朝田さんの映画レビュー・感想・評価

朝田

朝田

Our Friend/アワー・フレンド(2019年製作の映画)

3.8

良作。冒頭、あえて子供のリアクションを直接的に見せず、代わりにベランダで佇むケイシーアフレックの姿を見せる演出からして、できうる限りエモーショナルな語り口から距離を置いた作りになっているのがとても良か>>続きを読む

怒りの河(1951年製作の映画)

-

ジェームズスチュワートが仲間に裏切られ、狂気を孕んだ人間になってからのスリリングな展開が面白い。本当に表情が豊かな役者だと思う。河を渡る馬車を捉えたショットや、船を捉えたショットなど良い画が随所に入る>>続きを読む

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

3.5

ヴィルヌーヴは既存のジャンル映画を解体する語り口で魅せる人であって、ビジュアルのセンスが突出している訳ではないのを再確認した。シリーズの序章なので作品世界の説明に終始してしまうのは仕方ないが、だからこ>>続きを読む

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)

3.8

力作。男同士の対決というリドリースコットが好んで使うモチーフを現代の視点から再定義する。三幕構成が単なるハッタリに終わらず、きちんと主題とリンクしているし、役者も一人残らず魅力的。丁寧に構築した画面も>>続きを読む

キャンディマン(2021年製作の映画)

3.9

j.ピールプロデュースだけあって題材的にも演出的にもジャンル映画としてアップデートされた仕上がりで大満足。鏡を随所に使った恐怖演出の手数の多さ、リッチな画作りの連続に目が常に楽しい。シルエットで人間の>>続きを読む

水の中のつぼみ(2007年製作の映画)

-

更衣室の会話シーンでいきなりカメラが主人公の女の子へとパンする瞬間に大興奮。かっちりしたショットを積み重ねつつ、いきなりそれを崩す巧妙さ、これぞシアマ。

獅子座(1959年製作の映画)

-

これはめちゃくちゃ面白かった。おっさんがひたすら転落していくという陰惨な話をこんなに軽やかに綴れるのは世界でロメールだけだ。パンを盗もうとして犬に吠えられるみたいなスラップスティックなギャグが一々楽し>>続きを読む

シュザンヌの生き方(1963年製作の映画)

-

誰もいない空間を会話の狭間に見せていく感じが「コレクションする女」に繋がっていると思う。男の身勝手さ、女の賢さが軽快に綴られる苦い青春映画。

モンソーのパン屋の女の子(1963年製作の映画)

-

ある意味モード家の一夜を物凄くタイトにしたような選択についての話。暴力的なまでに時間を飛ばして飛躍するラストに痺れた。

その男、凶暴につき(1989年製作の映画)

-

たけし映画の中でも一番描かれる暴力が怖い。ラストの銃撃戦の演出は何度見ても新鮮。

風立ちぬ(2013年製作の映画)

-

久々見直したけどやはり飛躍と省略の塊で凄いな。草木が風に揺れる細かいシーンすら視覚的な気持ち良さに溢れている。

私立探偵エイブ 折り紙殺人事件(2020年製作の映画)

3.8

あんまり話題になってないけど結構面白いよ。探偵だが基本的に情けない佇まいやボサボサの髪型など「ロンググッドバイ」のマーロウに主人公の見た目はかなり寄せてるが造りは王道のミステリーなのがむしろ新鮮。話は>>続きを読む

ルパンは今も燃えているか?(2018年製作の映画)

-

完全にファンムービーって感じでアニメとしては本当に可も不可もなく。タイムリープするたび衣装を変えていく細かさは良いが。

ルパン三世 カリオストロの城(1979年製作の映画)

-

初めて劇場で見たけどやっぱり最高過ぎた。作画と音響設計があまりに緻密。車の動きとか動物みたい。

クーリエ:最高機密の運び屋(2020年製作の映画)

3.8

裏切りのサーカス的な地味スパイ映画。シリアスな題材だがカンバーバッチのキャラの小市民感が良い意味で軽さをもたらしつつ、編集のリズムも歴史背景や人物の過去などは一切省いてサクサク進めていく。かなり面白か>>続きを読む

キャッシュトラック(2021年製作の映画)

3.9

若い頃の北野武のように冷酷に人をぶち殺していくステイサムは歩いているだけで不穏な空気が漂ってきて素晴らしい。ドウェインジョンソンと並んで現役最強の被写体なのではないか。悲劇的な事件が起ころうとも暴力に>>続きを読む

007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2019年製作の映画)

3.7

映画としては流石に長いと思いつつも、キャリージョージフクナガの演出とショットのセンスがやはり冴えていて満足。鮮烈なショットの連鎖や銃弾の重みがずっしりと伝わってくるような生々しい音響処理によるアクショ>>続きを読む

死霊館 悪魔のせいなら、無罪。(2021年製作の映画)

3.6

ジェームズ・ワンが監督した過去作には流石に及ばない。が、単体のジャンル映画としては堅実に作ってあって結構楽しんだ。オープニングのシャワー室のシーンを筆頭に、物音によって何者かの存在を意識させるタメの効>>続きを読む

彼奴(きやつ)は顔役だ!(1939年製作の映画)

-

べらぼうに面白かった。アメリカ史の変動、悪の道に逸れていくギャグニーの栄枯衰退、仲間との裏切りやシンガーの女との関係など様々なドラマが詰め込まれた脚本を2時間以内に語りきる簡潔な語り口に圧倒される。9>>続きを読む

夜明け告げるルーのうた(2017年製作の映画)

-

2010年代の湯浅作品だと「夜は短し」より個人的にはこちらが好き。主観ショットの絶妙な使い方とか、回想シーンになった瞬間にパステルカラーかつ平面的なアニメーションになるなど、エモーションを高めていく手>>続きを読む

さよなら、私のロンリー(2020年製作の映画)

3.8

ネイルを剥がすシーンに逆光を差したり、真っ暗な空間がやがて銀河へと変貌していくなど、演出がいちいち意表をついてくる異形のシスターフッド映画。そうした突飛さを突き放した距離感で役者を捕えてサラっと見せる>>続きを読む

ディナー・イン・アメリカ(2020年製作の映画)

3.9

これかなり良かった。掘り出し物。「バッファロー66」を初めとする90sUSインディ映画を露悪的にアップデートしたようなラブコメ。序盤からカイルガイナーが家庭から逃げ出す際に派手に窓をぶち割ったり、家に>>続きを読む

トムボーイ(2011年製作の映画)

-

めっちゃ良いすね。手持ちのラフなショット、逆にフィックスでバチッと決めたショットを鮮烈に繋いでいく編集が見事で、そうした緩急が映画全体の緊張感に繋がっている。引きのショットで木の下にぽつんと座り込んだ>>続きを読む

空白(2021年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

作り手によってはもっとベタベタに感傷的なドラマになりそうな所を、古田新太・松坂桃李の両者に対して共感を拒んだ演出を施すことでエモさを避けているのは流石。小道具としての絵画の使い方や、のぞき見するような>>続きを読む

ショッカー(1989年製作の映画)

-

面白すぎた。様々に時空と場所を変えて繰り広げられるチェイス、常識を超えたヤバすぎる展開の連続に度肝を抜かれる。夜のショットの決まり具合や、カーテンを開けた瞬間に起きる飛躍などシチュエーションの活かしか>>続きを読む

ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)

-

エドガー・ライトの新作に備えて。何度見直しても本当に傑作で個人的2010年代ベストフィルム。オープニングの視線の交差に始まり、MVにならないギリギリの所で見事に音と画を気持ち良く融合させる手腕に痺れま>>続きを読む

スイング・ステート(2020年製作の映画)

3.7

プランBの風刺コメディとしては「バイス」より全然面白い。いかにも演出が役者が撮った映画という感じで、例えば退役軍人の爺さんがスピーチをする様を正面から長回しで撮るシーンはまさに役者を信頼していなければ>>続きを読む

レミニセンス(2021年製作の映画)

3.4

「ウエストワールド」から引き続きリサジョイと組んでいるポール・キャメロンの撮影が相変わらず良い。ヒュージャックマンが窓を眺める何気ないカットも色気がある。ただ、はっきりとアクションの新鮮味の無さは不満>>続きを読む

逢びき(1945年製作の映画)

-

デヴィッドリーンによる傑作メロドラマ。セリアジョンソンの表情の変化がそのまま見事に関係性の変化に繋がる。特に医者としての夢を男が話す時の表情の素晴らしさ。無音の状態からテーブルから立ち上がり歩き出す瞬>>続きを読む

暗黒街(1927年製作の映画)

-

素晴らしい。ギャングと子分の友情、子分と女との恋、それらが80分で完璧に紡がれる。コインや新聞、造花など小道具の使い方が一々巧いし、煙に包まれた銃撃戦の迫力も最高。暗黒街の顔役に繋がるネオンサインとか>>続きを読む

先生、私の隣に座っていただけませんか?(2021年製作の映画)

3.5

日本のサスペンスモノにありがちなハイテンションでいかにもなサイコパス演技やお涙頂戴な展開がなく終始軽さを保ったまま進行するというだけで嬉しい。配役の絶妙さや落ち着いたカット割りも良いと思う。ちゃんと車>>続きを読む

スパイラル:ソウ オールリセット(2021年製作の映画)

2.5

あまり楽しめなかった。無論21savageの主題歌は最高だし、刑事映画としての側面を前面に押し出したのは新鮮だったが、逆に言うとそれ以外があまりに弱い。とにかくゴア描写がまず新鮮味が無いのに加え、その>>続きを読む

ムーンライト・シャドウ(2021年製作の映画)

2.8

衣装やロケーション選びなど画面の色味に対する高い意識を感じるし、長回しで小松菜奈の表情の変化を捉えたショットなど、良い場面も所々ある。ただ、基本的に演出がMV的でのめりこめず。音楽をベタ付けする事で安>>続きを読む

サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)(2021年製作の映画)

3.9

素晴らしい。ドキュメンタリーの秀作。クリアな音響と画質でスライやニーナシモンのパフォーマンスを体感できるというだけでまず価値がある。加えて、関係者のインタビューや当時のニュース映像などあらゆる素材をテ>>続きを読む

ショック・ドゥ・フューチャー(2019年製作の映画)

3.4

ミュージシャンが曲を作りパーティーで披露するまでの1日。本当にそれ以上でもなくそれ以下でもないので大した話はないし、同じ四畳半スタジオ映画の傑作『THE COCKPIT』ほど空間や日常の見せ方に突出し>>続きを読む

>|