ばっしぃさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

劇場版 おいしい給食 Final Battle(2020年製作の映画)

3.4

熱血でこだわりが強く、こんな先生がいたらかなりヤバイ。ドラマ版からの市原隼人の突き抜けた演技とナレーションは健在。神野くんとの給食の食べ方バトルで、視線を交わすのも面白い。
給食廃止に対して神野くんの
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人生の特等席(2012年製作の映画)

3.5

怒りっぽくて素直になれない頑固じじいで、年老いてきたが名スカウトとしての眼力がある。似たもの同士の父娘でお互いのこと思っているのにうまく伝えられずすれ違う。親子愛と野球愛に満ちた佳品。
スカウトは選手
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バカ昔ばなし(2011年製作の映画)

3.4

どことなく「日本昔ばなし」の体だが、絵もチープ、ストーリーもまさにバカ昔話。下ネタ小ネタがいっぱい盛り込まれ奇想天外なくだらなさの中に真理があったりするB級映画。
8個の金玉はメルヘン、桃太郎の部屋な
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体操しようよ(2018年製作の映画)

3.3

定年退職後行き場を失っていた男がマドンナに惹かれてラジオ体操を通じて新たな交流を図っていく。会社でも生真面目ゆえに不器用で出世はできなかったが、ラジオ体操のコミュニティでも一生懸命やりすぎてまわりの人>>続きを読む

ある夜、彼女は明け方を想う(2022年製作の映画)

3.3

このスピンオフはやや蛇足的な感じ。本編の細かいセリフの伏線から、観た人が想像していればいい話だ。彼女や彼女の旦那の視点まで提示してしまうと、かえって観る側は感情移入が難しくなり、本編の余韻を壊してしま>>続きを読む

明け方の若者たち(2021年製作の映画)

3.9

◯なかなか難しいシチュエーションだが、視野が狭く思いに対して直線的で、何事にも後悔したくない20代なら理解はできる。年上の彼女との関係性や距離感にもリアリティがあった。明け方エイリアンの曲に包まれなが>>続きを読む

真珠の耳飾りの少女(2003年製作の映画)

3.4

フェルメールの作品を扱うだけに、室内に差し込む光や色調、構図にこだわりが感じられる。とにかく絵画的に美しい作品。モデルの少女が誰なのかは実際はわかっておらず、そのストーリーを描いた創作が原作となってい>>続きを読む

EUREKA ユリイカ(2000年製作の映画)

3.9

6名の死者を出したバスジャック事件に偶然巻き込まれてしまい、心に深く傷を負った運転手と兄妹のロードムービー。負の感情はいつまでも心に残りリフレインし続け、救済を求めてバスの旅に出る。しかし負の感情は連>>続きを読む

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

1.5

評価が高いので期待して見始めたが、この手の映画だったので途中で見るのをやめた。

グラン・トリノ(2008年製作の映画)

4.4

昔からの生き方と価値観を頑なに守り、若い世代に迎合することができず、孤高に生きている。年老いた父を家族は厄介払いするような扱い。朝鮮戦争の経験から多くの後悔を背負い死生観を持ち、神父にも説教をする。>>続きを読む

バベル(2006年製作の映画)

3.3

モロッコでのアメリカ人女性狙撃事件を軸に、アメリカ、メキシコ、日本で同時進行的に事件と物語が進行していく。不幸は細いつながりで地域を超えて連鎖していく。この映画のベースにあるのは言葉や心の壁で通じ合え>>続きを読む

劇場版シグナル 長期未解決事件捜査班(2021年製作の映画)

3.2

TVドラマからそうだったが、時空を超えて通信し合い、それも時間制限があったりランダムにつながったりと不自由で不確定な制約の中で、二人の刑事が事件に向き合う姿勢で共感し協力して事件を解決していく。時に歴>>続きを読む

DAU. ナターシャ(2020年製作の映画)

1.2

極めて悪趣味で不快な映画。これはソ連という全てを支配する国家とその中で抑圧されて生きている人々の行き場のない感情のモヤモヤ感と不安ゆえなのか。制作者の意図的な不快の切り取りゆえなのか。
映画の制作過程
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ヤッターマン(2008年製作の映画)

2.0

アニメから拡張した世界観で映画化しているが、昔アニメを見ていた世代としては世界観を壊しているだけ。それぐらいストーリーも映像効果もちゃちかった。ドクロベエの声が昔のままだったのと深キョンのドロンジョだ>>続きを読む

音楽(2019年製作の映画)

3.8

背景の絵などは優しいけど、出てくるキャラクターは見た目がやばい。まったく音楽をやったことのない不良たちが初めて楽器に触れて音を出しただけで喧嘩に勝る快感を覚える。シュールさ、ナンセンスさ、アナーキーさ>>続きを読む

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.3

◯ろう者の家族の中でただ一人の聴者で、家族の中での関係も、まわりの人間とも特別な距離がある。そんな葛藤を抱えながらも夢と恋を大事にして巣立っていくまでの少女と家族の物語。
ろうの家族にその思いを届けよ
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UDON(2006年製作の映画)

3.5

地元に愛されたうどん屋さん。店の主人が亡くなって改めてその存在の大きさに気づく。うどん屋の親父と芸人を目指して家を飛び出した親子の物語。うどんを軸にしたとてもシンプルなストーリーだが、本広監督の郷土愛>>続きを読む

グッバイ、リチャード!(2018年製作の映画)

4.3

ガンの告知を受けたところに、妻の不倫、娘のレズを知らされ、開き直ってやりたい放題の大学教授リチャード。死を恐れ、そして死と向き合い、生を楽しむことの意味を知る。文学部の教授で講義で「白鯨」について学生>>続きを読む

博士と彼女のセオリー(2014年製作の映画)

3.6

身体が動かなくなっていく病気に向き合っていく夫婦の物語だが、映画では描ききれない苦しみがあっただろう。ただ夫の才能を信じ献身的に尽くす妻と妻のことも思いつつ支えられて研究を究めていく夫、もはや同志とも>>続きを読む

追憶の森(2015年製作の映画)

3.7

自殺しに来たアメリカ人が同じく自殺しに来たが家族のもとに帰りたがっている日本人と樹海で出会い、助け合いながら、もう一度自分の人生や生きることの意味を見つめ直していく物語。樹海に来るまでの振り返り方がう>>続きを読む

青春デンデケデケデケ(1992年製作の映画)

4.1

ロックに憧れる60年代の田舎の高校生、まだまだ子供だけど、友達とつるみながら音楽と性に惹かれて大人の世界に飛び出していこうとする。文化祭の盛り上がりから燃え尽き感が募るが、友情が前を向いて歩き出させる>>続きを読む

総理の夫(2021年製作の映画)

3.6

金持ちのボンボンで、お人好しで少しおどおどした夫役に田中圭、カッコいい女性初の総理大臣役に中谷美紀がぴったりはまっている。
政治ものではなく、女性の社会進出と新たな夫婦関係のあり方をテーマに、人間ドラ
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あのこは貴族(2021年製作の映画)

4.0

何不自由なく育ってきたが婚期を逃すまいと少し焦っている松濤のお嬢様の華子、富山から出てきて慶應に入ったが家庭の事情で中退した美紀、幼稚舎から慶應で生粋の名家に育つ幸一郎、三人の織りなすストーリー。それ>>続きを読む

さびしんぼう(1985年製作の映画)

2.9

馬鹿な高校生といってもとても文学的に描かれている。尾道の町は本当に絵になる。映画の色調がややセピアがかっていてノスタルジックさを醸し出している。高嶺の花に想いを馳せる高校生の淡い青春。富田靖子はやはり>>続きを読む

科捜研の女 -劇場版-(2021年製作の映画)

3.2

近年のギャグ強めの傾向はなく、王道のミステリーで仕上がっている。ちょっとしたカット割りや風景の映像などテレビ版では見られない映画ならではのカットもあり、ファンとしては嬉しい。また、過去のレギュラー総動>>続きを読む

アフタースクール(2008年製作の映画)

3.9

◯内田けんじの脚本には、いつも小気味よい大どんでん返しが用意されていて、本当に面白い。裏スジとしてもきっちり組み立てられていて、様々に張られた伏線も気持ちよく回収していく。中学の同級生の関係性からのド>>続きを読む

彼女は夢で踊る(2019年製作の映画)

3.7

今は閉館したストリップ劇場の物語。人の思いの宿るところに日本の原風景がある。単なるエロスではない、妖艶さに包まれた芸術、踊り子は夢をふりまき、見るものはそれぞれの夢を見る。ステージに向かう壁に残された>>続きを読む

運命じゃない人(2004年製作の映画)

3.9

なかなか凝ったシナリオ。でも適度な複雑さにとどめたことにより、とてもわかりやすかった。同じシーンをそれぞれの登場人物から描いた断片のストーリーとして行ったり来たりしながら見せることで、観客に事実が解き>>続きを読む

劇場版 殺意の道程(2021年製作の映画)

3.7

父親が下請けを切られて自殺に追い込まれ、復讐のために完全犯罪を目論む話なのに、とんでもなくとてものんきで平和なお話。
プロジェクト名に悩んで「苺フェア」って名付けだり、殺人に詳しいキャバ嬢に凶器や殺し
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毎日かあさん(2011年製作の映画)

3.3

ダメ旦那に馬鹿な子供たち、口うるさい姑に、イライラしっぱなしのお母さん。酒に溺れて当たり散らす、あんなクズな人間だが、戦場が精神を崩壊させてしまったのだろうか。それでも、みんな家族愛が深い。そんな家族>>続きを読む

夜の大捜査線(1967年製作の映画)

3.8

差別の激しい南部の町で、都会から来たクールな黒人刑事と人間臭い田舎の署長が一緒に捜査していく物語。洗練された都会の捜査と勘に頼った田舎の捜査、黒人を見下している署長が逆に見下ろされている。だが、やがて>>続きを読む

イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密(2014年製作の映画)

3.5

戦争と暗号解読と数学者、世の中の人が知らないところで世界は動き歴史は作られていくのだ。エニグマ暗号を解読し終戦を早めた功績は彼の死後に讃えられる。真の英雄とはそんなものかもしれない。コンピュータの始祖>>続きを読む

でーれーガールズ(2015年製作の映画)

3.5

山口百恵が好きで、恋愛を夢見る80年代の女子高生のパート、同窓会で30年ぶりに再会し昔を懐かしむパートを行ったり来たりしながら、女の子同士の友情と淡く切ない青春を描いている。漫画に描いた空想の彼氏と病>>続きを読む

ヒトラーの贋札(2007年製作の映画)

3.7

戦時下、ドイツの収容所で死と隣り合わせの中で軍の贋札作りを強制される。目の前で仲間が殺されていき人間としての尊厳も奪われ、ギリギリのところで生かされている。仲間をかばい生き延びるために贋札を作り続ける>>続きを読む

83歳のやさしいスパイ(2020年製作の映画)

3.6

老人ホームへの潜入捜査のバイトをおじいちゃんをドキュメンタリー仕立てで描くという斬新な設定。主人公のおじいちゃんがとても実直な感じで、ノリノリで調査をしているうちに、みんなの人気者になりキングの称号を>>続きを読む

ゆれる(2006年製作の映画)

3.9

田舎に残って実家を継いだ兄貴と東京に出て自分のやりたい道を歩む弟。二人の間で幼馴染みの女性が微妙に作用し、兄弟にしかわからない関係性に微妙な揺らぎが生じ亀裂を生む。女性の死を巡るサスペンスの中に兄弟の>>続きを読む