本当に二人しか出てこない密室劇だが、ジュード・ロウの魅力とマイケル・ケインの演技がなかなか素晴らしい。
ダニー・ボイルのハリウッド進出作品だが、結局のところ、イギリス映画と何ら変わりない。
だいぶ前に観たからあまり覚えてないが、ウケ狙い過ぎ、というかなんというか。つまんなかった。
イタリアの肝っ玉母さんことアンナ・マニャーニが、ひたすら喚き立てる親バカステージママになる、という意味ではコメディかも知れない。
だが、流石はヴィスコンティ。やたらフレーミングが巧い!パンも巧い!知>>続きを読む
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「ミシェル...」と叫びながら群衆の中に消えてゆく幼い彼女が、後に「ニュー・シネマ・パラダイス」の完全版で、すっかり中年になったヒロインを演じていることは、あまり知られていない。
言わずと知れた、デ・シーカによるネオレアリスモの名画。
ひたすら自転車探すだけの噺だが、とにかく悲惨すぎて悲惨すぎて、もはや笑えてしまう。あのテーマ曲とかもう、バッハの「トッカータとフーガ」並に悲劇>>続きを読む
ガス・ヴァン・サントがタル・ベーラに感化されて作った映画。マット・デイモンとケイシー・アフレック主演。
面白くはないし、タル・ベーラとは全く違うが、アルヴォ・ペルトの「鏡の中の鏡」ありきの映画として>>続きを読む
明日の昼過ぎまでにデンバーからシスコに着くか、という賭けをした車の運び屋が、スピード違反して警察から追い回される、というだけの噺。タランティーノの「デス・プルーフ」の元ネタになった映画の一つ。
いか>>続きを読む
あえて採点はしませんが、元気をもらいました。
渋谷正一さん、ありがとうございます。
ほとんど覚えてないけど、確か、小6の時に友達の家で観させられた。
CGがなかなかにシュールで不気味。気持ち悪さや意味不明さでいえば、ちょっと似た雰囲気の「パンズ・ラビリンス」より上か。
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無口だと尚更怖いリヴ・ウルマンが出てくる、ベルイマン映画。
女優であるが故の自己の喪失や母性の欠落に苦しむウルマンに接する看護婦のアンデショーン。やがて、実は癒されているのが看護婦の方だということが>>続きを読む
アピチャッポン大好き病院が舞台の映画。
田舎の病院と都会の病院。それぞれにおける人間模様を映しているのかと思いきや。
ここまで観ていて楽しい反復もなかなかない。映画撮影における切り返しと美術の関係>>続きを読む
どこまででも見ていられる仲睦まじい二人が、兵士と虎に変容した瞬間、なんと、この映画までもが変容する、という、とんでもない映画だ。
清涼剤の如き前半、情念と欲望の後半。 まるで二つの違う映画を観せられ>>続きを読む
とにかく、これほどまでにダラダラダラダラした映画を、観たことがない。
やたら医者が出てくるのがこの人の映画だが、診察の場面のやたら詳細なこと。そして、同僚に対してフランクなこと。さすが、微笑みの国・>>続きを読む
ジャ・ジャンクーによるこれは、ドキュメンタリーか、フィクションか。
「ポルトガル、ここに誕生す」にあったビクトル・エリセの短編は、本作の影響下にあるのかもしれない。
ユー・リクウァイはデジタルの使い>>続きを読む
映画っていうよりPVみたい。
ロボットのメカデザインが曲線的で、あまりゴツゴツしていない。
さり気なくオデッサの階段パロディ。
ここまで来ると正直しんどいが、それでもやはり美しいとは思う。
冒頭でキリスト教の信仰を描いておきながら、実際はむしろ、キリスト教とは真逆ともいえる、古代ギリシャ哲学で議論されたような、もっと根源的な>>続きを読む
実は小1の頃に何本か観ていたのだが、あまり記憶になく、それっきり観る機会を逃してきた黒澤明の映画。故に恥ずかしながら、語ることができずにいたので、改めて観ることにした。
クライマックスの合戦場面、マ>>続きを読む
日本におけるミュージカル映画の先駆けのひとつともいえるが、殿様の家来たちを素手だけでやっつける強すぎる片岡千恵蔵とか、とんでもなく悪質なのに誰からも責められない骨董屋とか、志村喬とか、今観てもなかなか>>続きを読む
内容ほとんど覚えてないけど、まだ幼稚園?小学校?の頃にBSで観たのは、たぶん、この映画です。
北京にある10分の1スケールで世界の建造物を再現したテーマパークが舞台、っていう設定だけで「世界」を語った気になっているが、実際のところ、何も起きない映画。携帯出す度に突然、アニメになる感じとか、面白>>続きを読む
身長190cmあるウサギ・ハーヴェイが見えるジェームズ・スチュワートの噺。
一見、古き良き50年代ハリウッドのコメディ映画のようだが、登場人物全員何言ってんのかよくわからないし、ジェームズ・スチュワ>>続きを読む
ハンガリーにおけるユダヤ人虐殺を告発した、コスタ=ガヴラスの衝撃作。
実はナチス以上にハンガリーにおけるホロコーストが残虐だった、ということは、あまり知られていない。
父の無実を訴えて動くジェシカ>>続きを読む
ファウストとオペラ座の怪人を足して2で割ったストーリーにバードマンみたいな仮面被った主人公出して70sロックンロールしまくった結果生み出された、THE「カルト映画」。
ハッキリいって噺自体はつまんな>>続きを読む
まあ、つまらなくはなかったが、ここ10年20年の間で、いかに1カットあたりの時間が短くなったか、思い知らされた。
いまどきのハリウッド映画らしいパキッとした画や手持ち風のキャメラワークもいらない。>>続きを読む
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教会への祈りや救済などの描写が多いのは、脚本にパゾリーニがいるからか?
それはともかく、何の色気もないジュリエッタ・マシーナを娼婦役にするあたり、フェリーニは意地悪だ。しかし、幸薄く頭の弱い女、とい>>続きを読む
映画館で観てなんぼの映画。要するに、アトラクション。映画館で観てよかったとは思うが、家で小さなスマホ画面とかでわざわざ観る必要はない。
ストーリー自体はかなりシンプルで、もはや寓話のようだが、視覚効>>続きを読む
「道」の次にフェリーニが作ったけど、イマイチ受けなかった一作。
そらそうだろ、ってくらい、暗い。
戦後10年経ったイタリアはまだまだ貧富の差も激しく、詐欺師稼業で食ってゆく人も結構いたのだろう。>>続きを読む
ひたすらにやるせない。これこそ、ヴェンダースの真骨頂ではないか?
ナスキンは可愛いし、ペーター・ケルンはバナナマン。
「ゴッドファーザー」と「地獄の黙示録」の陰に隠れた、コッポラの傑作。
もうただひたすらに音を追求し、それ故に自らを追い詰めてゆく盗聴家の主人公。
最後に手放せないのも、やはり音だった、っていう、何と>>続きを読む
割れるガラス、馬の生首、祖母のスカート、ウナギ、小人、鳴り響く太鼓。
ドイツの童話は色彩に溢れている。しかし、時に血なまぐさく、陰気で、グロテスクである。
本作は、まさにドイツの童話そのものであるか>>続きを読む
バーナード・ハーマン最後の映画音楽は、かくも洒落たサックスが響くジャズだった。
丸刈りになるデ・二ーロは云う。
腐敗し、臭く、汚れ切ったこんなアメリカに誰がしたのかわからないが、だったら俺が変えてや>>続きを読む