bakuraziさんの映画レビュー・感想・評価

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わたしは最悪。(2021年製作の映画)

2.5

とても巧妙に作られた映画だ。言い換えるなら、ものすごく「ずる賢い」映画である。

章立てとナレーションを使ってあえて客観的にまなざすことで、自分勝手な主人公に感情移入するよう観客に促している。
「ちょ
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不思議な世界・未来戦争の恐怖(1969年製作の映画)

5.0

正真正銘、私のオールタイムベストの一作だ。
この映画を初めて観た時は本当に救われた。何しろ、いい歳をした大人たち(演じているのは当時の名優ばかり)が、当事者的にはまともなつもりでトチ狂った労働に努めて
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ビバリウム(2019年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

冒頭で描かれるカッコーの「托卵」が本作のすべてを表している。逆に言うと、本作の内容はそれ以上でもそれ以下でもない。
物語の最初のほうで鳥のヒナの死体が映り、ジェマが教え子の女の子に「カッコーに落とされ
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屍人荘の殺人(2019年製作の映画)

2.0

このサイトの「あらすじ」欄で説明されている通りのミステリー映画だと思って観に行ったので、途中から「………そういう趣向か………」とテンションが下がってしまった。いちおう劇中で殺人事件は起きるが、トリック>>続きを読む

スター・トレック(2009年製作の映画)

3.0

パラレルワールドの概念を持ち出し、「このお話はみなさまご存知の『あの話』とは繋がっているけど別の話なんですよ!」と示唆されたところで、本作で初めて『スタートレック』フランチャイズに触れる者は「そもそも>>続きを読む

アタック・ザ・ブロック(2011年製作の映画)

5.0

タワーブロック(公営団地)を主な舞台としたSFパニック映画である。

少年たちが階段を駆け降りて各自の号室へ向かうくだりなどは、非常にスタイリッシュであるとともに、家庭環境をも含めた各自の生活感をさり
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私にもできる!イケてる女の10(以上)のこと(2013年製作の映画)

4.0

この映画の時代設定が1993年とされているのには重要な理由がある。なぜなら、この映画は女性の自己決定権をテーマにしたコメディ映画だからだ。

本作の主人公ブランディ(オーブリー・プラザ)はヒラリー・ク
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チキ・チキ・バン・バン(1968年製作の映画)

4.0

この映画は特にラストが素晴らしいです。

発明家のポッツは自動車を運転しながら「夢を持つことは大事だけれど現実も大事だ。発明品は実用的でなければいけない。地に足をつけて生きていかないと」といったような
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エンド・オブ・ザ・ワールド(2012年製作の映画)

2.0

途中までは絶望と日常が奇妙に同居した世界観が文句なしに面白かったのだが、主人公の二人が恋愛関係になってから映画は一気につまらなくなっていく。
恋愛は理性で割り切れないものだとはいえ、あの二人がなぜお互
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スーパーヒーロー ムービー!! -最’笑’超人列伝-(2008年製作の映画)

5.0

約5年ぶりの鑑賞。
内容的には相変わらずほぼ100点満点だったが、米国でDVDとして発売されているエクステンデッドバージョンのほうがより面白かったので、日本版DVD所有者としては悔しい。

調べてみた
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ゴッド・ブレス・アメリカ(2011年製作の映画)

3.0

アメリカ社会を風刺した作品としては秀逸で(特に劇中のテレビ映像はパロディとして完成度が高い)、台詞もギャグも演出も知的に光るものが多いのだが、ドラマ映画としてはどうしても不満というか不信感が残る。
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ムービー43(2013年製作の映画)

5.0

「この映画は豪華キャストがバカなことをやっているからこそ面白い。そこだけが唯一の見どころだ」というレビューが多いが、私はまったくもってそう思わない。

私がこの映画を観る前に顔と名前を一致させていた俳
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キング・オブ・コメディ(1983年製作の映画)

5.0

パプキンはクラブで下積み修行をしていない。ミス・ロングから助言を受けても下積み修行をしようとしない。
なぜなら、彼は優れたコメディアンになりたかったわけではなく、「スター」になりたかっただけだからだ。
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素晴らしき戦争(1969年製作の映画)

4.0

こういう作品を名作と称うのだろう。戦争を徹底的に寓話として描くことで、かえって戦争の虚しさが浮き彫りになっている。
老若男女、あらゆる立場や階層の人々の悲しみ、戸惑い、そして怒りを(ミュージカルという
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ライラにお手あげ(2008年製作の映画)

5.0

ファレリー兄弟とベン・スティラーのタッグ作といえば『メリーに首ったけ』だが(やはり傑作である)、本作はその5倍は面白いんじゃないだろうか。

『ふたりの男とひとりの女』のラストで描かれるような絶対的な
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ワンダとダイヤと優しい奴ら(1988年製作の映画)

3.0

本作が出来の佳い喜劇映画であることは衆目の一致するところだが、オットー(ケヴィン・クライン)というキャラクターに私はいまいちノれなかった。
コメディ映画に似つかわしくないことに、オットーは「ニクめなさ
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サンシャイン 歌声が響く街(2013年製作の映画)

2.0

『バーク アンド ヘア』のエンディングで流れていて印象的だった「I'm Gonna Be (500Miles)」が使用されているというのと、『奥さまは首相』でおなじみのジェーン・ホロックスが出演してい>>続きを読む

デストラップ・死の罠(1982年製作の映画)

4.0

本作が物語として破綻せずに成り立っているのは、シドニー(マイケル・ケイン)とアンダーソン(クリストファー・リーヴ)が男性カップルとして設定されているからだろう。
もしこの部分が男女のカップルだったり、
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シークレット・ロード(2014年製作の映画)

4.0

「奥さんがかわいそう」などと言っている人たちは、いったい何を観ていたのかと思う。

人間は他人に振り回され、他人を振り回す。一人ひとりが「生」の加害者でもあり、被害者でもある。
「これでよかったのだ」
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いまを生きる(1989年製作の映画)

5.0

『いまを生きる』の素晴らしいところは、ラストで「全員が立っているわけではない」ところというよりも、「『死せる詩人の会』のメンツ以外も立っている(が、全員が立っているわけではない)」ところだと思う。
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