あさのさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

グリーンランドー地球最後の2日間ー(2020年製作の映画)

4.0

厄災下における絶望のサバイバルを描いた、リアルな終末映画です。
ノリとしては24に近い緊迫感が続き、なかなか胃が縮みます。
人の醜い部分と同じくらい善なる部分もきちんと描写されてはいるのですが、主人公
>>続きを読む

CRESCENT 冷たい海の底(2017年製作の映画)

3.0

不穏な別荘での不穏な生活をとっても不穏に描いた、アート系育児スリラーです。
荒涼とした海とマーブリングの色彩の美しさ、そして男の子の演技を超えた演技は一見の価値アリです。
邦題は若干ネタバレのような気
>>続きを読む

ホワイト・スペース(2018年製作の映画)

2.5

メルヴィルの白鯨を大胆に超訳、宇宙怪獣との死闘とその船に乗り合わせた者達の運命を描くSFアクションです。
“異次元より現れて宇宙空間を泳ぎ回る伝説のドラゴン”や“曲者揃いの宇宙漁船に潜入する謎の女スパ
>>続きを読む

ムーンライト(2016年製作の映画)

3.5

人生と言う孤独な魂の旅路を詩情豊かに描いた、静かなる社会映画です。
マイノリティに生きる一人の男の哀しき愛憎が、この世界の不寛容さを浮き彫りにして行きます。
圧倒的な映像美と、否応なしに観客に想像させ
>>続きを読む

マーズ・コンタクト(2018年製作の映画)

2.0

宇宙飛行士の孤独とメディアの狂騒をとっても散漫に描いた、謎多き社会派SFです。
冒頭からいきなりクライマックス、アポロ13やオデッセイのような硬派な帰還ミッションが始まるのかと思いきや、マスコミが管制
>>続きを読む

ANIARA アニアーラ(2018年製作の映画)

3.0

絶望と厭世に満ち満ちた、美しくも恐ろしいデカダンスSFです。
限られた状況下に生きる人々の運命が、時に生々しく淡々と描かれております。
派手な描写もなくバランスの良い構成とも思えませんが、観終わった後
>>続きを読む

7500(2013年製作の映画)

2.5

死を巡る謎とそれによって引き起こる様々な怪奇現象を描いた、ホラー仕立てのフライトパニックです。
終盤に衝撃の真実が明かされるものの、恐怖演出を小刻みに積み重ねて行く手法にはどこか散漫な印象を受けてしま
>>続きを読む

ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

4.0

秘密をはらむ光と闇の恐怖を描いた、ホラー仕立てのサスペンススリラーです。
ファーストカットからエドガー・ライト監督のかっこかわいいセンスが爆発しており、とりわけ鏡を使った演出が恐ろしくも面白いです。
>>続きを読む

セッション(2014年製作の映画)

4.0

情熱と狂気の渦で観客を音楽の高みへとかっさらう、圧巻のミュジ根映画です。
音楽の、とりわけジャズ演奏の知識などはラ・ラ・ランドでセブが語った事くらいしか無いのですが、緊張感のある恐ろしい師弟バトルには
>>続きを読む

ノック・ノック(2015年製作の映画)

3.0

きちんとお留守番できるかなの恐怖を描いた、最弱キアヌによるハニトラエロティックスリラーです。
一概に理不尽ホラーだと言えない展開に、イーライ・ロスの究極に意地悪なところがよく出ていると思います。

ザ・ボーイ ~残虐人形遊戯~(2019年製作の映画)

2.5

前作を壮大なミスリードに使ったとも言える、大胆な人形ホラーです。
趣向を変えたのは良いのですが、秀逸だったブラームスの設定がある意味平凡なものに改変されており、恐怖演出も含めけっこう普通な感じにまとま
>>続きを読む

ザ・ボーイ 人形少年の館(2016年製作の映画)

3.5

人形と館、そして主人公にも漂うそこはかとない不気味さが面白い、ルール破り系先入観ホラーです。
終盤の展開にはちょっと唸らされました。

江戸川乱歩が好きと言う人には激しくオススメします。

マードレス 闇に潜む声(2021年製作の映画)

2.0

疎外感に満ち満ちた社会派ホラーです。
農村の不穏さはなかなか良いのですが、異常なまでの画面の薄暗さと着地すべきテーマがブレブレなのには注意が必要かと思います。

サマリタン(2022年製作の映画)

3.5

英雄の復活を巡る戦い、それを善きサマリア人のたとえと怒れるスタローンに乗せて描いた、交流系ヒーローアクションの快作です。
単なるスタローン映画と侮るなかれ、伝説の武器が出てくるものの肉弾戦中心のバトル
>>続きを読む

オールド(2021年製作の映画)

3.5

とってもアクセラレーションな時間の恐怖とそれに囚われてしまった人々の混乱を描いた、おぞましくも美しいソリッドシチュエーションスリラーです。
アイデアもさることながら、きっちりと中盤にインパクトのあるホ
>>続きを読む

ファイナル・デッドサーキット 3D(2009年製作の映画)

3.0

ピタゴラ死の恐怖を描いたリーパーホラーです。
シリーズ中最もシンプルな構成となっており、死の余韻を一切与えないサクサクテンポは見てて潔いです。
バリエーション豊かな死に様こそ無理があって面白いのですが
>>続きを読む

黒の天使 Vol.1(1998年製作の映画)

3.5

石井隆ワールド全開のとってもハードボイルドなバイオレンスが楽しめる、ケレン味溢れるリベンジアクションです。
ヒロイン二人のクールな佇まい、そして何より根津甚八さんのむせかえるような悪の色気が恐ろしくか
>>続きを読む

T-34 レジェンド・オブ・ウォー(2018年製作の映画)

3.5

エンタメ感たっぷりの戦車戦が楽しめる、ミリタリーアクションの快作です。
スローを多用したケレン味溢れる砲弾の演出はこの映画に合っており、迫力満点です。
宿敵役の魅力も素晴らしいものがあります。

奇々怪々譚 醒めない悪夢の物語(2017年製作の映画)

3.0

日常に潜む恐怖を時にストレートに時にコメディちっくに描いた、バラエティ豊かなオムニバスホラーです。
意外と一捻りあるオチが多く、最後まで飽きずに楽しめました。

ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ(2021年製作の映画)

3.5

単純明快なMARVEL印のバディムービーです。
ヴェノム独特のバトルアクションは前作のテンションそのままで面白いです。
ただ、ストーリーが一本道であり深みが無く、1クールくらいあるドラマの第2話感が拭
>>続きを読む

世界の終わり(2015年製作の映画)

2.5

厄災によって生じる焦燥と混乱をスケッチ風に描いた、とってもオフビートな終末映画です。
スイスという国の本質を知っていればもうちょっと内容を理解できるのでしょうか、決してエンタメ要素たっぷりの大がかりな
>>続きを読む

ウィッチサマー(2019年製作の映画)

3.0

ひと夏のウィッチな体験を描いたジュブナイルホラーです。
お隣さんがなんか変という設定こそ良いのですが、突き抜けた恐さも特になく恐怖の正体もまるでわからないままなので少々モヤモヤが残ります。
終盤とラス
>>続きを読む

オレの獲物はビンラディン(2016年製作の映画)

3.5

伝記映画としてはあまりにも偏執的な、ヤバイ系実録コメディです。
とにかくずーっと喋りっぱなしのハイテンションなニコラス・ケイジが凄まじくも素晴らしく、これは借金返済期のベストアクトなのではないかと個人
>>続きを読む

ハロウィン KILLS(2021年製作の映画)

3.0

純粋なる殺戮を描いたスラッシャーホラーです。
完全に前作の直後日談となっており、三部作の中編であると認識しながら観るべき作品かと思います。
恐怖によって分断される人々が重要なテーマとなっており、パニッ
>>続きを読む

ハロウィン(2018年製作の映画)

3.5

伝説級スラッシャーホラーの、正に正調なる正統続編です。
ブギーマンの恐怖演出はオーソドックスながらもきっちり怖く、因縁バトルへの盛り上げ方も見応えアリです。

ハッピー・デス・デイ 2U(2019年製作の映画)

3.5

サイコ系SFホラーサスペンスからおバカ系SFドタバタコメディへと進化した、楽しい続編映画です。
先の読めない脚本は前作に引き続き見事です。
主人公の選択も収まるべき所へ収まった感があり、清々しいです。

クロール ー凶暴領域ー(2019年製作の映画)

3.0

限られた空間で展開されるサバイバル劇を親子の確執や葛藤と絡めて描いた、暴風度高めのパニックスリラーです。
あきらめない心と回復力が何より大事なんだとあらためて思い起こさせてくれる良作となっております。

THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

4.0

犯罪都市としてのゴッサムと探偵としてのバットマン、それらの湿度高めかつダークな画作りをたっぷりと堪能できる、めちゃめちゃエモいフィルム・ノワールです。
とにかく俯瞰で追うハードボイルドな雰囲気が恐ろし
>>続きを読む

ラスト・デイズ・オン・マーズ(2013年製作の映画)

3.0

限られた空間にて未知なる何かと戦う恐怖を描いた、SFスリラーの佳作です。
ありがちな設定ながらラストの締め方にはなかなか渋いものがあります。
今何がどうなってるのかわかりにくいのが難点です。

サイバー・ゴースト・セキュリティ(2018年製作の映画)

2.5

B級SFサイバーホラーの佳作です。
画面だけ見ていると皆なんだか楽しげで面白そうなのですが、とにかくいろんなギミックが登場するものの全てどこか薄ぼんやりした設定で、なぜかいまいち面白味も新鮮味も緊張感
>>続きを読む

THE POOL ザ・プール(2018年製作の映画)

2.5

イケメンに対する絶妙なイライラ感が楽しめる、タイ製ワンシチュエーションサバイバルスリラーです。
全然ラッキーではないラストは考えれば考えるほど腹が立ってくる仕様になっており、いい感じのエンディング曲と
>>続きを読む

ホラーマニアvs5人のシリアルキラー(2020年製作の映画)

3.0

殺人鬼達との一夜の攻防を描いた、とってもブラックなシリアルコメディです。
バカ映画にありがちのグダグダかつユルユルな展開が楽しいです。
音楽の使い方が80年代丸出しで、これまた楽しいです。

ハードコア(2015年製作の映画)

4.0

FPSゲーム(しかもハードモード)の世界を恐ろしいほどの臨場感で体感できる、超絶ハイテンションなSFアクションです。
わかりやすい画作りという概念を捨て去ったクレイジーかつバイオレンスな展開が、画面酔
>>続きを読む

モービウス(2022年製作の映画)

3.0

ある意味バットマンよりも闇夜が似合うかも知れないヒーローであるモービウス、その悲劇的な爆誕を描いた、シリアスかつダークなホラーアクションです。
ヒーロー映画が乱立する昨今、ここに来てここまで革新的な肉
>>続きを読む

牛首村(2022年製作の映画)

3.0

忌まわしき秘密とその恐怖を描いた、田舎系因習ホラーです。
前シリーズまでは構成がどこか散漫だった印象がありますが、本作は主人公が謎を追う形でまとまった作りになっており、わかりやすいです。
都市伝説とし
>>続きを読む

ヘルアトラクション 絶叫館(2017年製作の映画)

2.5

リアル拷問ショーの恐怖を描いた、とっても残酷なホステル風スラッシャーホラーです。
一本調子の絶叫描写が長々と続くので、体感75分以上のイライラアトラクションが楽しめます。