小栗旬はルックスも台詞回しもかなりルパンっぽい仕上
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レッドタートル ある島の物語(2016年製作の映画)

4.6

ほぼセリフのないジブリによる実験的アニメ。
ストーリーはシンプルだが、ともかく映像が美しく、どの場面を切り取っても1枚の絵になる。
映画館に観に行けば良かったと後悔中。

この映画は「神の視点」から描
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ミスティック・リバー(2003年製作の映画)

4.4

いやー良い映画。
こういう「あの時にはもう戻れない」系作品たまらん。
「なんで俺たちはこんな風になっちまったんだ」という感情はとても映画的だと思う。

幼馴染3人を演じるショーンペン、ティムロビンス、
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あゝ、荒野 前篇(2017年製作の映画)

3.8

CSでやっていた完全版を鑑賞。後編まで含めての感想です。
寺山修司、ヤンイクチュン、菅田将暉という座組は最&高!
特にヤンイクチュンの演技力に脱帽。この人の演技は「演じる」と言うよりも「なる」という表
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東京難民(2013年製作の映画)

2.3

父親が失踪し、大学を除籍になった若者が周囲に利用されてホームレスへと堕ちていく。

この手の「現代社会の底辺でもがく若者」を描く映画はリアルであるかが評価軸になると思うが、この映画からはリアリティをあ
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スター・ウォーズ/最後のジェダイ(2017年製作の映画)

3.2

混じり合わない交響曲を聴かされてる気分だった。
レイとルーク、ポーと反乱軍、フィンと新キャラローズ、葛藤するカイロレン。これらがバラバラに進行して、ともかく響き合わない。
最後の最後にようやくこれ見よ
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レザボア・ドッグス(1991年製作の映画)

4.0

タランティーノのデビュー作。
お互いに素性を隠した宝石強盗一味が計画に失敗し、疑心暗鬼に囚われていく。

最初の10分間の構成が気持ちいい。
カフェの円卓でスーツの男たちが無駄話に興じている。ライクア
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殿、利息でござる!(2016年製作の映画)

4.1

藩の命じる労役に苦しむ宿場町が、藩にお金を貸すことで苦しい現状を打破しようとする。

阿部サダヲ主演なのでいつもの軽いコメディかと思いきや、時代考証がしっかりしていて役者も演出も抑制の効いた、ほどよい
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宇宙人王さんとの遭遇(2011年製作の映画)

4.0

中国語通訳者の主人公は政府機関に依頼されて中国語を話す宇宙人“王さん”への取り調べを通訳することになる。
はたして“王さん”が地球にきた目的とは?

ラストシーンで、あるキャラクターが言い放つ後味の悪
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TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ(2015年製作の映画)

2.3

修学旅行中にうっかり死んでしまった少年が好きな子に再会するために地獄でロックバンドを組む。

向井秀徳が音楽監修を務めており、音楽は楽しい。
中でも憂歌団の木村充揮さんが出てきて、あのしゃがれ声で一曲
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SUPER 8/スーパーエイト(2011年製作の映画)

4.5

E.T.に通じる王道SFジュブナイル。
映画マニアの少年たちが偶然軍の機密を写してしまい、町を襲う異星人との戦いに巻き込まれていく。

良い!ちょっと懐かしさを感じさせる愛らしい娯楽映画で、肩の力を抜
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ソレダケ that’s it(2015年製作の映画)

4.3

自分を虐待した父親を殺すことを生きがいにしている染谷将太が、たまたま盗み出してしまったHDをめぐり綾野剛率いる組織と対立していき…
石井岳龍監督がロックバンドbloodthirsty butchers
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燃えよ!ピンポン(2007年製作の映画)

3.4

なんで俺はこんな映画を録画してたんだシリーズ。
元天才卓球少年が師匠とヒロインと共に父の仇の中国マフィアの打倒を目指すコメディ。

監督が20秒に1回はギャグを入れる義務を自分に課しているのではないか
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アキラ AKIRA(1988年製作の映画)

4.7

なんてかっこいい未来の東京なんだろう。猥雑で、人の命が軽くて、不安定で。

現在2017年。AKIRAの時代も目前というのに、日常は予定調和に満ちていて緩慢な変化しか見せない。「新しいiPhoneが出
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クローバーフィールド/HAKAISHA(2008年製作の映画)

3.4

全編POVで撮られた怪獣映画。
ホームカメラで撮られた映像という設定なので、常に手ブレがあり画面の質も荒い。しかし、それが却って怪獣に襲われたパニックの臨場感を増し、(カメラがはっきりと怪獣の全貌を写
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息もできない(2008年製作の映画)

5.0

韓国ノワールの大傑作。
韓国社会の底辺に生きる若者たちの苦悩とささやかな希望を描く。
いやー、凄かった。130分間、圧倒された。

徹底的に人の弱さを描いて描いて描いて描き切ったその先に、かすかに残る
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愛の渦(2013年製作の映画)

4.2

乱行パーティーに集まった初対面の男女8人の一夜。
自分も乱行パーティーに同席しているかのようなライブ感があって、常に「自分ならそこでどう振る舞うか」を問われている感じが良かった。
性行為をエロいものと
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明烏 あけがらす(2015年製作の映画)

1.0

人生ワースト級。
作り手のとことんナメた姿勢が気にくわない。
題材であるホストや落語も、パロディの対象とした北の国からも、はては映画を見ている客までも、心底ナメきっている。

特に観客を馬鹿だと思って
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悪の法則(2013年製作の映画)

3.0

主人公の弁護士が軽はずみに裏社会と関わりを持ったせいで、周囲の人間もろともめちゃめちゃ追い込まれていく話。
私に理解できたのはここまでで、それ以上のことはよく分からなかったというのが正直な感想。

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ジャズ大名(1986年製作の映画)

5.0

大好きな映画。
筒井康隆の原作も十分に面白いが、戊辰戦争を音楽でやり過ごすという改変が秀逸。
それによって、ラストの異常なまでの音楽的カタルシスが強調される同時に、作り手のメッセージがお説教臭くないの
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アウトレイジ 最終章(2017年製作の映画)

3.8

アウトレイジシリーズの楽しさはドミノの楽しさに似ている。
ほんの些細なことをきっかけに事態が連鎖的に進展していき、やがてアイディアに満ちたいくつもの暴力に至り、最終的には全てのコマが倒れて虚無が訪れる
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チャッピー(2015年製作の映画)

4.4

意識をプログラムされた警官ロボット・チャッピーが人間の理不尽さに触れ、どう成長していくか、という話。
チャッピーは非常に人間的で、同じ監督の『第9地区』と同様に優れた寓話。

何よりも、意識を持ったロ
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打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?(1993年製作の映画)

4.6

話はご都合主義だし、カメラは無意味に揺れてるし、キャラは類型化されてるし、子役の演技は下手だし、ちゃちいテレビドラマみたいなセットだし、監督のロリコン趣味炸裂だしと、減点法で観るならいくらでも点数を引>>続きを読む

DENKI GROOVE THE MOVIE? 石野卓球とピエール瀧(2015年製作の映画)

3.5

結成25周年を記念して作られた電気グルーヴの伝記映画。
25周年ライブと関係者インタビューと電気の歴史を振り返る過去映像という、3つの要素から構成される。
正直、電気の映像を2時間流されたらそれだけで
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