ミーーさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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運命は踊る(2017年製作の映画)

4.0

戦争ものというと、激しい戦闘とか爆撃とか、とかく派手なシーンを思い浮かべがちだが、この作品は圧倒的に静かだ。その静けさに、ぞっとさせられる。戦争が日常としてすぐそばにある、その感覚が独特だった。
とに
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寝ても覚めても(2018年製作の映画)

4.0

こわい恋愛映画だった。
昔の恋人・麦と今の恋人・亮平の顔がそっくりという設定は特殊だが、主人公がふたりの男のうちどちらを選ぶべきか悩む、という展開はそこまで珍しいものではない。むしろ、過去に忘れられな
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SUNNY 強い気持ち・強い愛(2018年製作の映画)

4.5

90年代に十代を過ごした身としては、なにもかもがなつかしかった。音楽も、ファッションも、時代の空気みたいなものも、まるごと再現されていてすばらしかった。
死期の迫っている友人と再会するという設定だし、
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ディヴァイン・ディーバ(2016年製作の映画)

4.0

ブラジル発ドラァグクイーン版ブエナビスタクラブ、というコピーに惹かれて鑑賞。
ドキュメンタリーなので、プロの俳優が演技しているわけではない。それなのに、たとえ私服や素顔で話していても、どこか芝居がかっ
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ペンギン・ハイウェイ(2018年製作の映画)

4.0

アニメはあまり観る習慣がないけれど、原作が好きなので興味を持った。
主人公の少年の、少し風変わりなキャラクターがいい。理屈っぽくて生意気で、でもまっすぐでかわいらしい部分もある、そのバランスが絶妙だと
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判決、ふたつの希望(2017年製作の映画)

4.5

脚本も、俳優陣の演技も、すばらしかった。パレスチナ問題については基本的な知識しかないので、ついていけないのではないかと少し不安だったが、十分堪能できた。社会的な問題を扱いながらも、個人の日常生活や心の>>続きを読む

万引き家族(2018年製作の映画)

4.5

貧困、犯罪、虐待、扱われているテーマは重い。いつ破綻してもおかしくない危なっかしい暮らしの中で、だからこそ、子役をはじめ家族の見せる生き生きした笑顔やつかのまの団欒が胸に迫ってくる。
大都会の裏側で、
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オーケストラ・クラス(2017年製作の映画)

3.5

気難しい音楽家が子どもたちとの交流を通して心を開いていくという展開に、よくも悪くも意外性はない。個人的には、あらすじよりも音楽や細部の演出が心に残った。
教育や子どもに興味がなく、教師の仕事にも乗り気
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ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオス(2016年製作の映画)

4.5

はじまってすぐに、前作を観たときの高揚がよみがえってきた。
キューバ音楽に重ねてたどるメンバーそれぞれの人生は、下手なフィクションよりもずっとドラマチックで、心を揺さぶられる。彼らの飾らない語りの中に
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ブリグズビー・ベア(2017年製作の映画)

4.0

おもしろかった!
設定はシュールだし、展開もわりとはちゃめちゃだけど、それがいい。着ぐるみアニメのファンタジックな世界観ともつながって、フィクションの力を感じさせられた。
主人公のハードな境遇をあえて
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終わった人(2018年製作の映画)

3.5

コメディーとしておもしろおかしく描かれてはいるのだけれど、主人公の挫折感がせつなかった。同じような境遇・世代の男性が観たら、もっと共感できるのかもしれない。ただ、昔夢見ていた理想の人生といつのまにかず>>続きを読む

モリのいる場所(2018年製作の映画)

5.0

以前から熊谷守一の絵は好きなので、映像化には期待と不安が半々くらいだったけれど、映画もとてもよかった。
主演ふたりの演技が(お二方とも大御所だから当然だとはいえ)本当にすばらしい。これみよがしな夫婦愛
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フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法(2017年製作の映画)

4.0

夏の陽ざしとパステルカラーに彩られたポップな映像と、その裏にある貧困と絶望の対比が秀逸だった。まだ六歳のムーニーは現実を完全に理解できてはいないものの、不穏な気配は強く感じとっている、という子どもなら>>続きを読む

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

4.5

美しい映画だった。
豊かな自然に彩られたイタリアの別荘地を舞台に、主人公の少年が恋心を少しずつ自覚し、募っていく想いを持て余し葛藤する様子が丹念に描かれている。彼が生まれてはじめて味わった本物の恋の喜
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女と男の観覧車(2017年製作の映画)

3.5

ケイトウィンスレットの鬼気迫る熱演に圧倒された。冴えない現実を「ウェイトレスを演じているだけ」と弁明したり、不倫相手の心変わりを疑って取り乱したり、少しずつ壊れていく主婦のヒステリックな演技がみごとだ>>続きを読む

ザ・スクエア 思いやりの聖域(2017年製作の映画)

4.0

皮肉たっぷりユーモアたっぷりで、楽しめた。カンヌのパルムドールを獲ったというのもうなずける。
仕事、収入、社会的なステイタス、といった表面的なスペックでは人間の本質ははかれない、と書いてしまうと非常に
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ダンガル きっと、つよくなる(2016年製作の映画)

4.5

インド映画ならではのパワーとユーモアにあふれていて、とてもよかった。コミカルな展開の裏に、インドにおける女性の抑圧からの解放という大きなテーマが存在していることで、作品に深みが加わっている。レスリング>>続きを読む

シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

3.5

ずっと気になっていて、ようやく観にいけた。
話の設定も展開も、いわゆる直球のファンタジーで、好きなひとはとても好きだと思う。人外の存在との恋、悪役のいかにもな極悪ぶり、一難去ってまた一難とたたみかけて
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ロンドン、人生はじめます(2017年製作の映画)

3.5

主演のダイアンキートンがチャーミングだった。恋がはじまるときのわくわくする感じや、相手の反応に一喜一憂する姿は、年齢を重ねても本質的には変わらない。現状に不満を抱えて悩んでいた主人公が、常識にとらわれ>>続きを読む

ワンダーストラック(2017年製作の映画)

3.5

モノクロ・サイレントで撮影されている1927年のシーンと、普通に色と音を伴う1977年のシーンが、交互に展開されていく構成がよかった。子役たち、特に1927年の少女(本当に聴覚障害があるらしい)の生き>>続きを読む

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

4.5

まず脚本がすばらしい。こういう登場人物たちが集まって、こういう事件が起きたなら、こういう展開になるのかな、というイメージをどんどん覆していく。自分の思考がいかに類型的かを突きつけられているようで、少し>>続きを読む

ラブレス(2017年製作の映画)

4.0

不吉なピアノの連打とともにはじまる冒頭部分から一気にひきこまれ、全篇通してはらはらしながら観た。
執拗かつ冷酷に描かれる親のエゴが、極端にも思える半面、とてもリアルで息苦しい。少年の失踪事件に、ロシア
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ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男(2016年製作の映画)

4.5

華やかなファッション業界に身を置きながら、誠意をもって真摯にストイックに服を作り続けるドリスの矜持に感銘を受けた。また、仕事にのめりこむ半面、パートナーに寄せる愛情と信頼も伝わってきてほほえましかった>>続きを読む

パーティで女の子に話しかけるには(2017年製作の映画)

4.0

パンク最高!
設定も展開もそうとうぶっ飛んでいるけれど、自由に向けてとにかく突っ走る青春のエネルギーがまぶしい。愛らしいエルファニング、ゴージャスなニコールキッドマン、女優陣の放つ存在感がすごかった。
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50年後のボクたちは(2016年製作の映画)

4.5

主人公と友達のデコボココンビぶりがとてもいい。若さゆえの勢いと昂揚、そして切なさが心に迫ってくる。映像や音楽も、おしゃれすぎずわざとらしすぎず、絶妙に洗練されている。これまでドイツ映画はあまり観たこと>>続きを読む

パターソン(2016年製作の映画)

5.0

ジャームッシュ監督は昔から好きなので、新作が見られてうれしかった。淡々とした日常の中にちりばめられたささやかなディテールがどれも効いていて、独特の雰囲気が醸し出されている。バスの運転手がひっそりと詩を>>続きを読む

希望のかなた(2017年製作の映画)

5.0

難民問題という非常に難しいテーマを扱いながらも、優しさとユーモアにあふれる作品だった。弱者に対して寛容であることの大切さや、排他主義のおそろしさが、説教くさくならずに淡々と語られる。さらに、俳優のちょ>>続きを読む

エンドレス・ポエトリー(2016年製作の映画)

4.5

ただただ圧倒された。色とりどりで混沌としていて、でもひどく美しい、ホドロフスキーの目には世界はこういうふうに映っているのか。前衛的で難解でありながら、随所にユーモアも挟みこまれていて、わくわくしながら>>続きを読む

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