SQURさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

RRR(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

物語の"筋"のところで納得のいかないところが何箇所かあり、普通だとその根底にある大義の部分で乗り切れないとアクションシーンも乗り切れないことが多いのだが、この映画はアクションシーンや映画としての見せ方>>続きを読む

パーム・スプリングス(2020年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

試みは良いし全体的に悪くはないけど、もう一つ脚本や演出の力が足りない、つまり”物足りない”映画。

コップが割れるのを避けたり、噴水の水を避けたり、そういった過去の知識を活かして上手く対処できるように
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四畳半タイムマシンブルース(2022年製作の映画)

4.0

四畳半神話大系のサマータイムマシン・ブルースパロという謎コンセプトの公式二次創作として文句なしに良かった。明石さんがやっぱり美人で可愛くて知的でちょっと不思議でとにかく魅力的。「私」と明石さんの恋愛模>>続きを読む

マイ・ブロークン・マリコ(2022年製作の映画)

1.0

原作はかなり好きで繰り返し読んでいるんだけど、映画にするとこうも違うかというくらい「リアリティのなさ」が、つまり人物造形の薄っぺらさが無限に気になってしまう。
ストーリーはほぼ原作通りだけど原作の良さ
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アバター:ジェームズ・キャメロン3Dリマスター(2022年製作の映画)

2.0

観たのが6年以上前だったのでほぼ覚えておらず新鮮な気持ちで楽しめた。
以前観た際にはテレビだったが、映画館の大きなスクリーンで観るとやはり違う。木が倒れるシーン1つとってもテレビだと木が倒れたなあとい
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秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)

4.0

『トムボーイ』や『燃ゆる女の肖像』と比べて、物語的にも絵的にも素朴。
「時間を超えて昔の母と出会う」といういくらでもドラマチックにできそうな、と言うよりも勝手にドラマチックになってしまいそうな設定であ
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沈黙のパレード(2022年製作の映画)

2.0

死体が見つかり事件の全貌が調査によって少しずつ明らかになっていくという"刑事もの"としての魅力はあったが、これをガリレオとしてやる必要は感じられない。いつものキャラクターいつもの俳優が出てくるのでそれ>>続きを読む

さかなのこ(2022年製作の映画)

2.0

「男か女かは関係ない」と明確なメッセージを示すことで却って"関係なくないこと"が浮き彫りになり、「好きに勝るものなし」することで却って"誰しも好きなことをして生きていくことはできない"ことが浮き彫りに>>続きを読む

LOVE LIFE(2022年製作の映画)

4.0

素晴らしい幾つかのシーン。
美しいシーンが1つでもあるとその映画は名作だと思ってるのでこの映画も名作だと思う。
具体的にあげれば、
海のシーン:ほの暗い海の上を僅かに揺れながら進んでいくカット、天候や
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黄龍の村(2021年製作の映画)

1.0

物語が停止する長々としたアクションシーンが非常に退屈。『最強殺し屋伝説国岡』でも感じたがあっちはクライマックスシーンのみに絞られているためまだ許容範囲だったが、流石に今作は長すぎる。
またアクションシ
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この子は邪悪(2022年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

あまり期待せずホラーっぽいし観とくかくらいのノリで観に行ったけれど、ところどころ不気味な感じもあり思ってたより悪くなかった

ジャンプスケアが2、3ヶ所ありまあまあ効果的であった気もしないでもないけれ
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ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

4.0

面白い
この手のパズルみたいな群像劇が好きなら観て損なし

グリーンバレット(2022年製作の映画)

4.0

最高
レザボア・ドッグスオマージュみたいなあのカット好きすぎて心臓止まった

それぞれにスタンスがある殺し屋(の萌芽)なところは西尾維新的なismも感じる
シリーズ化してくれ〜

最強殺し屋伝説国岡 完全版(2021年製作の映画)

4.0

頭から尻尾の先まで全部面白い!
バランス感覚がすごい!
続編観に行きます!!

オカルトの森へようこそ THE MOVIE(2022年製作の映画)

1.0

シナリオ用意するの忘れちゃってGMがその場の思いつきとノリだけで展開するクトゥルフTRPGみたいな映画でした
設定の厚みが1mmしかないです

現状白石監督作品でワースト
挑戦がなく内輪ウケと過去の劣
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.0

とても面白い映画なのでネタバレを踏む前に観て欲しい。
以下ネタバレは多分ないけど読まない方がより楽しめるかもしれない感想。

まず面白かった。そして新しい!と思った。
ただ、もっと上手く噛み合えば伝説
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スタンド・バイ・ミー(1986年製作の映画)

4.0

本当はみんな仲間だったと言いたいところだけれど事実クリスとしか"本当には"繋がれなかったこと、4人のメンバーだったけどクリスとだけ"本当に"分かり合えていたこと、その奇妙さというかアシンメトリーさは">>続きを読む

クレイマー、クレイマー(1979年製作の映画)

4.0

テッドとビリーの関係性の変化が主にフィルムに映される。最も尺を割いたものがその映画のテーマになると単純に考えるのであれば、父子関係の変化はこの映画のテーマだ。フレンチトーストのくだりなど非常に鮮やかで>>続きを読む

女神の継承(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

『哭声』は「世の中の理解の仕方がぶつかり合い揺らぐ姿」を描いていてサスペンス調になっていたのに対して、今作は同じように「人間の理解を超えたもの」を描きつつも「精霊」というひとつの理解の枠組みを越えない>>続きを読む

わたしは最悪。(2021年製作の映画)

4.0

いい映画とはスピリチュアルなものだ。
いやスピリチュアルなものでは全くなくて、もっと別のものだけれど、超越的、体験的とか、まあ映画を観れば分かるから言葉はなんでもいい。それ。
良い映画の必要条件は、本
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ブラック・フォン(2022年製作の映画)

1.0

この映画はそもそも「真相」と呼べるものが存在しません。マジで予告編で分かる情報以上のものは何もないです。虚無です。不可解さにモヤモヤすることもないです(だってその余地すら与えられてないですから)。怪奇>>続きを読む

哭悲/The Sadness(2021年製作の映画)

4.0

『アンチクライスト』や『ムカデ人間』『ホステル』『RAW 少女の目覚め』など危険な映画は多いが、その中でも最も鑑賞中に死に近づいた映画だと思う。
小説だと「獣儀式」を思い出しますが、視覚的だったり逃げ
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メタモルフォーゼの縁側(2022年製作の映画)

2.0

芦田愛菜の演技がとてもよく、デフォルメされてないリアルな陰キャ感キョドり感だった。
オタク表象を扱った映画として、リアリティの面も、また負の側面にも「一応」触れられており、好印象。ただTwitterな
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ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

2.0

新幹線や観覧車、ホテルでの会話など部分部分を切り取ってみると良いシーンが多い。社会的に苦悩を抱える人が怨嗟を振りまくいわゆる"負の連鎖"に対するアンチテーゼとして、他者を思いやることのラディカルな価値>>続きを読む

リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

4.0

「この人とは合わないかもしれない」とくっついたり離れたりする話で挙句に決定的な解決がなされることもなく終わるのでお話としてどういうスタンスで楽しめばいいのかなかなか見えにくい映画だったけれど、
映画と
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呪詛(2022年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

怖い部分がないではないが、語り口の部分で失敗している映画だ。B級ホラーになることを制作陣が恐れすぎた結果、ウェルメイドな虚無ができあがってしまった。危険を冒さなくてはいいホラー映画はできないということ>>続きを読む

トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

4.0

アップデートと語り直しの映画。前作と比較することで「時代の移り変わり」が浮き立って見えてくる。
冒頭からその話が扱われており、「本当に人が殺し合う必要があるのか?」という問いが。人種やジェンダー的な側
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トップガン(1986年製作の映画)

3.0

ホモソーシャルの嫌なところと魅力的に感じてしまうところの両面が描かれている。
「女性を落とせるかどうか賭けようぜ」みたいな会話は典型的でだいぶ嫌さが強いが、マーヴェリックとグースの間の友情は同時にとて
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犬王(2021年製作の映画)

2.0

悪くはないのだけど、『夜は短し歩けよ乙女』や『マインド・ゲーム』にあった枠を逸脱する自由なアニメーションの魅力がなく、映画体験としては普通の域に収まってしまった印象。
現在と過去を等価に位置づけ言論統
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ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

4.0

いくつかの繊細な問題(新資本主義と創作、監督主義、共同制作における個人の人生の物語、ジェンダー、創作と社交性)に対して作品全体として明確な姿勢を示さないことで、カタルシスが抑制されてしまい映画としての>>続きを読む

流浪の月(2022年製作の映画)

4.0

この世界の片隅にさえ生きる居場所のない人たちの話。
「悪人」にテイストは似ている。
人間ひとりが面倒を観られる範囲は人間ひとりぶんに明らかに満たない。

全体的に、もっと行政とか福祉とか利用しようよっ
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シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

1.0

何もかも上っ面だけの映画。
最初の1分が面白さのピーク。
ほんとにシン・ゴジラと同じ制作者なのか?と疑いたくなる。
やろうとしたことがどれも一貫できていない。
途中から外星人との戦いがメインになってい
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ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス(2022年製作の映画)

4.0

MCU史上インフィニティウォー&エンドゲームに肩を並べる最高傑作。

物語の始まりと同時に観客を困惑に突き落とす。MCUはわかりやすいことが重要視されてきた感があり、「分かりにくさ」(それも心地良い困
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パリ13区(2021年製作の映画)

4.0

映画を観ていると、ちょっとした映像表現からいろいろなことを読みとります。
例えば、軽口を言い合っている男女の映像が流れてくれば(この人たちは付き合ってるのかな?)とまあ多くの人が思うでしょう。これを心
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カモン カモン(2021年製作の映画)

4.0

too many words.
息苦しい映画だった。窒息しそうになる。全てはクライマックスに向けた布石なのだけれど……。
"考えさせられない映画"。
夜景や自然などの風景画がモノクロに映えてとても美し
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やがて海へと届く(2022年製作の映画)

4.0

「好き」という感情を台詞ではなく映像で示そうとするところがとても良かった。