朝田さんの映画レビュー・感想・評価

朝田

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窓辺にて(2022年製作の映画)

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稲垣吾郎の感情の希薄さを巧く活かした主人公の造形がまず良いと思った。下手に演技を作り込むよりこちらの方が浮世離れした存在感を活かせている。魅力的な女優の撮り方はいつもの事ながら、今作は喫茶店や玉城ティ>>続きを読む

RRR(2022年製作の映画)

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「バーフバリ」も良かったが今作も。檻から動物を大量に放つシーンや、異常な数の群衆が蠢いていくシーンなど理屈抜きで「凄いモノを見た」と思わせられる場面が多々あり、それだけでも素晴らしい映画と言いたくなる>>続きを読む

アポロ10号 1/2: 宇宙時代のアドベンチャー(2022年製作の映画)

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アポロ計画についての映画かと思いきや、むしろアメリカの当時のカルチャーと家族の日常を詳細に描き込む映画になっていくひねくれ方がいかにもリチャード・リンクレイターらしい。アニメならではのビビッドな色彩で>>続きを読む

デイ・シフト(2022年製作の映画)

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バンパイアハンター映画でありシェーンブラックが撮っていそうな軽快なLAを舞台にしたバディ映画でもある。肉弾戦、銃撃戦、カーチェイスとアクションのアイディアが豊富で、編集のテンポもスピーディーなのでジャ>>続きを読む

リベンジ・スワップ(2022年製作の映画)

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小悪魔はなぜモテるやブックスマート以降のシスターフッド学園コメディ。ビリーアイリッシュやロザリアといったポップミュージックの惜しみ無い使い方と、衣装の色味を含めたカラフルな画面のデザインによって、ティ>>続きを読む

さかなのこ(2022年製作の映画)

3.8

無垢な少年のような佇まいを自然に演じられるのんが主演でなくては絶対に成立しない映画になっているので、前作の「子供はわかってあげない」よりも良かった。海辺のシーンを筆頭とした所々の横移動のカメラワークや>>続きを読む

秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)

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「燃ゆる女の肖像」に負けず劣らず、傑作。余計な言葉を使わず、少女の表情と動きに語らせる演出、赤と青を随所に配した繊細なショットの連なり、そして省略の効いた編集など映画を構成する全てに魅了された。何度か>>続きを読む

ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

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新作だが初期のガイ・リッチー的なテイストがあってどこか懐かしさがある。全体的に回想シーンを多様し過ぎていてテンポ感が損なわれている瞬間があったとは思うし、この作品ならでは、というようなオリジナリティは>>続きを読む

Zolaゾラ(2021年製作の映画)

4.2

SNSから始まった実話を題材にしているのでスマホやツイッターの効果音や通知音を演出に取り入れてるのを始め、バスケットボールのダンクする音など生活音も編集のリズムに生かしているのが面白い。話自体はヘヴィ>>続きを読む

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.5

シャマランやスピルバーグの作品を想起させつつ、最終的にはどれにも似ていないジャンルレスな映画に仕上げていて凄かった。ピールの過去作はややメタファーに拘り過ぎて頭でっかちな印象を受けたが今作はスケールが>>続きを読む

みんなのヴァカンス(2020年製作の映画)

4.8

前作に負けず劣らず最高のバカンス映画。例えば車を植木鉢にぶつける場面で、車がどうなったのかは直接見せずに次の人が車を取り囲むカットに移る、といったような巧みな情報の取捨選択が全体に行き渡っていて、この>>続きを読む

紅の豚(1992年製作の映画)

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ジブリ作品の中でもトップクラスで好き。駿の趣味性が炸裂しつつも普通にエンタメとして面白い素晴らしさ。何より飛行機が空へと飛び立つ瞬間の躍動感や清々しさをこれ程見事に描いて見せた映画は、アニメでも実写で>>続きを読む

ファイト・クラブ(1999年製作の映画)

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フィンチャーの持っている手数をすべてさらけ出したような、サブリミナルやCGを駆使した目まぐるしい映像トリックに衝撃を受けて、自分が映画にのめり込むきっかけを作った大切な作品のひとつ。過剰な映像表現がノ>>続きを読む

ファンタスティック Mr.FOX(2009年製作の映画)

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アニメーションならではの動きの自由度の高さを最大限に活かした傑作。やはりウェス・アンダーソンの中でも三本の指に入る出来。隅々までデザインされた画面の充実度と、犬とのチェイス場面での主観ショットや横移動>>続きを読む

ビッグ・リボウスキ(1998年製作の映画)

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自分のようなダメ人間にとってはバイブルみたいな映画。コーエン兄弟の作品ではやっぱり一番好き。本筋の事件がもはや脇に置かれていく程に奇妙な出来事が起こり続ける多幸感。灰を撒いた後のデュードとウォルターの>>続きを読む

L.A.コールドケース(2018年製作の映画)

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ビギーと2pacの事件によって徐々に迷宮に迷い混む男たちの話を描いた、「ゾディアック」のような渋い犯罪捜査映画で面白かった。構成が優れている。フォレストウィテカーが演じる記者を主人公に設定することで彼>>続きを読む

C.R.A.Z.Y.(2005年製作の映画)

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R.I.P.ジャン=マルク・ヴァレ。いくらでも深刻に語れそうな話を軽快な編集のリズムで魅せる良い映画だった。フラッシュバックの使い方や自分探しという主題、クラシックなロックへの愛着など、すでに後の作品>>続きを読む

パトニー・スウォープ(1969年製作の映画)

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最高の映画だった。アメリカの社会を皮肉った風刺コメディで、演出とギャグが冴えていて不条理劇としても純粋に楽しめる。次から次へと変な人物が登場し、突拍子も無い出来事が起き続けるのだがドライな距離感のカメ>>続きを読む

グレイマン(2022年製作の映画)

3.5

全体的に画面が暗く設定されていて普通のドラマパートでは俳優の表情を見ずらくしてしまっている場面が幾つかあった。そういう意味で撮影はあまり好きにはなれなかったが、ゴスリングとアルマスのバディムービー仕立>>続きを読む

炎のデス・ポリス(2021年製作の映画)

3.9

ジョー・カーナハンの映画久しぶりに見た。意外にも硬質なクライム映画で面白かった。警察署内のワンシチュエーションのみで展開していくシンプルな造りの脚本で、しかも前半部はほぼ心理戦のみという地味さだが要所>>続きを読む

X エックス(2022年製作の映画)

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「悪魔のいけにえ」と「ブギーナイツ」という二大偏愛映画を一作で楽しめる最高にご機嫌なグラインドハウス映画。70年代のジャンル映画的な形式の再現をしつつ、細かいツイストを効かせている。ミア・ゴスが小屋に>>続きを読む

ソー:ラブ&サンダー(2022年製作の映画)

3.4

ベタなロックナンバーを流しまくる演出や、コメディタッチの作劇などは好きだけど全体的にはあまり乗れなかった。ゆるいコメディ調に振り切っているのは良いけどその分演出のメリハリが欲しい。終盤はストーリー上仕>>続きを読む

わたしは最悪。(2021年製作の映画)

4.6

めちゃくちゃ良かった。全編チャプターで区切りエピソードの断片性を強調すると共に時間を大胆に省略していく構成によって、何気ない瞬間を特別に見せており、更にシリアスな主題を扱いながらもポップで軽快な印象を>>続きを読む

エルヴィス(2022年製作の映画)

4.1

グルグルと旋回するカメラワーク、分割画面やテロップの多用、画質の目まぐるしい変化などバズ・ラーマン的としか言いようがない過剰な映像トリックによって、フレッシュな伝記映画を作ろうとしている。ライブシーン>>続きを読む

神は見返りを求める(2022年製作の映画)

3.7

youtuberという職業に対する距離の取り方が適切。そもそも何かを撮影して記録するという行為が持つ暴力性とリスク、そしてそれを知らず軽々しくやってしまうグロテスクな部分を容赦なく描きつつ、彼らなりの>>続きを読む

ザ・ロストシティ(2022年製作の映画)

3.4

基本的にはめちゃくちゃ緩いラブコメなんだけど、サンドラブロックの人物造形含めて細かい所でツイストを効かせている。ブラピの無駄な使い方も笑える。最後までオフビートなテンションを崩さない所は良いが、せっか>>続きを読む

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

3.2

これだけシリアスなテーマをユーモアを用いて表現しているのは良いが、基本的にはいつもの是枝監督の作品で過去作を越える何かは宿っていない気がした。個人的に引っ掛かったのは割りと早い段階で刑事たちがブローカ>>続きを読む

ブラック・フォン(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ジュブナイルモノと監禁スリラーと心霊ホラーを全部混ぜてタイトな尺に纏める傑作。スコット・デリクソンはやはり巧い。前半部は殺人鬼が子供をどう扱ったのか直接的に見せない演出を積み重ね、不穏な空気を充満させ>>続きを読む

ボイリング・ポイント/沸騰(2021年製作の映画)

4.3

全編ワンカット撮影を謳った映画は近年でも幾つかあるが、これはトップクラスに面白かった。基本的にレストランの内部のみで完結させるシンプルな造りだが、カメラが焦点を合わせる人物を次々に変えていき、状況をス>>続きを読む

恋は光(2022年製作の映画)

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原作未読だけどこれは好き。現実離れした人物造形と台詞回しを、上品な画面造りと演出、役者の魅力によって映画として魅力的に見せている真っ当なラブコメ。例えば西条と東雲が初めて出会う場面や、宿木が食堂から出>>続きを読む

あなたの顔の前に(2020年製作の映画)

3.9

ホン・サンスにしてはかなりシンプルなストーリーテリングで一人の女性の彷徨いを固定されたカメラから見つめる。ズーム使いは十八番だが特に今作では主人公がおもむろにギターを弾き始め、その姿を無言で見つめる男>>続きを読む

リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

5.0

最高。散文的に紡がれていくバカバカしい時間の中に青春の多幸感と儚さが詰まっている。全編とにかくよく走る映画だ。劇中様々なシチュエーションで登場人物が走るというアクションが反復され、その度にニュアンスが>>続きを読む

FLEE フリー(2021年製作の映画)

3.8

ドキュメンタリーをアニメーションで映像化した作品という意味でネットフリックスの「テキサスタワー」を思い出しながら見た。アニメーションという形式の意味は、プライバシーの保護という意味も当然あるがそれ以上>>続きを読む

夜までドライブ(1940年製作の映画)

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前半は濃密な兄弟のドラマであり、ロマンスだがそこにアイダ・ルピノが絡むことで一気にノワールの世界に突入する。最後まで見せ場の連続でめちゃくちゃ面白かった。扉が閉まるというアクションが反復されることで意>>続きを読む

幻の女(1944年製作の映画)

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尾行シーンが素晴らしい。バーの店主が外に出た瞬間、雨が振り出し、エラ・レインズを目撃する。セリフ無しで尾行の様子を見せていき、駅で二人の距離が近づいた瞬間にスリルがピークに達する。あと全体的に暴力を直>>続きを読む

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