arzachさんの映画レビュー・感想・評価

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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.1

プロメテウスの引用が作中に何度も出てくるが、新しい発明や思想には常に良い面だけでなく世界を一変させるリスクを伴う。その一方でそれを生み出した者に責任はあるのか。

相手が同じ原爆を持つことで互いが抑止
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斬、(2018年製作の映画)

4.2

人を斬るということ、時代劇ですれ違い様に流れるように斬っていく姿は美しく、それが視覚的に良いものだと思ってきた。

でも本当に恐ろしく越えがたい壁は初めて人を斬るという経験。今までどう生きてきたか、誰
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ノクターナル・アニマルズ(2016年製作の映画)

4.1

現代アーティストとなり地位を得たスーザンのもとに届いた元夫からの手紙。そこには彼自筆の小説「ノクターナル・アニマルズ」が同封されていた…

小説の世界と現実が平行して進んでいく物語は、まさに自分が小説
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マグノリア(1999年製作の映画)

3.8

雨の降る鬱屈とした空気、過去に縛られ思うように生きれない者達が紡ぐある一日の物語。

挿入歌が入るシーンで一人一人が部屋や車の中で曲に合わせて口ずさむところ、あれが全体の雰囲気とか世界観を表わしていて
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メッセージ(2016年製作の映画)

3.4

未知の生命体との接触、SF的展開を想像していただけに意外なテーマ性を持った内容にある意味考えさせられた。

むしろこれは植民地時代の先住民との交流。
言葉が通じない中でどうコミュニケーションを取り、相
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ル・アーヴルの靴みがき(2011年製作の映画)

3.6

くすんだブルーの壁紙に映える黄色い花、その心の奥底までのぞかせる人物描写、西洋絵画のような映像はどこかガサガサしていて懐かしい空気を放つ。

アキ・カウリスマキ難民三部作、第一作。
優しい心に満ちた町
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ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)

4.0

始めは、あーこの感じミュージックビデオっぽくて好きだなぐらいの感じのテンションで見ていたけど、半分超えたあたりからどんどん乗ってきてラストはもう我を忘れて画面に食いついてた。

車か音楽が好きな人なら
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大鹿村騒動記(2011年製作の映画)

3.7

若い役者がメインの映画ばかり見ていると、脇を固める年配の役者の良さにいつも驚かされる。
この映画にはそういったいつも脇で怪演している名俳優たちが、俺たちまだまだ行けるぞと日本映画の底力を見せるような勢
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スモーク(1995年製作の映画)

3.8

まず見たいと思ったのはポスターの写真に惹かれた事が大きい。
でも映画を見ていてもそのシーンにどうやってたどり着くのか全く想像ができない。

この映画では登場人物が過去や架空の物語を語るシーンが多くあっ
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わたしは、ダニエル・ブレイク(2016年製作の映画)

4.1

イギリスという国で貧しい暮らしから抜け出そうと、ただ追い風を求めて正直に、人を信じ助け合いながら生きる。
役所の手続きは複雑化され、人一人が普通に生きていく事が許されない社会。
一つ壁を乗り越えても、
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ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち(2015年製作の映画)

3.5

色々な特殊能力を持つ子供たちと、それを守るミス・ペレグリン。

面白かったのは空想家として息子からも嫌われてる主人公の祖父エイブの存在。12モンキーズやビッグフィッシュでも見られる、本当に非現実なもの
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セブン(1995年製作の映画)

4.1

今更ながら鑑賞。ブラッドピットのあの感じは、12モンキーズの時が一番好きだけど同時期かも。ちょっと動きが落ち着きなくていつ切れるか分からない感じがかっこいい。あの時期って結構一つ一つ役にのめり込んでて>>続きを読む

ネオン・デーモン(2016年製作の映画)

4.1

ファッションモデルの世界。美に取り憑かれた悪魔、ネオンデーモン達の狂ったようなサバイバル。
ネオンの照明に浮かぶモデルは美しく危険に満ちているが中身は空っぽ。「私を見て、私が一番美しい。」求めて手に入
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インファナル・アフェア(2002年製作の映画)

4.0

潜入捜査官としてマフィアの組織に入り込むヤンと、マフィアの一員でありながら警察組織のスパイとして生きるラウの物語。本来の上司あるいはボスと現在の上司、どちらも尊敬しどちらにも慕われながらも自分を利用す>>続きを読む

わたしはロランス(2012年製作の映画)

4.1

長年連れ添ったカップルが男性のある告白を機に今までの関係から大きな変化を求められる。グザヴィエ・ドランの代表作。
好きなシーンは色んなところで用いられるテーマ、日光に当てられまだ太陽の匂いが残った洗濯
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トゥルーマン・ショー(1998年製作の映画)

4.4

この映画は子供の頃に見て最も衝撃を受けた作品。

毎日24時間放送のドキュメンタリー番組、トゥルーマンショーの主人公トゥルーマンの人生は全て作り物。家族から友人、奥さんまで周りの人全てが彼の番組の為の
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ビッグ・フィッシュ(2003年製作の映画)

4.2

話し好きで話の中にいつも空想が混ざり込みみんなを笑わせる人気者のお父さんと、子供の頃からその話を聞いて育ち大人になり虚構の世界ではなく本当の父親が知りたいと願う息子の話。

アニメーターの山村浩二さん
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オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ(2013年製作の映画)

3.7

今まで見たヴァンパイア映画の中で最も大人で退廃的な吸血鬼。とにかくファッション、音楽、映像、どこを取ってもかっこいいの一言に尽きる。最近のヴァンパイア映画ではやはり「僕のエリ」が好みだが、この頃は全て>>続きを読む

危険なプロット(2012年製作の映画)

3.8

僕はメタフィクションや入れ子構造が好きなので、これはその面白さを上手く使った映画だと感じた。小説の中の世界か現実かはっきりしない所が面白い。途中クロードとエステルの会話シーンに小説を批評する先生が割り>>続きを読む

オン・ザ・ロード(2012年製作の映画)

3.3

モーターサイクルダイアリーズがあったので期待していたが核の所が分からず低評価。ほんとは男(主人公)が好きで1人の人に落ち着かなかったのかなとかも考える。

ポンヌフの恋人(1991年製作の映画)

3.8

何か橋で暮らすこと自体に不思議な魅力があってよかった。

汚れた血(1986年製作の映画)

3.0

走りながらデヴィッド・ボウイが流れるシーンがいい。

ボーイ・ミーツ・ガール(1983年製作の映画)

3.5

途中の耳の聞こえないおじいさんが言ってた無声映画なら何を言ってもいいと思って撮ったら口の動きで聴覚障がい者にばれちゃった話が何か面白かった。

ホーリー・モーターズ(2012年製作の映画)

4.0

難解だけど見てて楽しめた。好きなシーンはやっぱりメルドで、「TOKYO!」で初めてレオス・カラックスを知って以来一作も観たことがなかったが、映画の為の映画というかただ自分が楽しむために作ったという感じ>>続きを読む

うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー(1984年製作の映画)

4.0

話とかはすごい好きで昔見た時は感動したけど、今見てみると最後若干あたるが本音を言い過ぎててファンサービスが過ぎるのかなと感じてしまった。その言葉を聞きたい反面はっきり言っちゃうとつまらなくなるっていう>>続きを読む

偽りなき者(2012年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

あらすじだけ見てこれを見た後人間不信が強くなったりしないかと不安だったが思ったよりかなり大人な映画。主人公を孤独に陥れる女の子が幼稚園生の割に成熟すぎて恐い。そんな年だから嘘はつかないと皆信じてるし事>>続きを読む

パシフィック・リム(2013年製作の映画)

4.3

ノリだけでここまでできちゃうのがこの監督のすごいところ。真面目に見ると突っ込みどころはたくさんあるが、頭を使わなければどこまでも楽しめる作品。映像や美術も凝っていてこういう映画では珍しい程よくできてる>>続きを読む

シャネル&ストラヴィンスキー(2009年製作の映画)

3.0

芸術家だからといって作品の為にここまで妻を悲しませていいのだろうかと感情移入できず客観的に見てしまう。マッツ・ミケルセンには抑えた演技の中にどこか虚無感があって魅力を感じる一方、シャネルの方はとにかく>>続きを読む

夢二(1991年製作の映画)

3.8

ウォン・カーウァイの花様年華に「夢二のテーマ」が使われていてその経由でこちらを挑戦。主人公がボートの側面を叩くと頭の中にあるイメージが絵となって現れるシーンが印象的。中にはエゴン・シーレっぽいものも出>>続きを読む